「その英語…何?」ネイティブ・スピーカーを混乱させる和製英語
日本語はさまざまな言語から言葉を借用している言語で、そのなかには英語からの借用語も多く含まれています。ある意味、多くの英単語が日本人にとって馴染みのあるものなので、英語を勉強する際には有利に感じるかもしれません!
しかし、これらの借用語は、英語と日本語で必ずしも全く同じ意味になるとは限りません。今回は、日本語を母国語とする人が注意すべき例をいくつか取り上げて紹介します!
英語を母国語とする人なら理解できる場合もありますが、混乱してしまう場合もあります。このような誤解を招く用法を避けるために、いくつか知っておきましょう!
英語と日本語で意味の違う和製英語
それでは、早速意味の違う和製英語を紹介していきます。驚くものもあるかもしれません! 今まで間違えたまま使ってしまっていた人は要注意。これから気をつけていきましょう!
SNS
日本では、InstagramやTikTokのようなサービスやアプリの話題になると、「SNS」という言葉を一般的に使います。これは、social networking service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の短縮形です。
しかし、実は英語圏ではソーシャル・ネットワーキング・サービスという言葉は理解できても、短縮形であるSNSは混乱を招きかねません。
これらのアプリの一般的な英語名は実際には social media だからです。
ちなみに、複数のアプリについて話すときは、social と略されることもあります。
Image
「イメージ」も日本語ではよく使われる言葉ですが、英語では同じ意味を持ちません。それは、英語で image は実際に見ることができる絵を指すからです!
日本語の「イメージ」は、物理的に見ることができるというよりは、頭の中にある絵のようなものではないでしょうか? より比喩的なこの意味は、英語では impression に近いです。
「頭の中にイメージを思い浮かべる」のように動詞として使う場合は、imagine を使います。
Live
日本では、 live(ライブ)を見に行くと言うのが一般的です。それは live がコンサートのパフォーマンスやショーを意味する名詞として使われているからでしょう。
しかし、英語の live は実はそのような意味では使われません。Live は、以前に記録されたものではなく、その瞬間に起こっていることを表す形容詞や副詞です。コンサートやショーそのものを表す名詞ではありません。
o I'm going to a concert tomorrow.
Live show や performance という言い方もできます。
Gorgeous
日本語の「ゴージャス」の用法は英語の意味に近いですが、完全に一致するわけではありません。英語では、gorgeous は beautiful のもっと強いバージョンとして使われ、何にでも使うことができますが、特に人や天気について話すときに使われます。
日本語の gorgeous の用法は、実際には英語の fancy や luxurious に近いのです。
o They serve really luxurious meals at that restaurant.
o Wow, this hotel is really fancy.
ホテルを gorgeous だと言っても構いません。しかし、そう言った場合、ネイティブ・スピーカーは豪華という意味ではなく、 beautiful(美しい)という意味だと勘違いしてしまう可能性が高いです。
豪華でなくても美しいホテルはあります。また、豪華だからといって実際に素敵に見えるとは限りませんよね。
派手すぎるものは、人によっては醜く見えることもあります。だからこそ、このように異なる概念を表す言葉を知っておくと、便利なのです。
Smart
日本語で「スマートだね」と言われたら、おそらく学歴や学力とは関係ないことが多いです。というのも、実は日本ではほとんどの状況で「細い」「スタイルがいい」という意味になるからです! 洋服屋さんでも、細い体型の人向けのサイズを指してスマートと表現していることもあります。
しかし英語では、smart は通常体型のことではなく、基本的に intelligent(知的)を指します。
Smart は、実は英語でも stylish という意味で使われることがあります。しかし、それはあくまでも服装のことであり、人の体格を指すものではありません。
Heartful
日本では、親しい友人や居心地の良い故郷を表現するのに heartful(ハートフル)という言葉が使われることがあります。
英語を母国語とする人であれば、この言葉を理解するのはそれほど難しくはありません。しかし、これは間違いなく英単語ではないので要注意です! Heartful の代わりに、kind や warm-hearted、あるいは単に friendly という単語を使った方が良いでしょう。
o The people in my hometown are really kind and warm-hearted.
この言葉に気をつけなければならないもう一つの理由は、発音が hurtful(傷つきやすい)という単語に似ているからです。これは、何かによって精神的な苦痛を受けたときに使われる単語なので、気をつけたいですね。
Menu
日本語では、「このレストランはたくさんのメニューがあります!」と言うことがあります。しかし、これは英語を母国語とする人たちを戸惑わせる表現の一つなのです!
英語では、menu はレストランが用意できるすべての料理を記載したリストだからです。通常は1つですが、飲み物やデザートのメニューが別にある場合もあります。英語で話すときには、menu と dish を混同しないようにしましょう!
o I love the pasta here, but I'm going to try a different dish this time.
o They can prepare a lot of different dishes here.
Talent
日本語でも英語でも talent は名詞です。しかし、日本語では「人」を指すのに対し、英語では「知性」や「ユーモアのセンス」など、その人が持つ特別な特徴を指します。
日本語版の「タレント」という言葉を英語に直訳すると entertainer(芸能人)や celebrity(有名人)となりますが、俳優、ダンサー、コメディアンなど、その人の職業を具体的に示す方が一般的ですね。
o She is a very famous singer.
Talent は英語でも人を指すことがありますが、個人ではなくグループについて話すときに使われます。特にエンターテインメント業界でよく使われる言葉のようです。
Celeb
日本語では、「セレブ」はお金持ちを指す名詞として、あるいは裕福な、派手な、という意味の形容詞として使われます。しかし、英語では celebrity、つまり有名人の短縮形としてしか使われません。似ているようで、違う意味なのです!
Boom
「K-POPブーム」や「ソロキャンプブーム」のように、日本では何かが大流行すると、それを語るときに「ブーム」という言葉を使うのが一般的です。
一方で、英語のネイティブ・スピーカーは名詞の trend や fad を使うのが一般的です。トレンドという言葉もこのような意味で使われることはありますが、形容詞の trendy の形で使われることが多いでしょう。
Fad(流行)は実は否定的な意味合いを持ちます。その人気は一時的なもので、すぐに消えてしまうというニュアンスです。
英語で boom をより自然に使いたい場合には、ビジネスで成功することを表す動詞として使いましょう。
また、boom は何かポジティブなことがあったときに、それを強調するための演出として使うこともできます。この用法は爆発音を模倣したものなので、ごくカジュアルなシチュエーションでのみ使用してください!
和製英語の用法には気をつけよう!
このように、英語からの借用語だからといって、全く同じ意味とは限りません。
全てが同じように使われるわけではなく、ちょっとした違いでも混乱につながることがあります。
もちろん、このような「借用語」は他にもたくさんありますが、この記事で説明したものを、次の英会話でより自信を持って使えるようになっていただければ幸いです!
Written by David J
Adapted by Amy