西東 たまき
(更新)
日常会話において、「『これから』シャワーを浴びる」、あるいは「『これからは』気を付けます」など、「これから」という表現は欠かせません。
英語で「これから」を表現するとしたら即座に from now on が思い浮かぶ人も多いでしょう。
しかし、少し突き詰めて考えてみると「これから〇〇する」と言うのと、「これからは〇〇する」では、同じ「これから」でも意味が違うことに気付きます。
実は、from now on は後者のケースで使う英語表現であり、常にこのフレーズが使えるわけではないのです。
当記事で「これから」の英語表現について改めてチェックしてみましょう。
「明日から」や「今回から」など、特定のタイミングを使った英語表現も併せてご案内していきます!
上記で触れた通り、「これから」という言葉は状況によって全く違う2つの意味になります。
「これから駅に行くんだ」というときの「これから」は、「今から」と同じ意味です。
また、「これからは社会人だ」の「これから」は、「今後ずっと」といった継続のニュアンスになりますよね。
英語の文章を作るときは、どちらの「これから」にしたいのかを考えなければなりません。それによって使うべき英語表現が変わってきます。
「これからは駅に行くんだ」や「今から社会人なんだ」という文章がヘンに聞こえるように、言葉選びが適切でないとチグハグな文章になってしまいます。
では、それぞれのニュアンス別に英語表現の使い分けを確認していきましょう。
まずは、「これからシャワーを浴びる」や「これから駅に行く」のような、今から何かを始めるときに使う英語表現です。
「今から」何かをしようとしているわけですから、文字通り now が使えます。
「これからシャワーを浴びます」
「これから料理をします」
now だけでも「これから」の意味になってはいますが、from now とすることでより強調されます。
日本語でも「今(いま)」を「今今(いまいま)」と重ねて強調したりする表現がありますね。そんな感じです。
「ちょうどこれからシャワーを浴びるところです」
「ちょうどこれから料理をするところです」
after「後」と this「これ」の組み合わせ「これの後」は、日本語の「これから」に一番近い感覚で使える英語表現かもしれません。
「これから、どうするの?」
「これから、そちらに行きますね」
this の代わりに that「それ」を使い after that とすれば「それから」になります。
「それで、それからどうするの?」
「もし時間が許すなら、それからそちらに行きますね」
「~するつもりだ、~するところだ」という意味を作る be going to の文型は、英語の初級段階で学んだ基本の英語表現ですね。
とりたてて「これから」と言わなくても、この文型を使えば「『これから』何かをする」ことを表現できます。
「これから、みんなでピザをオーダーするよ」
「これから彼を迎えに行きます」
「今後は」の意味で使う「これから」と言いたいときは、「継続」のニュアンスを加えなければなりません。英語では on を使います。
多くの人が思い浮かべる英語表現 from now on が使えるのは、「継続」のニュアンスがある場合のみです。
「これから」というより「これからは」という和訳で覚えておくと良いでしょう。
「これからは、このメールアドレスを使ってください」
「これからは、こんなことはもう絶対しないよ」
from now on を元に now の部分だけ入れ替えれば「〇〇以降」の表現を自在に作ることができます。
「本日以降」「来月以降」などといった表現は知っておきたいですよね。
「本日以降」
「明日以降」
「来月以降」
「そのとき以降」
次のような表現では on のほかに forward も使われます。forward を使うとフォーマル度の高い英語表現になります。
「その日以降」
「今回以降」
「未来、将来、今後」を意味する future を使って表すこともできますよ。イギリス式の表現だと in future、アメリカ式だと in the future になります。
「あなたがこの学校で学ぶことは、これから役に立ちますよ」
「これからは企業倫理というものにますます価値が置かれるようになっていくでしょうね」
英語で「これから」と表現するには、from now on だけでは対応しきれないことがお分りいただけたと思います。
今回のように、英語の表現を作ろうとすると、かえって日本語の表現に向き合うことになるということは、語学を勉強する上でよくあることです。
「これから」とは、「今から」なのか「今後は」なのか、日本語だけで考えていたら、こういった違いがあることを特別意識することもなかったかもしれませんね。
どちらの意味にせよ、英語で表す「これから」はどれも文字通りなので腑に落ちやすく、覚えやすいものばかりだったのではないでしょうか。
ぜひ意識して使い分けてみてくださいね。