Mizuho
(更新)
英語での会話のときに便利なのが、「いつ(when)」「どこ(where)」「どうやって(how)」などの疑問詞。
これらの疑問詞を含む「5W1H」を、英語の授業で習ったのではないでしょうか。
5W1Hを活用すれば、あるトピックについて「何を言えばいいのかわからない!」というときも、話を膨らませることができます。
なかでも場所についてたずねる「where」は、大きく2つの役割を持っていて、活用することで英語表現の幅が格段に広がります。
今回は、場所を表す「where」に焦点をあて、意味や使い方を徹底解説していきます。
"where" は「副詞」として2つの役割を持っています。
まずは細かく見ていく前に、「副詞」についておさらいしてみましょう。
副詞は形容詞や動詞に、「場所・時・状態」の意味を加えて説明をするものです。
この例文では、"at school" が場所、"tomorrow" が時間を表す副詞で、"see" という動詞に説明を付け加えています。
「"at school" には前置詞が入っているけど、これ全部が副詞...?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでは "at" を使った「前置詞句(前置詞と名詞のかたまり)」が、「副詞句(副詞として機能する語句のかたまり)」として働いているのです。
難しく感じるかもしれませんが、まずはシンプルに、副詞(句)は「名詞以外を説明するもの」と覚えておきましょう。
副詞には3種類「単純副詞」*「疑問副詞」「関係副詞」あり、"where" は後者2つとしての使い方が主です。
*単純副詞:他の1語だけを修飾する副詞
"where" の使い方としてまず思い浮かぶのが、「どこ〜?」という疑問文でしょう。会話中にも頻繁に登場します。
疑問文の場合、"where" は「疑問副詞」として使います。
例文を見てみましょう。
She is from Osaka.
「大阪出身です」
He went to Okinawa (for his holiday).
「沖縄へ行きました」
疑問副詞として "where" を使うときには文の頭に置き、直後に be動詞か一般動詞である "do/does" を、そのあとは疑問文の語順に変換します。
例文2を使って、語順の変わり方を見てみましょう。
be動詞と一般動詞の文のどちらも、この手順にそえば疑問文を作ることができるので、いろいろな文を作って練習すると少しずつ感覚がつかめていきます。
"where" のもう一つの使い方は、場所のことを述べている節(文)を説明する「関係副詞」です。
これは、以下の(A)(B)2つの文が合体して1つの文になっています。
例文4では、(B)の "to the coffee shop" という前置詞句が "where" に置き換わって、(A)の説明をしているわけですね。
では早速(B)の文で "to the coffee shop" の代わりに、"where" を入れてみましょう。
③でできた文を(A)の後ろに持ってくれば、関係副詞文(例文4)の完成!
関係副詞の文を作るときは、疑問文を作るときとは異なり、"where" 以下の語順を変える必要はありません。
ここまで "where" が「場所」を指すと繰り返してきましたが、状況や事情を指すこともあります。
主に書き言葉として使う少し堅い表現にはなりますが、例文を見てみましょう。
"situations" と聞いて思い浮かぶのは「場面」ではないでしょうか。
このように場所的な考え方をする場合、英語でも "where" を使うのです。
先行する単語をイメージするのが、適切な副詞を選ぶ際のポイント。
例文4の状況で、もしもコーヒーショップの目の前にいた場合、相手にわざわざ「このコーヒーショップ」と伝える必要はありません。
そのようなときには、以下のように言い換えられます。
"where" の中には、"the coffee shop" という「場所」が隠れているのです。
このように関係副詞として "where" を使った際は、状況によっては、先行詞を省略することができます。
ここまでの例文を読んで、「関係代名詞の "which" も代わりに使えるのでは?何が違うの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか?
実際、"where" と "which" の使い分けは混乱しがちで、苦手にしている人も多いポイントです。
試しに先ほどの例文4の "where" 部分に "which" を入れてみましょう。
"which" を使った場合、後に続く文は "where" と同じように "the coffee shop" を説明しています。
が、注目すべきは "I like to go" の後に "to" という前置詞が追加されたことです。
なぜいきなり前置詞 "to" が必要になるのでしょうか。
それは、"which" が指しているものが、コーヒーショップという「場所(toを含む副詞)」ではなく「お店(名詞)」であるため。
もうお気づきの方もいるかもしれませんね。
"where" は、「前置詞(to/in/at/on) + "which"」の複合形というわけです!
場所のことを説明するときに、"where" か "which" で迷ったら、前置詞の有無を確認してみましょう。
接続詞といえば、"and / or / but" などが代表的です。
しかし、「"where" も接続詞になる」ということを知っていましたか?
早速 "where" が接続詞として機能するケースを見ていきましょう。
まずは例文を見てみます。
この文はどのように構成されているのでしょうか。
実は、「前置詞+先行詞」である "at the place" が省略されているのです。
省略されている「前置詞+先行詞」を入れてみると。
この文を2つに分けてみます。
関係副詞の場合と何が違うのか。
よく見ると、2つに分けた文はどちらもそれぞれ独立して意味が成立しています。
しかし、関係副詞の "where" を使った文が分割された場合は、それぞれでは意味が通じません。
もしも "where" が関係副詞と接続詞のどちらの役割をしているのかに迷ってしまったら、文を分割してみて、意味が成立するかを確認してみましょう。
"whereby" や "wherein" といった単語を目にしたことはありますか?
これらの単語は契約書など法律関係の文書でよく使われます。
"whereby" は "by which"、"wherein" は "in which" にそれぞれ置き換えることが可能。
それぞれ "which" で置き換えた場合と比べてみましょう。
あまり口語で使うことがないので使用頻度は低めですが、ビジネスメールなどに登場する可能性がありますので、覚えておくといつか役に立つかもしれません。
いかがでしたか?
"where" は、疑問副詞と関係副詞、そして接続詞として機能することがわかりました。
「〜する場所」「〜という場所」など短文で会話をつなげることもできますが、"where" の使い方を理解して少しずつ長い文章で話せるようになると、表現力がグンと豊かになるはず。
"where" を使ったアウトプットの練習をして、あなたの英語力を一段階ステップアップさせていきましょう!