則岡麻里絵
(更新)
こんにちは。
医薬翻訳者の則岡麻里絵です。
みなさんは英語のリーディングにどんな教材を使用されていますか?
教科書、英字新聞、洋書などでしょうか?
私のおすすめは「サイエンス誌」。
「難しそう…」「科学なんて興味がない」と思われた方、ちょっと待ってください!
サイエンス誌の英文は、実は非常に簡潔で読みやすいということを知っていましたか?
文学的な文章と比較しても、英文としての難易度は決して高くないのです。また幅広いジャンルがあるので、楽しく読める内容がきっと見つかるはず。
この記事では、英語(と科学!)の学習に役立つ8誌を、レベル別にご紹介したいと思います。
この記事では、それぞれの雑誌名にウェブサイトURLを併記しています。
英語のサイエンス誌は、書店やオンラインで、1冊単位で購入できるものもありますが、定期購読されるとお得です。郵送だけでなくデジタル版で購読できるものもあり、ここでご紹介している雑誌は、日本からでも年間約US$15(約1,600円)から購読できます。
代理店を通さずに直接購入されると大幅に安くなるものが多いので、英語での購入手続きに挑戦してみてはいかがでしょうか。
購入するまでもないかな?という方も、ウェブサイト上で閲覧できる記事や動画がたくさんありますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
TOP Photo: JuliusKielaitis / Shutterstock.com
英語:初心者~中学生レベル
科学:幼児~中学生レベル
英語の勉強を始めたばかり、科学はあまり得意じゃない、という方におすすめの3誌です。
「え、子供向け?」と思われる方もいるかもしれませんが、子供向けのサイエンス誌をあなどってはいけません(笑)。英語圏の子供向け雑誌は非常に内容が濃く、大人にとっても読みごたえのあるものが多く存在します。もちろん、お子様の教材として利用されることもおすすめです。
写真やイラストも豊富なので、きっと楽しく学べるはずです。それぞれの対象年齢を記載していますので、実年齢の代わりに英語学習の年数と合わせて選んでみてもいいかもしれませんね。
出典
https://www.discountmags.com/magazine/national-geographic-kids
ウェブサイト:http://kids.nationalgeographic.com/
対象年齢:6~14歳(3~6歳向け ”Little Kids” もあり)
世界的に知名度の高いナショナル・ジオグラフィックの子供向け雑誌。
ナショナル・ジオグラフィックには日本語版の雑誌もあり、よく知られていますが、英語では子供向け雑誌も発行されているのです。
動物の生態、恐竜、宇宙などを特集していることが多いので、科学を苦手と感じる方にとっても読みやすいのではないでしょうか。
出典
https://kidsdiscover.zendesk.com/hc/en-us
ウェブサイト:https://www.kidsdiscover.com/
対象年齢:6~14歳
アメリカでは小学校の授業で教材として使用されることもある雑誌です。
生命科学、地球科学、宇宙・物理学といったジャンルの中から、興味のあるトピックを選択して読むことができます。
例えば、”Dangerous Spiders”(危険なクモ)、”Air Pollution”(大気汚染)、”A Balanced Diet”(バランスのとれた食事)、”How Earthquakes Work”(地震はどのように起こるのか)などの身近なトピックであれば、英語でも読みやすいと思います。
出典
https://www.discountmags.com/magazine/ranger-rick
ウェブサイト:http://www.nwf.org/Kids/Ranger-Rick.aspx
対象年齢:7~12歳(0~4歳向け ”Ranger Rick Cub”、4~7歳向け”Ranger Rick Jr.” もあり)
日本ではあまり馴染みのない雑誌かもしれませんが、”National Wildlife Federation”(全米野生生物連盟)が出版している歴史あるサイエンス誌です。
野生動物や環境保護に関する記事が豊富で、動物をかたどったお菓子のレシピや工作のアイディア、歌やゲームなど、子供の興味を惹く内容がたくさん詰まっているので、親子で読んでみても楽しいかもしれませんね。
英語:中高生レベル、科学:小中学生レベル
子供向け雑誌は簡単すぎる!もっと難易度の高い英語でも大丈夫!という方には、こちらの2誌がおすすめ。
いずれも専門誌ではありますが、一般読者向けに発行されているので、高い専門性がなくても読めるように書かれています。エンターテイメント性の高い記事も多いので、楽しく読み進められることでしょう。
出典
https://www.discountmags.com/magazine/popular-science
ウェブサイト:http://www.popsci.com/
1872年に創刊された歴史あるアメリカの雑誌。
科学とテクノロジーに関する記事を多数取り扱っているので、ガジェット、ソフトウェア、宇宙工学、軍事科学などに興味のある方に特におすすめです。
日本語版も過去に複数の出版社から発行されていますが、現在ではいずれも廃刊となってしまっているため、掲載記事は英語でしか読めないものとなっています。ぜひ英語で読んでみたい雑誌ですね!
出典
https://www.discountmags.com/magazine/discover
ウェブサイト:http://discovermagazine.com/
アメリカのニュース雑誌 ”Time”(タイム)から派生した科学誌です(*1)。
健康&医療、テクノロジー、宇宙&物理学、環境など、幅広いテーマの記事が掲載されています。
ウェブサイト上で読める記事もたくさんありますので、興味の持てる記事を見つけられるのではないでしょうか。ポッドキャストもあるので、聞き取りの練習にも使えますよ。
英語:高校レベル、科学:高校レベル
英語が得意!科学が得意!という方には、こちらがおすすめです。
高校レベル程度の科学的知識がある方を対象とした記事が多いですが、わかりやすい英語表現で書かれており、最先端の科学情報を入手できる雑誌です。
出典
https://www.discountmags.com/magazine/scientific-american
ウェブサイト:https://www.scientificamerican.com/
170年以上もの歴史を持つ、アメリカのサイエンス誌。
記事は第一線で活躍する研究者によって書かれており、その中には150名以上のノーベル賞受賞者、理論物理学者のアルベルト・アインシュタイン氏や環境活動家として知られる元米副大統領のアル・ゴア氏も含まれています(*2)。
ちなみに日本語版は日本で「日経サイエンス」として発行されており、英語版の記事の一部が掲載されています。原文と訳文を対比できる記事もありますので、こちらから読み始めてみてもいいかもしれませんね。
英語:高校レベル、科学:専門知識レベル
こちらの2誌は、科学を専門とされている方には言わずと知れた、世界で最も権威があるとされる学術誌(研究者が執筆した論文が掲載されている雑誌)です。一般の書店では取り扱っていないこともありますので、興味のある方はオンラインで覗いてみてください。
研究者の方のみならず、理系の正規留学などで英語の論文を書く必要がある方も、このレベルの英文を読めるようにしておきたいですね。論理的な文章構成に慣れると、英文を書く上でも非常に役立ちます。
出典
http://science.sciencemag.org/current-issue/cover.gif
ウェブサイト:http://www.sciencemag.org/
アメリカ科学振興協会 (AAAS)によって発行されている学術誌。
購読するためには有料会員になる必要がありますが、一部の記事は無料で公開されています。ウェブサイトには、学術論文の他にニュースやトピック別の記事もあり、そちらは比較的短く読みやすいのでおすすめです。
ウェブサイト(英語):http://www.nature.com/nature/index.html
ウェブサイト(日本語):http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/
“Science” とよく比較されるのが、イギリスのサイエンス誌 ”Nature” です。
こちらのウェブサイトにも、学術論文の他にニュースやオピニオンが掲載されています。日本語サイトに訳文が掲載されている記事もあるので、チャレンジしてみるのもオススメですよ。
サイエンス誌の英文は、読者によって解釈が分かれることがないよう、客観的かつ具体的に書かれています。抽象的な表現を避けた理解しやすい構成になっているため、英語学習者にとっても実は読みやすい文章なのです。
野生動物からガジェット、生命科学から軍事科学まで幅広いジャンルがありますので、科学に苦手意識を持っている方も、今回ご紹介した雑誌の中から興味のある記事を見つけていただけるのではないでしょうか。
英語を学習する上で「楽しめること」は非常に重要です。
自分に合った楽しいと思える雑誌・記事を見つけて、学習に役立てていただければ幸いです。
【参照】
(*1)http://www.nytimes.com/2012/10/22/business/media/leon-jaroff-editor-at-time-and-discover-magazines-dies-at-85.html
(*2)https://www.scientificamerican.com/page/about-scientific-american/