さな
(更新)
毎年大きな話題となる米アカデミー賞。
みなさんは去年見た映画のなかでお好きな作品はありましたか?
最近では日本やアジアの作品も注目を浴びるアカデミー賞ですが、毎年楽しみにしている人はたくさんいるはずです。
そこで今回は、アカデミー賞を英語で楽しめるように、ニュースで見かける英語表現や、レッドカーペットにまつわるイディオムをまとめてご紹介したいと思います!
アカデミー賞自体は、英語では Academy Awards と言います。
しかし、一般的には Oscars(オスカーズ)と呼ばれることが多いです。
このオスカーズの由来は、アカデミー・ライブラリーの司書であったマーガレット・ヘリックという女性が、受賞者に配られる像が自分の叔父のオスカーに似ていると思ったことが始まりだそう。
そしてこの像は Oscar Statuette という名で親しまれていますが、公式名称は Academy Award of Merit です。
「映画」という言葉はアメリカでは一般的に movie と呼び、イギリスなどでは film と言うことをご存知ですか? しかし、アカデミー賞では映画のことを motion picture と呼びます。
受賞カテゴリーのなかにも Academy Award for Best Picture というものがあり、これは「アカデミー作品賞」を指します。
Motion は「動き」を表す英単語で、picture は「画像」という意味なので、「動く画像」で「映画」になったのです。
なお、この motion picture という表現は19世紀に使われていた古い言い方。実は、movie という言葉はスラングなんですよ!
Movie という言葉は20世紀初期に世間的に普及し始め、それにより motion picture という言葉は徐々に使われなくなりました。
1926年頃から「サイレント映画」は「音のある映画」に主流が変わっていきました。この「音のある映画」は talk(話す)という単語にちなんで、 talkie(トーキー)と呼ばれるようになります。
ではなぜ最後に -ie がつくのでしょうか?
Selfie(セルフィー・自撮り)という言葉のように、最後に -ie をつけると、その言葉に親しみやすさが生まれます。 movie や talkie という言葉も、この理由から派生したのです。
レッドカーペットの歴史は実に面白いものです。
紀元前458年、古代ギリシャの詩人アイスキュロスの戯曲「アゲムノン」に登場したことがレッドカーペットの始まりだと言われています。
劇中では、王様のアデムノンがトロイに戻ったときに、妻のクリテムネストラが「crimson path(深紅の道)」で彼を出迎えたのです。しかしアガメムノンは、神様でもない自分がこの道を歩くのは傲慢な行為に見えるのではないかと、歩くのに戸惑いました。
それ以来、レッドカーペットは高いステータスを表すものとして、王室の場でも使用されるようになったのです。
そして現在では、red-carpet treatment という表現もあります。
これは、20世紀初期のニューヨーク・セントラル鉄道に由来すると言われています。専用車両に乗り込む乗客の案内用に赤いカーペットが使われていたそうですよ。
「ノミニー」と発音するこの言葉は、「候補者」や「推薦者」を意味します。
「推薦をする」は nominate(ノミネート) と言い、名詞として使う場合は nomination(ノミネーション)になります。
「優勝者」は winner と言いますが、「準優勝者」はなんと言うかご存じですか?
2位になった人のことを、英語では runner-up と呼ぶのです!
この言葉は1840年代に行われていたドッグレース(犬の競争)で使われていたことに由来していると言われています。最終レースだけで勝てなかった犬のことを runner-up と呼んでいたそう。
プレゼンターとは、受賞者や受賞作を発表する人や人たちのことです。
よく授賞式のステージで、小さなカードや手紙を開いて、名前を読み上げる人たちを見ますよね。これを presenter と呼び、毎年さまざまな有名人が選ばれます。
To present an award は、「賞を贈る」という意味です。
アカデミー賞には、The Big Five Awards というのがあり、もっとも注目されている5つの賞のことを指します。
それでは、これらを含むさまざまなカテゴリーについて少しずつ説明していきますね!
映画界でもっとも期待される賞、作品賞。
前述でも説明した通り、picture は motion picture から来ていて、ここでは「映画」を表しています。
次に知っておきたいのは、Best Actor/Actress in a Leading Role(主演男優・女優賞)と Best Actor/Actress in a Supporting Role(助演男優・女優賞)です。
「主役」や「主演」は、lead actor/actress と表現されることもよくあります。
「監督賞」は Best Picture(作品賞)の次に注目されている賞です。
カテゴリー自体は Directing と呼ばれています。
このカテゴリーには、Best Original Screenplay(脚本賞)と Best Adapted Screenplay(脚色賞)があります。
Adapted Screenplay というのは、小説や演劇など、すでに存在する素材を基にした脚本です。
こちらは「撮影賞」と言い、Cinematographer(撮影監督)に授与される賞です。
音楽カテゴリーには、Best Original Score(オリジナル作曲賞)と Best Original Song(オリジナル歌曲賞)の二つがあります。
Best Original Score は、歌詞のある曲ではなく、歌のないサウンドトラックを手掛けた作曲者に贈られます。
ちなみにここに出てくる score は「点数・得点」のほうの意味ではなく、合奏や合唱の譜面を一つにまとめた楽譜「総譜」を指します。
そして Best Original Song は、映画のために作られた歌曲のことを指し、ミュージカル映画が受賞することが多いです。ただ、そうでない映画が受賞することもたくさんあります。
ほかにも以下のようなカテゴリーがあります!
みなさんは、どのカテゴリーが一番気になりますか?
最後に、アカデミー賞や授賞式にまつわるイディオムをご紹介したいと思います。
アカデミー賞では、受賞をしたらスピーチをしますよね。このスピーチは英語では acceptance speech と言います。
しかし、なかには時間制限を超えてしまう、長く喋る方もいますよね。
そこで、スピーチを無理やり終わらせようと、わざとオーケストラやBGMが演奏を始め、受賞者をステージから追い出す状態のことを to play him/her/them off と言うのです!
この bump というのは、「興行収入の大幅な伸び」を表します。
ある映画がアカデミー賞を受賞して注目を浴び、その映画を観に人々が映画館へ足を運ぶことから生まれた言葉です。
これは基本的には一時的な伸びなので、数字をグラフで見た場合、斜めに上がるのではなく、少しボコっとした「コブ(bump)」のように見えます。
それに由来し、この現象を Oscar bump または box office bump と呼ぶようになったのです。
Star-studded は「豪華なキャスト」や「オールスターのキャスト」という意味で使われるイディオムです。
たとえば、ある映画に主演している俳優や女優が全員主役級の役者であったり、脇役にも豪華な俳優が使われているなら、その映画のキャストは star-studded と言えるでしょう。
この studded という言葉には「散りばめられた」や「点在した」という意味があります。
よく耳にするのは a star-studded sky(満天の星空)です。また、ファッションの世界でも a diamond-studded jacket(ダイヤモンドが散りばめられたジャケット)などのように studded という言葉を聞くことがありますよ!
いかがでしたか?
今回は、アカデミー賞にまつわる英語表現をご紹介しました。
日本のテレビでは放送されないですが、WOWOWをお持ちの方は生中継を視聴することができます。
結果発表や名シーンのみ見たい方は、リアルタイムや翌日にはSNSやYouTubeに動画が上がってくるはずです。
受賞者のスピーチでリスニングの練習をしたり、司会者の表現に注目をしてみたり、アカデミー賞はさまざまな楽しみ方がありますよ!
また、優勝した作品を実際に観るなど、自分なりに楽しんでみてくださいね。