DMM英会話ブログ編集部
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「胸がドキドキする」「雨がざあざあ降る」の「ドキドキ」や「ざあざあ」など、人の感情や動作、物の様子や発する音を文字に移し替えたものを「オノマトペ」と言います。
日本語は他の言語に比べてオノマトペが非常に多い言語です。それは他の言語に比べて動詞や形容詞が少なく、「(ジロジロ)見る」「(コソコソ)見る」のように、オノマトペを加えることで表現の幅を広げるためと言われています。
このように普段何気なく使用しているオノマトペを英語に置き換えようとしたらどのようになるのでしょうか。さまざまなカテゴリーのオノマトペを英語にしてみました。
人の持つ感情や性格は音を出すものではありませんが、日本語にはこれらがまるで音を出しているかのように表現するオノマトペが発達しています。
イライラ(irritated/frustrated)
これらはストレスをため込んでいる様子を表しますが、イライラする対象につく前置詞はそれぞれ “by” と “with” になることに注意してください。
「私は彼にイライラする」
ドキドキ(heart beating)
心臓の鼓動は “beat” で表現します。
「心臓がドキドキしてる!」
「彼を見るとドキドキする」
ワクワク(excited)
何かを楽しみにして興奮したり気持ちが高ぶっている様子を表します。
「日本への旅行にワクワクしていますか?」
しょんぼり(to be disheartened)
“heart” が “down” 、つまり落胆や気落ちを表す副詞です。
「彼女はしょんぼりと立ち去った」
チャラチャラ(frivolous)
不真面目で浮ついた人を表す言葉です。服装が派手という意味のチャラチャラは “flashy” が使われます。
「彼と別れたのは彼があまりにチャラチャラしていたからだ」
なよなよ(wimpy)
「意気地なし」「弱虫」といった人柄を表す形容詞です。名詞形では “wimps” となります。
「どうしてあんななよなよした奴が女の子に人気なのかわからない」
さばさば(frank and broad-minded)
「率直」という意味の “frank” と「心が広い」という意味の “broad-minded” を併せています。
「私はさばさばした女性に惹かれる」
ねちねち(naggy)
口やかましくてしつこい、やっかいな人柄を表す言葉です。
「私の姑はどうでもいいことでねちねちと話す」
人の見た目や身体的特徴を表現するオノマトペも数多くあります。それらに対応する英語表現を知っておきましょう。
むきむき(ripped)
筋肉隆々な様子を表すスラングです。スラングを避けたければ “muscular” を使うことができます。
「彼はむきむきの体を見せびらかすのが好きだ」
がりがり(bony)
痩せているという意味では “skinny” がよく使われますが、それよりも痩せていて骨ばった様子を、“bony legs(骨ばった脚)” といった具合に表します。
「彼女のガリガリした脚を見てごらん。ちょっと心配だ」
うるうる(watery)
瞳が潤んでいる様子を表す言葉です。似た意味で “teary” があります。
「彼女のうるうるした瞳に惚れてしまった」
つやつや(silky)
“silk” (絹)の形容詞形で、絹のようなつやつやした手触りを表します。
「彼女のつやつやの髪はほかの女の子に羨ましがられます」
(脂で)ぎとぎと(greasy)
“grease” (油脂)の形容詞形で、嫌悪感を含めた言葉です。
「彼の脂ぎとぎとの顔に嫌悪を覚える」
モジャモジャ(shaggy)
毛深さ、毛むくじゃらな様子を表す言葉です。髭だけではく髪の毛に対しても使われます。
「あなたのモジャモジャ髭はだらしない印象を与えてしまう。もう少し整えたほうがいいよ」
痛みの表現方法も一様ではありません。さまざまな痛みの表現を知っておくと、病院に行ったときなどに役に立ちますよ。
しくしく(dull)
日本語で「鈍痛」にあたるもので、にぶく重苦しい痛みに対して使用されます。
「お腹がしくしく痛みます」
きりきり(sharp/stabbing)
「鋭い痛み」にあたるもので、刺し込むような痛みに対して使用されます。
「胸がきりきりと痛みます」
ひりひり(stinging)
叩かれたり火傷をしたあとの痛みに対して使用されます。
「背中を叩かれてヒリヒリと痛みます」
ずきずき(throbbing)
心臓がドクドク脈打つ度に痛む場合に使われます。
「頭がずきずきと痛いのでアスピリンを飲んだ」
ちくり(prick)
針や細長いものが刺さったりして、ちくちくとした痛みに対して使用されます。
「指にかすかにちくりと感じた」
人の動作や状態をあらわすオノマトペは英語でどのように言うのでしょうか。
がぶがぶ(chug down/gulp down)
「一気に飲む」「飲み干す」様子を表す言葉です。
「喉が渇いたので水をがぶがぶ飲んだ」
もごもご(mumble)
言葉を不明瞭につぶやくという意味の動詞です。食べ物を大変そうにもぐもぐ噛むという意味もあります。
「老人はもごもごと何かを言った」
ごろごろ(sit around)
「座ってボーッとする」「無為に時を過ごす」という意味があります。「~の周りを囲んで座る」という意味でも使用されます。
「休日はいつも家でごろごろしている」
ぶらぶら(hang around)
「当てもなくぶらつく」「徘徊する」という意味の動詞です。
「公園でぶらぶらしていたらいい景色を見つけたよ」
はきはき(briskly)
“speak” と併せることできびきびと話す様子を表現することができます。代わりに “clearly” を使用することもできます。
「彼は観客の前で、堂々とはきはきと話しました」
どろどろ(in a mess)
「乱雑な」「汚い」という意味を持ちますが、“relationship” と併せることで「どろどろ(な関係)」を表現することができます。
「彼氏の浮気が見つかった後、二人の関係はドロドロの状態になってしまった」
食べ物や飲み物の食感や口当たりを表現する言葉も数多くあります。食事のときなどのボキャブラリーを広げてみましょう。
ふわふわ(fluffy)
本来の「綿毛の」という意味からふわふわ感を表します。
「このパンケーキはとてもふわふわだ」
もちもち(chewy)
「容易に噛みこなせない」という意味から噛みごたえのある食感を表しています。
「このもちもちしたベーグルはどう作るんですか?」
サクサク(crispy)
「カリッ」「シャキシャキ」「パリパリ」といった歯触りのよい食感を表すことができます。
「私はもちもちよりもサクサクしたピザのほうが好きだ」
ねばねば(gooey)
粘着質でべたつく質感や食感を表現することができます。「ねばねばした」という形容詞だけではなく、「ねばねばした食べ物」という名詞的な使い方もできます。
「納豆は強い匂いとねばねばした食感のある発酵した大豆だ」
あっさり/こってり(light-tasting/heavy-tasting)
“light-tasting” は「脂っぽくない」「口当たりが軽い」「塩気が少ない」を、“heavy-tasting” は「脂っこい」「コクがある」「ずっしりとした味わい」などを表すことができます。
「ラーメンはあっさりとこってりどちらが好きですか?」
ぱさぱさ(dry)
乾燥した状態なので単純に “dry” で表すことができます。
「あのカフェで食べたケーキはぱさぱさだった」
きんきん(frosty)
「霜、結氷」という意味の “frost” の形容詞形で、霜がつくほど冷えている様子を表します。
「バーベキューにきんきんに冷えたビールを用意しておいてください」
雨の降り方、夏の暑さ等の天気・天候にもさまざまなバリエーションが存在します。
しとしと(drizzle)
「霧雨が降る」「小雨が降る」という意味の動詞で、細かい雨粒が降っている様子を表します。
「私たちが公園で遊んでいると雨がしとしと降り始めた」
ざあざあ(pouring)
“pour” (液体を注ぐ)という意味から転じて、激しい雨が降る様子を表します。
「外で雨がざあざあ降っている音が聞こえる」
むしむし(hot and humid)
“hot” (暑い)と “humid” (湿気の多い)を併せることで高温多湿な状態を表しています。
「日本の夏はとてもむしむしする」
じめじめ(damp)
じっとりとした湿気のある状態を表しています。
「今日は曇っていてとてもじめじめしている」
ゴロゴロ(rumble)
轟くような大きな音を表す言葉で、雷以外にも車やお腹が音を立てる場合に使われます。
「子供たちはゴロゴロ鳴る雷に怯えた」
日本語では物の様子や状態もオノマトペで表現します。これらの英語表現も覚えておきましょう。
(靴が)ぶかぶか(clunky)
サイズが大きい靴を履いているときの足音 “clunk” がその語源です。
「父親は間違ってぶかぶかの靴を子どもに買った」
(衣類が)ぶかぶか(baggy)
「袋のような」という意味から転じて、衣類のサイズが大きくてぶかぶか、だぶだぶという意味で使われています。
「子どもは成長期なのでぶかぶかの服を買う」
(星が)きらきら(twinkle)
遠くの光や星などが瞬くように光る様子を表します。“twinkle in the eye” (目の輝き)と目がきらきらする様子にも使われます。
「夜空に星がきらきらと輝いている」
(宝石が)きらきら(glitter)
宝石や装飾品が輝く様子を表します。光そのものよりも光を反射した物が光る様子を表します。
「彼女のダイヤモンドの指輪が照明の下でキラキラ輝いていた」
(光が)ピカピカ(blink)
光が明滅する様子を表します。「まばたきをする」という意味でも使われます。
「メッセージがスクリーンの上でピカピカしている」
ひらひら(flutter)
風に舞いながら空中をひらひらと落ちていく様子を表します。落ち着きなくそわそわした様子も表します。
「桜の花びらが風にひらひらと地面に舞い落ちた」
物が立てる音を文字で表現するとこんな感じ。これもオノマトペの一種です。
(ガラスや金属が壊れる)ガチャン/パリン(crash)
大きな音を立てて物が衝突したり、壊れたりする音を表します。
「ガチャンという音が聞こえ、誰かが家に入ってきた」
(床などが)ミシミシ(creak)
床や椅子、ドアなどがきしむ音を表します。
「床がミシミシ鳴っているのが聞こえる?」
ピシャリ(slap)
平手打ちで人をひっぱたく音を表します。そのまま「平手打ち」という意味もあります。
「私が彼女に不適切な冗談を言うと、彼女はぴしゃりと私をたたいた」
トントン(tap)
何かを軽くたたいたり、コツコツと音を立てて歩く様子を表します。
「彼は壁にトントンと釘を打ち込んだ」
ジュージュー(sizzle)
ジュージューと音を立てて肉が焼けている様子を表します。食べ物が油で揚げられている様子も表します。
「ソーセージが網の上でジュージューいっている」
ポタポタ(drip)
液体が一滴ずつ滴り落ちていく様子を表します。
「バスルームからポタポタという音が聞こえる」
50個のオノマトペをご紹介しましたが、紹介しきれなかったものはまだまだたくさん。
それだけ日本語にはオノマトペが多いと同時に、英語は動詞や形容詞のボキャブラリーが豊富といえるでしょう。
普段オノマトペを使用する機会があれば、「これは英語ではどう表現するのだろう」と考えてみると、自然と語彙力も身につきますよ!