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確実に英語の「発音力」を鍛える2種類の音読方法【英語音読トレーニング vol.1】

確実に英語の「発音力」を鍛える2種類の音読方法【英語音読トレーニング vol.1】

英語を身に付けるために「音読しよう」とよく言われます。

学校や英会話スクールでは音読は当たり前に取り入れられていますし、塾や予備校でもその大切さが叫ばれるようになりました。
でも個人でするとなると、

・音読ってどうやってやればいいの?
・とりあえず声に出して読んでいればいいの?
・最近よく聞くシャドウイングって何?

と戸惑っておられる方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、「音読はきっと大切だ、やってみようかな」と思ってはいるけれどいまいちやり方がよく分からないという人や、やってはいるけれど本当に正しいやり方でできているか不安な人のために、しっかりと効果を上げるための具体的な音読のやり方をご紹介します。

ぜひ実践して、音読の効果を実感してみてください。

音読を始める前に

英語で音読を始める前に

「音読」とは広い意味では「声に出して読むこと」です。

でも、ただ声を出してさえいれば良い、というわけではありません。

音読にはいろいろなやり方があり、それぞれのやり方に応じて意識するべきポイントや目標、目的がありますから、それらをきちんと明らかにして取り組まないとあまり効果は得られません。

そもそも人間が言葉を話すという行為は、いろいろな要素が折り重なって実現しています。それは大きく三つのポイントに分けられます。

発音が正しい

一つは、発音が正しいことです。

単語一つ一つの発音、語と語の音の連結や消失、息継ぎのタイミングや強勢や文全体のイントネーション、リズム、適切なスピード感なども含めて、一連の発音上の流れが正確に出来上がっていることです。

文法と意味の理解

二つ目は、自分が話していることの意味とそれを伝えるための言葉の仕組みを理解していることです。

何かをしゃべるとき、意味も分からずに話すことは普通はありません。相手に何を伝えようとしているかをきちんと踏まえた上で、それを伝達するために相応しい言葉を、適切な仕組み(文法)を利用して話しているはずです。

感情が伴う

そして三つ目は、感情が伴うことです。

たとえば "Why?(なぜ?)" という問いかけ一つとっても、その時々の内容や感情によって興味、怒り、不信感などさまざまな感情が伴うはずです。そして感情によって音の強弱やリズム、イントネーション等が左右されることも少なくありません。
英語を音読するとき、最終的にはこれらのポイントを踏まえて、自分の言葉として英語を話す感覚を身に付けることを目指す必要があります。

なんとなく読み上げるのではなく、一つ一つのポイントに目を向けてトレーニングを重ねていく意識を持つことが大切です。

発音力を鍛える音読

英語の発音力を鍛える音読

ではいよいよ具体的な実践方法をご紹介していきます。

言語の本来の姿は音声ですから、まずは一つ目のポイントである発音を鍛える音読から始めましょう。

なお、音読に使う英文は易しめのレベルのものを選び、内容はあらかじめ理解しておいてください。

リッスン&リピート

中学校や英会話スクールなどでも経験があるかと思いますが、リッスン&リピートは、発音力を身に付けるために効果抜群。

やり方は簡単です。

【実践方法】
1) 素材となる模範音源(書籍付属のCDや音声データ等)と英文が書かれたスクリプトを用意します。2) 一度音声を再生し、スクリプトを見ながら聴き取ります。

3) 一文聴き取ったら音声を止め、今聞き取ったばかりのものをスクリプトを見ながら同じように発音します。

たったこれだけのとてもシンプルな音読です。

この練習のポイントは、スクリプトを見ながら模範音声と同じ(または限りなくそれに近い)発音ができることを目指すこと。

はじめのうちはゆっくりでも構いません。また、文が長い場合や内容や発音が難しい場合には、意味の句切れごとに行っても構いません。

LとRはどのように発音するのか、THとSはどう違うのかなど、しっかり耳を傾けながら、モノマネをするつもりで可能な限り模範音声に近づくことを目標としてください。これをコピーイングと呼ぶこともあります。

音の連結や消失についても同じ。英語の発音に慣れないうちは、どうしても舌が回らなかったり、言い詰まってしまったり、カタカナ読みになって英語らしく発音できなかったりしますが、できるだけ音声に近づけようと努力する姿勢が大切です。

スクリプトを見ながら行うのは、文字と音の関係をきちんと認識するためでもあります。まずはきちんと英語の発音として、口や舌が動くようになることを目指しましょう。

スピードとリズム感を鍛える音読

英語のスピードとリズム感を鍛える音読

リッスン&リピートである程度発音に慣れてきたら、今度は文としての自然なスピードとリズム感をさらに鍛えることを目指していきます。

オーバーラッピング

ここで登場するのがオーバーラッピングという音読方法です。

【実践方法】
1) リッスン&リピートと同じ音声とスクリプトを使います。2) 音声を再生し、スクリプトを見ながら模範音声と同時に声を出します。

この音読のポイントは、音声を流したら、その音声にかぶせて全く同時に読むことです。

はじめはなかなかうまくいかないと思います。舌が回らない、速すぎてついていけない、息継ぎのタイミングが分からない、強弱がつけられないなど、模範音声と自分の発音との違いが明らかになることでしょう。

でもそれが重要です。実際の発音と自分の発音の差にまずは気が付くことがキーとなります。

模範音声と自分の発音に差が生じているということは、自然なリズムとスピードで読めていない証拠ですから、何度も何度も、可能な限り模範音声に近づけられるように繰り返しオーバーラッピングをしてください。

概ね音声通りに発音できるが、ところどころ舌が回らない箇所がある、というような場合もあります。その場合、いったんオーバーラッピングを中断して、その箇所だけリッスン&リピートを行い、適宜部分的に矯正しながら行うことも一つの手です。

スピードオーバーラッピング

オーバーラッピングに一通り慣れてきたら、今度はスピードオーバーラッピングを行います。基本的なやり方は上記のオーバーラッピングと同じですが、ここでは速度を速めます。

CDプレイヤーやスマホアプリなどの中には、音声の再生スピードを調節することができるものがあります。これを活用して、ノーマルスピードよりも速いオーバーラッピングにチャレンジしましょう。

速度としては、ノーマルスピードの1.2倍か1.3倍くらいが適当です。

このスピードオーバーラッピングには、口や舌の動きをさらに確実のものにし、速い速度でも適切なリズム感を保つことで、スピードに左右されない英語感を身に付ける目的があります。

また、スピードオーバーラッピングを行った後に、ノーマルスピードでオーバーラッピングをしてみると良く分かるのですが、最初は速いと感じていたはずのノーマルスピードがとても遅いと感じるようになります。

英語の通常のスピード感を身に付けることと、速すぎて難しいと感じた当初の問題を克服することは十分に可能だ、ということが実感できると思います。

相互チェック

英語の発音は相互チェックをしよう

ご自身の発音力が上がったかどうかを、誰かに聞いてもらうことも大切です。

学校や英会話スクールの先生、英語のできる同僚や友人など、可能な限り誰かに聞いてもらって評価を受けてみてください、

そうすれば上手くなった点やまだまだ改善が必要なところなど、さらなる向上のチャンスが見えてきます。

また、ご自身の声を録音し自ら聞いて模範音声と比較、自己評価をすることもとても効果があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はまず「発音力」を鍛える基本的な2種類の音読方法をご紹介しました。

これらの音読で大切なことは、よく聞き何度も繰り返すことです。一度や二度読んだだけで終わらせず、何十回と繰り返し読み、口が勝手にそう動くようになるくらいまでやり続けてみてください。

次回は「意味」や「感情」を伴う音読練習法をご紹介します。それまでリッスン&リピートとオーバーラッピングをしっかり続けてみてくださいね。