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「疑う」はsuspect?doubt?紛らわしい英単語の使い分け3選

「疑う」はsuspect?doubt?紛らわしい英単語の使い分け3選

"suspect" と "doubt" の意味の違い、わかりますか? どちらも確かに「疑う」という意味を持つ英単語です。しかし、ニュアンスの細かい違いや、特定のシーンではどちらを使うのが正しいのかなど、紛らわしく感じることも多いでしょう。

英語を勉強していくと、このような違いのわかりにくい単語に出会うことがよくあります。なかには辞書で調べても解決せず、むしろ調べれば調べるほど混乱してしまう単語も。

そこで今回は、「疑う」「借りる」「選ぶ」にまつわる英単語の使い分けを紹介します。

「疑う」のsuspect、doubt

「疑う」のsuspect 、doubt

まずは、冒頭で登場した "suspect" と "doubt" 。「疑う」という意味を持つこれら2つの単語には根本的な違いがあります。

いろいろ説明するよりも、両者の比較をしてみるのがわかりやすいでしょう。以下の例文をご覧ください。

これら2文の違いは "suspected" なのか、それとも "doubted" なのかだけ。ところが意味は真逆になります。

Suspectはthinkに言い換えられる

まず "suspect" を使った例文の訳は以下の通り。

つまりスティーブンには時計を盗んだという疑惑がかけられていたわけです。 "suspect" の場合、 "think" に置き換えて "I thought Steven stole the watch" と別の言い方にすることができます。

doubtはdon’t thinkに言い換えられる

ところが "doubt" の場合は様子が違ってきます。

"doubt" を使った例文は「スティーブンが時計を盗んだこと」を疑っている、言い換えると「スティーブンは盗んでいないかもしれない」と思っています。つまり "doubt" は "don't think" に置き換えて "I didn't think Steven stole the watch" ということができます。

もう1つ例文をみてみましょう。

この場合、 "suspect" は "think" に置き換えることができるので "Jane thinks it will snow sometime soon" となります。つまり「もうすぐ雪が降る」と思っています。

ところが "doubt" は "don't think" に置き換えるため "Jane doesn't think it will snow sometime soon" となり、雪が降ると思っていないため "suspect" とは真逆のことを思っていることがわかります。

「借りる」のborrow、use、rent、hire

「借りる」のborrow、use 、rent、hire

友だちにペンを借りたいとき、どう声をかけますか?
"Can I borrow a pen?" それとも、 "Can I use a pen?"

日本語ではすべて「借りる」の動詞になる単語が、英語には「borrow、use 、rent、hire」の4つもあります。

ではいったいどのような違いがあるのでしょうか。

borrowとuseの違い

まず "borrow" は「人から一時的に無料で借りて、その場から持っていくこと」を意味します。そして "use" は「一時的に無料で借りる(使わせてもらう)こと」を指します。

"use" は多くの場合、「その場で使ってすぐに返す」ことが多いです。

そのため "Can I borrow a pen?" と "Can I use a pen?" では、 "borrow" はそのペンをどこか別のところに持っていく場合に使い、"use"はその場で何か書いて使い終わったらその場で返します。

ちなみに、車を借りるときのニュアンスについて、 "Can I borrow your car?" と ”Can I use your car?" どちらが正しいのか、以前ネイティブの語学学校の先生に質問したことがあります。

先生の答えは、本来なら "Can I borrow your car?" が正解ですが、 "use" でも問題ないとのこと。 ”use” を使うと、 "borrow" と比べて少しだけカジュアルな言い回しになるそうで、仲間内で車の貸し借りをする場合は "Can I use your car?" でいいでしょう。

rentとhireの違い

rentとhireの違い

それでは "rent" や "hire" の違いをみてみましょう。
これら2つに共通しているのは "borrow" や "use" と違って「お金を払って借りる」という点です。 一方で、 "rent" と "hire" はアメリカ英語とイギリス英語でニュアンスが少し異なります。

<アメリカ英語>

rent:(お金を出して)ものを貸し借りする
hire:短期のあいだ人を雇用したり、サービスを使用する

<イギリス英語>

rent:家やオフィスなど不動産を貸し借りする
hire:(お金を出して)ものを貸し借りする

そのため "I hired a car in Los Angeles" と言ったとき、聞き手がイギリス英語の人だと「車を借りたんだな」と思ってくれますが、アメリカ英語の人が聞くと「運転手付きの車を短期のあいだ借りたんだ」と思われてしまいます。

今回はアメリカ英語を基準にして、 "rent" と "hire" の例文を紹介します。

「選ぶ」のPick、Choose、Select

「選ぶ」のPick、Choose、Select

「結婚祝いを選ぶ」「メニューから好きな料理を選ぶ」「パーティーに着ていく服を選ぶ」など、「選ぶ」という言葉は日常的にサッと選ぶことから、じっくり考えて選ぶことまでいろいろなシーンで使われます。

そんなさまざまなシチュエーションに応じて "pick" 、 "choose" 、 "select" は使い分けられています。では具体的にどんな風に使い分けられているのでしょう。大きく分けて2つのポイントがあります。

判断に時間をかけるか、かけないか

"pick" はその場の判断で選ぶスピード感のあるニュアンスが含まれます。それに比べて、 "choose" や "select" は与えられた選択肢の中からどれを選ぶのかある程度時間をかけて選ぶ場合に使われます。

何を選ぶのか判断するときの基準

"pick" はその場で判断することからもわかるとおり、なんとなく漠然と選んだり、勘でピンときたものを選ぶ場合に使われる傾向があります。

それに対し、 "choose" では「何か目的を達成するために、もっとも適したもの」を選びます。また、そのときの判断は個人が「これが良い」と思ったものでもOKです。

さらに、 "select" は「もっとも適した物」を "choose" より慎重に選んだり、1人の考えではなく複数人で選ぶようなシチュエーションで使われます。そのため企業が何かを選択するときにも "select" が好んで使われる傾向があります。

英単語を選ぶときの判断基準

具体的な例をみてみましょう。

この3つの文章は「選ぶ」の動詞部分が違うだけで、あとは同じです。日本語に訳したときも同じ文章で表現できますが、それぞれのニュアンスはまったく違うものですね。

"pick" を使った文章は、彼らがあまり深く考えずにその場でパッとパーティー会場を決めた感じがします。そのため結婚パーティーのレストラン選びで "pick" は不適切かもしれません。

それに対して "choose" や ”select" はパーティーを開くのにあたって、どこが最適な会場なのかを時間をかけて考えたことが伝わってきます。また、 "select" は "choose" より厳選したことがうかがえます。

別の例文もみてみましょう。

いかがでしょうか。こちらも訳はすべて同じですが、上で紹介したニュアンスを理解してから読むと、それぞれの違いがわかりますね。

つまり「選択する」ことへの気持ちの重さは「Pick < Choose < Select」の順に大きくなっていくということ。

ちなみに、敢えて "pick" を使うことで軽いニュアンスを加えたり、 "select" を使うことで厳選されたという意味合いを込めることができるので、実際の英語の誌面ではどの表現もよく見かけます。

まとめ

今回、「疑う」「借りる」「選ぶ」にまつわる紛らわしい英単語を紹介しました。
どの言葉も日本語訳だけではどう使い分けていいのかわかりにくいものばかりですね。

これらの使い分けを身に付けるには、1つ1つの意味をきちんと理解することと、たくさんの英語に触れていくなかで「この言い回しは自然に聞こえるか、聞こえないか」を見分けられる感覚を養うしかありません。

こういった紛らわしい表現は他にもたくさんありますので、また折を見て紹介していきます。