Hiroe H
(更新)
突然ですが、「—」「–」「‐」の3つの中で「ハイフン」はどれでしょう?
上の3つの記号はハイフンとダッシュなのですが、ハイフンとダッシュが同じものだと思っていた人はいませんか?
見た目はかなり似ていますが、実はハイフンとダッシュは使い方だけでなく、意味もまったく異なる別物なのです!
今日は英語のハイフンの意味と使い方はもちろん、ダッシュの意味と使い方も合わせて紹介したいと思います。
「ハイフンだと思っていたのが実はダッシュだった」「ダッシュには2種類あった」など、意外な発見ができること間違いないでしょう!
hyphen「ハイフン」の語源は「一語として」という意味のとおり、複数の語をつなぐために使います。
最初の質問にあった3つの記号の中で1番短いのがハイフン「‐」で、大きく分けて3つの使い方があります。
接頭辞(または接頭語とも言う)は語根の前に付くもので、意味を加えたり補足したりする役割があります。
接頭辞と語根の間に必ずハイフンを付けなければいけないわけではありませんが、ハイフンを使わなければいけない場合もあります。代表的な例を見てみましょう。
この場合、語根の単語が固有名詞であることが多いです。
例)mid-August「8月半ば・8月中旬」
「私は8月半ばに仕事の休みが取れる予定です」
例)non-Japanese「日本人でない」
「私は日本人以外の友達はあまりいません」
同じ文字が続くと混乱しやすいので、ハイフンを入れることで意味がわかりやすくなります。
例)re-elect「再選する」
「彼女は市議に再選された」
例)ultra-advanced「最先端の・超高度な」
「彼はテクノロジーのことになると、最先端をいっている」
この4つの接頭辞とハイフンはセットで覚えておくと良いでしょう。
例)self-serve「セルフサービスの」
「このガソリンスタンドは、セルフサービスだけです」 This gas station is self-serve only.
例)ex-girlfriend「元彼女・昔の彼女」
「この前、元彼女が新しい彼氏と歩いているのを見た」
複数の語句をつないで複合語を作る場合もハイフンを使います。
複合語には「複合名詞」「複合動詞」「複合形容詞」の3種類があります。
例)son-in-law「義理の息子」
「義理の息子が誕生日に素敵なスカーフをくれた」
例)Chinese-American「中国系アメリカ人」
「私の親友は中国系アメリカ人です」
例)double-check「念のために再確認をする・ダブルチェックをする」
「上司に仕事を提出する前に、いつもダブルチェックをする」
例)baby-sit「子守をする・世話をする」
「金曜の夜、妹の子守をしないといけない」
例)off-campus「校外の・キャンパス外の」
「私は校外のアパートに住んでいます」
例)family-owned「家族経営の」
「あの家族経営のレストランは、私が子供の頃からずっとある」
一部の数字を文字で表す場合や、数字とほかの英語表現を組み合わせる場合などもハイフンを使うことがあります。
twenty「20」や sixty「60」など1単語で表せるものや、three hundred「3百」や four thousand「4千」などにはハイフンはつかないので注意しましょう。
例)twenty-six「26」
「彼女は昨日26歳になった」
例)ninety-nine「99」
「昔のドイツ語の歌で『99 Luftballons』というのがあるんだけど、英語で『99の風船』という意味なんだ」
分数を文字で表す場合、分子と分母の間にハイフンを使います。
例)one-third「三分の一」
「結婚式のゲストの三分の一は外国人だった」
例)three-quarter length「四分の三/7分丈」
「黒の7分丈のズボンを探しています」
例)4-plex「4戸建て(4軒の家・ユニットがくっついているタイプの住宅)」
「ダウンタウンの4戸建てに住んでいます」
例)3-D「3次元の・立体の」
「誰か3-Dプリンター持っている人を知ってる?」
「—」「–」「‐」の3つの中で1番短いのがハイフンだとわかりましたが、最初の2つは何だかご存知ですか?
この2つは長さが違いますがどちらもダッシュで、長い方が Em dash「エム・ダッシュ」、短い方が En dash「エヌ・ダッシュ」と呼ばれています。
実は、ダッシュの意味は知っていても、ダッシュに2種類あることを知らないネイティブはけっこう多いんです。
それではこの2種類のダッシュの意味と使い方を見ていきましょう。
エム・ダッシュは英語の大文字「M」と同じくらいの幅があるので、エム・ダッシュと言います。
エム・ダッシュはハイフンほど規則性がなく、文中に説明を加えるとき、驚きを表すときによく使われます。
文中に説明を加える場合は、説明箇所の前後にエム・ダッシュを付けます。
「その男性は—私の眼鏡と全く同じのをかけている—私の隣に座った」
文中に驚きを表す文を加える場合は、通常その文の前だけにエム・ダッシュを付けます。
「ドアを開けたらそこには友達みんながいた—私のサプライズ誕生日会!」
エヌ・ダッシュは英語の大文字「N」と同じくらいの幅があるので、エヌ・ダッシュと言います。
エム・ダッシュより短く、ハイフンと間違えて使う人が多いので気をつけましょう。
エヌ・ダッシュは使い方もハイフンに似ていて、ハイフンでは結べない複数の修飾語句を結ぶときに使われます。
「彼女はアメリカのグラミー賞受賞女優です」
「彼女はアメリカのグラミー賞受賞女優です」
2例目のように全ての単語をハイフンで結んで複合形容詞を作るより、エヌ・ダッシュを1回使用した方が見た目は綺麗ですよね。
このように複数の修飾語句を結ぶときにエヌ・ダッシュが使われます。
また、時間やページ番号などの範囲を表すときにも使われます。
「弟は毎朝7:00 a.m.–8:00 a.m.ジムに行きます」
時間などの起点を表す from や between を使う場合は、from 7:00 a.m. to 8:00 a.m. のように記し、エヌ・ダッシュは使いませんので気をつけましょう。
今日は、ハイフンの説明に加え、ハイフンと混同しやすいダッシュの意味と使い方を紹介しましたがいかがでしたか?
ハイフンとダッシュの見た目は、微妙な長さの違いだけでとても見分けにくいですが、1番短いのがハイフン、と覚えておくと良いでしょう。
また、ダッシュにはエム・ダッシュとエヌ・ダッシュの2種類があることを初めて知った方も多かったかと思います。
ハイフンの使い方と一緒に、2種類のダッシュの使い方もぜひ覚えてみてくださいね!