DMM英会話 ブログ 英語でつながる

ネイティブ・非ネイティブ?話す相手によって変わる話し方【母国語と外国語】

ネイティブ・非ネイティブ?話す相手によって変わる話し方【母国語と外国語】

先日、Xにてこのようなポストが話題を呼んでいました。

日本語が流暢な外国人であるポスト主の方に対して、薬局で薬剤師さんがなぜかタメ口で話してきた。という内容です。

こういった経験のある日本在住の外国人の方や、海外在住で外国語で生活しているなかで同じような体験をした方は、少なくないのではないでしょうか。

実際に、どの言語であっても、ネイティブスピーカーと非ネイティブスピーカーと話すときの違いは存在します。

今回はこのポストに関連し、英語でのネイティブスピーカー同士の会話と、非ネイティブスピーカーとの会話の違いについて解説します。

ネイティブ・非ネイティブスピーカー同士の会話の特徴

ネイティブスピーカー同士の会話の特徴

  • 自然なスピード

ネイティブスピーカー同士の会話は通常、自然なスピードで行われます。言葉が速く、イントネーションやリズムが自然です。一般的なフレーズや表現が迅速に交わされます。

  • 専門用語や俗語の使用

ネイティブスピーカー同士の会話では、専門用語や俗語が頻繁に飛び交います。また、地域やコミュニティに固有の表現を用いたり、第二言語学習者にとっては聞いたことのない表現を使用したりすることもあるでしょう。そのため、非ネイティブスピーカーにとって理解が難しいことがあります。

  • 表現力豊かなコミュニケーション

お互いの文化的背景を理解している場合、より表現力豊かなコミュニケーションが可能です。比喩や語彙の多様性を活用して、微妙なニュアンスを伝えることができ、より自然に表現できるでしょう。

非ネイティブスピーカー同士の会話の特徴

  • スピードと発音の違い

ネイティブスピーカーと比べて非ネイティブスピーカーは、話すスピードがゆっくりで、発音にも違いがあることがあります。非ネイティブは母国語にはない言語を脳内で組み立て話すため、処理能力に比較的時間がかかるためでしょう。また、発音にも課題がある場合が多く、努力して改善している非ネイティブは多いです。

  • 正確さと誤り

非ネイティブスピーカーは、文法や語彙の誤りを犯すことがあります。誤りによってはネイティブスピーカーにとって理解が難しくなり得ることもあるでしょう。

  • 文化的な違い

ネイティブと非ネイティブのスピーカーとの間では、文化的な違いが存在します。異なる背景や習慣からくる誤解や間違いが起こり得るかもしれません。

  • フォーマル度の違い

非ネイティブスピーカーは通常、よりフォーマルな表現や敬語を使う傾向があります。これは、言語習得の際に最初に学習する表現はフォーマルなものが多いからです。一方で、ネイティブスピーカー同士の会話では、カジュアルな言葉遣いがより一般的です。

このように、ネイティブスピーカー同士の会話は、高速で自然な言葉遣いや表現、豊かなコミュニケーションを特徴としています。

一方で、非ネイティブスピーカー同士での会話では、発音や文法の課題、文化的な違い、フォーマル度の違いに注意する必要があります。

それぞれの場合の会話例

ネイティブスピーカー同士の会話

What's up? Got any plans for the weekend?
「お疲れ様。週末の予定ある?」
Not much, just chilling. I might hit the beach on Saturday. You?
「特にないよ、まったりしてるつもり。土曜日にビーチに行くかも。君は?」
I'm down for a beach day! Let's make it happen.
「ビーチデーいいね! 実現させよう」

非ネイティブスピーカー同士の会話

Hi, do you have any travel plans for the upcoming vacation?
「こんにちは、次の休暇に旅行の計画はありますか?」
Yes, I'm thinking about going to the mountains for some hiking. What about you?
「はい、山にハイキングに行くことを考えています。君は?」
I'm considering a city tour, maybe visiting museums.
「都市ツアーを考えていて、博物館を訪れるかもしれません」

上記の例は極端かもしれませんが、ネイティブスピーカー同士の会話では、くだけた表現が使われています。一方で、非ネイティブスピーカー同士の会話では、比較的フォーマルな表現が使われていることがわかりますね。

ネイティブが非ネイティブとの会話で意識していること

ネイティブ同士、非ネイティブ同士の会話には特徴があることがわかりましたね。

それでは今度は、ネイティブ話者が外国語として言語を習得した非ネイティブ話者に対して話すときの特徴をみてみましょう。ネイティブ話者は意識的に話し方を変えることもあれば、無意識に対応していることもあります。

  • 言葉のスピードと発音を調整する

ネイティブスピーカーは言葉を適切な速度で話し、明瞭な発音を心がけます。特に非ネイティブスピーカーに対しては、適度なスピードで話すことが理解を助けます。

  • シンプルな言葉と表現を使用する

複雑な言葉やスラング、専門用語を避け、シンプルで理解しやすい言葉や表現を使う傾向があります。語彙の幅を縮めて、相手が追いつけるようにしていることが多いでしょう。

  • 文化的な違いを意識する

文化的な違いにも気をつけている人は多いかもしれません。異なる文化や習慣について尊重し、無意識のうちに冒瀆的なトピックや表現を避けています。

  • 質問を促し、会話を円滑に進める

非ネイティブスピーカーに対して質問を促し、相手の発話に対するフィードバックを提供します。これにより、お互いの誤解を防ぎ、対話を円滑に進行させることができます。

  • 非言語コミュニケーションを活用する

言葉だけでなく、ジェスチャーや表情、声の調子などの非言語コミュニケーションを活用して情報を伝えます。これは相手がメッセージを理解するのに役立ちます。

今回のXでのポストについては、日本人薬剤師の方が「言葉のスピードと発音を調整する」と「シンプルな言葉と表現を使用する」ことを無意識に実行した結果だったのかもしれません。

このような意識的・無意識的な対応はどの言語文化でも存在するようです。しかし、注意すべきこともありますので、次章で紹介します。

ネイティブ・非ネイティブそれぞれへの話し方のバランス

これまで、ネイティブ・非ネイティブ話者についての違いを解説してきました。

しかし、ここで最も重要となるのはそれぞれの話者への話し方の適切なタイミングでのスイッチングです。

通常、コミュニケーションをとる上で相手がネイティブスピーカーか非ネイティブスピーカーかを判断するでしょう。相手の言語スキルや文化的背景を考慮して、適切なスタイルを選択し、話し方を切り替えることが重要だといえます。

しかし、非ネイティブだからと言って、相手の言語スキルは必ずしも同じでしょうか?

もちろん、それぞれに違いがありますよね。そのため、一概に上記の内容を意識しなければならないというわけではありません。それよりも、相手の流暢さや互いの関係、文脈、その場の状況を考慮に入れましょう。

相手の反応を注意深く観察し、適切なスタイルにスイッチする柔軟性を持ちましょう。相手が理解しやすく、快適に感じるように調整することが重要です。

コミュニケーションは、適切なスタイルを選択することが鍵となります。そして、柔軟にスタイルを切り替える能力は、効果的なコミュニケーションスキルの一部です!

今回のXでのポストのように、相手がネイティブと同様の知識や言語スキルを持っている際には、上記のような意識は意図に反して失礼になりかねません。無意識なのか意識的な対応だったのかはわかりませんが、ポスト主さんに対して不快な思いをさせたことはわかります。

相手に対して失礼に当たらない表現をするために、ネイティブ・非ネイティブという判断だけでなく、状況を適切に判断する必要があります。

話し方は相手との関わり次第で変化する

今回は、Xでのポストに関連して、ネイティブスピーカーと非ネイティブスピーカーとの話し方について解説しました。

相手とのコミュニケーションを構築する上で、これらの理解はとても有用です。

しかし、ネイティブ・非ネイティブという判断だけに偏るのではなく、状況に応じた話し方を選択することが鍵だと言えるでしょう。

より円滑なコミュニケーションのためにも、意識していきたいですね!