アメリカの変わった風習「グラウンドホッグ・デー」とは？歴史と祝い方を解説

毎年2月2日、アメリカ合衆国やカナダの一部では、独特な祝日が行われます。

それは「グラウンドホッグ・デー（Groundhog Day）」という名前で知られているイベントです。

この日に、地元のグラウンドホッグ（アメリカマーモット）が冬眠から目覚め、その行動で春の到来を予測するという伝統があります。

この祝日の起源やその背景には、どのような意味が込められているのでしょうか？

そしてアメリカ人はどのようにしてこのユニークな日を祝うのでしょう？

今回の記事では、グラウンドホッグ・デーの歴史、文化的背景、そして現代のアメリカでの祝い方についてご紹介します！

Groundhogってなに？

Groundhog（グラウンドホッグ）は、アメリカ合衆国の東部やアラスカ、カナダに生息する哺乳類。大きなリスに似ていて、体は毛皮で覆われ、最大で約68cmまで成長します。

グラウンドホッグには短い尾と小さく力強い脚があり、地面を掘るのが得意です。とても賢い生き物で、お互いにコミュニケーションをとるためにホイッスルのような鳴き声を出すこともあります。

また、woodchuck（ウッドチャック）、whistlepig（ホイッスルピッグ）、Canada marmot（カナダマーモット）、monax（モナックス）など、多くの名前でも知られています。「モナックス」という名前は、アメリカ先住民のアルゴンキン語で「掘る者」を意味するようですよ。

では、グラウンドホッグ・デーってどんな日なのでしょうか？

その謎を解き明かすためには、ヨーロッパの伝統的な宗教祭典「Candlemas（キャンドルマス）」にさかのぼる必要があります。2月2日のこの日、キリスト教徒たちは教会にろうそくを持っていって、残りの冬の期間の幸運や祝福を受け取ります。

この伝統がドイツに伝わったとき、新しい、もっと俗世的な要素が加わりました。キャンドルマスの日に、ハリネズミが地面から出てきて自分の影を見たら、極寒の冬がさらに6週間続くというものです。

ドイツからの移民がアメリカに到着したとき、彼らはこの祭りを持ち込みました。しかしアメリカでは、特別な動物がハリネズミからグラウンドホッグに変わったのです。

これで「グラウンドホッグ・デー」の背景が少しでも理解できたのではないでしょうか。毎年2月2日、グラウンドホッグが冬の終わりを告げるかどうか、北米の人は注目しているのです！

グラウンドホッグの影が実際に天気の変化に関連しているわけではありませんが、毎年2月になると、この愛らしい生き物が冬の終わりや続きを「予測」するというアイデアを楽しむ人々がたくさんいます。

グラウンドホッグ・デーの最大のお祭りは、1886年に新聞で初めて言及されたとされているアメリカ合衆国ペンシルベニア州のPunxsutawney（パンクスタウニー）という町で行われています。

それ以来、この町ではこのイベントを熱心に祝っており、全国から数千人が有名なグラウンドホッグ「パンクスタウニー・フィル」を見るためにやってくるのです。また、華麗なショー、食べ物、音楽、ダンスなどを楽しむこともできます。

また、この町とそのお祭りは、1993年に公開されたアメリカのコメディ映画「Groundhog Day（邦題：恋はデジャ・ブ）」のおかげで、人気が大きく上昇しました。この映画はお祭りの最中に行われ、不思議なタイムループで同じ日を繰り返し生きる男性の物語を描いています。

憂鬱で寒い冬の天候を忘れさせてくれる楽しいイベントを、北米の人は楽しんでいるようですね。

最も有名なお祭りはパンクスタウニーで行われますが、グラウンドホッグ・デーはアメリカやカナダの各都市で祝われていますよ。

実際にこれらの場所を訪れることができなくても、グラウンドホッグが影を見るかどうか、イベントのライブストリームもありますのでぜひチェックしてみてくださいね！

Written by David J.
Adapted by さな