西東 たまき
(更新)
「5W1H」という言葉の意味を覚えていますか?
の頭文字を合わせたもので、物事を分かりやすく説明する「法則」のようなものでしたね。
今回の記事では、「何を」にあたる「what」について特集します。
What is this?「これは何ですか?」など、what を使って「何か」を質問する英語フレーズは、入門レベルの英語でたくさん出てきましたね。
しかし、what の意味と使い道はそれだけではありません。
英語のレベルアップを目指すなら避けて通れない what の「別の使い方」について解説していきます!
英語の勉強で最初に what が出てきたのは、次のような疑問文の形式ではなかったでしょうか。
相手の自由な回答を引き出して会話を盛り上げるオープン・クエスチョンの基本として大事な使い方です。
「今、何時ですか?」
「お仕事は何ですか?」
「今朝は何を食べましたか?」
「その映画の名前は何でしたっけ?」
「あなたは何をするつもりですか?」
けれど、what を使うのは「何か」を聞く疑問文だけではありません。
ほかにも、簡単なのにとっても便利な使い道があるのです!
英語では、「~すること、~するもの」という表現を作るときにも what を使います。
例を見るのが一番早いでしょう。語順のパターンを感覚的に掴んでください。
「私が考えること」
「私にできること」
「あなたが言うこと」
「それが意味すること」
「私たちが食べたもの」
「あなたが見てきたこと」
「何」の意味で使う what とはまったく異なる使い方ですよね。
この表現ができるようになると、文章に組み込んで次のような文も作れます。表現の幅がだいぶ広がりますね。
「私が考えていることを知りたいですか?」
「私にできることをするだけです」
「あなたが言うことは正しいですよ」
「それが意味することについて説明してくれますか?」
「私たちは、自分が食べたものそのものです=食が体を作る」
「あなたが見てきたことを教えてください」
what を使った言い回しは、たくさんあって挙げきれないほどです。しかも、どれも使えるものばかり。
ここでは、特におすすめのものを挙げていきます。
「何だと思う?/当ててみて」
人に「何だと思う? 当ててみて」と推測させるセリフがありますよね。英語では Guess what? と言います。
「どう思いますか?」
これを文字通りに理解すると「あなたは何て言いますか?」ですね。
日本語では相手の意向をたずねるとき、このような言い方はしませんが、英語では What do you say?「あなたは何て言いますか?=どう思いますか?」と質問します。
「済んだこと・起きたことは仕方がない」
what is done で「行ったこと、起きたこと」の意味です。
「行ったこと・起きたこと(What is done)は、もう済んだこと(is done)」。つまり、で「済んだこと・起きたことは仕方がない」という意味になります。
「因果応報/自業自得」
洋楽の曲名にもあるこの表現は、「行いは巡り巡って戻ってくる」というのが文字通りの意味。
四字熟語の「因果応報」や「自業自得」といった表現に相当します。
「どういう神経してるの!」
厚かましい人に対し、日本語で「どういう神経してるの!」と言ったりしますね。
英語でも「神経(nerve)」を使います。図々しさや厚かましさに呆れたときに言うセリフが What a nerve! です。
「What+a/an+名詞!」という組み合わせで「何て〇〇なんだろう!」という感嘆文が作れます。
「残念!」
こちらも上と同じパターンの作りです。
「残念!」という意味の英語フレーズなのですが、「shame=恥」の意味で覚えているとちょっと違和感があるかもしれませんね。
実は shame には「遺憾」という意味もあるのです。学校のテストで惜しい間違いをしたときは、先生が What a shame!「残念!」と書いてくれたりしますよ。
「どうしてここに来たのですか?」
海外から来た人に「何をしに日本へ来たのか?」とインタビューする人気TV番組がありますね。
そのセリフをそのまま英訳すると Why did you come to Japan? です。でも、そもそも、この言い方は失礼だと思いませんか? 「何をしに日本へ来たのか?」という質問は、捉えようによっては「(来なくていいのに)なぜ来たの?」というニュアンスも含まれます。
海外の人が何を求めて日本に来たのかは興味深いですが、それを英語で質問する際は、ぜひとも What brought you to Japan? の方を使ってください。「何があなたを日本へ導いたの?」という訊き方です。
以上、英語の基礎単語 what は、「何」から始まる疑問文だけでなくいろいろな表現に使えるということをお伝えしました。
「~すること、~するもの」という言い方が作れると、表現の幅がグンと広がりますね。シンプルなパターンなので、これはぜひ使い慣れてマスターしてください。
続いてご紹介した what を使った英語フレーズも、具体的なコミュニケーションに必要な実用フレーズばかりです。こちらについては、丸暗記をおすすめします!