DMM英会話ブログ編集部
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日本語では仲が悪い2人のことを「犬猿の仲」と表現しますが、英語で "They are like dogs and monkeys." と言っても相手には伝わりません。
正しくは "They are like cats and dogs." で、猿ではなく猫。同じ意味でも、日本語と英語で動物が異なることはよくあります。今回は、このような動物の性質や、特徴に基づく慣用表現をまとめてみました。動物の名前を使ったイディオムから、英語話者の「動物観」を見ていきましょう。
「チキン野郎」は、もはや日本語化していますよね。
勝敗に「犬」を用いるのはドッグレースの影響によるものでしょうか。
日本語の「負け犬」と同じ表現です。
こちらも日本語でそのまま用います。
蝶々が花から花へと渡る様がイメージできますね。
ちなみに、「早起きは三文の得」と同じ意味で ”The early bird catches the worm.” (早起きの鳥は虫を捕まえる)という諺もあります。
owl=フクロウは夜行性なのでこう表現します。
蛇に対する邪悪な印象が感じられますね。
「お金持ち=肥え太った」というイメージと、悠々と暮らす猫の様子にぴったりな表現です。
日本語でいう「猿まね」でしょうか。
黒い羊=群れの中で一匹だけ違う色という意味です。
日本語だと「ねずみ小僧」に近いかもしれません。
巣作りに精を出すビーバーには、働き者のイメージがついています。
hog=豚です。豚にはあまり良くない印象を持っているようです。
畜産において、牛がお金を生む様子を反映しているのかもしれません。
猿には「(ずる)賢い」イメージがありますよね。
ちょこまかとせわしないネズミの雰囲気が表されています。
"When I don’t wear my glasses, I am as blind as bat."
( もし眼鏡を掛けていなければ、ほとんど見えません。)
こうもりは視力が退化しており、代わりに超音波を利用して餌をとったりします。その特徴を直接的に表現していますね。
"When John meets new people, he is often as quiet as a mouse."
(ジョンは新しい人と会うと、しばしば内向的になってしまいます。)
前述した "rat race" とは対照的な表現。 "rat" と "mouse" のイメージは明確に分かれているようです。
"Mary was sick as a dog and had to miss work twice this week."
(マリーはひどい病気になり、今週二回も仕事を休まなくてはなりませんでした。)
犬に病弱なイメージはあまり感じられませんが、このように言い表します。
"She strutted about in her new outfit, proud as a peacock."
(彼女は得意そうに新しい服を着て歩き回った。)
派手なクジャクが誇らしげにしている様子を表現しています。
"By the weekend I'll be as free as a bird."
(週末まで暇だよ。)
鳥に自由なイメージを感じるのはやはり人類共通なんですね。
"Jane's as happy as a clam."
(ジェーンはとても幸せで満足している。)
貝のように閉じてしまえば何ごともなく平穏だということでしょうか。
"He is as stubborn as a mule."
(彼は頑固でしようがない)
ラバというのは、ロバと馬との雑種です。人間の思うように動いてくれないラバの様子が転じてこう言い表すようになりました。
"He looks as strong as a horse, but he is actually quite sickly."
(彼はとても丈夫そうに見えるが、実はかなり病気がちだ。)
馬のたくましいイメージにぴったりな表現です。
"He's as strong as an ox."
(彼はとても頑健だ。)
馬のたくましさと、雄牛のたくましさを、個人的な感覚で使い分けても良さそうです。
牛を表す英語はたくさんあるので、間違えないようにしましょう。
- cattle:人間に飼われている牛の総称(畜牛のこと)
- cow:メス牛、乳牛
- bull:去勢していないオス牛
- calf:子牛
- ox:去勢したオス牛、睾切牛
"He was as busy as a bee from morning to evening. "
(彼は朝から晩まで大忙しだった。)
働き蜂という日本語に近い表現ですね。
"He's drunk as a skunk."
(彼は泥酔しています。)
スカンクに酔っぱらいのイメージがあるのでしょうか。
"I don't like him because he is sly as a fox."
(彼はとてもずる賢いので私は嫌いだ。)
"crazy like fox" 、 "as cunning as a fox" も同じ意味です。
キツネが人をだます昔話は日本でもよくありますよね。
"He is a bull-headed old man."
(彼はがんこな老人だ。)
牛の、のんびり、のっそりした様子が、融通の利かないイメージとなったのかもしれません。
"He made a catty remark."
(彼は意地の悪い発言をした。)
猫の狡猾なイメージは、形容詞にもなっています。
"He is well-known as a henpecked husband."
(彼は恐妻家で知られる)
男性にとっては、ニワトリにつつかれるような気分なのかも。
"The parade moved at a snail's pace down the street. "
(パレードは街中をとてもゆっくりと進んでいった。)
カタツムリの「のろさ」は、人類共通の認識なのですね。
"I'm gonna love her till the cows come home."
(私はずっと彼女を大事にするつもりだ。)
乳を搾る時刻になって牛がのろのろと牛舎に帰ってくる様子が表現されています。
"Recently, my youngest brother works like a dog."
(最近、私の弟は一生懸命働いている)
ビートルズの「A Hard Day's Night」という曲にも出てくる表現です。
"If you pig out every day, you're sure to gain too much weight."
(毎日大食していると、必ず太るよ。)
日本語でもよく「豚のように食う」とは言いますね。
"Don't hog the blanket."
(毛布を独り占めしないで。)
ここまで嫌な意味の表現に使うなんて、豚に何か恨みでもあるのでしょうか…
日本語にも「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざに近い表現です。
「獲らぬ狸の皮算用」によく似た言い回しです。ウサギ肉料理をつくるには、まず、材料のウサギを手に入れなくてならないですよね。
こちらも「捕らぬ狸の皮算用」の意味です。
日本のことわざの「虎の威を借る狐」にあたります。
同様に、日本のことわざの「泥棒をとらえて縄をなう」にあたります。
やはり狼のごちそうは羊なんですね。「猫に鰹節」に近い表現です。
スケールはアップしていますが、「海老で鯛を釣る」の意味です。
英語にも動物を使った表現がたくさんあります。面白いのは、表現によって動物が異なったり、また共通していたりするところ。イメージを如実に表していて大変興味深いですね。
日本語ベースで慣用句を使うと、全く意味が伝わらないので注意が必要です。文化や背景、感覚に寄り添った英語表現を覚えましょう!