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本場イギリスと遜色ない!意外と知られていないアフリカの英語圏の国について

本場イギリスと遜色ない!意外と知られていないアフリカの英語圏の国について

「アフリカの言語」といったら、どんなものが思い浮かびますか?

一国の中でも地域ごとに固有言語を持つところが多く、例えば、筆者の住む東アフリカ・タンザニアには120超の民族と、120超の言語があるといわれています。

各言語の違いは「方言」程度では収まらず、全く別言語であることは、ちょっと聞けば分かるほどです。

タンザニアの場合、それらをまとめる「共通語」として機能しているのがスワヒリ語で、さらに「公用語」として英語があります。

実は、アフリカには英語を公用語とする国が多く、その数54カ国中22にも上り(*1)、広大な英語圏を形成しています。

今回は、あまり知られていない「アフリカの英語圏の国」についてご紹介しましょう。

(*1) Wikipedia: 英語圏

なぜアフリカに英語圏が存在するのか?

なぜアフリカに英語圏が存在するのか

多くのアフリカの国で英語が公用語として使われていることについて、「なぜ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

19世紀末からアフリカ大陸は、ヨーロッパの7カ国(イギリス、フランス、ドイツ、ポルトガル、ベルギー、イタリア、スペイン)によって軒並み分割・植民地化されたことは多くの方がご存知の通りです。

その際、最も多くの領土を獲得したのが、イギリスとフランスでした。今でもアフリカの国々で英語やフランス語が広く話されているのはそのためです。

そのように出現した「英語圏アフリカ」ですが、多くの国が独立から半世紀を経た現在でも「イギリス連邦」(Commonwealth of Nations)を形成して、旧宗主国・イギリスとの穏やかな繋がりを保っています。

「イギリス連邦」とはエリザベス女王を長として、かつてイギリスの植民地だった国々から成る組織で、アフリカ地域だけでなくカナダ・中米・アジア・オセアニアに散らばる旧大英帝国植民地の国々が加盟しています。

加盟53カ国によって4年ごとに開かれる "Commonwealth Games" というオリンピックのような一大イベントでも知られており、次回の "Commonwealth Games" は、2018年にオーストラリア・ゴールドコーストで開催の予定となっています。

アフリカの英語

アフリカの英語

このような歴史的経緯もあってアフリカの英語圏の国々には今でもイギリス文化の影響が強く残るため、使われている英語は当然「イギリス英語」です。

日付の書き方や、建物の階層の数え方などの習慣もイギリス式になっています。

アフリカ人は、自身が属する民族語の他に、言語が異なる国民同士を繋げる共通語、公用語である英語など、いくつもの言語を話す “bilingual”(バイリンガル)ないし “multilingual”(多言語話者)な人が多いですが、学校教育は基本的に英語で行われています。

そのように、小さなときから英語に触れていることに加え、海外で高等教育を受けた人も珍しくなく、一般に英語のレベルは高いといえるでしょう。

具体的な例を挙げれば、語彙の豊富さや格調高い文章を読み書きする技量、表現力などにおいて、残念ながら日本人はまだまだ遠く及ばないというのが実感です。

アフリカはいくつもの国と地続きになっているため、国境をまたいだ人やモノの行き来が活発です。そのため、英語が暮らしに直結して重要視されるのは当然といえるでしょう。

英語が出来ればチャンスも広がるとあって、親たちは子供の英語教育にも熱心です。

アフリカの英語は聞き取りやすい

アフリカの英語は聞き取りやすい

ところで、"R" の発音やイントネーションなどが独特なインド英語に代表されるように、アメリカやイギリス以外で話される英語はアクセントが強く、聞き取りに苦労するといったイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

もちろん、「ジャパニーズイングリッシュ」を持ち出すまでもなく、その土地の言語アクセントが英語の発音に影響して来るのは当然ですが、少なくとも筆者の住むタンザニアが位置する東部アフリカや南部アフリカ地域で話されている英語には、聞き取りに困るような特徴的発音はこれといってなく、聞き取りやすい英語といえます。

また、南アフリカ共和国やジンバブウェなど南部アフリカ地域の国々では、本場イギリスと区別が付かないようなイギリス英語を耳にすることも出来ます。

「国語」がスワヒリ語であるタンザニアでも、スワヒリ語交じりの中途半端な英語(ピジンイングリッシュ)を耳にすることはありません。英語は公用語なだけに、フォーマルで硬い言葉や表現も日常的に使われます。つまり、「シンプルイングリッシュ」ではないということです。

ちなみに、「ピジンイングリッシュ」(Pidgin English)とは、現地語に強い影響を受けたブロークンな英語のことで、“Long time no see”(久しぶり)というフレーズはその代表例。「ピジン」は “business” の中国語訛りの音から来ているといわれています。

“Long time no see” というフレーズは広く使われていますが、元々は中国語の「好久不見」を英語風にしたものなどと言われています。確かに、英語の文法とは異なる表現ですよね。英語らしい表現をとるなら “It’s been a long time” などと言います。

南アフリカ共和国の英語

ここまでアフリカに英語圏がある理由と、東部および南部アフリカの英語についてご紹介してきましたが、ここでは英語圏である南アフリカ共和国の英語に注目し、実際に聞いてみましょう。

こちらは世界最高の起業家と名高いイーロン・マスク氏と、TEDの代表者クリス・アンダーソン氏の対談の映像。南アフリカ共和国出身のマスク氏はスペースXやテスラ・モーターズのCEOです。

南アフリカ共和国は英語圏の国ですから、マスク氏が話す英語の単語や文法レベルはもちろんアメリカ人やイギリス人となんら遜色ありません。

今となってはカナダとアメリカの国籍も取得しているマスク氏ですが、生まれも育ちも南アフリカ共和国。彼の母国である南アフリカの英語が、世界の第一線で通用することを証明しています。

また、下の動画は元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏と同様にノーベル平和賞を受賞した、南アフリカの人権活動家・ツツ大司教(Desmond Mpilo Tutu)のスピーチ。

アメリカ英語やイギリス英語を聞き慣れていると、ニュージーランドやオーストラリアの英語が訛って聞こえるのと同様に、南アフリカも地域によって独特のアクセントがあります。使っている英語の表現力はさすがノーベル賞受賞者といったところでしょうか。

英語は世界の共通語であり、地球上には英語圏の国と地域がいくつも存在します。西洋の国だけが英語ネイティブだと思っていたらもったいないですよ!

まとめ

まとめ

日本から遠く離れたアフリカ、ゆえに直接的な関わりも少ないアフリカ。

日本にいると情報量が圧倒的に少ないために、時代遅れでステレオタイプなイメージが浸透してしまっていますが、広い世界に目を向けようとする人なら、今後、多かれ少なかれアフリカの存在を無視することは出来ないでしょう。

そんな中、アフリカには英語を公用語とする国が多く、広大な英語圏が存在すると知れば、少し身近に感じられるようになるかもしれません。遠く思えたアフリカの人々とも英語を通じて繋がっているのですから。

DMM英会話【プラスネイティブプラン】では、今回ご紹介したアフリカ英語圏の一国である南アフリカを含む、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドの計7ヶ国の「英語を第一言語とする国」の講師によるレッスンを受けることが可能です。

プラスネイティブプランの有効活用法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
【プラスネイティブプランの威力】ネイティブ講師を使い倒せ!

みなさんもぜひ、ネイティブ英語のレッスンにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?