英語教材の調達方法とコスト削減術｜立ち上げ時から運用まで徹底比較

英語教育事業を立ち上げる際、最初に直面するのが「どのように教材を調達するか」という課題です。さらに、サービスがローンチした後も、教材制作や運用コストをいかに抑えつつ、質の高い教材を安定して提供できるかが、重要なポイントとなります。

この記事では、教材の調達手段として、「内製自社教材」「外注自社教材」「無料外部教材」「有料外部教材」の4つの選択肢を比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理。

これから英語教育事業を始める方も、すでに運営中でコスト見直しを検討している方も、最適な教材調達方法を見つけるヒントになれば幸いです。

1.内製自社教材のメリット・デメリット

メリット

自社だけの独自性が高い教材を作成できる
自社の教育方針や生徒ニーズに柔軟に対応できる
ノウハウやブランド資産が蓄積される
教材のクオリティを担保しやすい

デメリット

経験者等の良質な人材の確保が難しい
採用に時間がかかり、人材の入れ替えも困難
制作スタッフの人件費が固定コストになる
限られた人数で制作する必要があり、急に教材数を増やすことが難しい

内製自社教材は、自社サービスに合わせた教材を作れる点が最大の強みです。教材のクオリティも担保しやすい一方で、制作を一任できる人材の採用が難しく、コストも固定となるため、4つの選択肢の中で最もコストが高くなる傾向があります。

2.外注自社教材のメリット・デメリット

メリット

社内リソースをあまり使わずに教材を増やせる
人材の入れ替えが容易

デメリット

経験者等の良質な人材の確保が難しい
制作者がバラバラになりがち
品質担保とトーン＆マナーの統一のため、校正・チェック要員が必須
内製と比較すると、教材のクオリティがやや担保しづらい

外注自社教材は、人材の入れ替えが容易なため、採用に時間がかかりません。成果物のクオリティを見て外注スタッフを厳選していくことも可能です。また、事業立ち上げ時など短期間で大量に教材が必要な場合でも、外注を活用すれば一気に自社教材を増やせます。

一方で、制作者がバラバラになりやすく、品質担保やトーン＆マナーの統一には校正・チェック要員が必須です。このスタッフの力量次第で教材のクオリティが大きく左右されます。

3.無料外部教材のメリット・デメリット

メリット

コストが全くかからない
すぐに利用できる
量を揃えるのが容易

デメリット

品質やサポートが不十分
利用規約の定期的な確認が必要
サービス終了のリスク

無料外部教材は、コストがかからず、すぐに利用できる点が最大のメリットです。インターネット上には多彩な無料教材が公開されているため、量やバリエーションを揃えるのも容易です。一方で、品質やサポートが不十分なことが多く、質の高い無料教材を選ぶ必要があります。

また、個人向けに無料でアクセスできる場合でも、商用利用を禁止しているサイトも多いため、必ず利用規約を確認してから利用しましょう。契約を伴わない場合、サービス内容変更や終了時に通知を受けられないため、法的リスクの観点からも定期的な利用規約の確認が必要です。

4.有料外部教材のメリット・デメリット

メリット

すぐに利用できる
品質やサポートが十分
商用利用可能なことが明確

デメリット

コストがかかる

有料外部教材は、出版社や教育事業の大手が提供しているものが多く、商用利用向けに展開されているため、品質が担保されており安心して利用できます。一方で、定期的なコストが発生するため、自社教材を作成する場合と比較して、どれくらいコストに差があるかを確認する必要があります。

5.8つのポイントから見るメリット・デメリットまとめ

最後にここまで挙げてきたメリット・デメリットの中から8つのポイントを抽出して、表にまとめました。

	内製自社教材	外注自社教材	無料外部教材	有料外部教材
コスト	×	×	○	△
品質	○	△	×	○
独自性・差別化	○	○	×	△
量を揃える容易さ	×	×	○	△
導入スピード	×	×	○	△
運用の手軽さ	×	×	△	○
サポート体制	○	○	×	△
法的リスク	○	○	△	○

「内製自社教材」や「外注自社教材」は、品質や独自性の面で優れていますが、商用利用可能なクオリティの教材を量産できる体制の構築までに時間がかかり、量・質の確保とコストのバランスを取る必要があります。

一方、「無料外部教材」はコストや量の確保の面で有利ですが、品質や独自性、サポート体制、法的リスクの観点で注意が必要です。「有料外部教材」は、コスト面では無料教材ほどの優位性はありませんが、品質や運用の手軽さ、サポート体制、法的リスクといった無料教材のデメリットを低減した、バランスの取れた選択肢となります。

6.ローンチ時におすすめの教材調達方法は？

初期段階では、まずは無料または格安の外部教材を活用してニーズを探るのがおすすめ。

ユーザーのニーズがどこにあるのかを見極めていき、そのニーズに対してサービスや教材を特化していくと良いでしょう。自社で教材制作体制を作るのはニーズが確認できた後にしましょう。

7.ローンチ後に教材制作のコストを抑えていくには？

英語教材の制作コストを抑えるためには、自社教材と有料外部教材を組み合わせて活用する方法が効果的です。自社教材は独自性やブランド力を高める上で重要ですが、すべてを内製すると人件費や制作コストが膨らみがちです。一方、有料外部教材は、高品質な教材を手軽に導入でき、量やバリエーションも豊富なため、短期間で多くの教材を揃えることができます。

自社教材はコアとなる部分や差別化したい分野に限定し、汎用的な内容や基礎的な教材は有料外部教材を活用することで、コストを大幅に削減しつつ、質と量のバランスを保つことが可能です。このハイブリッドな調達方法により、運用負担を軽減しながら、学習者の多様なニーズにも柔軟に対応できる体制を構築できます。