Yui
(更新)
英単語だけですべてを表現することは、不自然で不可能。
初級から上級まで、どんなレベルの英語学習者も避けることはできないのが英熟語です!
会話でももちろん熟語を使いますが、TOEICや英検などの試験対策においても『熟語』暗記は必須。多くの学習者がこの熟語暗記に苦しみますが、あなたはどうでしょうか?
この記事では、効率的に熟語を暗記するコツをご紹介します。
複数の英単語で構成され、ある特定の意味に慣用される語彙を指す、日本の英語教育における用語である。単に熟語とも呼ばれる。日本の伝統的な英語教育において、英単語や英文法に次いで重視される項目であり、英文を解釈する上で欠かせない知識とされる。
(wikiより)
簡単にいうと、「複数の単語でできていて、直訳できない場合もあるフレーズ」のことです。
同じ動詞を使っている熟語なのに、一緒に使われる単語(前置詞や名詞など)次第で意味が大きく変わってしまうことが、英語学習者を苦戦させるのでしょう。
たとえば "put" だけなら「〜を置く」と訳せますが、 "put up with" なら「〜を我慢する」、 "put off" なら「〜を延期する」、 "put out" なら「〜(明かりや火)を消す」という意味に。
それぞれ似ているのに、意味は違うの?!と私自身も混乱した経験があります。
その一方で、熟語のおもしろいところは、直訳することができないところだと思います。
たとえば、 "beef" (牛肉)と "up"(上へ)は組み合わせると、 "beef up" で「〜を強化する」。
ひとつひとつは簡単な単語だけど、熟語となるとこれは英検1級にも出てくるレベル(CEFR C1)になります。
初心者がついやってしまうのは、「なんで "get" と "up" で『起きる』なんだろう??」と考えて泥沼にハマることです。
それよりも、 "get up"=「起きる」というかたまりをイメージしながら覚えましょう!
かたまりを何度も反復して練習することで、「"get" の後ろはなんだっけ?」と迷うことなく、 "get up!" とスラッと言えるようになるでしょう。
人は、1回見ただけでは覚えられません。1日、1週間、1か月に何百回と目にする習慣をつけると、自然に頭に残っていきます。
熟語リストを家の中の壁に貼ると、いやでも目に触れる機会を増やすことができます。一番のおすすめはトイレの壁!毎日必ず使う場所ですし、ゆっくりと確認することができます。
私も英検対策で、ポストイットに「熟語」と「熟語を使った例文(自作)」を書き、トイレの壁に貼りまくった経験があります。でも、同じ熟語が同じ場所に常にあると、「風景化」して頭に残らなくなるものです。
暗記できた熟語と新しい熟語のポストイットを交換して変化を加えることで、「風景化」することを防ぐといいですよ。
単語・熟語帳に出てくるフレーズは、膨大な数!
「試験に出るであろう熟語」を覚えるのではなく、「自分が実際に解いた問題に出てきた熟語」を暗記することをオススメします。
そのほうが、数が少ない上に一度問題を解いたことがあるため頭に残りやすく、効果的です。
間違えた問題や、その熟語を知らずわからなかった問題の場合、その単語や熟語をノート等に書き写しておきましょう。そうすることで、自分オリジナルのフレーズ集ができるわけですね。
初級で「熟語をかたまりとして覚える」ができたなら、次は例文やパッセージで覚えましょう。
参考書の例文でもいいし、テストで出てきた問題でもOKです。
オススメは、例文を「長文問題」の中から拾うことです。前後の文脈があるので、より雰囲気をイメージできますよ。
詰め込むように暗記するのではなく、ひとつひとつの熟語と丁寧に向き合うことが、中級レベル学習者にとってのブレークスルーにつながると思います。
前置詞を含む熟語は、非常に多く、紛らわしく感じる学習者は多いと思います。前置詞の意味は、「覚える」というよりも、自分で「気づく」ということを大切にしてほしいと思います。
たとえば、前置詞 "off" を使った熟語には、こんなのがあります。
こう見ていると、 "off" のつく熟語に共通するところが見えてきませんか?
"off" は「遠ざける」とか「分離する」ようなイメージがあります。
ふだん読む参考書にも前置詞の意味はまとめられているかもしれません。でも、さらに自分なりにまとめるような、自発的な学びがほんとうの意味での習得だと思います。
多くの試験にはリスニング問題があることも忘れずに!
熟語を目で覚えるだけでは不十分です。声に出して音も暗記することで、リスニング対策にもなります。
単語と違い、複数の語から成る熟語には独特のリズムがありますね。単語と単語の音が連結する、 "linking(リンキング)" という現象も生じます。
たとえば、「かかってこい!」という意味になるイディオム、 ”Bring it on!” は、 ”bring” “it” “on” の3つの単語を個々に発音するわけではありません。
イメージとしては "bring it on" 、カタカナにすると、「ブリンギッドォン」のように聞こえるでしょう。
また、3語ではありますが、3拍では発音しない、というところも日本人学習者にとっては難しいリズムかもしれません。
そのため、声に出して正しいリズムで学習することにより、印象と共に覚えることができます。
発音チェックを依頼するときは以下のようにお願いするとよいでしょう。
「この文/熟語/単語を読んでくれませんか?」
「これはどうやって発音しますか?」
上級者レベルであれば、さらにアウトプットに時間をかけることで、理解が深まります。
例文は、参考書の中からではなく、自作するようにしましょう!そのとき、他の英語話者といっしょに作文すると、細かいニュアンスも知ることができるのでオススメです!
たとえば私の経験なのですが、 "fork out(〜を支払う)" という熟語を参考書で学んだとき、ただの ”pay(〜を支払う)” と同じ意味だと思っていました。
しかしネイティブの友人に聞いてみると、「嫌々・渋々支払う」というニュアンスだと言うではないですか!
その友人のアドバイスをもとに、私が作った作文はこちらです。
「車を壁に突っ込んでしまい、窓ガラスの修理に50,000円払わなければなりませんでした」
実話です。嫌々ながら修理代を支払った気持ちが詰まっていて(自分が悪いのですが)、この例文はもう忘れません!
そのうえ、ネイティブの友人は「"fork out" の "fork" は農業で使う鋤(すき)が動詞になったんだよ」と聞いて、鋤(すき)でつつかれながら、嫌がる農家の方がお金を出すイメージが鮮明に浮かびました。
無理やりにでも、会話の中で使いましょう。
そうすることで自分のものになっていきます。特定の熟語が使えるシチュエーションを待っていても、そうそうやってきません。待っている間に熟語を忘れてしまいます。
自分でそのシチュエーションを作り出して練習することも可能です!
「会話でこの熟語を使って話すのですが、正しく使えてなかったら教えてください」
「この熟語を使う練習をさせてもらえませんか?」
熟語の暗記方法をいくつかご紹介しましたが、参考になるものはありましたでしょうか?
自分に合った学習方法はひとりひとり違うかもしれませんが、まずは「試してみる」という姿勢が大切だと考えます。
英語の習熟度を上げるためには不可避な熟語の習得。逆に言えば、熟語を習得することで、英語の習熟度はもちろん、試験で高得点を獲得することにもつながります。
前向きに頑張っていきましょう!