さな
(更新)
日本のクリスマスの食事の定番といえば、フライドチキンやショートケーキですよね。
しかし海外の人は、日本の習慣を見て驚くことも。
海外ではクリスマスにケンタッキー(KFC)を頼むという概念はなく、多くの場合は何日も前から準備した手作り料理を、遠い親戚などを含めた家族と集まって食べるのが基本です。
では、チキンを食べないというのであれば、海外ではどのような食事が楽しまれているのでしょうか?
今回は、世界中のさまざまな国で伝統的に食されているクリスマスフードをご紹介していきます!
今や日本では、「クリスマスといえばケンタッキー」という人が多いかと思います。しかし、そもそもこの習慣はどのようにして始まったのでしょうか?
それは1974年までさかのぼります。
一部報道によると、当時のKFC日本法人創業期の経営者が、売り上げを伸ばす目的で、チキンがアメリカの伝統的なクリスマス料理と宣伝したとされています。そして毎年クリスマスになると、ケンタッキーを頼む人が増えたとのこと。
これは「偽って宣伝した」とされていますが、アメリカではチキンを食べる家庭も少なくないですよ。基本的にはターキーですが、チキンやビーフ、ポークなど、さまざまなお肉のローストが食されています。大きな違いは、「フライ」ではなく「ロースト」なのと、「テイクアウト」ではなく「手作り」だということくらいです。
そんな始まりだそうですが、みなさんはクリスマスにケンタッキーを食べていますか? 筆者は父がアメリカ人なので、毎年大きなターキーが食卓に出ます。そして毎年クリスマスに近づくと近所のケンタッキーで行列ができているのを見て驚いています!
それでは早速、アメリカやイギリスをはじめ、世界で食べられている定番のクリスマスフードを見ていきましょう!
筆者はアメリカで育ってきましたが、毎年家族と集まり、豪華なクリスマスを過ごしていました。家族/夫婦/カップルごとに何か食べ物やデザートを持ってくるのが基本でした。
一般的なクリスマスの食事といえば以下のものが含まれます:
そしてデザートは家庭や地域によって異なる可能性はありますが、全国的に親しまれているのは:
また、クリスマスの時期の「飲み物」もいろいろなものがありますよ! 日本ではお正月になるとおしるこや甘酒を飲むのと同じ感覚で、アメリカのクリスマスといえば「egg nog(エッグノッグ)」や「mulled wine(モルドワイン)」などが人気です。
イギリスのクリスマスの食事も、アメリカと似たようなものが出されます。基本的には:
そしてデザートの定番といえば「クリスマス・プディング」! これは、ドライフルーツとシナモン、ナツメグ、クローブなどのスパイスで作られたプディングで、ブランデーでコーティングした後、火をつけて食べます。
また、イギリスやアイルランドでは mince pie(ミンス・パイ)というのも定番です。ミンスパイとは、フルーツやスパイスなどを混ぜた「ミンスミート」を詰めたイギリス発祥の甘いパイで、英語圏ではクリスマスシーズンによく食べられています。
イタリアでは通常、12月24日はクリスマスイブディナー、25日はクリスマスランチでお祝いします。クリスマスイブのレシピは宗教上の伝統から、地域によっては肉を使わないものが多く、魚料理が出されるとのこと。
そしてクリスマス当日のランチは、イタリア全土で同じように構成されているそうで、主に4皿を含むフルコースが堪能されるそう:
そしてデザートの定番は「panettone(パネトーネ)」と呼ばれる、砂糖漬けのフルーツの皮やレーズン、チョコレートなどがたっぷり入ったパン! 通常パネトーネの高さは12〜15 cm、重さは1 kgほどです。
日本でも売られていることがあるのでみなさんもどこかで見かけたことがあるのではないでしょうか?
ドイツのクリスマスの定番といえば、日本でも広く売られている「stollen(シュトーレン)」! これは、マジパンとレーズンを詰め、粉砂糖で仕上げたパンのような形のドライケーキです。
さらに、「lebkuchen(レープクーヘン)」と呼ばれるジンジャーブレッドに似たクッキーも定番の中の定番。レープクーヘンは、スパイシーなものから甘いものまでさまざまな味があり、形やトッピングもいろいろです。メインの材料はハチミツとジンジャーで、他にもカルダモンなどのスパイス、ナッツ類、そして砂糖漬けのフルーツなどが使われることがあります。
クリスマスの時期は、マーケットやスーパーなどで必ず見かけますよ!
ここまではデザートの話をしてきましたが、ドイツのクリスマスの伝統的な食事といえば、アヒルやガチョウなどのロースト、リンゴとソーセージの詰め物、赤キャベツ、ジャガイモなど、ドイツならではの料理が堪能されているとのこと。
スウェーデンのクリスマスといえば、「julbord(ユールボード)」と呼ばれるビュッフェ料理が定番! Jul はスウェーデン語で「クリスマス」という意味です。
親戚をたくさん集めて、大人数で食べるのが基本だそう。また、クリスマス当日ではなく、クリスマスイブに集まります。
ユールボードにはたくさんのコースがあり、その数は家庭によってさまざまですが、5つのコースが一般的です:
4番の温かい料理には、IKEAでも売られている「ミートボール」が人気だとか。ソーセージやそのほかのお肉料理を食べる家庭もあります。デザートは、米をミルクで煮た「rice pudding(ライスプディング)」が一般的です。
最後に、アジアで唯一キリスト教国のフィリピンについて見ていきましょう!
世界中の多くのヒスパニック系、ラテン系、フィリピン系の家庭では、クリスマスイブは単なるクリスマスの前日ではなく、クリスマス当日よりも盛大なお祝いなのだそう。Noche buena(ノチェブエナ)と呼ばれるこの行事は、それぞれの文化、家族、そしてその年によって異なります。Noche buena は「おやすみなさい」や「神聖な夜」を意味するフレーズです。
そしてその行事の食事の定番といえば「lechon(レチョン)」と呼ばれる、豚の丸焼き! レチョンは、レモングラス、にんにく、ねぎ、唐辛子、生姜、ピーマン、パイナップルなどの具を詰め、ディップソースと一緒に食べます。フィリピンでもっとも人気のある料理の一つで、伝統的にお祭りやお祝いの席で供されることが多いのだとか。
また、エダムチーズをボール状にして赤いワックスで包んだ「keso/queso de bola(ケソ・デ・ボラ)」もクリスマスの伝統的な食べ物です。チーズはフィリピン料理の主食ではないため、クリスマスの時期に大きなボール状のチーズを食卓に並べることは、ごちそうであるばかりでなく、お祝いの飾りつけと考えられています。
デザートには「leche flan(レチェ・フラン)」と呼ばれる、キャラメルでトッピングされた卵黄を使った滑らかなカスタードプリンが人気です。Leche はスペイン語で「ミルク」を意味します。
他にも、「bibingka(ビビンカ)」というデザートもあり、これは、もち米、ココナッツ、砂糖、マーガリン、そして卵などから作られる餅のようなもので、特にクリスマスシーズンに食べられることが多いそうです。
いかがでしたか?
クリスマスの習慣は国によって異なるので、意外なこともあり、他の国ではこのように過ごすんだという新たな発見もあって面白いですよね。
そしてぜひ、英会話レッスンの際に講師の国ではどのような食事が楽しまれているのか聞いてみてください! 尋ねるときは以下のようなフレーズを使ってみましょう:
このような質問でぜひ会話を広げてみてくださいね。きっと面白いお話が聞けるはずですよ!