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"pig" は英語で "pork" はフランス語?知らずに使っているフランス語由来の英語まとめ

"pig" は英語で "pork" はフランス語?知らずに使っているフランス語由来の英語まとめ

日本語に多くの中国語由来の言葉があるように、英語にはフランス語を語源とする言葉がたくさん含まれていることを知っていましたか?

ラテン語由来の言葉が多いことは有名ですが、フランス語由来の言葉も同じくらいの数あります。中には、ラテン語の言葉がフランス語を経由して入ってきたというものも。

また、フランス語が由来で英語に変わっていったものに加えて、英語の会話でフランス語の表現がそのまま使われている例も少なくありません。

英語のネイティブスピーカーは一切勉強したことがなくても、すでに15,000に及ぶフランス語の単語を知っていると言われているほどです。

本記事では、フランス語が英語に多く見られるようになった歴史的背景と、私たちに身近な英語の中のフランス語をご紹介していきます。みなさんもぜひ使ってみてくださいね!
 

フランス語と英語の歴史

なぜ、これほどまでにフランス語は英語の中に入り込んでいるのでしょう?

きっかけは、1066年の「ノルマン征服(Norman Conquest)」です。

イギリスがノルマン軍によって征服されたことから、ノルマン人の言語であったフランス語が英語の世界にたくさんもたらされるようになったのです。

「支配する者」としてやって来た彼らの言葉が、特に政治・法律、芸術、美食などの分野に多く見られるということにも納得ですね。

例えば、動物の「豚」は英語で “pig” と言いますが、「豚肉」は “pork” です。同様に「牛」は “cow” で「牛肉」は “beef”、「羊」であれば “sheep”“mutton”

「動物の名前」は元から英語ですが、上記の「食肉の名前」はどれもフランス語から来ています。動物の名前は、狩猟を生業としていたイギリスの平民の言葉(英語)で、肉の名前はそれを食する上流階級の言葉(フランス語)であるというわけです。

このように、英語に入り込んでいるけれど実はフランス語から来ていた、という言葉をもっと見ていきましょう。
 

フランス語由来の英単語

art

アートの世界には、たくさんのフランス語由来の言葉を見つけることが出来ます。そもそも “art” 自体がフランス語です。

"portrait"(肖像画)、"gallery"(ギャラリー)、"pallet"(パレット)に "brush"(ブラシ・絵筆)、"canvas"(キャンバス)、"motif"(モチーフ)など、どれも身近な言葉ばかりです。

日本でも人気のある画家アンリ・マティスを代表とする絵画スタイルは “Fauvism”(フォービズム) と呼ばれていますが、“fauve” はフランス語で「野獣」を意味します。日本語でも「野獣派」と呼ばれます。

他にも近代の代表的なアートスタイル “Surrealism”(シュールレアリズム)、“Cubism”(キュービズム)、“Art Nouveau”(アールヌーボー)、“Art Deco”(アールデコ) などは、どれもフランス語の表現です。
 

menu

食の分野にもフランス語由来の言葉がたくさんあります。

“menu”(メニュー) に載っている “aperitif”(食前酒)、“hors d'œuvre”(オードヴル)、“entrée”(前菜、アメリカではメインディッシュの意) に “dessert”(デザート)。

"restaurant"(レストラン)自体が “restore”(回復する)から来ているフランス語。“chef”(シェフ)が作る美味しい食事で活力と気力を取り戻す場所ということですね。

さて、今夜の “dinner”(夕食) は “Japanese cuisine”(和食) ですか?それとも趣向を変えて “Thai cuisine”(タイ料理)でしょうか?

「○○料理」というとき、「料理」を意味するフランス語を使って英語でも “○○ cuisine” と言ったりします。
 

café

私たちの生活に、もはや欠かせない存在の「カフェ」はフランス語で「コーヒー」のこと。人気メニューのカフェオレは “café au lait” と書き、「牛乳入りコーヒー」の意味です。

他にもエスプレッソを入れる小さなカップを “demitasse”(デミタスカップ)と言いますが、これもまたフランス語で “demi”(半分) の “tasse”(カップ)から来ています。実際、デミタスカップの容量は通常のカップの約半分となっています。

なお、エスプレッソは “pressed”(詰め込んだ)を意味するイタリア語です。エスプレッソを入れるときは専用器具にコーヒー粉を押し詰めて入れますね。
 

voyage

"voyage" は何ヶ月もかかるような船旅や探検など、ちょっと大掛かりな「旅」を指すフランス語由来の単語。

“travel”(旅行)、“captain”(船長)、“adventure”(冒険)、“virgin voyage”(処女航海)の “virgin” など、これらも全てフランス語から来ています。

“Bon voyage” という言葉も聞いたことありませんか? 「良い旅を」という挨拶です。フランス語の表現ですが、そのまま英語の会話でも使われます。

今度、友人が旅行に行くというときは、“Have a nice trip” という代わりに “Bon voyage!” と声を掛けてみてはいかがでしょう?
 

chance

私たちがよく知っている言葉「チャンス」です。発音はフランス語のままではなく英語風に変わっています。

チャンスに関連して「幸運」を意味する “fortune” や、“pleasure”(喜び)、“joy”(歓喜)、そして究極の “destination”(行き先)である “paradise”(天国)、すべてフランス語から来ている言葉です。
 

フランス語のままの表現

英語の中に入り込んでいる「実はフランス語由来」の言葉をご紹介してきましたが、英語の中でフランス語の形そのままに使われている表現もいくつかご紹介します。

en route

“on the way”(途中で)という意味です。

【使用例】
We are planning to spend a week in Paris en route to Berlin.
「ベルリンに行く途中、パリで一週間過ごす計画です」

“route” もそのまま「ルート」の意味で英語で使われていますね。
 

ancien régime

英語にすると “old regime”(旧体制)です。

【使用例】
The ancien regime is still alive in a different form in the 21st century.
「21世紀になっても、旧体制は形を変えて存在しています」

日本語でもカタカナで「アンシャン・レジーム」と言うことがあります。

1789年のフランス革命以前の古い体制のことを指して使われていた言葉ですが、それに限らず、現代にも残る「古いしきたり」「時代錯誤な制度」などを表す言葉としても使われています。
 

noblesse oblige

こちらも日本語でも「ノブレス・オブリージュ」という言葉を聞いたことありませんか?

直訳すると「高貴なる者(nobility)の責任(obliges)」、つまり「身分の高い人は、相応の社会責任と義務も負う」という意味です。

【使用例】
I understand it's a noblesse oblige, not whether I like it or not.
「それは、私の意向に関わるものではなく、身分に伴う責任だと理解しています」

イギリスの王子がボランティア活動に参加したり、アメリカの事業家が社会に利益を還元したりしている例が思い起こされます。
 

bureau de change

旅行に行ったら誰もがお世話になる「外貨両替所」

【使用例】
Where is the nearest bureau de change?
「一番近い両替所はどこですか?」

アメリカでは “currency exchange”“money exchange” と呼ばれることが多いですが、イギリスやイギリス英語圏の国では、両替所はこのようにフランス語表記されているところが多いのです。
 

faux fur

コートや洋服のあしらいに「フェイクファー」が使われることがあります。

【使用例】
I have a jacket with faux fur trim on the collar.
「襟にフェイクファーの飾りが付いたジャケットを持っています」

フェイクファーは、英語ではしばしば “faux fur” と呼ばれます。“faux” とは「偽の」「人工の」という意味。英語のファッション誌やカタログなどでよく見かける単語です。

他にも “faux diamond”(人工ダイヤ)や “faux pearl”(イミテーションパール)といった使い方もあります。そして “diamond” “pearl” もまたフランス語から来ているのです。
 

まとめ

いかがでしたか?

改めて考えてみると、英語の中のフランス語は、数え切れないほどたくさんあることが分かります。知らないうちに使っていた「英語の中のフランス語」もあったのではないでしょうか?

ところで、ご存知の通り英語では通常形容詞の後ろに名詞が来ます。“beautiful sky(美しい空)” といった具合です。

しかし、ときに “note verbal”(口上書)、 “Secretary General”(国連などの事務総長)など、フランス語風に「名詞+形容詞」の順番になっている表現も見られます。

こんなところにも、フランス語の影響が残っています。歴史的背景がいろいろあって、今の英語の形になっていったのですね。