永沢りょうこ
(更新)
TOEIC 受験を決意し、対策本なども一通りそろえたものの、日常に流され、単語を少しやっただけでもう受験日になってしまった、という人も多いのではないでしょうか。
特に社会人は、日常生活や仕事だけでも毎日忙しく、「いつかやらなきゃ」と思っているうちに、いつの間にか受験日を迎えてしまうということがよくあります。
ですが、そのようにほぼ対策ができていないまま受験回数だけを重ねていっても、当然ながら点数は思うように上がっていきません。受験日を決めたらそこから逆算し、対策学習のスケジュールをより具体的に立て、それをコツコツこなしていくことがTOEIC対策においては非常に重要です。
今回は初級~中級者の方向けに、半年、3ヶ月、1ヶ月と受験までの期間ごとに、どうスケジューリングしていくかを解説していいきますので、ご自身の受験日と照らし合わせながら読んでみてください。
どんな試験にも出題傾向や特有の形式がありますが、TOEIC もそれは同じ。まず基盤を整えてから、その形式に慣れることが必要です。したがって、英語学習のブランクが長かったり、一日当たりの学習時間があまり取れない方はある程度の期間を見ておくのがお勧め。
ということで、まずは6ヶ月間のスケジュールです。
大まかにまとめますと、前半の3ヶ月月で語彙と文法固め、英語耳作り、後半3カ月で実践力強化です。
さらに各月ごとに詳しく見ていきましょう。
まず最初に語彙から始めようという方は多いと思いますが、これと一緒に始めなければいけないのがリスニング対策。なぜなら、「英語を聞ける耳」はすぐには育たないためです。
英語ニュースや歌などの趣味的な英語素材ではなく、TOEIC のリスニングに特化したデータやCDつきの教材で、少しずつ TOEIC のリスニングの傾向や雰囲気に慣れていきましょう。単語本に音声データや CD がついていたら、それもリスニング対策として使えます。
すべて最初から聞き取ることは難しくても、語彙や文法を一緒にやっていくうちに、「知っている」音が増えていきますので、根気よく聞き取りの練習をしていきましょう。全く聞き取れない場合は、最初は英文を見ながら音を聞いてみてください。リスニング問題を解くだけでなく、スマホなどに音声データを入れて、毎日通勤時間などにも聞くようにしてください。これは、6ヶ月目まで同様です。
さらに、TOEIC 用の文法問題集を解き、苦手な項目を洗い出していきます。
解き終わったら答え合わせだけでなく、文法参考書でその項目を確認していきます。例えば、助動詞の問題でいつも間違える場合は、参考書で助動詞について解説を読むというふうに、問題の正誤だけ確認して終わりではなく、「どうしてその選択肢が選ばれなければいけないのか」を納得できるようにしてほしいのです。最初の2ヶ月はそうやって、ひとつずつ「知識の穴」を探しては埋めていきます。
この1ヶ月分の課題を、どうしたらその期間に終わるか逆算し、さらに1週間分に具体的に分解して、スケジュールに書いていきます。
※ スケジュールの一例。単=単語本、文=文法本、リ=リスニング教材。
こうして具体的スケジュールを決めたら、あとは自分との約束を守るのみ。
自分で立てたメニューを淡々とこなしていきましょう。終わったメニューは線を引いて消していくと、達成感を感じられることでしょう。
日々のメニューが予定通り終わらなくても大丈夫。仕事がどうしても忙しい日などはその前後で調整するなどして、「一週間分のタスク」を最終的に終わらせられるようにしていきます。
・単語本教材例
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 』
https://amzn.to/2HvXRHH
→ 難易度別になっており、音声ダウンロードも可能。聞きながら口に出して覚えるのがお勧め。
・文法本教材例
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』
https://amzn.to/2qt5ffL
→ 問題数が多いが、「苦手の穴」を探すのによい。解説も詳しい。
英語にブランクがある方は、まだこの時点でもたくさんの文法の苦手項目が見つかることでしょう。
語彙と文法力がないと、Part6・7の速読ができませんので、焦らずにこの最初の2ヶ月で苦手項目を洗い出しては確認し、足固めをしていきましょう。問題集などは1回やって終わりではなく、2~3繰り返して、「知識の穴」をしっかり埋めます。
【必要な物】 1ヶ月目と同じ
そろそろ単語本も、すでに覚えきってしまった単語が出てくるかと思います。今度はそれ以外の、何度やっても覚えにくい単語・熟語や、文法問題集などで出てきた単語を重点的に覚えていきましょう。
文法も苦手なところを見直しつつ、ここまでで得た語彙と文法知識を使いながら、今度は長文問題(Part6・7)対策にも着手します。まだ時間は計らずに、長文を読むことに慣れていきましょう。
・長文教材例
『TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング』
https://amzn.to/2HnXukN
→ 本番より少し難しいとの声があるものの、解説が詳しいのが良い。
前半3ヶ月でしっかり足固めしたら、ここからはいわゆる「やり込み」の期間です。リスニングも、リーディングも、パートごとの問題集を使って形式に慣れていきます。
問題を解いた後は必ず、「解説」を読んで正解しても間違えても、なぜその選択肢が正解なのかを必ず確認してください。4択問題なので、たまたま正解した、ということもあるかもしれません。この作業は面倒でも必ず行っていきましょう。正解率を上げていくのに必須の作業です。
苦手なパートがあったらそこを重点的にやっていき、単語は今までに覚えたものを抜き打ち的に自分でチェックしながら記憶を確認します。
・パートごと教材例(リスニング)
『TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング』
https://amzn.to/2HG7Pqc
→ 本番に近い形式が練習できる。アクセントや速さなども新形式に対応。
・パートごと教材例(リーディング)
『TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング』
https://amzn.to/2H3sPGi
→ 3ヶ月目の物と同じだが、今度は読む速度を意識しつつ繰り返してほしい。
4ヶ月目に引き続き、「問題を解く」ことに特化した期間です。インプットした知識を早く引き出せるよう、時間を計りつつ問題を解いていきます。
単語は今までやったものを日々復習する程度で、単語学習には時間をかけず、「問題パターンに慣れる」ことに重点を置きましょう。
【必要な物】 4ヶ月目と同じ
ここまで来たら、あとは総仕上げ。
週末などまとまった時間のある時に公式問題集や模試を使って、本番同様に時間を計って解いていきます。解いた後はもちろん、正誤を確認するだけなく、「ナゼ間違ったのか」を必ず確認してください。
リスニングに関しては、模試のリスニング音声データを通勤中などに聞き、TOEIC リスニング問題の音声スピードにも慣れておきましょう。模試の中に出てきた単語で知らなかったものも覚えていきます。
ここまでしっかり対策をすれば、本番で過度に緊張することもありません。今までの延長線上にあるものとして、TOEIC を自信を持って受けられるはずです。
『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』
https://amzn.to/2HxKBlZ
『【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問』
https://amzn.to/2vbdH8b
今度は3ヶ月で受験準備をするスケジュールです。半年も TOEIC 対策に従事するのは長すぎると感じる方や、集中して取り組める時間を持てる方はこちらを参考にしてみてください。
半年コースと同じく、リスニングと語彙は最初に手を付けるべき項目です。それを日々のベースにしつつ、TOEIC 文法問題集で、苦手項目を洗い出し、解説や参考書で知識を固めていきましょう。
・単語本教材例
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 』
https://amzn.to/2HvXRHH
・文法本教材例
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』
https://amzn.to/2qt5ffL
(以上、6ヶ月コースの1ヶ月目と同じ)
パートごとの問題集で実際の形式に慣れていきます。そのうち、解きやすいパートと、苦手なパートが出てくるかと思いますので、パート別問題集等を使って苦手なパートを放置せずに、その部分を重点的に補強していきます。
・パートごと教材例(リーディング)
『TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング』
https://amzn.to/2H3sPGi
(以上、6ヶ月コースの4ヶ月目と同じ)
時間を計って、本番での時間配分に慣れる練習をします。
リスニングは問題を解く他に、付属CD類をデータ化して、試験直前まで毎日聞きましょう。
『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』
https://amzn.to/2HxKBlZ
『【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問』
https://amzn.to/2vbdH8b
最後にご紹介するのは、すぐに受験しなければならない方のためのスケジュール。
これは中上級者以外にはかなり厳しいのですが、とりあえず1ヶ月間、全力で頑張るパターンです。
やはり最初は語彙とリスニング、文法確認で基礎を固めます。
やり方は6ヶ月コースの1・2ヶ月目と同じですが、時間がないので文法教材は薄めのものを選び、それをできれば2~3回くりかえします。時間がないからといって焦らず、単語や文法の基礎固めは丁寧に行いましょう。
後半は形式に慣れていくために模試類を使っていきます。6ヶ月、3ヶ月と同様、解いたら正誤に関わらず必ず解説を読んで、理解できているかを確認してください。
・リスニング教材例
『速読速聴・英単語 TOEIC TEST STANDARD 1800』
https://amzn.to/2HsvGfq
・単語本教材例
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 』
https://amzn.to/2HvXRHH
・TOEIC 公式問題集・模試類
『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』
https://amzn.to/2HxKBlZ
『【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問』
https://amzn.to/2vbdH8b
以上、半年(6ヶ月)、3ヶ月、1ヶ月単位での TOEIC 対策スケジュールの例をまとめてみました。
半年の対策スケジュールはボリュームもあるので「こんなにやらないといけないのか」と思ったかもしれません。でも、1ヶ月ごとのスケジュールを1週間ごとのスケジュールに分解し、さらに日々のスケジュールに落とし込んでやることを決めてしまえば、意外とできてしまうものです。
ポイントは、1週間ごとのタスクを制覇して、「短期の目標」をクリアしていくこと。これを繰り返していくうちに、量的にも多くの学習が行うことができ、いつの間にか語彙が増え、リスニングも伸び、リーディングも速くなっていくのです。
TOEIC は、こうして学習をコツコツと積み上げていけば必ず点数は伸びていきます。日々のスケジュールに落とし込み、学習メニューを次々とこなし、達成感を感じながら、試験日まで頑張ってください!