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フィリピンで最も貧困!?「ゴミ多すぎ問題」を抱えるバジャウ族の村でランチをご馳走になった。

フィリピンで最も貧困!?「ゴミ多すぎ問題」を抱えるバジャウ族の村でランチをご馳走になった。


DMM留学ブログをご覧のみなさま、こんにちは。紳さんです。

留学中の息抜きとして、10gkのお米とクリスマスツリーをお土産に持って、バジャウ族の村へやって来ました。

写真を見てお分りいただけると思いますが、ゴミがとんでもないことになっています。

フィリピンにもいわゆるスラム街と呼ばれる、貧困層が住む地域がいくつかあります。

スラム(Slum)

都市部で極貧層が居住する過密化した地区のことであり、都市の他の地区が受けられる公共サービスが受けられないなど、居住者やコミュニティの健康や安全、道徳が脅かされている荒廃した状況を指す。

wikipediaより引用・抜粋

バジャウ族の村も、現在はスラム状態にあると言えるでしょう。

フィリピン人は綺麗好きとのことですが……なぜ、この村はこのような事態になっているのでしょうか。

実はここ、セブ市マンバリン地区のアラスカ・バジャウ部落はちょっとワケありな事情があってゴミ収集車が来ません。

なぜ来ないのか? 差別ではないのか? もしや、これが部落差別というものか?

今回、訪問するにあたってアラスカ・バジャウ部落の歴史について色々と調べたのですが、差別されているというのは本当らしいです。

ただ、その差別が社会通念上、不当であるかどうかの判断は非常に難しいものとなります。

何故ならば、ここに住むバジャウ族の民たちのほとんどは国籍を持たないから。つまり、厳密に言うとフィリピン人ではないということになります。

元々、バジャウ族はイスラム教徒の漁業民族で、海の上で生活をする部族です。数百年前から漂泊民としてフィリピン、マレーシア、インドネシアなどの海域を自由に行き来しながら生活をして来ました。いわば、国籍というものを特に意識しない人々なんです。

セブ島で暮らすバジャウ族も自然な流れの中でこの村を作り、漁業を営みながら暮らしていたのですが……

この村の周りではガンガンに都市開発が進み、海は埋め立てられ、すぐ近くに大型ショッピングモールが建ち、もはや漁業どころではなくなりました。


バジャウ族の伝統である高床式の水上住宅。昔は綺麗な海の上に建っていて、家の下でも魚が採れたそうです。

今となってはゴミとヘドロが堆積され、非常に不衛生な環境となっています。村一帯、悪臭がすごいです。

漁業ができなくなれば、当然ながら貧しくなります。フィリピン人からは差別され、行政からも見放され、やがて村はスラム化。

差別のせいで雇用にも苦しみますし、ある意味、フィリピンで最も貧困な村なのかもしれません。

それにしても……

がぞう5-1

ここまでの事態になるまで、何もできなかったのでしょうか?

もはやフィリピン政府からすれば、バジャウ族は「不法滞在者」という扱いです。もうちょっと話し合いでなんとかならなかったのでしょうか?

これに関しては「誰が悪い」ということもないと思うのです。

解決が難しい問題はさておき、僕のような「よそ者」が訪ねても、この村の人たちは笑顔で接してくれます。

子供達の笑顔は素敵だし、貧困ながらも幸せな生活を送っているのかもしれません。

貧しいから不幸せとは限りませんからね。

いざ、バジャウ族のゲストハウスを目指す

今回、なぜ僕が米とクリスマスツリーを持ってこの村に来たのかというと、ランチをご馳走になるためです。いわば、完全に観光目的。

極貧のバジャウ族の村ですが、驚くべきことに最近、「日本人がクラウドファンディングで資金を集め、ゲストハウスを建てた」そうなんですよ。

松田大夢(まつだひろむ)さんという方がバジャウ族を支援するために、この村の観光地化を目指しているとのこと。雇用も生まれるし、素晴らしい取り組みだと思います。

ちなみに、観光客がこの村を訪れる場合は入村料として200ペソ(約440円)を支払う必要があります。

雇用に苦しむバジャウ族にとって、こういった収入は大切ですよね。この村を訪れるツアーとかも出来つつあるのだとか。

それにしても……

道が……

怖すぎる……

細い木の板の上をひたすら歩いて移動します。

万が一にでも足を踏み外すと、「腰まで浸かるヘドロ」に転落することになります。

そうなると体に染み付いたニオイがしばらく取れなくなるのだとか。老朽化した木が割れて、落ちる人もけっこういるそうです。

危険ではありますが、刺激的で楽しくも感じます。

日本って、こういう場所は無いじゃないですか。すぐに行政の指導とか入るし。

これはこれで観光地として人気が出るんじゃないかなって思うんです。大量のゴミも慣れると案外、フォトジェニックだなって思いますし。

これとかもう、道じゃないしね。 棒だよ棒。

完全にアトラクションだよ。

マジ、クリスマスツリーとか持ってこなければ良かった。落ちそう。

シーズンだから喜んでもらえるかなって思ったんだけど、バジャウ族の人たちイスラム教徒だからクリスマスとかやらなそうだし。

こういうところを小さい子供がピョンピョン、飛び回ってるわけですよ。

ただでさえ悪路なのに、有刺鉄線まで張り巡らせた意味とか全くわかんないけど。

だってこれ、ゲストハウスへの道のりなんですよ? なんなの?

でも、なんか楽しいんだよな。

異文化体験という意味では最高だと思う。

そして、着きました! 松田さんが建てたゲストハウス。ちなみに松田さんはこの日、日本で仕事があるとのことで不在。

色んな動物が迎えてくれます。ペットなのか、食材なのか。

家の中は涼しくて、清潔で、なかなか快適。

今回お世話になるバジャウ族の方々。交渉した結果、快くランチを奢ってくれることに。

松田さんのおかげで日本人に慣れているせいか、話がものすごくスムーズです。

なぜか家族総動員で料理が始まりました。

聞けば、バジャウ族は団体行動がすごく好きみたいです。協力的なんですね。

今回、魚を使った料理を作ってくれるそうです。手でガンガン捌いていきます。

さすがは海の一族。手際が良い。

切り身にして、酢と塩で揉んでいきます。

玉ねぎ、生姜といった野菜。これらを合わせて、マリネのようなものを作るのかな?

ちなみに、料理に使う水はこのタンクから。

大丈夫かな……? フィリピンでは赤痢や腸チフス、A型肝炎など水から経口感染する病気が多いのでちょっと不安です。

こんな小さい子がゴクゴク飲んでるから大丈夫、とは限りません。

どこの国でもそうですが、生まれ育った腸内環境が異なるので、一概に現地の人が飲んでるから日本人が飲んでも平気、とはならないんですね。

とはいえ、今回は勝手に訪れてご馳走になる立場。文句など言いませんよ。

こちらはキャッサバという植物を粉にしたもの。これを油で炒めて食べるのだとか。

キッチンというものはありませんが、カセットコンロを床に置いて調理をしていました。

家の外は、そのまま海。海というか、埋め立てられた今となっては川になるのかな?

料理中に出たゴミはガンガン、外に放り投げていきます。ビニール袋とかも。

タバコの吸い殻とかも全部投げ捨てていました。そういう風習なのでしょう。

ちなみにトイレとかも無いらしいです。だいたい、想像つきますね。

バジャウ族の特製ランチをいただく

というわけで完成です!

これらを手づかみで食べるそうです。食中毒を防ぐため、ちゃんとアルコール消毒してくれました。このあたりは意外と現代的です。

家族の団欒に混ざって、いただきます!

食べ始めてすぐに思ったのが、みんな食べるのがめちゃくちゃ早いということ。

いや、本当に。ものすごいスピードで頬張っていきます。

食事を素早く済ませるのは、バジャウ族のスタイルなのでしょうか。

負けじと、僕もいただきました。

料理の感想

魚の身を酢でしめて、野菜と混ぜ合わせたもの。

すごくフレッシュな感じです。いわば魚のマリネですね。

かなり酢と塩の味がキツいので、パンと一緒に食べるのが良さそうですね。

というわけで、パンのようなもの。

キャッサバの粉を油で炒めると、このような状態になります。グルテンフリーの小麦粉みたいなものだそうです。

ほんのり甘くて、香ばしくて、味は良いんですが食感がボソボソなのが残念!

魚の骨のスープは塩コショウで味付けされたシンプルな味わい。

良い感じのダシが出ていて、スパイシーで美味しいです。

全体的に、めちゃくちゃ絶品!という感じではないですが、シンプルで素材の味をしっかりと楽しめる料理だと思います。

手で食べるのも、雰囲気があって良いですね。ごちそうさまでした!

まとめ

ランチをご馳走になったお礼に、お米とクリスマスツリーをプレゼント。

すごく喜んでくれて、ホッとしました〜。

でも、クリスマスツリーはもしかしたら邪魔だったかも知れない。。。
投げ捨てられないことを祈りたい。

セブ島の都市開発に巻き込まれて、取り残されたバジャウ族。これからも生活は大変だと思いますが、観光地化がうまく進めば村が潤い、人々の生活が改善される可能性はあります。

あと、ここの人たちは明るくて、優しくて、楽しそうで。物乞いみたいな人もいませんでしたし、日本人が観光で来る場所としてかなりオススメです!

あなたの人生観を大きく変えてくれるかもしれない、バジャウ族の村。留学でセブ島に来た際には、訪れてみてはいかがでしょうか?