SHIORI
(更新)
「もちろん」という言葉は、日常からビジネスの場まで、幅広く多くの場面で使われています。
相手に何かを依頼されたときや許可を求められたとき、はたまた同意を求められたときや皮肉を言うときなど……。
一般的によく知られている「もちろん」の英語表現は「of course」ですが、実はそれ以外にも「もちろん」を表す英語表現が多く存在することをご存知でしょうか?
たくさんの言い回しがあるのにも関わらず、1つや2つの英語表現を使い回しているという人は少なくないはず。
そこで今回は、何通りかの「もちろん」の英語表現とその使い方、ニュアンスなどを一緒に紹介していきたいと思います。
冒頭でも述べましたが、「もちろん」といえば、「of course」という英語表現が一般的によく知られており、ビジネスから日常まで、さまざまな場面で使うことができます。
「当然」や「当たり前」という意味があり、その多くは賛同や許可などのポジティブな意味で使われます。
たとえば、相手の申し出を快く引き受ける際や、確信を迫られるような質問を受けた際などに、「もちろん(当然です)/もちろんいいよ・大丈夫です」とポジティブな意味で使われるのが一般的。
しかし、「もちろん大丈夫だよね?」「いいよね?」など相手に対しての(強制的な)肯定を強く意味することもできてしまいます。その場合は、「そんなの当たり前でしょ」という上から目線で少しネガティブなニュアンスになってしまうので、使う際には注意が必要です。
また、(自覚の有無関係なく)相手を見下すような当たり前すぎる質問をしてしまった場合にも、返答として of course が使われ、相手の言い方によっては「当たり前じゃん(馬鹿にしてるの?)」とネガティブな返事にもなりえます。
「お手洗いをお借りしても良いですか?」
「もちろんいいよ!」
「新しい大統領知ってる?」
「もちろん(言われなくても当然知っている)」
→ネガティブになりうる英語表現
「もちろん時間内に終わらせられるよね?」
→「時間内に終わらせて当然でしょ?」というニュアンスになりうる英語表現
of course の次に頭に浮かぶ「もちろん」という単語は、「sure」だと思います。
sure にはもともと「確信して」という意味があり、確実に肯定することから「かしこまりました」「もちろん」「ぜひ」など、主に相手への返答として使われる、とてもカジュアルな英語表現です。
誰かから何かをお願いされたり、何かに誘われたりしたときの「もちろん」の返事として使われることが多い印象。
しかしネガティブなニュアンスも同時に持ち合わせており、言い方によっては、「もちろん」とは言ったもののあまり乗り気ではなかったり、どこか面倒臭さが感じられるようになってしまいます。
失笑しながら「まあ、そうでしょうね」などの皮肉なニュアンスでも使われるので、言い方には注意したい英語表現です。
「映画でも見にいく?」
「そうだね!」
「ねえ、今日20%の仕事しかできなかったんだけど、残りやっといてくれる?」
「あー…もちろん」
「問題ない」という意味の「no problem」は、頼まれたことに対して、「問題ないよ、やっておくよ」や「容易いご用だよ」というニュアンスで使われます。
カジュアルですが、sure よりも少し堅めな英語表現で、ビズネスの場でも使うことができます。
また、ネガティブな英語表現になりうる sure の後に no problem を置くことで、お願いされたことに対して「本当に問題ないよ」というニュアンスを加えることができます。
「これ終わらせてくれる?」
「はい、了解しました(まったく問題ないです)」
「それしておいてあげるよ、全然問題ないよ」
「absolutely」のもともとの意味は「絶対に」や「完全に」で、副詞としてよく使われます。
しかし absolutely 単体でも、相手からのお願いや誘いへの返事、または相手への賛同の表現として使うことができます。
「絶対的に(OK)」や「疑いなく、確実に(yes)」のような強い肯定 absolutely yes の省略形と思っていいでしょう。
逆に否定をしたい場合は、absolutely not「ありえない、絶対にない」と言います。not を省略することはできません。
「ワインをもう一杯いただけるかしら?」
「もちろんです」
「やっぱ怒られると思う?」
「絶対にね(もちろんそうでしょ)」
「definitely」にも、「確実に」や「明確に」などの意味があり、absolutely とまったく同じように使うことができます。
ですが、absolutely の方がよりフォーマルで、definitely はフォーマルでありながらも、カジュアル寄りな英語表現になります。
「彼がオフィスでタバコ吸ってたこと報告したほうがいいかな?」
「絶対したほうがいい(もちろん)」
「あなたのホッチキス借りてもいい?」
「もちろん」
「確実な」や「疑いのない」などの意味を持つ「certainly」は、イギリスでよく使われる英語表現で、absolutely や definitely と同じような意味合いで使われます。
とても丁寧な英語表現であることから、上司や取引先、お客様などに対して使われることが多いです。高級レストランなどでもよく耳にする英語表現ですね。
「キッチンにもっと大きいシンクを加えていただけますか」
「かしこまりました(もちろんです)」
「フィレステーキのミディアムレアをいただきます」
「かしこまりました」
直訳すると「すべての意味で」となりますが、すべての意味を含めた上で否定することが一切ない状態を表すことから、「もちろん」として使用可能。
相手からの依頼に対して積極的に「もちろん」「ぜひ」「どうぞ」と承諾や許可をする際に使われます。
積極性があり、丁寧な英語であることから、ビジネスの場でも使用することができる表現です。
「財務部のマネージャー、スミスさんとお話できますか?」
「もちろんです」
「Wi-Fiのパスワード教えてもらってもいいですか?」
「もちろんです」
直訳して「喜んで」という意味を持つこの英語表現は、そのままの意味で「喜んで〜します」=「もちろんいいよ」「ぜひ」などとなります。
積極的に依頼を承諾するときなどに使われます。
「この書類のコピーとってくれる?」
「もちろんです(喜んで印刷します)」
「チーズケーキ1つください」
「喜んで!(もちろんです)」
直訳をすると、「なぜダメなの?」という意味になり、否定や拒否をする理由がないことから、「もちろん」という意味で使われます。とてもカジュアルな英語表現です。
「プールパーティーに行こうよ!」
「もちろん!」
「放課後ショッピングモールに行かない?」
「うん、そうしよっか(もちろん)」
「positive」にはさまざまな意味がありますが、「積極的」「プラス」「明確な」「疑いのない」など、基本的にどれもプラスの意味を表します。
positive を使った「もちろん」という英語表現は、何かを聞かれたときに、絶対にそうであるという確信を相手に伝えるために使われます。
「それは確かなの?/本当?/マジで?」
「もちろん」
「(服の色選び)赤と青どっちがいい?」
「青がいい」
「本当に青の方がいいんだね?」
「もちろん」
「じゃあ青にしよ〜」
「完全に」や「まったく」という意味を持つ「totally」は、一般的に形容詞を強調する際によく使われます。
しかし、相手が言ったことに対して、「まったくもってそうである」や「完全に賛成である」といったニュアンスを含んだ「もちろん」の意味でスラング的に用いられることも多いです。
「バー行く?」
「もちろん!(大賛成!)」
「1億円持ってたらな〜」
「同感(そうだよね)」
「obviously」には、「明らかに」や「疑う余地のない」の意味があり、相手の言ったことに対して「当たり前じゃん」「もちろんだよ」という肯定の返事として使われます。
しかし「どう見ても、言うまでもなく〜だ」というニュアンスを持つため、of course のように、使い方や状況によってはネガティブな英語表現になってしまいます。使う際には十分注意しましょう。
「今日はおばあちゃんのお手伝いに行くってこと忘れないでよ」
「もちろんだよ」
「死んだら何も食べられないよ」
「もちろんそうだよね」
→当たり前すぎてネガティブになりうる英語表現
「clearly」も obviously 同様、「明らかに」や「はっきりと」「疑う余地のない」という意味を持ちます。そのため、obviously とまったく同じように使うことができます。
「前の車に気をつけて!」
「もちろん(わかってるよ)」
「家賃とそのほかの支払いで服を買うお金がないんだよね」
「そうだよね」
「bet」には「賭ける」という意味があり、「賭けてもいいくらい快諾しているよ」というニュアンスで使われます。とてもフランクな言い回しです。
「クッキーいる?」
「もちろん!」
「一瞬ペン借りてもいい?」
「もちろん!」
sure と同じように使われますが、for がつくことにより、sure よりも少し強調されたようなニュアンスを持ちます。
快諾の度合いは of course と同じくらいで、sure とは違い、ポジティブな英語表現として使われることが多いです。
「ちょっと飲みに行く?」
「うん、もちろん!」
「今日公園に行こうよ」
「いいね!」
直訳をすると「疑いのない」になり、「疑いがないくらい快諾している」というニュアンスを持つことから、「もちろん」の意味で使われます。
「ジャスティンビーバーの新しいアルバムきいた?」
「もちろんだよ!」
「チョコレートが好きなの?」
「そうなの!(もちろん)」
どうでしたか?
「もちろん」の英語表現は of course や sure だけではありません。
何通りもの英語表現で「もちろん」を言えるようになるだけでも、周囲からの評価が上がったり、自分の英語に対してもっと自信をつけることができると思います。
たくさんの人と英会話をしていく中で、今回出てきた英語表現を積極的に使い、コミュニケーションの幅をさらに広げていってください!