NY旅行の帰りに「b-monster」起業を決意。今最もイケてる暗闇ボクシングジムを経営する塚田姉妹インタビュー

平日の昼下がり、銀座一等地の奥にある薄暗いスタジオから、爽やかな汗と自信を身にまとった大人たちが続々と出てくる。利用者は若いOLからビジネスマン、シニアまで幅広い。

今私たちが来ているのは、巷で話題の暗闇ボクシング フィットネススタジオ「b-monster」銀座店。これまでにない新しい“格闘系フィットネス”として口コミから人気に火がつき、開業からわずか2年で都内を中心に*6店舗を展開、今後も国内外に拡大予定だと言う。

そんな、今最もイケてるフィットネススタジオを経営しているのは、塚田美樹さんと塚田眞琴さん、20代前半の姉妹である。

今回、塚田姉妹に独占インタビューを行い、「b-monster」創業のきっかけや、経営哲学の原点となっている家庭環境や幼少期からの体験、海外経験についてお話を聞いてきました。

◆ b-monster HP
https://www.b-monster.jp/

* 2018年6月時点。

 

姉妹で起業: 背景には父からの起業家教育

ー よろしくお願いします。
まず簡単にお二人の自己紹介をお願いします。

塚田美樹さん(以下、美樹さん):現在24歳の塚田美樹です。聖心女子大学の哲学科を卒業し、卒業と同時に「b-monster」を起業しました。

塚田眞琴さん(以下、眞琴さん):塚田眞琴、23歳です。駒澤大学の法学部政治学科に通っていましたが、2年から3年に上がるタイミングで大学を退学し、姉と一緒に「b-monster」を立ち上げました。

 
ー ご両親も経営者ということですが、お二人も小さい頃から起業について考えていたのですか?

眞琴さん:私は会社経営とかは全く考えていなくて、小さい頃からずっとテレビっ子だったので、テレビを制作する側になりたいと思っていました。

美樹さん:私も「起業したい」というのはなかったかもしれないですね。あまりこれといった夢はなかったかなと思います。

父は私たちに後を継いで欲しいとは思っていなくて、逆にすごい嫌がっていましたね。「自分のやりたいことをやって欲しい」と言われていました。

 
ー なるほど。
経営者であるお父様の教えを小さい頃から受けていたとお聞きしたのですが。

美樹さん:そうですね。父が仕事人間だったので、家族との会話で起業やビジネスの話はよく出ていました。

 
ー 具体的なエピソードはありますか?

眞琴さん:小学生のときに聞いた話をしますと、当時、父の会社がお客様コールセンターを作るにあたって、200万円くらいの費用をかけて電話回線を導入したんですね。そしてその2週間後くらいにその費用が劇的に安くなったということがあったんです。

でもそのときに父は「たとえ結果的に安くなったとしても、2週間早く入れることで200万以上の価値があったんだよ」と教えてくれたんです。費用が高くても2週間早く導入したことにどれだけの価値があったのか、というのを小学生の私たちに話してくれました。

 
ー 小学生でそんなお話を聞けるのはすごいですね!
姉妹で起業というのはなかなか珍しいと思うんですが、姉妹経営する上でのメリット・デメリットはありますか?

美樹さん:メリットとしては、24時間365日仕事の話ができることですね。デメリットは、ついつい強く言い過ぎちゃうというか、社員には言わないことも姉妹のノリで言ってしまうことがあります(笑)。

 
ー 確かにそれはありそうですね。
お二人の性格はそれぞれどんな感じなのでしょうか?

眞琴さん:私はどちらかというと、一人で何かを考えてそれをみんなの前で発表するのが好きなのですが、姉は社交的というか、人と関わる中で何かを見つけていくタイプかもしれませんね。

 
ー 美樹さんが社長で眞琴さんが副社長という形ですが、具体的にどのように仕事の役割分担をしているのですか?

美樹さん:最近分けるようになったのは、スタッフとの連絡系統です。妹をスタッフからの第一窓口みたいな感じにしたので、私に直接連絡が来ることはほとんどありません。

一旦彼女を通してもらって、決められないことがあったら私が判断するようにしました。でも明確に分けているのはそれくらいで、基本的にはあまり分けないようにしています。

 
ー ちなみに「座右の銘」があればお聞きしたいのですが。

美樹さん:私が大学で哲学科に入るきっかけにもなったのですが、高校の倫理の授業で知ったフランクルという心理学者の『夜の霧』という著書にある、「『我々が人生から何を期待できるのか』が問題ではなく、『人生が我々から何を期待しているのか』が問題なのである」という言葉が好きです。

この言葉を聞いたときに、なんというか、ビビッとくるものがあって。それまではけっこう受け身の性格で、来るもの拒まず去るもの追わずみたいなスタンスだったのですが、その言葉と出会ってからは「もっと主体的に自分から行動しよう」と思えるようになったんですね。

いま振り返ってみると、その言葉があったからこそ起業に踏み込んだんだろうなと思います。

 

「とにかくかっこいいものを」:NYで出会った暗闇ボクシング

※ 「b-monster」銀座店 スタジオ入り口

ー ニューヨーク旅行が「b-monster」起業のきっかけになったと伺ったのですが、それは単なる旅行として行ったのでしょうか? それとも起業の種を見つけようという思いがあったのでしょうか?

美樹さん:普通の旅行でした。もともとニューヨークに行くことは決まっていて、向こうに留学している友達がいたのでその子とコンタクトを取っているときに、たまたま「日本のボクシングジムに行ったけどつまらなかった」という話をしたんですね。

そしたら友達が「ニューヨークにはこんなのがあるよ」って暗闇ボクシングジムを教えてくれて。私はそれが起業につながるものだとは思っていなかったんですが、妹はそのホームページを見たときに、その画の持つ力みたいなところに「これだ!」と思ったみたいです。

※ スタジオ内の様子
 

眞琴さん:ホームページにあった暗闇の中に白いサンドバックがずらっと並んでいる一枚の写真を見て、「面白そう!」と思ったんです。それを見ただけで何をする場所かは分かるんですけど、でも実際どんな風に行われるのかは分からないワクワク感があって、この画を見た人は、誰もが同じ気持ちを抱くんだろうなと思いました。

美樹さん:それで実際に暗闇ボクシングを体験してみるとすっかり虜になってしまって。帰りの飛行機の中では「じゃあ日本に帰ったら何しよう? 会社を設立して物件をどうやって探そうとか、ホームページどうやって作ろうとか、インストラクターはどうするのか」という具体的な話をしていました。

 
ー 帰りのフライトで事業計画まで描いていたんですね。
起業を決断する上で不安や迷いはありませんでしたか?

美樹さん:なかったですね。今思うと不思議なんですけど、そのときはもう夢中だったのでやる選択肢しかなかったですし、そこに対する不安を感じている暇もなかったというのが本音です。あと、両親も賛成してくれていたのでそれも後押しになったかなと思っています。

 
ー 「b-monster」は立ち上げ当初からブランディングに力を入れていらっしゃいますが、それはなぜでしょうか?

眞琴さんとにかくかっこいいもの、そこに通っていること自体がステータスになって発信したくなるような場所を作りたくて、それを実現するには一からちゃんとしたものを作り上げる必要がありました。

美樹さん:もともと日本での女性のボクシング需要とジムが追いついていないと感じていて、そこが狙い目かなとは思っていました。ボクシングジムってやっぱり臭いとか男の人が通うイメージが強くて、それを払拭するような綺麗なボクシングジムを作りたかったんです。

 
ー ボクシングジムにはもともと興味があったんですか?

美樹さん:そうなんですよ。当時、たまたまボクシングが流行っていたというのもありますけど、毎年年始に家族で今年の目標を発表し合っていて、そのときに二人とも「ボクシングでダイエットする」という目標を立てたんです。それで二人で近所のボクシングジムに体験に行ってみたのですが、それがつまらなくて…。そういった経験があった後に、先ほどのNYの暗闇ボクシングジムを紹介してもらったんです。

 

100点のパフォーマーはまだいない

ー 今スタッフは全部でどれくらいいらっしゃるんですか?

美樹さん:80人くらいですね。各店舗にパフォーマーとフロント社員で10名ずつくらいいる他、プログラムチームというパフォーマーを育成するチームと本社スタッフが10人ほどいます。

 
ー 「インスタトラクター」ではなく「パフォーマー」と呼んでいるのはなぜですか?

眞琴さん:最初は「インストラクター」という名前で募集していたんですが途中で「パフォーマー」に変えました。「教える人」ではなくて「魅せる人」という方向性に変えたんです。

 
ー なるほど。パフォーマーさんはどういう方が多いんですか?

美樹さん:フィットネス経験者はほとんどいなくて、アパレルやダンサー出身者が多いです。あとは舞台俳優や女優さんを採用することも多くて、彼らにとってスタジオはスポットライトを浴びたり自分の表現力を発揮できる場所なんですよね。

 
ー 逆にフィットネス経験者の方が少ないのはなぜですか?

美樹さん:これは意図的で、フィットネス経験者だとどうしてもそういうリズムの取り方になってしまうんですよね。「ワン!ツー!スリー!フォー!」みたいな。

最初はフィットネスの転職サイトに採用ページを出していたんですが、フィットネスらしくないものを作りたくて、私たちのビジネスモデルには合っていないと思ったので、結果的にダンサーのようなリズムの取り方が独特な人たちだったりを採用するようにしています。

※ 「b-monster」銀座店 フロントデスク
 
ー スタッフ管理など、経営する上で意識していることはありますか?

美樹さん進化させ続けることですね。現状に満足していないし、今パフォーマーが60人いるんですけど、100点のパフォーマンスをしている人ってまだいないと思っていて。パフォーマンス力をチェックするための5段階評価があるのですが、トップにいる人はまだいないんですよね。今に満足しないで、そういった部分をアップグレードさせていくように意識しています。

 
ー パフォーマーの方のラスベガス研修等もされていますが、それもパフォーマンス力を上げるための一環として?

美樹さん:はい。もともと私たちが海外旅行好きということもありますが、世界をみんなに見て欲しくて。

先ほども言いましたが、スタッフのみんなにも現状で満足せず、もっともっと上を目指して欲しいんです。ラスベガスでは「シルク・ド・ソレイユ」のショーを見に行ったのですが、それも本場のパフォーマーを見て欲しいという想いがあります。

 
ー 「b-monster」経営を通して、印象に残っているエピソードなどはありますか?

美樹さん:友人から「ヘビーユーザーの友達がいるんだよ!」と紹介されたときや、ベタですけど、「『b-monster』を始めて人生変わりました!」みたいなことを言ってもらえると素直に嬉しいですね。

フィットネス、人の健康や人生に携わることができていると感じられるときは、やって良かったなあと思います。

 
ー 「b-monster」の今後のビジョンはありますか?

美樹さん:1年に4店舗のペースでこれからも出店していきたいと思っています。
また先ほども言ったように、引き続き人の健康に関わっていきたいです。

「フィットネスをやらないと」と思っていてもなかなか始められない人って多いと思うのですが、そういう人たちのきっかけになれたり、よりフィットネスを身近に感じてもらえれるきっかけになれると嬉しいです。

 

英語が話せなかったら「b-monster」はなかった?

ー お二人はもともと海外旅行好きということですが、英語も好きだったのでしょうか?

美樹さん:英語の必要性を感じてはいました。両親がすごく海外旅行が好きで、0歳の時から海外旅行に連れて行ってもらっていたこともあり、とにかく海外が身近だったんですよね。

眞琴さん:私は高校生のとき、1年間イギリスに留学していました。きっかけは、ある日学校に行く途中でふと将来が全部見えちゃったと言うか、このまま普通に学校に通って大学に行って就職して…というのが見えてしまって、それがすごい嫌になっちゃったんですね。

それでそのまま学校に行かずに留学経験のある友達に連絡し、紹介してもらった留学エージェントに行って説明を受けて、そこで色々と全部決めちゃったんです。「後日、母親連れて来ます」みたいな。もっと違うことをしたい、違う場所に行きたいと思ったときに、考えたのが留学・海外だったんですよね。

 
ー すごい行動力ですね!
そのときに英語を習得されたのですか?

眞琴さん:そうですね。現地のインターナショナルスクールに通っていたのですが、半年間は日本人一人だったのでずっと英語で話していました。私の場合は、友達を先に作って会話をしたくて英語を頑張りました。

色々と伝えたいことがあるのに伝えられない悔しさがありましたし、あとは向こうの授業スタイルは日本と違って出席しているだけなら意味がないという考え方で、「ここにいて黙っているだけなら欠席扱いにするからね」と言われていたので、とにかく発言しようと頑張っていました。

 
ー それは鍛えられますね!
「b-monster」には外国人のお客さんもいらっしゃいますか?

美樹さん:結構来ていただいていますね。店内の案内やポップなども英語で用意していますよ。

※ 店内いたるところに英語表記のポップが用意されている。

 
ー たしかに英語で表記された壁や備品の張り紙が多いですよね!
経営する上で語学の必要性を感じることはありますか?

美樹さん:いま上海に出店準備を進めていて、向こうでは英語が通じないので中国語の通訳を入れいてるのですが、やっぱり「自分の言葉で伝えたい」と感じるときはありますよね。なかなか中国語までは手が回っていないですけど、語学の必要性は日々感じています。

 
ー では最後に、英語学習に励む読者に向けてお一人ずつメッセージをお願いします。

美樹さん新しい言語を勉強して自分の言葉で自分の想いを伝えるというのは素晴らしいことですし、世界が広がるじゃないですか。言語を学ぶと関われる人の数も増えます。自分の言葉で伝えて世界を広げられるように頑張ってください!

眞琴さん:英語が話せるだけで世界中どこでも行けると思うんですよ。日本国内だけでもいろんな文化がありますが、海外に行けばもっといろんな文化と出会えます。そして、そういったものに触れることで自分自身が変わっていったり、価値観が広がって人生観が変わっていきます。

「英語を話せないから海外に行けない」という人は多いと思いますが、逆に、話せさえすれば行けるんだとしたら、人生は色々と広がっていくんじゃないかなと思います。


私も英語を話せなかったらニューヨークに行っていなかったかもしれないですし、それがなかったら今ある「b-monster」もなかったと思っています。ぜひ海外に出て行って、いろんな体験や出会いを楽しんでください!

 
ー ありがとうございました!

 

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