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ハンバーガーだけじゃない!実はこんなに奥が深いアメリカ料理

ハンバーガーだけじゃない!実はこんなに奥が深いアメリカ料理

皆さんは、アメリカ料理といえばどんな料理を想像しますか?ハンバーガー?ホットドッグ?もちろんそれだけではありません。他にも様々なアメリカ料理が存在します。

アメリカ料理の特徴は、アメリカという国の多民族性を反映していることです。つまり、各国の移民がアメリカへ持ち込んだ料理が独自の発展を遂げたというケースが多いのです。

今回は、アメリカの料理を通じてアメリカの歴史や文化を見ていきましょう。

ザ・アメリカ料理であるハンバーガー

ハンバーガー

ハンバーガーのルーツは、実は意外にもアジアにあります。アジアのタタールという騎馬民族からドイツへ、タルタルステーキが伝えられ、そして米国に移住したドイツ人がそれをアレンジし、「ハンブルク風ステーキ(ハンバーグ)」と呼ぶようになりました。20世紀初頭には丸いパンと組み合わさり、今日のハンバーガーの原型が誕生したと考えられています。

ちなみにハンバーグそのものは、英語で "Patty(パティ)""Salisbury steak(ソールズベリー・ステーキ)""Hamburger steak(ハンバーガーステーキ)" などと呼びます。

イタリアとは違うアメリカン・ピッツァ

ピッツァ

ピザと言えば代表的なイタリア料理ですが、ピザもまたアメリカで独自の進化を遂げ、代表的なアメリカ料理になっています。

アメリカのピザはイタリアのものに比べて大きく、地域によっては生地が厚く甘みがあります。高さのある深いパンを用いて、チーズや具をたっぷり入れて焼いたものは「ディープディッシュピザ」あるいは「シカゴ風ピザ」と呼ばれ、シカゴの名物となっています。

ちなみにアメリカの法律では、大さじ2杯のトマト・ペーストが野菜とされているため、トマト・ペーストを使ったピザは「野菜」に分類されます。

 フライドチキンのルーツはスコットランド

フライドチキン

スコットランドでは、鶏肉を焼いたりゆでたりするイギリスとは違い、油で揚げる調理法が一般的でした。

アメリカ南部に移民したスコットランド移民の鶏肉料理が、アフリカ系アメリカ人の使用人に伝わり、現在の調味料やスパイスを使用したアメリカ風フライドチキンの調理法が形作られたと言われています。そして元々は、アフリカ系アメリカ人だけが食べるソウルフードであったものが、徐々にヨーロッパ系アメリカ人の食卓にも上るようになったのです。

日本人が作ったアメリカ料理、カリフォルニア・ロール

カリフォルニア・ロール

1960年代のロサンゼルス、リトル東京のスシ・バーにて、日本人の寿司職人がタラバガニの脚身とアボカドをマヨネーズであえた巻きずしを考案しました。海苔を内側に巻く作り方は、米国人が海苔を気味悪がって剥して食べていたことに由来すると言われています。

それは後に「カリフォルニア・ロール」と命名され、1980年代までにはアメリカ合衆国各地で作られるようになり、日本にも逆輸入という形で伝わりました。

ジャンバラヤに代表されるケイジャン料理

ケイジャン料理

ケイジャンとは、フランス語系の人々のうち現在の米国ルイジアナ州に移住した人々とその子孫を指します。多くのケイジャンのコミュニティでは、現在でもケイジャン・フレンチ(Cajun French)と呼ばれる独自のフランス語方言が話され、食文化もケイジャン料理として独自の発展を遂げています。

ケイジャン料理は、タマネギ、セロリ、ピーマンを炒めたものを料理のベースとすることが多く、これはフランス料理の影響を受けています。パンやコーンブレッドも食べられますが、主食には米が多く使われます。肉や野菜などの具が入り、チリペッパーなど香辛料が効いた炊き込みご飯「ジャンバラヤ」が、ケイジャン料理として特に有名です。ジャンバラヤはスペイン料理のパエリアに由来するとも言われています。

 ドーナツに穴を開けたのはアメリカ人?

ドーナツに穴を開けたのはアメリカ人

ドーナツは、ボール状のオリークックというオランダのお菓子が起源だと言われています。イギリスで迫害を受けた清教徒が、1607 〜 1620年のオランダ滞在中にオリークックの作り方を覚えたことで、アメリカ大陸に持ち込まれました。

ちなみにドーナツの穴は、19世紀半ばにアメリカのハンソン・グレゴリーという名の船乗りが、母親の作ったドーナツが生焼けだったため火通りを良くする目的で穴をあけることを考えたとされています。ただしこれには諸説あり、1940年代には「誰がドーナツに穴を開けたか?」と大論争が巻き起こったそうです。

 病人食だったコーンフレーク

コーンフレーク

19世紀の終わり、ミシガン州のケロッグ博士は、菜食主義の病人食を作っていました。小麦粉を練ってローラーで引き延ばし、薄いパン生地の病人食を作っていたところ、誤ってパン生地になるはずの小麦が乾燥してしまいました。生地を捨てずにそのままローラーで引き延ばしたところフレーク状のものができ、これを患者たちに与えたところ好評となりました。研究の結果、材料をトウモロコシに変え、コーンフレークとして発売。アメリカの朝食文化を大きく変えることとなりました。

 テキサス名物チリコンカーン

チリコンカーン

チリコンカーンは、挽肉とタマネギを炒め、そこにトマト、チリパウダー、水煮した豆などを加えて煮込んだものです。19世紀半ばにメキシコから独立し、アメリカ合衆国に併合されたテキサス州南部で発祥したと言われています。

チリコンカーンがアメリカ中に普及したのは、1930年代の世界恐慌や、肉類が配給制になった第二次世界大戦がきっかけと言われています。肉が手に入りにくくなった時に、挽肉にいんげん豆やトマトを入れてボリュームのある汁物仕立てにしたチリコンカーンは家庭で重宝されました。

 アメリカ版おふくろの味、マカロニ・アンド・チーズ

マカロニ・アンド・チーズ

マカロニ・アンド・チーズは、茹でたマカロニに塩味の効いたチーズソースやホワイトソースを絡めた、グラタンのような料理です。家庭料理として人気が高く、「マッケンチーズ(Mac'n Cheese)」の愛称で知られています。

一説には、アメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソンが、アメリカ独立戦争後にアメリカ大使としてヨーロッパに赴いた際に持ち帰ったパスタ製造機で作ったのが、マカロニ・アンド・チーズの原型だと言われています。

 究極のアメリカ料理であるバーベキュー

バーベキュー

アメリカにおいてバーべキューは、もはや食文化の一角に留まらず、それ自体がひとつの文化として地位を確立しています。一家団らんやレジャーの象徴として、アメリカ中で愛され親しまれています。屋外で豪快に肉を焼き、ワイワイしながら食べるという所が西部開拓時代を彷彿させ、まさにアメリカ料理文化の真骨頂と言えます。

バーベキューについては、iKnow!BLOG の過去記事「夏と言えばバーベキュー!本場アメリカのBBQへの情熱がすごい!」もぜひご覧ください。

 おわりに

いかがでしたか? 食べたことあるものもあれば、見たことも聞いたこともない料理もあったかもしれません。アメリカという国が、多くの民族、そして文化の集合体であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

その国の料理を知ることは、その国の歴史や文化を知ることにも繋がります。アメリカという国を知ろうとするならば、是非アメリカ料理にも目を向けてみてはいかがでしょうか。