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これでもう英単語暗記のストレスとサヨナラ!?話題の英単語暗記アプリmikanの開発者・宇佐美峻インタビュー

これでもう英単語暗記のストレスとサヨナラ!?話題の英単語暗記アプリmikanの開発者・宇佐美峻インタビュー

英語キュレーター・セレン インタビュー連載第1回

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英単語アプリ「mikan」開発者 宇佐美さんへインタビュー

英語学習のアプリはマーケットに星の数ほど溢れています。
日を増すごとに増えていくマーケットの中で今ひときわ注目されている
アプリ、

それが、mikan です。

mikanアプリ1mikanアプリ2

サクサクと心地よい動作で小気味のよい英単語暗記ができる
と評判のアプリ mikanの開発者、そして代表である宇佐美峻さんに
英語キュレーター・セレンがインタビューをさせていただきました。

製作秘話から宇佐美さんご自身の英語にまつわるお話まで
根掘り葉掘り、伺ってまいりました。

赤点、スタンフォード、英語合宿全国行脚「mikan」開発秘話

mikan_宇佐美

セレン:
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
いきなりテーブルにミカンが(笑)

宇佐美:
DMM英会話の方がプレゼントしてくださいました(笑)

セレン:
オレンジのTシャツで、みかんを食べながら
オレンジジュースを飲んでいると触れずにはいられないんですが、
ミカン好きなんですか(笑)?

宇佐美:
いや別に好きっていうわけじゃないです(笑)
アプリの名前はなんか日本らしくて語呂のよいものっていうイメージで
選んだんです。

セレン:
あ、そうなんですね(笑)
では、さっそくなんですが、宇佐美さんご自身の英語体験についてお伺いできますか?

宇佐美:
最初の英語の体験は、小学校の低学年の時に近所の英語スクールに行ってたんです。
簡単な歌を歌ったりするだけのものだったんですが、その頃から英語に対する
抵抗感はなかったように思います。

毎週の習い事の一つ、という感じでした。

そこで英語が伸びたかって言うとそういうことは全くなくて
発音とかをやっていたので、他の子とは少し違うことをやっている、
そのくらいの意識でした。

セレン:
中学校などから教科として英語が始まるわけですが、
実際の成績などはどうでしたか?

宇佐美:
それが、勉強としてはやっていなかったので、
なんかRの発音がうまくできる、くらいの話で、
テストでは下から何番目、くらいの感じでした。

点数としては赤点スレスレ、
40点が赤点で42点くらい(笑)

mikan_みかん

セレン:
そこから留学、渡米を目指したり、英語アプリの開発をするまでに
至るまで、何かご自身に大きな出来事なんかはあったのでしょうか?

宇佐美:
具体的な大きな出来事というよりは、大学の2年生の時に
進路に迷い始めたんです。

なんとなく起業したい、という漠然とした思いだけはあって。

そこからいろんな周りの人に話を聞いてると一つ
面白そうなテーマとして「留学」というキーワードが
出てきたんです。

しなかったことで後悔している事で圧倒的に多かった
のが「旅」と「留学」だったんです。

セレン:
まさに僕がその一人ですね(笑)

宇佐美:
そうだったんですね(笑)

なので、僕はその「留学」をできるうちにやっておこうと
思ったのがいろんなことのきっかけなんです。

ただ、結局留学はしなかったんです。
スタンフォードを目指して留学をしようとTOEFLの勉強を始め
その過程でこのmikanのアイデアを思いつき今に至るんです。

セレン:
TOEFLというと読む、聞く、話す、書くの4技能が試される試験ですが、
宇佐美さんご自身はどのように取り組まれたのでしょうか?

宇佐美:
がっつり取り組んでた期間が1年間あって、結局2回受けたんですよ。
受験費が2万と高いんですよね。特に学生の自分には…。

で初めてすぐ申し込んだんです、2ヶ月後のやつに。
申し込めばやるだろうと。
でも、結局当日まで一切勉強しないまま受けることに…(笑)

これはマズイと、「ノー勉」はまずいと。

で、その後の半年後に、これじゃやっぱりだめだなと
いうことでもう一回やろうと。
で、申し込むんですが、もう一度同じことが起こるんです。

セレン:
もう4万円が消えてしまいましたね(笑)

宇佐美:
ほんとそうなんですよ(笑)

mikan_宇佐美

宇佐美:
このままでは一生英語できないし、留学も無理だ、と。
留学はまだ決まってなかったんですが、
TOEFLで結果を残してないとそもそも留学を
迷う土俵にもいないわけで。

それで自分に勉強しTOEFLの点数を取るのを必須に
しようということを課したんです。

で、どうしようかと考えた時に
周りに人がいればやるんじゃないかと思って
友達を集めて英語だけやる合宿をやろうと思ったんです。

まずはストイックにできる人だけを集めようと思って
告知したら3人集まったんです。
場所を借りて、そこから一日中朝から晩まで英語だけをやる合宿を
2週間やったんです。

セレン:
その合宿では具体的にどういうことをされてたんですか?

宇佐美:
その3人とこう勉強すればいいんじゃないか、
というアイデアや効率的な学び方を各自持ち寄り
みんなで問題演習をしたりしていました。

もちろん各自の時間もあったんですが、
そういうことを試行錯誤しながらやってましたね。

初めは、そうやって2週間フルでできる人だけでやってたんですが、
やっているうちに2週間は行けないけど、数日だけなら
参加したい、という人が徐々に増え始めたんです。

知り合いのツテで官僚の方なんかも参加しはじめて、
またそれが噂になったりして。

最終的には全国で合宿しようということになり、
全国行脚まですることになって。

セレン:
合宿の前にはセブ留学もされていたと聞いたのですが、
いかがでしたか?

宇佐美:
4週間弱くらい行ってました。

ちょっと留学に期待しすぎてたところがあって、
確かに英語を使う機会は増えたのですが、
僕が行っていたスクールの内容にはあまり満足いかなくて。

ただ、その留学で気づいたことは
英語ってどれだけゴリゴリやったか、なんだなって。

やった量に比例して上達する、
話した量だけ話せるようになるし、
単語も覚えた数だけ当たり前だけど覚えてるわけです。

セレン_mikan_宇佐美

セレン:
その気づきは大きかったかもしれませんね。
語学はやはりやった分だけ身につくもので、それは
場所に完全に依存するものではない、と。

モチベーションだったり、どう継続するか、だったりしますよね。

その気づきや経験がいよいよアプリのmikanの開発につながってくるわけですね。

宇佐美:
そうですね。

先ほどお話した合宿の中で僕らがフォーカスしてたものが
3つあって、スピーキング、ライティング、単語、だったんです。
どうしてこれみんな苦手かっていうと、


やらないから

なんです。
リーディングとかは記事読んだり問題解いたり
できるんですが、じゃあスピーキングの練習どれだけしたか?
っていうとほとんどやってないわけです。

ライティングも単語も同じ、やっぱりやってない。

単語帳なんかは買うには買うんですが、
最後までそれをやりましたかっていう、
さらにそれを2周3周やりましたかっていうと、もうほとんどいないんです。

自分も昔は同じだったんですが、合宿を機にエクセルを使って
単語の仕分け作業をし始めたんです。
覚えなきゃいけない単語、もう覚えた単語、という風に。
この作業、ものすごく面倒なんですよ(笑)

でも、それをみんなが使えるようにエクセルを作り直したりして。

それがアプリ mikanのアイデアになったんです。

サッサと進むタイプのほうが成績がいい

セレン:
アプリ mikanの開発で気をつけたこと、なんかありますか?

宇佐美:
まずは、僕のイメージとして

単語はたくさん見れば覚える、
というのがあります。

回数、なんですよね、要は。

合宿をやってる時に人には2パターンあるな、と気づいたんです。

わかんなくてもどんどん先に行くタイプと、
んー、わかんないなーって立ち止まっちゃうタイプ。

立ち止まらせちゃうと結果として遅くなるんだな、
と気づいたんです。

200人以上の方に会ったんですが、
顕著な結果としてサッサと進むタイプのほうが
成績はいいんです。

遅い人は、もう際限がなく、どんどん遅くなっていってしまう。
で結局全然覚えてないんです。

セレン:
単語を覚えるプロセスは僕は
「穴の空いたザルで水の中の物を何度も何度も掬う作業」
に似てると思っていて、まずは掬う回数が大事なのかなと。

あと、自分にもどれが頭に残って残らないか、予測がつかない。
ひっかかったものからどんどん覚え定着させていく。
そのためには回数は大事ですよね。

セレン

宇佐美:
そうなんです。
その回数をどうやって増やすか、が一番考えたところなんです。

セレン:
mikanというアプリのキーワードは
「快」なのかなと思ってて
キビキビとした動きや、たくさん褒めてくれるところも含めて(笑)

心地よく、限りなくストレスフリーに近い状態で使えるインターフェイス
そして仕組みになっていますね。

宇佐美:
褒めるの、大事ですよね(笑)

ただ淡々とやってるとどうしても辛くなってきちゃいます。
だから笑える時間だったり、たとえそれができてなくても褒めあったり
って大事なんですよね。

合宿でもそうでしたから。
そうやってその人のできる部分を伸ばしていくんです。

あとは回数をどんどんやってもらうために
制限時間が大事だなと思っています。

制限時間がないと1枚のカードをずーっと眺めてるんです。
知らない単語は見ててもしょうがないにもかかわらず
30秒とかジーっと見てる人なんかもいたりして。

セレン:
mikanのある程度の強制力を持って
どんどん前に前に推し進める力、は非常に面白いですよね。

宇佐美:
それは嬉しいですね。

ただ、mikanを使ってくれて動画をあげてくださったる方なんかを見て
僕らが思っているよりまだまだゆっくりやってるんだな、という思いもあります。

もっと早くていいんです。

まだわかんない単語カードを見て考え込んでる様子、立ち止まってる様子
なんかを垣間見て、もっともっと早くていいんだよ、と思ってます。

でもサクサクどんどんやるには納得感がすごく大事なんですよね。

真面目でいい人に多いんですが、
ちゃんと納得した上で、しっかりやりたいという人も一定数いるんです。

セレン:
日本人には特に多いのかもしれませんね。

宇佐美:
そうかもしれません。
そういう人は納得できないことはできないんです。

そういう人は僕らのアプリはどんどん先に先に行っちゃうから
気持ちよくできないんです。

まだまだ今後の課題になるんですが、
そういう方にもしっかり納得した上でサクサク使ってもらえる
仕組みを作れたらなあと思っています。

mikan_宇佐美

セレン:
納得感、きっと言い換えればゴーサインなのかもしれませんね、その人にとっての。

単語を覚えるためのマインド自体を変えられたら、もっと気持ち良く
使ってもらえるのかもしれませんね。

宇佐美:
そうですね、まだまだ僕らもどうやれば
みんなが単語を覚えられるようになるか、日々考えていますね。

今現在の僕らのアプリの装置としての完成度でいうと
全然低くて、10%くらいなイメージです。

もっと早く覚えられる、もっとできると思ってます。

今後のアップデートにも是非期待してほしいです。

mikan_アップデート

この業界自体がまだ始まったばかり

セレン:
ユーザーは開発者である宇佐美さん自身の
アップデートとつながっているような一体感がありますね。

宇佐美:
確かにそうですね。

セレン:
そういう意味では宇佐美さんの思いは
あの時の合宿の時と同じで、そしてさらに、
その意味ではあの時の合宿は今も続いているのかもしれませんね。

宇佐美:
確かに、本当にそうなのかもしれません。

合宿の時は冒頭で僕が少し、話をしてたんです。

これからこういうやり方でやってもらいますよ、と。
しっかり納得してやってもらえたら終わった時必ず驚きますと。

そういう風にして納得してもらいながらやってもらってたんです。

ただ、そんな説得はアプリではできないので…。
そこをこれからわざわざ説明しなくていいようにアプリのシステム
として作り込んでいけたらな、と。

アプリのいいところは実際のユーザーからデータなんかも取れるわけです。

ああ、これだけの人がこれはできてるんだな、と。
そこもしっかり納得感の要素に使えるんだと思っています。

今のアプリってアプリに人間がこう合わせればうまくいきますよってアプリが
本当に多いんです。

スマホを使って最適な学習ができるアプリってまだないな、と思ってて、

それスマホじゃなくてよくない?というものも含めてまだ
使い方を人間が工夫をしないといけない状況になっちゃってる。

今の一番の成功例はLINESmartNewsだと思ってて、
なんのストレスもなくあそこまで昇華させてユーザーに「体験」を
提供できてるアプリは英語学習アプリにはまだないと思っています。

僕らはまず単語を覚える、というところにフォーカスしてるので、
気持ち良さだったり、もうこれじゃないと覚えられない
と思ってもらえるようなものにしたいんですよね。

セレン:
宇佐美さんご自身がまだまだ納得されてないんですね。

宇佐美:
まだまだ全然。

始まったばかりだと思ってるので、この業界自体が。

セレン:
そういう意味では今後もますます楽しみですね。
1ユーザーとしても楽しみにしています。

宇佐美:
ありがとうございます。

まだまだ伸びしろがたくさんあるアプリです。

そしてそれを一番感じてるのが実際使ってくださっている
ユーザーのみなさんなんだと思います。

お持ちの意見はお問い合わせフォームから送れるようにしていて
全部に返信しているので、ぜひ意見を聞かせてもらえたらと思っています。

セレン:
みんなで作り育てていく、栄養たっぷりの実がたくさんのミカンの木のように
大きく広がっていくといいですよね。

本日はありがとうございました。

宇佐美:
こちらこそ、ありがとうございました!

mikan_宇佐美

インタビュー後記「英語アプリの活用法」

今回mikanの宇佐美さんにお話を伺い最も印象的だったのは
「スマホを使って最適な学習ができるアプリがまだない」と、ご自身のアプリも
含めておっしゃられたその言葉でした。

開発にゼロから取り組み、高い意識で日々毎日格闘されている宇佐美さん
だからこそ、の自分を鼓舞する言葉でもあるのだと思います。

インターネット、そしてスマートフォンの普及で英語学習を取り巻く環境は日々刻々
と変わりつつあります。

オンラインレッスン、そして海外などで普及しつつある無料オンラインコース、
スマートフォンアプリにネット上のツールと、これまでになかったツールやインフラが
めまぐるしい速度で生まれてきています。

英語を学ぶ人にとって素晴らしい環境は整いつつあり、
もう海外に行ったことがないから英語ができない、という言い訳のできない時代は来ている
のかもしれません。

ただ、ツールに振り回されない、腰を据えた、そして未来を見据えた
学び方、楽しみ方も同時に求められているのかな、とも思います。

便利なツール、手軽なフォーマットが溢れる一方
継続的に利用し自身の英語力を実際にレベルアップさせている人
というのはもしかするとまだ少数派なのかも、そんな風に思ったりもします。

スマホアプリの活用法としては、僕の経験から言うと

1、使うアプリを絞る(1軍スターターを決める。)
2、使うシーンとアプリを結びつける。
3、勉強だと思わず、気軽に取り組む。

この3つがすごく大事だと思います。

良いアプリと自分がやるアプリは必ずしも一致しません。
服なんかも同じですよね、デザインのいい服と自分が気に入る服は
必ずしも一致しない。

感触、雰囲気、UIなど含めて
自分が快適に、そして深く考えずにさっと手が伸びる
アプリでない限り、落としたままそのアプリは使わないまま、
になってしまいます。

深く考えずに手が伸びる、この感覚がアプリには
非常に大事なんです。
そのために数は絞っておいたほうがいいんです。

そして起きたらベッドの中でアプリを開く、
通勤中の電車で使う、
お昼休憩の数分間遊んでみる、

こういったこのシーンにはこのアプリ、
という意識付けもアプリを習慣的に使う
おおきなきっかけになります。

パブロフの犬的に使えれば一番いいのかもしれません(笑)

僕の場合は

起きたら必ず一つ単語帳アプリをやってからベッドを出る、
寝る前にスピーキングの練習をアプリを使ってやる、
あまり勉強に乗り気でないときはアプリで遊んでその日はスパッと
英語をやらない、

というように日常のシーンに合わせて、
また自分の気分に合わせて取り入れるようにしています。

習慣化に勝るものはありません。
ぜひ、それぞれに合うアプリを探してみてください。
mikanもぜひ単語の暗記に使ってみては?

ではでは、また次回のインタビューもお楽しみに!
セレンでした。