まっつん
(更新)
まっつんです。前回に引き続きインドにおります。
インドのムンバイでテレビCMやショーなどで活躍する日本人ダンサーのhirokoさんにお話を聞いてきました。
現在ムンバイで暮らしており、平日は仕事、土日はダンスの生活を送っています。
日系の電子機器メーカーで働いているのですが、営業のレポートや予算編成の他に
日本側との窓口をしています。あとは日本から出張で来た社員のサポートなどですね。
お仕事中の1コマ
ダンスは、インドムンバイで制作されるヒンディー語映画(ボリウッド映画)のミュージカルシーンでおなじみのボリウッドダンスとインド四代古典舞踊の一つで、北インド発祥の舞踊である、カタックダンスの2つを踊っています。
師事しているインド人師匠のもとで修業に励みつつ、ショーやコンペティション等でダンスを披露しています。あと2回ほどインドのテレビCMに出演しています。そのうちの1度は振り付けも行いました。
日本には年に2回ほど毎年戻っているのですが、その際にインド大使館やインドレストランの
イベントで踊る他、不定期にワークショップを開催し、講師としてボリウッドダンスを日本の生徒さんに教えています。
あとはNPO法人の方と一緒に、ムンバイのスラムの子どもたちにダンスを教える活動をしています。ダンスの楽しさを知って最近学校に行くようになった子供がいたのは嬉しかったですね。
スラムの子どもたちと
ボリウッドダンスではないですが、子供の頃からいろいろとダンスはやっていました。
チアリーダーやチアガールなどですね。大人になってからはベリーダンスをずっとやっていました。
ある時日本でボリウッドダンスを踊るイベントがあって、そこで体験したのが最初ですね。
ベリーダンスは妖艶さが特徴のダンスですが、ボリウッドダンスは底抜けに明るい。
そこに惹かれてのめり込んでいきました。
日本にいた時に縁あってインドのTV CMにダンサーとして出演することが決まり、その時の撮影クルーだった友人を訪ねてムンバイに行ったのが最初ですね。
実際に行った時はその方は仕事でいなかったんですが(笑)
インドって危ないイメージもあったり、人によって好き嫌いがとても分かれる国じゃないですか。最初は少し不安でした。ちょうど友人がいなかったこともあって、一人で首都のニューデリーやタージマハルのあるアーグラ、ジャイプール、ムンバイなど周ったのですが、結果的に一人で行ったことで現地にたくさん友人が出来てよかったですね。本当に良い人に恵まれて、そこでインドが好きになりました。
また、ムンバイではダンスの師匠に出会い、改めてインド舞踊の魅力にハマりました。
ムンバイでのダンススクールは事前にインターネットで探し、日本からメールを送ったのですが、返信がなかったので、直接伺いました。やはり本場インドで習うダンスはレベルが高く、刺激になりました。
それから年に何回かダンスを習いにインドに行くようになりました。
行く度に徐々に日数を伸ばしていきました。
でも日本に帰ってくる度に悩むことがありまして。日本だと直接先生に習えないんですよね。自主練も出来ますが、成長の度合いが違いますし。なので、こちらに生活の拠点を移すことにし、2012年にインドのムンバイに移住をしました。
hirokoさんとカタックダンス師匠のAkhileshさん
元々英語に興味があることもあって、大学では英文科に所属し、英語を勉強していました。
大学卒業後は外資系企業で働いていたので、仕事で使いながら覚えた感じですね。
その後転職し姉が経営しているグアム拠点のデザイン会社で働いていました。
クライアントがグアムの観光業の方々だったので、やり取りは英語でした。
業界は違いましたが、どちらも使いながら英語を覚えた感じですね。
何より英語を使うことが習得のコツのような気がします。
インド英語には衝撃を受けました。発音が全然違いますね。
最初は全然馴染めなかったです。こんなに私英語が出来なかったのかな、と少し落ち込みました。英語なのかインドの言語であるヒンディー語(インドの連邦公用語)なのか区別が付かないこともありました。
特徴的なのは「R」の発音ですね。今まで聞いたことのあるものと全く違いました。
例えば「number」という単語がありますが、欧米人などが話すものも、日本語で使うカタカナ英語でも「ナンバー」と発する人が多いです。しかし、インドの多くの人は、「R」をしっかり発音する。なのでインド英語風に発すると「ナンバル」となる。慣れるまで少し時間がかかりました。
行く前からインドの英語に癖があるのは知っていたんですが、実際に暮らしてみてよくわかりました。私の英語も今はインド訛りがあるかもしれません(笑)
インドはそれぞれ地域ごとに言語があるのですが、ヒンディー語が連邦公用語となっています。南部の方にいくとヒンディー語を話さない人も多いので、インド人同士でも出身の地域が異なり、英語も話せない場合ですと会話が成り立たないケースもあるようです。
インドに来てからヒンディー語の勉強を始めました。
母音が12個あり、日本語に比べると発音が難しいですね。
ただ、だいぶ慣れてきてある程度のコミュニケーションは取れるようになりました。
基本的に英語が使えれば仕事でそれほど困ることはないのですが、ヒンディー語が使えたほうがより深くコミュニケーションが取れますしね。インド人の同僚同士の会話が自然と耳に入ってくるので、それを聞いて表現の幅を広げたり、インド人スタッフと話すときは積極的にヒンディー語を使うようにしてブラッシュアップしています。
ヒンディー語も英語も文法など間違っていても良いので、実践でどんどん使うことが上達のコツではないでしょうか。
まずは食べ物ですね。
インド料理はなんでも好きなんですが、特にビンディー(おくら)のカレーとパニールっていうチーズのカレーがお気に入りです。
びっくりしたのが、意外に野菜が美味しんですよ。ゴーヤとかいんげんとか。じゃがいももホクホクしていていいですね。それと今住んでいるムンバイはシーフードが美味しいです。アラビア海に面しているおかげもあって、エビや魚などは最高です。
あとはインドは「人」が魅力的ですね。
日本の言いたいことも言いづらい雰囲気だったり、空気を常に読まないといけない風潮だったりがあまり合わなくて。個人行動のほうが昔から好きでした。
インドの人はみんなおおらか。自由だし、個人個人が行動している感じが強いです。
かといって冷たいわけではなく、みんな親切で、誰かが困ったときには皆で助ける。
一緒に過ごす上で楽ですね。
実はインドで入院したことがあるんですよ。食中毒ですね。5日間入院して毎日点滴でした。
原因は屋台で飲んだパイナップルジュースです。今振り返ると作るときに使ったミキサーが汚れていたような。
見た目も美味しそうじゃなかったですし、黒っぽくて味もダメでした(笑)飲んでいる時にこれは危ないなと思って半分でストップしたんですが、遅かったですね。やっぱり美味しくないものは体によくないみたいです。
それから食中毒の症状がなんとなくわかるようになりました。
怪しいなと思ったらすぐに病院に行くようにしています。
雨季やモンスーンの時期は特に注意ですね。この前インド人の友人と話していて知ったんですが、地元の人たちも耐性があるとはいえ、食中毒にかかるときはかかっているみたいです。
まあ運が悪かったと言えばそうかもしれません。
今年の5月にエアコンが壊れたんですよ。5月といえばムンバイが一番暑い時期です。
耐えられそうもなかったので業者に修理を頼みました。約束の時間になりましたが来ません。しばらく待ちましたが一向に来る気配がなかったので、電話しました。その日は
結局忙しくて来れないらしく、その週の日曜日に来ることになりました。
しかし日曜日の約束の時間になっても業者が現れる気配はありません。念のため前日に確認の連絡をしていたにも関わらずです。
何度かかけた後電話がつながり、当日になって「日曜日はワークショップがあってクローズしているので行けない」と言われました。向こうが指定した日にちですし、前日に確認の連絡もしていたのでさすがに私も怒りました(笑)
その後もなんだかんだ理由を付けられ、最終的に修理が終わるまで1ヶ月ほどかかりました。
直った頃には暑さのピークは終わっていました。
これは極端な例ですが日本の常識が通用しないので、何があっても動じないように
上手く自分を適応させていくことが大事かもしれないですね。
今ではよっぽどのことがない限り動じなくなりました(笑)
ボリウッドダンスももちろんですが、今後はより古典舞踊カタックに注力していこうと考えています。インドのちゃんとした場でソロで踊れるレベルまで持っていきたいです。
あとは子どもたちへ教える機会も増やしていければと思います。
また、落ち着いたらヒンディー語の勉強を再開する予定です。仕事で通訳として使えるレベルまで持っていくのが目標です。自身でインプットすることももちろん大事ですが、とにかく実践で使ってレベルアップしていきたいですね。
今回はアラビア海を前にお話をお聞きしました。インドに単身乗り込み、活躍されているhirokoさん。かわいい見た目とは裏腹の行動力とエネルギーに圧倒されました。
「日本の常識を覆すことが大事」と話していたのが印象的でした。今回はタイミングが合わずhirokoさんのダンスを直接見ることが出来なかったことが心残りです。インドでは多くの場所で英語が通じますので、勉強した英語を実際に使う機会にもおすすめです。hirokoさんありがとうございました。