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ラグビーW杯出場選手、日本ではタトゥーを隠すよう指示される|世界各国のタトゥー事情と文化的な意味【デイリーニュースで振り返る2018 vol.9】

ラグビーW杯出場選手、日本ではタトゥーを隠すよう指示される|世界各国のタトゥー事情と文化的な意味【デイリーニュースで振り返る2018 vol.9】

こんにちは、エリックです。

DMM英会話の大人気教材である『デイリーニュース』から毎回気になるニュースをピックし、英語のポイントだけでなく文化や歴史、イマの社会情勢などにも触れながら紹介する『デイリーニュースで振り返る』。

今回のニュースは『2019ラグビーワールドカップ出場選手、タトゥーを隠すよう指示される』です。

2019年のラグビーワールドカップに出場予定の選手の多くもタトゥーを入れていますが、日本ではタトゥーにネガティブな印象を持つ人が多いことから、来日した際にはタトゥーを隠すようにとの異例の指示がありました。

この件に対して、各チームはどのように反応しているのでしょうか。

後半では2019年のラグビーワールドカップに出場予定の国や地域をいくつかピックアップし、それぞれのタトゥー事情も合わせてご紹介します。
 

2019 ラグビーワールドカップ出場選手 タトゥーを隠すよう指示される

今回のニュースはこちらです。

Players Told to Cover Tattoos for 2019 Rugby World Cup
『2019ラグビーワールドカップ出場選手、タトゥーを隠すよう指示される』
August 26, 2018

上記ニュースより英文を一部抜粋し、単語や文法等の解説を交えながら、関連情報等を見ていきましょう。

全文はこちらからご確認いただけます。
 

2019ラグビーワールドカップ 日本ではタトゥーを隠すように指示

【ニュース本文】
<英文>
The Japan 2019 Rugby World Cup (RWC) organizing committee has asked that fans and players attending the tournament cover their tattoos when visiting public gyms, pools, or baths. The rule is meant to show respect for Japanese culture as tattoos have long been associated with organized criminal groups.

<和文>
日本で行われる2019年のラグビーワールドカップ(RWC)の統括団体は、大会を訪れるファンや出場選手に、公共のジムやプール、風呂などではタトゥーを隠すようお願いした。長く入れ墨と暴力団が関連付けられてきた日本の文化を尊重するためのルールである。

* "organized criminal groups" は直訳すると「組織犯罪グループ」となり、「暴力団」や「ヤクザ」を意味します。"(Japanese) yakuza" や "Japanese mafia" のように表記されることもあります。

日本では、多くの温泉施設などでタトゥーをしている観光客が立ち入れないなど、入れ墨がある人にとっては様々な制限があります。

最近ではテレビタレントが入れたタトゥー画像を公開しネットやメディアで賛否両論が議論されるなど、悪いイメージを持つ人が多いのは事実でしょう。

その文化的な背景から今回、タトゥーを隠すようにとの異例の指示が出たようです。
 

各チームは日本文化を尊重するとして承諾

【ニュース本文】
<英文>
RWC director Alan Gilpin said all of the teams competing in the competition have agreed to follow the rule.

“When any of our teams tour, we [try] to be respectful of the local customs and culture, and this will be no different when we visit Japan,” New Zealand chief rugby officer Nigel Cass told news website Stuff. 36 percent of New Zealanders under the age of 30 have a tattoo, according to one survey.
<和文>
RWC責任者のアラン・ギルピンは、大会に参加する全チームがこのルールに従うことを承諾していると言う。

ニュージーランドラグビー協会のナイジェル・キャス最高責任者はニュースサイト「スタッフ」に対して「私たちのチームが遠征をするとき、現地の慣習や文化を尊重するように努めているので、日本を訪れる際も変わらない」と語った。ある調査によれば、30歳未満のニュージーランド人の36%がタトゥーを入れているそう。

現時点では反対意見などはないそうで、選手たちは皆、日本の文化を尊重するつもりだと言います。

対して、日本国内では今回のニュースに対しての意見は分かれています。
 

国内で別れる意見

【ニュース本文】
<英文>
People in Tokyo, where the RWC's opening match will be held, are divided on the issue. One resident said, “I don’t think it’s necessary [for players] to cover [their tattoos] up. They are part of their identity.” Another argued, “If you allow only foreigners with tattoos to go into public baths, [criminals] might say 'why can't we go inside?', and that could make it difficult for the operators,” Japan’s NHK reports.
<和文>
RWCの初戦が行われる東京の人々は、この件に関して意見が分かれている。住民の一人は「(選手がタトゥーを)隠す必要はないと思う。彼らのアイデンティティーの一部だ」と語った。他には「タトゥーを入れた外国人だけを銭湯に入場させたら、(暴力団が)『俺たちも入れるよな?』と言うかもしれないし、運営側の負担が増える可能性がある」との意見もあったと、日本のNHKが報道した。

* "divide" は「分ける」「分割する」などの意味で、数式では割り算の「割る」を意味します。"divided on" は「〜に関して意見が分かれている」という意味の表現。

様々な意見がありますが、みなさんはどう思いますか?
 

世界のタトゥー事情

日本の文化を尊重するためにタトゥーを隠すことに合意してくれている選手たち。彼らの自国でのタトゥーが持つ意味について知っておくと面白いかもしれません。

日本では暴力団と関連付けられてきた背景から、ネガティブな印象を持つ人も少なくないタトゥーですが、世界の各国ではどうなのでしょうか。ここではいくつかの国をピックアップし、入れ墨が一般的にどのようなイメージを持たれているのか、また文化的な意味を持つのかについて少しご紹介していきます。
 

日本

まずは今回のラグビーワールドカップ開催国の日本。

現在ではタトゥーを実際に入れている人は全体の3%ほどと言われています。暴力団やヤクザ等のイメージがありネガティブな印象が強く、多くの温泉施設では入れ墨があると入場できません。

近年では訪日観光客がより楽しめるようにと、「シールで入れ墨を隠せばOK」「入浴時間帯をずらす」など、官公庁が温泉施設へ様々な対策を提案しているそうです。

また、日本の先住民族であるアイヌ人は伝統的に口の周りや手の甲に入れ墨をしていました。
 

ニュージーランド

ワールドカップ最多優勝を誇るニュージーランド代表の「オールブラックス」。ニュージーランドの先住民族、マオリ族の伝統的なパフォーマンス「ハカ」でも有名です。

そんなマオリ族の人々にとってタトゥー文化は神聖なもので、以前はタトゥーを入れることが思春期の伝統的な通過儀礼だったそう。

「タ・モコ」と呼ばれるマオリ族のタトゥーは、デザインが非常に複雑であることが多く、唯一無二であり、その人のアイデンティティーの一部となります。マオリ文化の芸術性も表すタトゥーを実際に入れる入れ墨師は、マオリ族社会では聖なる存在なのだとか。

マオリ族以外も含めて、ニュージーランドでは30歳未満のうち、36%がタトゥーを入れているとも言われています。
 

アメリカ

成人の40%が入れているとする調査もあるほど、タトゥーがポピュラーな文化の一つであるアメリカ。

実は、あまりにも目立ちすぎる場所に入っていると、日本同様に就職等に不利になることも。面接時には長袖を着るなどして隠すこともあるのだそう。

アメリカ人がタトゥーを入れる理由は様々で、故人を偲んで入れたり、何かの信条や思い入れから入れたり、もしくは酔っ払った勢いで入れてしまったというのも聞きます。

また、先住民族にとっては古くから戦いや人生における功績を祝うために使われていたそうです。
 

イギリス

イギリスではタトゥーはとても一般的であり、タブー視されることは比較的少ないと言えるでしょう。

王族までもがタトゥーを入れていることもあります。例えばジョージ5世は1880年代に日本で入れ墨を入れたほか、現在では王族のアメリア・ウィンザーもタトゥーがあります。
 

まとめ

いかがでしたか?

今回は様々な国のタトゥー文化についてご紹介しました。日本ではネガティブなイメージが残る入れ墨ですが、場所や背景が異なれば、その意味もまた違ってきます。

ニュースを読むだけでなくその文化的な背景を知ること、より深く理解することで、英語学習もより楽しくなるのではないでしょうか。今後もデイリーニュースで楽しく英語を勉強していきましょう!

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