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英国の貴族階級の爵位は複雑!?【イギリス王室の称号ガイド】

英国の貴族階級の爵位は複雑!?【イギリス王室の称号ガイド】

イギリスは階級社会(class system)であることはよく知られています。

公爵、伯爵などといった称号にも聞き覚えがあると思いますが、ではその序列は?となるとよくわからない人は多いのではないでしょうか。

さらに、英語ではどういう表現になるのかにも興味が湧きませんか?

今回は、イギリス貴族の爵位と称号を表す英語を見ていきます!

英語で貴族とは?

日本に皇室があるようにイギリスには王室(royal family)があるのはご存じでしょう。

イギリスには、さらに貴族も存在します。日本の貴族は戦後につくられた新しい日本国憲法「法の下の平等」の規定に沿って廃止されましたが、イギリスでは21世紀の今も健在です。

「貴族社会」は英語で aristocracy または nobility といいます。

そして、その構成員である「貴族」は aristocrat または nobleman/noblewoman と呼ばれます。ちなみに貴族に対して「平民、一般人」は commoner です。 

また普段、peer という単語は仲間、同僚といった意味で使うことが多いですが、「貴族、爵位」という意味で使われることもあります。そしてその集合名詞 peerage は aristocracy や nobility の同義語になります。

もしも blue-blooded という言葉を見聞きしたら、それもまた王族ならびに貴族を意味する同義語です。それにしても、なぜ blue-blooded(青い血を持つ)などと表現されるのでしょうか?

これは、「高貴とされる人間は太陽の下で働いて日焼けすることがないため、血管が青く透き通って見える」というところから生まれた表現なのだそうです。

英語で表す爵位

爵位は英語で title です。title は「肩書」という意味でビジネス英語でも使いますね。上で述べた peerage も爵位を意味します。

貴族の爵位は5つあり、位が高い順に次のようになります。性別により呼び方が異なるため、男性形と女性形でスペルが違っています! なお、これらの爵位は世襲制(hereditary)です。

【男性】

duke(公爵)

marquess(侯爵)

earl(伯爵)

viscount(子爵)

baron(男爵)

【女性】

duchess(公爵夫人)

marchioness(公爵夫人)

countess(伯爵夫人)

viscountess(子爵婦人)

baroness(男爵夫人)

viscount/viscountess の1つ目の s は無声音になるので、発音には注意しましょう!(発音:ヴァイカウント/ヴァイカウンテス)

公爵(duke)

5つの爵位のうち最も位が高いのが duke です。duke の称号は君主の息子が結婚するにあたって与えられ基本的に王室メンバーが所有しています。

例えば、イギリスのウィリアム皇太子(The Prince of Wales)は、2022年9月に皇太子になるまでは Duke of Cambridge、妻であるキャサリン(ケイト)妃は Duchess of Cambridge と呼ばれていました。2人が結婚の際に与えられた称号です。それまでは日本でも「ウィリアム王子」で知られていたように Prince William of Wales でした。

同様に、ウィリアム皇太子の弟・ヘンリーとメーガン夫妻も結婚を機に、英語では Duke of Sussex と Duchess of Sussex となっています。

侯爵(marquess)

2番目に高い位が marquess です。duke が授与された最初の例は1337年でしたが、marquess の位が初めて与えられたのは1385年、オックスフォード伯爵(Earl of Oxford)であったロバート・ド・ヴィアー(Robert de Vere)に対して与えられたダブリン侯爵(Marquess of Dublin)の称号でした。

なお侯爵以下、伯爵、子爵、男爵に呼びかけるときは Lord、Lady という敬称が使われます。

伯爵(earl)

3番目に高い地位を持つのが earl です。

チャールズ国王の末弟であるエドワード王子(Prince Edward)が2023年3月に公爵の爵位を与えられ The Duke of Edinburgh となったのに伴い、2007年生まれの長男ジェームズが伯爵(ウェセックス伯爵/Earl of Wessex)に格上げとなった例があります。

子爵(viscount)

4番目に高い地位を持つのが viscount です。

上で触れたエドワード王子の長男ジェームズは、ウェセックス伯爵(Earl of Wessex)に格上げされる前は子爵(セヴァーン子爵/Viscount Severn)でした。

男爵(baron)

5番目に高い地位を持つのが baron です。

ロンドンの一等地・メリルボーン地区(Marylebone)の土地を広く所有している資産家、ハワード・ド・ウォルデン男爵家(Baron Howard de Walden)の例があります。

HRH、HMとは?

王室メンバーの名前の上に HRH などの表記を見かけたら、それは His Royal Highness(男性)または Her Royal Highness(女性)の頭文字です。これは、日本語の「殿下・妃殿下」にあたる表現です。

例えば、イギリスの皇太子殿下に言及するときは His Royal Highness The Prince of Wales、妃殿下は Her Royal Highness The Princess of Wales とするのが正式です。

そして HM は「王、女王」に言及するときに使う敬称 His Majesty(王)あるいは Her Majesty(女王)の頭文字です。現在のチャールズ国王なら His Majesty King Charles III になります。

いずれも本人を前にして「陛下、殿下」等と呼びかけるときは His/Her ではなく Your に変わり、「両陛下、両殿下」とするときは所有格 Their  を使います。

ちなみに、イギリスの中央政府は His Majesty's Government(国王陛下の政府)と表現されますよ。エリザベス女王の在位期間中は Her Majesty's Government(女王陛下の政府)でした。

英国貴族の称号は複雑で面白い!

日本でもイギリス王室のニュースが話題になることは多いですね。日本語では単に「ウィリアム皇太子、キャサリン妃」「ヘンリー王子、メーガン妃」と呼ばれますが、英語だと爵位を含めてだいぶ複雑な呼び方をすることに驚いた人もいるかもしれません。

また、His/Her Royal Highness や His/Her Majesty などの敬称は外国映画で聞いたことがある人もいると思います。所有格の独特の使い方が面白いですよね。

日本にない貴族の文化を知ることも、英語学習に繋がります。全て覚える必要はありませんが、知識としていくつか知っておきましょう!