DMM英会話ブログ編集部
(更新)
一か八かの勝負は、ただのギャンブラー。勝ち続けるのが “プロ” ギャンブラー。
世界82ヶ国のカジノを15年間かけて渡り歩いてきた、勝率9割の男こと、プロギャンブラー のぶきさんへ「世界のカジノ勝負で勝つためのノウハウ」と「今すぐ英会話できる3つのアドバイス」を伺いました。
「ギャンブルで勝ったお金だけで生き抜いていく」というのが、僕が考えるプロギャンブラーの定義ですね。
そうですね。さらに言えば、僕の場合はトランプ・ゲームです。
ギャンブルの種類ってゴマンとあるけど、プロとして勝ち続けられるギャンブルって、結構わずかなんですよね。だからまず「勝てるギャンブル」を選ぶこと。その中で「これだったら本気になれる!」と思えるのを選ぶ。勝負事って、本気にならないと勝てないんで。
そこで僕が選んだのは、ブラックジャックとポーカーでした。
稼ぎって、正直言うとそんなに必要ないんですよ。僕の場合、次の旅費に必要な分だけ稼いだら、すぐ旅に出ちゃうんで。というより、むしろ旅をしながらギャンブルしていました。
これは僕だけではないと思うんですけど、お金がいっぱいあると仕事へのモチベーションが下がってしまうんですよね。お金がギリギリくらいの方が、僕は本気で頑張れる。日々駆け抜けられる。旅費ができたら、それ以上稼ぐのではなくて、旅に出て自分の世界視野を広げていきたいんです。
日本にいるだけでは、世界を知ることって不可能なんですよ。いくらニュースを見ようが、それは作られた情報。世界のことを知りたければ、世界へ出て感じるしかないんです。中国のラーメンやインドのカレーの画像を見ても、どんな味なのかわからないのと同じことです。
中学生の頃にはもう、褒章を頂いているほどの立派な父へ「ニュースなんて大人のおもちゃじゃん」って言い切っていました。ニュースを見たことで、自分はその話を知ったと満足感を得て、大人ぶったつもりになっているだけだと。自分が影響力を出せない、例えば政治のニュースを知ったところで、愚痴を言っているだけ時間の無駄だと思ったんです。
だからニュースに重きを置くんじゃなくて、実際に見たり、聞いたり、感じたかった。世界へ出てみたいって、ずっと思っていたんです。重要なことは情報に乗ってやって来るんじゃなくて、自分で掴みに行かないといけない。
プロギャンブラーになったきっかけの1つは「世界を周れる」ってことだったんです。これだったら自分は本気になれるな、と思って。
これまで、82ヶ国を周ってきました。「この国は住みやすいな」と思ったら、同じ国へ何度も行くことがあるので、延べだと250ヶ国を超えますね。それを15年かけて、グルグルと。
ギャンブルって誰も教えてくれないんですよね。基本的に、プロ同士教え合わないんで。
最初はブラックジャックから始めたんですが、自分で学んでいくしかないから、英語で書かれた専門書籍を8冊くらい読みました。プロを目指すなら、読み流してはならない。一字一句を辞書で調べながら、真剣に読み解きました。本に書いてあるプロのテクニックを身につけるため、毎日13時間くらい、2年間かけて修練し、ようやく勝負で勝てるようになりましたね。
とはいえ、カジノで従業員から話しかけられた時には、バカっぽく見せないといけないんですよ。「友達が近くに住んでるから〜この国に遊びに来てて〜。カジノがあるから来てみたんだ〜」みたいに振る舞うんです(笑)
そうですね。ブラックジャックでは、英会話はあまり必要ではなくて、とにかく事前に本から知識を得るための「本気の読解力」が重要でした。僕は「扉を開けるまでに勝負を決めろ」ってよく言うんだけど、どうすれば勝てるかを勉強して、勝てるのがわかってから挑むんです。
だから、僕は必ず勝つ。最終的にはカジノ側から肩を叩かれて、そのカジノを追い出されるしかないんですよ。
そうしてブラックジャックができなくなって、新たなギャンブルの種目として、次にポーカーのプロへ狙いを定めました。
ポーカーは、敵と話せば話すほど勝てるんです。会話によって、敵がどんな感じなのか読んでいける。
ポーカーフェイスという言葉があるように、全く喋らない敵もいるんですが、勝率を上げる為には会話力が必要です。なにより、世界中のギャンブラーとおしゃべりできるのって、とても楽しいですし。世界視野も毎日得られます。
ポーカーの格言で「プロはすべての本を読んでいる」というものがあるんです。プロになりたいし、継続したいので、素直にそれに従いましたね。
ポーカー関連の書籍に加え、アメリカではギャンブルの雑誌が月に10冊以上出るので、それを全て読んでいました。結局、トータルで800冊以上の英語の本を読んでいましたね。
最初は辞書をひきながら、1ページ読むのに1時間もかかっていたのが、今は辞書なしで、6〜7分で1ページ読めるようになりました。
アメリカのテレビって、キャプション(英語の字幕)が出せるんですよ。何を話しているのか聞き取れなくても、字幕を読めば「なるほど!そういうことを言ってたのか」って分かるんです。ポーカー専門書を読破したおかげで、キャプションは読めるようになっていたんです。
僕はアメリカのテレビ番組の中で、「The First 48」っていう犯罪ドキュメンタリー番組が大好きでした。警察が犯人を追い詰めていく緊迫したシーンが、めちゃくちゃ面白いんですよ。もう耳をダンボにして聞きまくっていました。カジノの勝負より疲れるほどの集中力でしたね(笑)
ポーカーは、ひとつのテーブルに敵が9人と、ディーラーが1人いるんです。ポーカーを始めた頃は、全然英語が話せず、「ハーイ」「サンキュー」くらい。それが800冊読んで、テレビを真剣に見ていたら、だんだん話せるようになってきて。最終的には、ディーラーがすっごく褒めてくれるようになりましたね。
そうなんです!「お前は俺の誇りだ」なんて言ってくれたディーラーが3、4人いて。「カジノに入ったら、お前がどこにいるかすぐにわかる。お前がいるテーブルが一番盛り上がってるからな」って言われた時は、嬉しかったですね。
いや、カジノから教えてもらいましたね。敵から学ぶ「カジノ留学」です。しかも、授業料を払うわけではなく、むしろ外国人10人が僕へお金を払いつつ、僕のために英会話授業をしてくれるんです(笑)
あと、プロは勝負の度に一喜一憂しないんですが、負けたの人のために「たまたま僕にラッキーが来ただけだよ」的なことを言うんですよ。そうすると負けた方も納得してくれるんで。
もし、黙々と勝ち続けたら、負けた人はつまんなくなって帰っちゃいますから。僕は他のお客さんをとても楽しませるから、カジノ従業員も僕が来るとすごく喜んでくれるんですよね。
昔、カジノに勝ち続けて追い出された頃とは、真逆な対応なんです。
3つありますね。僕はこれを知らなかったせいで、3倍は苦労しました。
1つ目は、【自分の環境設定を英語圏にする】ということ。
英語圏の5歳の子が、なぜ英語をしゃべれるのか? はじめ見かけたときは、この子は英語が上手で立派だなと感心していました。けど、そうじゃなかった。“環境が人を創り上げている” んです。だから、まずは自分の環境設定を、「英語圏」にすることが大事。
ポイントは「大好き」です。大好きな映画を流しっぱなしにしたり、一番好きな洋楽を、カラオケで歌えるように練習したり、歌詞を訳したり。大好きなテーマの本を原作で読んでみたり、見た目が大好きな外国人と話す機会を作ったりとか、いろいろありますよね。
大好きなことだと楽しいので、本気で没頭できる。同じ時間を使うのであれば、いかに楽しく勉強できるか。そこを考えると、ドンドン成長できると思います。
2つ目は、外国人と思わずに【同じ地球人として接する】こと。
壁を無くすのは大事なことなんです。もし壁があると「あ、外国人だ……」と腰が引けちゃいますよね。
海外へ行くと、いろいろな人種や立場の方がいるじゃないですか。それぞれ挨拶の仕方も全然違うんですよ。「ハロー」「ハーイ」で来る人もいるし、紳士な方は「ハウ・アーユー・トゥデイ?」だったり、黒人からは「ワッツアップ、ブロー!」って話しかけられたり。
実際はただ単に「こんにちは!」と言う意味なんです。それなのに、慣れていないこっちは「あ、あ、何て返したらいいんだろ」ってオロオロと考えているうちに、もう相手は居なくなってしまう(笑)
こういうのに返せるようになるには、どんな国の人も「結局同じ地球人なんだ」と考えること。そしてあとは場数を踏んで、慣れていくことですね。経験値です。
こうやっていろんな外国人との会話をこなしていくと、もうどんな外国人が来ても、同じ地球人として話をスタートできます。
それが3つ目なんだけど、【文法はシカトして、単語を気持ち込めて話す】こと。
お茶が欲しければ「ティー、プリーズ」で通じます。きれいな英文法で話しても、ネイティブじゃない方には通じないんです。世界での英会話というのは、単語と単語をくっつけて話していく。「敬語」とか「丁寧に話す」とか忘れてください。話の通じることが一番大切なんですから。
ポイントは、話す時に抑揚をつけること。英語は音楽みたいにボリュームの上げ下げが起こります。
大事な単語だけ大きく発音すれば通じます。逆に聞き取るときも、相手の最大ボリュームの単語だけを聞き取ってみてください。
そして、本気で伝える気持ちを持つこと。ボディーランゲージや顔の表情を最大限に豊かにして、話してみてください。無言でも通じるくらいにオーバーリアクションで演じてください。
「どうしてもお茶が欲しいんだ! ティー、プリーズ!」って気持ちを込めて言えば、「おお、お前はティーが欲しいんだな」って理解してもらえるわけですよ。
それに、こっちが本気で伝えようとすると、相手も「あ、この人本気で何かしゃべってる。聞かなきゃ」って思ってもらえるんです。コミュニケーションの大前提って、まずはハートとハート。それがあっての、文法なり英語力だと考えてます。
オリンピックもそうじゃないですか。アスリートは何年間もたくさん練習して、勝負は一瞬。僕は「勝ちにこだわるな、勝つ準備にこだわれ」っていつも言ってるんですよ。
例えば、いい写真が撮れたとか、良い記事が書けたとかって、一回はできたとしても、それで食ってくとなると全く別物ですよね。プロとして生きていくには、やっぱり勉強なり、準備なり、そのことをずっと考えていかないといけない。コツコツと努力あるのみです。
そうすることで、勝負の現場で勝てる可能性が一気に上がるんです。これはどんな成功にも通じていて、英語を身につけるプロセスも同じだと思いますよ。