留学しても英語が「話せない人」と「話せる人」の3つの違いとは? Peatix共同創業者 竹村詠美さんインタビュー


竹村 詠美
Peatix.com 共同創設者。エキサイト・ジャパン取締役、アマゾン・ジャパン マーケティング部門責任者等を経て、現在無料で使えるチケット販売&イベント運営が出来るサービス、 Peatix (ピーティックス)のマーケティングとアジア部門を担当。米国のベストセラー「Socialnomics」邦訳書、「Facebookページプロフェッショナルガイド」、「Facebookページプロフェッショナルガイド」共著者。“インターネットの恩恵を全ての人に”がモットー。大阪出身の二児の母。
Peatix - イベント管理、チケット販売サイト

いま一番使われているイベント管理サービス「Peatix」の共同創設者、竹村さん。洋書の翻訳などもされており海外経験が長いのかと思いきや、なんと大阪出身というコテコテの関西人!

今回は竹村さんがどのように英語を身につけたのか、そして留学をしても英語が話せない人と話せる人の3つの違いについてお伺いしました。

アイデアよりも実行が大切!Peatix誕生秘話

Peatixキャラクター

Peatixをはじめたキッカケを教えてください。

Peatixをはじめたキッカケは、もともと「なんかやりたいね」という感じだったんですね。最初から100%イベントプラットフォームをやろうとして始めたというよりは、アメリカで少し似たサービスがあって、元々はそれを日本に持ってこようと思ったところから始まりでした。

アメリカにはWEBサービスが大量にあるんですよ。気が狂うくらい。Peatixみたいなサービスも、アメリカには大量にあります。
それで日本に持ってくるために、そのサービスのファウンダーと話をしたのですが、そのファウンダーは日本に興味がなく、あまり話がうまくいかなった。「それじゃあ同じではない、別のやり方でやりますよ」ということで始めたのがPeatixでした。

また、Peatixのようなサービスはアメリカに50くらいあって。だけど、どれも味付けをちょっと変えてくるんですよね(笑)業種だったり、モバイルに特化していたり。ちょっとずつ違うんです。
そういう情報を知識としては入れておいて、「我々としてはこうしたい!」と別のやり方でやっていくことが大切だとも思ってましたし、結果的にそれが良かったです。

ネット業界はある意味、アイディア自体というのは陳腐化してしまうというか、アイディア自体の価値ってある程度しかないのかなと思います。やっぱり最終的にはアイデアよりもエクセキューション(実行)が重要で、実際にユーザーに理解できる形で、プロダクトとかサービスを届けられるかどうかがキモ。

例えばサービスが使いやすいとか、料金、サポートの体制がどうか等、いろいろあると思うんですけど、その完成度で最終的な結果って決まってくることが多い。
なので、とにかく雑多にアイデアはいろいろと集めます。その中で気になるものがあったら深堀して調べて、完成度を高めていくという感じです。そういう意味では、英語は情報収集のために必須なものになってますね。

Peatixを運営する上で、英語での情報収集は日常的ですか?

はい、インターネットに関していうと、日本語の情報は英語の情報の10分の1もないと感じています。
しかも基本的には情報の時差があるんですよ。「なぜこの情報が日本語ではないんだろう」というのがやっぱりあるので、英語のメディアを見ている方がWEB業界の動向はキャッチできますよね。

Tech Crunch』とか『WIRED』であったり、あと普通に『New York Times』とか『Wall Street Journal』とかも時々見ます。
もちろん、海外の情報を収集しなくても日本ではビジネスをやっていけるのですが、海外の情報をチェックしているからこそPeatixは生まれましたし、新しいアイデアを集めるのには欠かせませんね。

「話せるようになった!」と思ったら女子高生英語だった

Peatix_竹村さん

英語を勉強しようと思ったキッカケはなんですか?

私の場合は「海外旅行がしたい」という個人的な動機が、英語学習の始まりでした。もともと「いろんな人と会う」というのが小さい頃から好きで、やっぱり海外旅行で大阪と違う景色も見てみたい、現地の人と話せるようになりたいと思って英語の勉強を始めました。

最初の留学は大学3年生のときですか?

はい、大学3年のときに1年間、シアトルへホームステイしながら、インターンシップと学部での勉強に参加しました。それが英語を本格的に身につけた最初のステップです。
基本的な日常生活とか、簡単な英語での生活というのは、その1年間でみっちり学びました。「自分は英語ができる人だ」と思うようになったのは、やっぱりこの時からですね。

大学卒業後、英語を使う機会はありました?

実は私、大学卒業してから経営コンサルティングの仕事をしばらくやってまして。アジアの案件を当時は結構やっていたんですけど、それこそベトナムが門戸を開放するとかそういう時代だったので、クライアントワークで「アジアのどこの国が面白いか見つけてこい」みたいな仕事をしていたんですね。
英語は「話せる」と思っていてもネイティブレベルではないんですけど、とにかくそういう仕事だとアジアの共通言語って中国語か英語しかないので、私は英語で話していました。

留学で学んだ英語と、実際のビジネス英語は違いました?

やっぱりビジネス英語となると違いました。なんというか、「この人の話し方、頭悪い」みたいな英語で最初話してたんです(笑)
シアトル行った頃の英語ってティーンエイジャーの英語というか、ほんと頭悪そうにしゃべっていたと思います。いちいち“Oh! So it’s like〜”、“It’s awesome! ”とか一々すごい抑揚があって。

留学中は「ノリのいいカリフォルニア英語」みたいなのを必死になって覚えたので、ネイティブじゃないと場面の使い方・使い分けっていうのがなかなか分からなかったりするんですよね。
やっぱりティーンエイジャーの喋り方はトーンも違いますし、ボキャブラリーも違いますし、「大げさ」なんですよ。女子高生と日本の社会人との違いみたいな感じですよね。

ビジネス英語を学んだのはいつ頃ですか?

社会人生活を3年間やりまして、その後、アメリカの大学院へ留学しました。
大学院に行ったことで、語彙とか言い回しとかが相当「あ、ビジネスをやる人」っていう感じになりました。

やはり実地的な訓練は、役に立ちますよね。日本語でも、「あ、ここで敬語を使う」というのは感覚で分かっているじゃないですか。そのスイッチ・センサーが働くのにすごい時間がかかって、アメリカの大学院では、学生のレベルも学部とは違うので、そういったなかで「あ、こういう喋り方をするんだな」とか「こういうなかではこういう使い方」とかがだいぶ分かってきましたね。

 

留学成功のコツ1:「打たれ強くなること」

Peatix_竹村さん

最初のインターンで苦労したことは何ですか?

インターンのときは「調べる仕事」だったのですが、もちろん分からないことだらけ。英語も分からなかったので、突然、自分が赤ちゃんになったような気分になりました
だけど、向こうって割と相手が忙しそうにしてても、“I need your time.”という感じで時間をもらわないと相手にされないし、そっちの方が評価されるんですよね。
しかも私はたかがインターンなので、会社側もそこまで私に時間を割いてくれないんです。なので、ちゃんと仕事の経験をさせてもらうには、自分で「こういうことをやらせてくれ」ってどんどん伝えないといけない

「彼女が忙しそうだから」といって時間ができるまでおとなしく待ってると、「竹村はなにをやってんだ」となるわけです。なので、その辺のコミュニケーション感覚の違いが特に苦労しましたね。

日本だと気を遣って声をかけないこともありますが、米国では逆ですね。

はい、日本だと「空気を読む」文化がありますけど、アメリカはやっぱり気づいてもらえるとか期待しちゃダメで、基本的には何かあったら全部どんどん言っていかないと分かってもらえないんですよ。自己主張することが評価される文化なので、そこはすごく日本と違いますよね。

日本人の感覚だと「これ失礼かな」とか考えてしまいますし、逆に「自分の意見を否定されたらどうしよう」とか考えて発言しなかったりする。
だけど、向こうの人は“Happy go lucky”というか、関西と似ていて、わーっと言い合っても次の日はけろっと仲良くしてハグしてたりとかするような感じなんですね。

だから、少しなんか言われたり少し冷たくされても気にしないくらい、打たれ強くないといけない。日本人の場合はだんだん内向的になっちゃうので、ガンガンいったほうがいいですよ。そうじゃないと留学してもコミュニケーションすらとれずに終わってしまいますから。

だけど、ちゃんと努力すれば評価してもらえるという体験は、すごく自信になります。
私がインターンしていたシアトルはエスプレッソの本場で、当時は街中にちょっとしたエスプレッソの屋台みたいなのがたくさんあって、私は結構好きだったんですよ。それで、インターンの最後にエスプレッソの機械を上司の方がプレゼントしてくださって、すごい嬉しかったのを覚えていますね

 

留学成功のコツ2:「はじめは子どもみたいなしゃべり方でもいい」

Peatix_竹村さん

そもそも英語が話せないと自己主張すらできないのでは?

めちゃくちゃ大変ですよ!英語ができないと話しかけることも出来ないじゃないですか。だけど、何も話さないと本当は違うのに「おとなしい人」みたいな感じになっちゃうから、間違っていようが、子どもみたいなしゃべり方だろうが話すことってスゴい大切です。

私のホストファミリーは本当に英語しかできず、しかも海外に興味のないホストファミリーだったので、会話があまりできないんですよ。だから、とりあえず一緒にテレビを見ましたね。
そしてプログラムの最初の三ヶ月は徹底的に英語学習だったんですけど、そこで学んだ言い回しとかをホストファミリーに言ってみる。そしたら「あ、通じた!」みたいなが出てくるので、1つずつ引き出し増やしてくという感じでした。

英語学習ってスポーツにすごい似てるんですよね。私自身もスポーツをするんですが、やっぱり上手くなりたいと思ったときに、一気に完璧を目指そうとしても絶対無理じゃないですか。ゴルフのスイングとかテニスとかでも。やっぱり一個一個やってくしかない。

英語の場合も、シチュエーションをピンポイントに絞って、「こういうときに、こういうこと言えるようになりたい」というのを積み上げていく。そして、1つのシチュエーションで「こういうことが言えるようになった」ってのが完成したら次のステップに進む。体得したい言い回しとかがあったらやたら使うようにとかして、「あ、こういう風に言えばいいんだな」ってのが分かったら、次の表現で試してみるみたいな。そういうのをひたすらやっていくと、だんだん詰み上がって、こう自然な会話ができるようになるんですよね。

はじめから完璧な英語を話そうとしても無理ですもんね。

そう。だから、最初はやっぱり、かっこ悪いんですよ。それで、プライド高い人だとツラくなっちゃう。プライドが邪魔しちゃうんですね。
シアトルには私以外に20人くらい一緒に留学していたんですが、英語が話せるようになった人とならなかった人に分かれました。大体できるようになる人の方が少なかったです。一年いても三年いても、できない人はできない。もう何年いても同じです。

なので逆に短期でも目標決めて、欲張らずに「こういうレベルまで話せるようになりたい」と思って地道にやれば、絶対話せるようになるんです。
目標が高すぎると、「話せない自分」に自信が持てませんし、自信がないと話しかけられなくなって、どんどん負のスパイラルに入っちゃう。そして「あ、もうアメリカ人と話すの面倒くさい」となっちゃう人はたくさんいます。

実際、日本語しか話せなくてもシアトルで生活しようと思えば結構できちゃいます。そしてアメリカは快適だからアメリカには住んでたいとか、フランスでもよくあるパターンですよね。フランスは好きだけどフランス語では話したくないみたいな。
それでも生活回っちゃうから「これで、いいや」となっちゃうんですよ。大きく目標を持って、できないことがいっぱいあるっていうよりも、小さな達成を積み重ねて「できた!」っていう経験をたくさんするほうが良いスパイラルを得られますね。

 

留学成功のコツ3:「なんでもいいから、得意なことを持つこと」

Peatix_竹村さん

留学する前に準備しておくべきことはありますか?

「得意なことを持つこと」かなと。
私はテニスをやっていたので、向こうでテニス部に入りました。本当にはじめは英語が話せなかったんですけど、テニスが上手かったり、なにかしら自分の得意芸が1つでもあると、「あっ、あなたコレできるんだったら、これやってよ!」というふうに、結構仲間に入てくれるんですよね
音楽とか、なんでもいいんですけど何か1つ、言葉をそんなに使わなくても一緒にできることがあれば、そこからギブアンドテイクみたいな感じで仲良くなれますよ。

鶴が折れるだけでもいいって言いますもんね。

そうですよ、そういう感じですね。好きなマンガとかでもいいかもしれない。みなさん何かしら1つはあると思うんですよね、詳しいこととか、得意なことが。そういうのを上手に披露していくこと。

英語だけでない、自分の強みを打ち出していくのは、新しいコミュニティに入っていく上でスゴい役に立ちます。だからあまり「英語だけ」という風に考えちゃうと、結構難しくなっちゃうのかなと。英語ってあくまでも自分の生活のツールじゃないですか。

なので「自分の生活でやりたいこと」がまず第一としてあって、それを達成するためにどうすればいいか、どういう人と仲良くなればいいのか。そうするとそこにどういうバリューを提供すればいいのか、そのかわり逆に英語を教えてもらおうみたいな。
駆け引きじゃないですけど、やっぱり自分を少し冷静に見て、何を提供してどう自分の目標を達成していくかを考えるのが大切だなと思います。

 

最後にメッセージをお願いします!

Peatix_竹村さん

英語学習は、やっぱりホームランは狙わないこと。
地道に1つずつ、進めていくしかない。そこで大体みんな「つまんない」とかなっちゃうと思うんですけど、焦らずに続ければいい。
3年とか5年とか時間をかけて、ちょっとずつ上手になっていく。語学学習って階段みたいなもので、「あ、ちょっと出来るようになった」と自分で気づければ「もう一段上がってみたい!」と思える。

よく日本人だと「TOEIC何点」とか目指しがちですが、そうすると刹那的な感じになっちゃうので、つまらない。やっぱり楽しく続けるには、会話がいいと思いますね。英会話レッスンしてて、先生とちょっとこういうこと話せるようになって、ほめられたら、階段登った気になるじゃないですか。

そういう「プチご褒美」みたいなのをもらえる環境っていうのは、DMM英会話みたいなサービスはいいですよ。私の時代は「ラジオ英会話」みたいな本当に地道で、テキスト買って終わりみたいな人も多かったですし(笑)
続けるためにも、楽しんで英語学習を進めていただければなと思います。

— ありがとうございました。

まとめ

参考
イベント管理サービス「Peatix」
Peatix:http://peatix.com/
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