濱名 栄作
(更新)
「聞き流すだけで英語が〜」
「これを読めば◯週間で英語が〜」
巷には何やら甘いキャッチコピーで英語学習者を誘惑する教材がたくさんありますよね。
そういったものを片っぱしから手に取ってやってみた方も多いと思います。
しかし今この記事を読んでいる方は、「英語を習得したい」という思いとは裏腹に、これまでの英語学習で満足のいく成果が得られなかった、このまま続けていてもダメな気がする、そういった不安やフラストレーションを抱えている方ではないでしょうか?
もう楽じゃなくていいし、小手先のテクニックもいらない。
今度こそ確かな英語力を身につけたい!
そんな方にとっておきのものがあります。
それがこちら。
『Grammar in Use』!!
聞いたことある、見たことある、という方も多いのではないでしょうか。
1985年の初版出版以来、“コミュニケーションに使える”英文法書として、今なお世界中の英語学習者から絶大なる人気を誇る『Grammar in Use』シリーズ。
その日本語版『マーフィーのケンブリッジ英文法』は、文法説明に日本語をバランスよく追加、学習者が出来るだけ自分の力で英語を理解できるよう配慮された作りになっています。
詳細:ケンブリッジ大学出版ジャパンページ
また同書は「本当の英語力を身につけるための一冊」として数々の英語識者から支持されているのも特徴の一つ。
そしてこの『Grammar in Use』は、DMM英会話の提携教材として無料でご利用いただけます。
今回は、そんな世界中で根強い人気を誇る『Grammar in Use』の魅力を、自身も同教材を使って英語を習得し、その後はアメリカの超名門 イェール大学で助教授を務め、現在は日本で中高生向け英語塾 「J Prep斉藤塾」 を展開するなど、英語教育の第一線でご活躍中の 斉藤淳先生 に語っていただきました。
いったい『Grammar in Use』の何がそんなにいいのか、日本人英語の弱点や日本の英語教育の問題点を交えながらお話を聞いていきたいと思います。
ー 本日はよろしくお願いします。斎藤先生は以前、イェール大学で研究されていたということですが、帰国子女でもともと英語ができたとか、そういうわけではないのでしょうか?
全然そんなことなくて、山形の普通の中学生でしたよ。中学1年生から英語を本格的に勉強しはじめて、当時は今のような優れた教材もなくインターネットが登場するはるか前の時代でしたから、NHK の語学番組を見たり短波放送を聞きながら英語を覚えていった感じです。
大学生の頃は、ウォークマンに忍ばせた英語の音源を聞いてシャドーイングをしながら散歩するのが日課だったかな。朝にケネディ大統領の就任演説をぶつぶつ言いながら歩いている気持ち悪い大学生を見たって人がいたら、その学生は僕ですね(笑)。
ー (笑)。『Grammar in Use』を使って英語を勉強されていたのはいつ頃なんですか?
大学院生の時ですね。学部生の頃、カリフォルニア大学に留学していたことがあって、英語を中学生に教えたりもしていたから、それなりに英語のアドバンスドユーザーだったと思うんだけど、文法の細かいところの理解を深める、自分の英語の理解を確かなものにするという意味で、『Grammar in Use』はすごく良かったと思います。
"Lisa is American."
"She is not used to driving on the left."
とか、まだ例文覚えてますね。これはユニット59だったかな(笑)。
うちの塾の生徒にも『Grammar in Use』教科書として使わせているくらい大ファンですね(笑)。
ー すごい!『Grammar in Use』って具体的にどういう教材なんですか?
初級編の守備範囲は、英検4級から準2級ぐらいまで。フォニックス教材などで一通り英語の音声について基礎知識を確認し、練習した後で使うと良いと思いますよ。中学校レベルの基礎知識から確認したい人に向いています。
中級編の守備範囲としては英検2級ぐらいから準1級ぐらいまでで、英語の基礎を固めるという意味ではすごくいい教材だと思いますね。特に日本の受験英語で英語を覚えた人が、その知識をもとに「本当に使える英語を身につける」ためには、ケンブリッジの問題集をやった方がいいんじゃないかな。
なぜなら受験英語というのは、結構マニアックな問題が多いわけなんですよね。英文法のどちらかと言うと例外的な事項を知っているかどうかを試す問題が多くて、その対策として例外的なものばかり覚えちゃうと、 結局普段使う表現が身につかないんですよ。
それに対して『Grammar in Use』は、「英語としてこれを知っておいた方がいい」という項目を、網羅的に一冊にまとめてあります。どれもが習得するとすぐに使える知識なんです。
ー なるほど。英語の文法書って他にもたくさんあると思うんですが、どうして『Grammar in Use』がいいんですか?
日本の英文法の教え方で一番弱いところが、丁寧にカバーされているからです。どういうところかというと、英語というのは日本語と違って「主語+動詞+〜」で、その主語動詞のところが丁寧に扱われてるわけなんですね。
例えば時制。日本語と英語って過去・現在・未来それぞれの範囲が微妙に違うんですよ。だから、日本人にとって未来の言い回しとかわからないことがすごく多いわけなんです。個人的な予定や未来の約束は現在進行形を使って言うんですが、日本人はみんな "will" か "be going to" 、どっちかと言うと "will" を使うことが多い。でも "will" というのは「今決意した」とか「今の時点で予想している」というような場合に使うことがほとんどなんですよ。
一例を挙げると、僕のスマホの予定表に「1時間後にDMMの取材がある」というスケジュールが入っているとしたら、"I’m meeting with people from DMM." のように現在進行形で言うわけですね。"will" では表現しないんですよ。これは中級編のユニット18で分かりやすく説明されています。
あと日本人がめちゃくちゃ苦手な助動詞。「英語には敬語表現がない」とかふざけたことを言う人がいますけど、人間関係とか人情のひだのようなところが助動詞に込もるわけですよ、英語ってね。
『Grammar in Use』はそういう部分をすごく詳しく教えてくれるんです。「主語+動詞+〜」の「〜」部分、例えば不定詞とか動名詞とかは、TOEIC 対策とかしながら覚えればいいので、「主語+動詞」のところ、特に動詞周りの時制と助動詞の使い方は、『Grammar in Use』で丁寧にやったほうがいいと思います。
ー すごくわかりやすいです!実は私も『Grammar in Use』を持っているんですが、挫折した人間でして・・・
前書きには「ユニット1から順にやる必要はありません」と書いてあるので、必ずしも順番通りにしなくてもいいとは思いますが、ただ日本人の英語のクセを見てきた立場からすると、ユニット1から順に挫折するところまでやった方がいいでしょう(笑)。
みんなわかってると思っている現在形とかも、実はちゃんと使えない人が多いんですよね。例えば、確定した未来や公的な予定は現在形で言うわけなんですよ。"The new academic year starts on April 1st." とか、"Tomorrow is Saturday." みたいに。
そういうところって案外、日本の受験の英文法の教科書には載っていないんですよね。あと助動詞に関して言うと、受験英語の問題になりづらいんですよね。なぜかというと、助動詞の後ろは動詞の原形なので、ゆっくり考えて解くと誰も引っかからないんです(笑)。
ところが、英語を話す時に自分の気持ちを込めたいとなると、瞬間的に適切な助動詞を選ばなきゃならないわけなんですよ。だから「使える英語を身につける」ためには、ケンブリッジの教材はすごくオススメなんです。
ー なるほど。そういう意味では、『GrammarinUse』で学んだ英語をすぐにその場で使えるオンラインレッスンと相性がいいかもしれないですね。
そうですね。
あとほかにも、ケンブリッジの問題集のいいところは、しっかりとした「文脈がある」ことです。
日本の受験文法というのはセンテンスがあって、その一つのセンテンスの形式だけを見て正解を選ばせるものが多いんですけど、『Grammar in Use』では前後にいくつか英文があって、「こういう状況だからこう言うんだ」というのが、文脈から読める構成になってるんですね。
またイラストが豊富なのもおすすめポイントです。現在完了形と現在完了進行形の区別とか、位置関係を表す前置詞のイラストとかめちゃくちゃわかりやすいですよ!
"on" だってね、日本語の「〜の上」で覚えちゃダメなんですよ。天井にくっついてたら位置的には下でも "on the ceiling" ですし、壁にひっついてたら "on the wall" ですから。
日本語の説明を暗記するよりも、イラストを効果的に活用してイメージで覚えた方が分かりやすいですし使いやすいですよね。
ー たしかに日本語とセットだと分かりにくいし、話すときもすぐに出てこないですよね。ケンブリッジの英文ならイメージで覚えやすいし、暗唱して実際に使うこともできそうですね!
そうですね。私も実際していましたよ。
『Grammar in Use』に出てくる例文は、フォーマル過ぎずカジュアル過ぎないちょうどいい英語なので、私たちがスタンダードな英語を身につける上で模範となるものばかりです。
あまり口語的すぎる英語を学んでも留学先で英作文に使えなかったり、かといって「吾輩は何々でござる」のような堅すぎる表現も日常では使えません。そういう意味でも、使って恥ずかしくない標準的な現代英語が使われているケンブリッジの英文は安心して暗唱できますね。
ー オンラインレッスンはスピーキング重視という側面があるので、ぜひ学んだ英語を積極的にレッスンで使っていって欲しいですね。
そうですね。
文法の問題集を解いただけで満足せずに、やっぱり習ったことを積極的に使っていくというマインドがないとダメです。
間違えてもいいから使う、間違って空気が凍っても使う(笑)。
ひどい間違いの場合は、二度と犯したくないような恥ずかしい気持ちになりますから、同じ間違いを繰り返す事ってなくなるんですよね。だから一度ひどく間違ってみるというのも必要なこと。語学を習得するプロセスに間違いはつきものですから。
文法は語学を効率的に学ぶ上で一つの有益な手段ですけど、一方で文法学習というのは教習所内で車を運転してるのと一緒で、やっぱり路上に出てみて使わないと意味がないんですよ。自動車で事故を起こすと大変ですが、英語で間違えてもちょっと恥ずかしいぐらいですから、とにかく使ってみましょう。
あとですね、「相手がいないと英会話は成り立たない」とか言われがちですけど DMM 英会話のようなオンラインサービスを使うというのも一つの方法ですし、話さなくて英語を読むだけだったらね、相手がいなくてもできるわけですから、日常的に英語の Web ページや本を読んだりしてインプットも増やしていかないといけません。
そういった形で英語を読んだり聞いたり日常的に受容する中で、理解が正確かつ早くなるのも文法をやるメリットだと思います。ただ文法を学んだ後に実際に英語の海に飛び込んで使ってみることをしないと、本当の意味で文法の知識が定着するということはないので、そこは忘れないで欲しいですね。
ー 日本人に足りてないのは「使う」という部分だと思います。それでは最後に、DMM英会話で学んでいるユーザーさんに向けてメッセージをお願いします。
「自分でやれよ!甘えるな!」
と、あえて突き放しておきますね(笑)。
僕は今みたいなオンラインレッスンやケンブリッジの教材みたいな優れた学習ツールがない時代に、自分なりに工夫してなんとか這い上がっていった世代なので、恵まれている時代にあえて学習者を励まそうという気持ちになんてならないですよ(笑)。
Just do it!
Just use "Grammar in Use" !
ですよ!(笑)
発音にも注意してくださいね!
動詞は「ユーズ」ですが、名詞は「ユース」です(笑)
ー 響くメッセージをありがとうございます!(笑)。本日は貴重なお話を聞かせていただき本当にありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
英語学習において「これだけやっておけばいい」というものはなく、インプットとアウトプットをバランス良く地道に頑張っていくしかありません。
そして英語学習をしていく上で、文法を知っていること、理解していること、また使えることは大きな武器となることでしょう。
DMM英会話では無料の体験レッスンを受けることができます。
ぜひ、『Grammar in Use』とDMM英会話を使って、“使える英文法”を学び、確かな英語力を身につけてみてくださいね!