英語発音矯正の草分け的存在、竹村和浩さんインタビュー

日本の発音矯正の草分け的存在として20年以上、日本人の発音に特化して活動されてきた竹村さんに日本人にとっての大きな壁になる英語の発音、について今日は伺いました。

日本人が英語の発音をうまくできない最大の原因とは?

ー  セレン

今日はどうもよろしくお願いします。

ー  竹村

はい、どうぞよろしくお願いします。

ー  セレン

やはり竹村さんと言うと英語の発音のことから入りたいな、と。
ずばり、多くの日本人の英語をこれまで聞き、そして見られてきたと思うのですが、何か明確に「これが原因だろう」というような結論のようなものにたどり着いているのでしょうか?

ー  竹村

一番のポイントは発声法、にあると思っています。

ー  セレン

発声法ですか、少し意外でした。

ー  竹村

日本語と英語の音の最大の違いはなにか、と言うと「息の使い方」なんですね。
同じように話しているように見えても口から出る息の量と速度が圧倒的にちがうんです。
そこのトレーニングをしないと、きっちり伝わる英語の音にはならない、ということなんです。
日本人は基本的に胸式呼吸なので、腹式からしっかりやることが大事になってきますね。

英語は息の言葉、日本語は声の言葉、と言っていいと思います。
日本語は常に子音と母音がセットになっているので常に声帯が振動している状態なんです。
英語は逆に子音だけの音、息だけの音、などがたくさんありますからね。

それと、母音というのはリズムを規定するもの、なんですね。
なのでいわゆるカタカナ英語、というのはそのあたりの誤解からきていることがほとんどなんです。
カタカナ英語は母音の数が多いんですね。

ー  セレン

What to do はワットゥドゥー(♩ ♪ ♪ )ですが
ワットトゥードゥー(♩ ♪ ♪ ♪)になってしまう
というのがいわゆるカタカナ英語ですよね(あえてカタカナ表記をしています。)

シラブル(音節)の数が単純に増えてしまってリズムが変わってしまっている、と。

ー  竹村

そうですね、street なんかもストリート(♩)が正しいのですが
スゥトオリートオ(♪ ♪ ♪ ♪) になってしまうと、これはもう通じないんですね。

これがさらにリスニングの遅れにもつながってくる。
日本語と英語の音の構造の認識の違い、というのが日本人の英語の発音を大きく妨げているのだと思います。

発音は独学で身につくのか?

ー  セレン

英語の発音って独学でなんとかなるものですか?
多くの人が発音に悩まれていて、結局どうやって学ぶのが一番なんだろう、と思われていると思います。
まず発声法、に関して言うとシンプルにここに気をつければいいよ、というアドバイスなどはありますか?

ー  竹村

今は、オンラインなどでの学習が可能ですが、それと並行して一度は、直接リアルでの学習も必要です。

リアルとオンラインでの並行学習が一番効果的です。

そして、英語の発声法で一番気を付ける点は、まずは子音ですね。
アクセントになる子音をまずしっかり押さえられればまずは伝わる、というところにはいけると思います。

ー  セレン

FとV、とかそういうことですよね?

ー  竹村

そうですね、私のほうでは27の子音と23の母音で50音、と言ってるんですが、やはりもともとの音をしっかり再現できるようになるのが基礎かなあとは思います。

ー  セレン

僕なんかの経験で言うとほとんど留学なんかしたことがないのに無茶苦茶発音の綺麗な人
また逆にアメリカに何十年と住んでいるのにいわゆる日本人英語のままの人、いろんなタイプの人がいるなあというふうに思うのですが。

ただ発音がいい人、に共通して言えるのは「とことん真似をする意識」が全員とても強い、ということです。

発音を身につける素養はすべての人が持っている。

ー  竹村

その人の音に対する音声認識、が大きく左右するんですよね。
実は、音楽教育と語学教育には非常に共通点が多いんですね。

何か音を出してその場で真似ができるかどうか、やってみるんですね。
で、出来た人に何か音楽を昔やっていましたか?と聞くとほぼ100パーセント音楽をやっていた方なんです。

そういう素養のある方は例えばアメリカに行ったりすると聞くだけである程度身につけることができるんです。
ただ、そういう素養がなければどれだけ長くいようと聞くだけ、では自身の発音は自然には変わらないんですね。

じゃあ、もう素養がないとダメなのか、というとそういうことではなくて全員、生まれながらに身につける能力は持っているんです。
それが音声学のスタンスでもありますから。

「人間は生まれながらにして、すべての言語音を習得できる能力がある」ということです。

大人の発音は適切な知識としての習得が大事です。
「どこで」と「どのように」音をつくるか、この2つのポイントを理解しながらその音を味わうんですね、そうして発音の矯正は行われていくんです。

ー  セレン

目の前でなっている音像をどう捉え、自分の発する声としてどうデザインしていくか、は音楽や歌をやっている人ならやはり妥協はできない部分ですから、敏感にはなるでしょうね。
でも逆に言うと音楽をやっていなかった、という大人の人も少し聞いた音を敏感に捉えてみる、という意識を高めることで発音にも良い影響がありそうですね。

ー  竹村

そうですね、自分で発することがとても大事で、それが聞く力などにも大きく影響してくるんですよね。

発音の練習方法「喉合わせ」ってなんですか?

ー  セレン

発音って終わりがないですよね、どこまでやればいいのか。
竹村さんからその辺りに対してアドバイスなどはありますか?

ー  竹村

口と耳は脳の中で繋がっている、いわば相関関係にあるんですね。
言えるから聞こえる、聞こえるから言える、というように。

発音に限っていうと、一つ練習方法としては「意味を取らないリスニング」というのがあります。
音だけ、にフォーカスするんですね。
ラジオなどで流れるアナウンサーの英語に喉を合わせる、「喉合わせ」をするんです。

ー  セレン

喉合わせ、ですか?
パンチのあるフレーズですね(笑)

ー  竹村

喉の深いところで音がなってるな、と思えばこちらもそこに合わせる。
すごい息を出してるな、と思えばこちらも同じくらい息を出す。

話し方、にフォーカスをし、その人の声や息に喉を合わせるんですね。
それが実は一番の発音の練習になります。

ー  セレン

ネイティブの発音に体を使って寄せていく、同じ音を自分で追体験していくイメージですね。

ー  竹村

そうですね、まさに。
彼らのリズムに体を合わせていくんですね。

伸びる人、伸びない人の特徴とは?

ー  セレン

これまで多くの生徒さんを見てこられたと思うのですが、伸びた人、伸びない人の特徴ってもうはっきりしてたりしますか?

ー  竹村

ええ、これは極めて明確です。
最後まで諦めずに続けられるかどうか、なんです。
発音は決して楽な分野ではないので、特に日本人にとっての英語は。

以前受け持った生徒さんで本当に苦労された方がいたのですが、最後まで諦めずに続けられ、アメリカに行かれた数年後にお会いした時、何も直すところがなくて驚いたという経験があります。

ほとんどの人が途中で諦めてやめてしまうんですよね。
そんな中やはり最後まで諦めない、というのはまずは伸びる人の条件としては絶対に必要なものなんです。

「発音の学校」いよいよ開講

ー  セレン

さて、この度、竹村式英語発音矯正法がオンラインで学べる「発音の学校」をいよいよ開校される、ということでおめでとうございます。
驚いたのですが竹村さんってご自分の学校を持たれたことなかったんですね。

ー  竹村

そうなんです、20年発音の世界にいるのですが自分の学校、という形で持ったことはこれまでなかったんですね。
ある生徒さんに言われた「竹村先生の発音の学校ってないんですか?」と聞かれた時にあれ、と思いまして(笑)

ー  セレン

初めて気づいたんですね(笑)

ー  竹村

はい。
それでその声をきっかけに学校を立ち上げることにしまして。

ー  セレン

他との違い、という点においてどのようなところが特徴的な学校になりそうですか?

ー  竹村

一つはオンラインとリアルが併用できる、という点でしょうか。
これまでは1週間の授業だとその間に何をすればいいかわからない、という問題や、また逆に間違った練習を1週間してしまい下手を固める、ということも起こり得るんですね。
ですので、これまでの1週間に一度、という頻度のクラスでは軌道にのるまでは聞くことにフォーカスしてください、としか言えなかったんです。
それが今回はオンラインの併用できるので、リアルとオンラインの併用で継続的にサポートできる、発音のトレーニングとしてはかなり網羅できるスタイルになっています。

ー  セレン

他にはこれまでできなかったこと、でも今回だからできること、はありますか?

ー  竹村

指導者向けの発音講座を開きたいと思っていまして、英語ヴォイス・トレーナー(英語発音矯正士)という名前で私と同じ立場で発音の矯正をできる講師をぜひ指導していきたいと考えています。
小学校の先生を始め発音に苦労されている方は多いですから、そういう方に向けてできればなと考えています。
音声認識は年齢が低ければ低いほど向上しやすいですからね。

ー  セレン

そういう意味では小学校の英語の先生というのはかなり責任が重大なわけですね。

ー  竹村

発音の指導というのはその人の英語の流暢性とは別なんですね。
仮に指導者その人が流暢に話せなくてもこの音はこう出す、という指導は子供達にできるんですね。

特に小学校レベルの英語指導では、単語と簡単な挨拶レベルの英語が主ですから、
子供たちの発音に違いを創るスキルさえあれば、十分指導ができると思います。

ー  セレン

竹村さんはDMM英会話なんてuKnow?という英語専門Q&Aサイトのアンカー(回答者)としても参加されていますが、竹村さん自身はどのように英語を身につけられたのでしょうか?

ー  竹村

私は始めはNHKのラジオ講座でした。
中学校3年の時に数学の家庭教師の先生に勧められて始めたんです。

ー  セレン

数学の先生ですか?

ー  竹村

その時数学があまり成績がよくなかったのでその先生にフォローしていただいてたんですが、英語のアドバイスもいただき、ラジオの前に15分座ってるだけでいいよ、と言われてその気になって(笑)

中学の3年の時だったもので藁をもすがる思いでやってみたんです。
その時は受験の勉強などに結果はダイレクトには出なかったのですが、高校に入ってからですね、俄然成果が出てきたんです。
英語がどんどんわかるようになり、最終的には英語で身を立てることになるんです。

ー  セレン

随分と間がすっ飛ばされましたが(笑)
その中学3年の時に何が具体的にあったのでしょうか?
どのような感覚的な変化が起こったのでしょうか?

ー  竹村

ラジオ講座のいいところは音だけ、なんですね。
テキスト以外は。
そうすると音に集中して聞けるんですね。
そして聞いた音と同じ音を再現できてしまったんですね。
母親が2階で英語を音読する私の英語を聞いていて、テープから流れてると思った、と言ったんですね。
それで舞い上がってしまって、それで自分には素質があるのかもしれない、と思ったんですね(笑)
私の場合幼少期からオルガンをやっていまして、それの影響も少しあったのかもしれません。

ー  セレン

オルガンというのは珍しいですね…。

ー  竹村

そうなんですよ、かなり珍しいんです。
母親から聞くところによると先生からはぜひオルガンの道に、とずっと言われていたようです。相対音感くらいまではあったようです。

まあそこから経済的な理由で継続出来なくなりやめてしまうんですが、おそらくその頃の影響というのは強くある気はします。
語学教育=音楽教育だと考えています。

ー  セレン

まあそうは言っても英語は発音だけではない部分も多いとは思います。
竹村さん自身が気をつけてこられた英語学習でのポイントなどはありますか?

ー  竹村

やはり英語の表現上のバリエーション、でしょうか。
DMM英会話なんてuKnow?でもこういう言い方ができるよ、というバリエーションをネイティブなども含めいろんなアンカーの方が答えているわけですが、そういうバリエーションを知ることが大事ですよね。

私自身驚いたのですが、私自身はこれだろう、という言い方の回答をつけさせていただくのですが、他のアンカーからもどんどん別の言い方の回答が付いてきて、まだこんなに言い方があるのか、と。
私自身がとても勉強になっていますね。

ー  セレン

他にこの新しいQ&Aプラットフォームを通し竹村さんがみなさんに知ってほしいこと、などはありますか?

ー  竹村

状況や相手によっていくつかの「クラス」があるんですよね。
ビジネスとカジュアル、などがそうですよね。
そういう違いを知る、という意味でもいいプラットフォームですよね。

ー  セレン

アンカーの年齢の幅もすごいですからね。
下は10代後半からいますからね。

ー  竹村

日本人は丁寧さ、をとても重視するんですね。
こんな言い方で失礼にならないか、とかですね。
その点、私のもう一つの専門であるビジネス英語の言い回しは役に立ちます。
そこはある程度のルールとフォーマットを押さえてさえいれば大丈夫なので。

あとはたくさんの英語のナチュラルな言い方がDMM英会話なんてuKnow?にはあるわけですが、そのままにしておいてはもったいないので声に出して読んでみる、といいと思います。
その時に大事なのが感情とリンクさせる、というポイントですよね。
さも自分が実際に使っているかのような状況をイメージして練習といいですよね。
感情とのリンクした音読が、実は「使える英語」習得の最短学習法なんです。
無論正しい音に基づいてですが(笑)。

英語ができる、それだけで世界は変わる。

ー  セレン

では最後に、今多くの方が英語を学ばれていて、その中にはもう諦めそう、続かない、という人も多いと思うのですが、そういう方に何かメッセージをいただけますか?

ー  竹村

英語は頭の良し悪しが関係ない、努力にしっかり応えてくれる分野なんです。
やった分だけ上達する、ただその上達に少し時間がかかる、ということなんですね。
そのことをあらかじめ知っておいてほしいんですよね。 そして、英語ができるというだけで世界は変わってしまうんです。
大げさにいうと人生そのものが変わってしまう、ということもありうる。

下の娘がダウン症があるので、ダウン症の協会に所属してるんですね。
そうすると最近では、海外からの問い合わせもとても多いんです。
その対応を今もさせていただいているのですが、その中で世界会議やアジア太平洋会議というのがあるんですが、そこに協会から派遣されていくわけです。
そこで出会う世界の人たちというのは私が英語とこの娘を授かってなければ 一生出会うことのなかった人たちなわけです。
いい意味で想定外のエキサイティングな人生を送らせてもらっているなあと思います。

まずは、自分のビジョンを持って、英語の勉強は地道で大変だけれど、理想の自分をイメージしてそれを日々のモチベーションにしてもらいたいですね。

ー  セレン

千里の道も一歩からですね。
発音、僕も苦手でずっと苦労してますが、諦めずに伸ばしていこうと思います。
竹村さんの学校、通おうかな…。

ー  竹村

ぜひぜひ、大歓迎ですよ!

ー  セレン

その際は、厳しくよろしくお願いします。
本日は、ありがとうございました。

ー  竹村

ありがとうございました。

竹村和浩/PROFILE

㈱Universal Education 代表取締役・日本初の発音特化型オンラインスクール『発音の学校』主宰、
ビジネス・ブレークスルー大学英語専任講師(Business English Basics / English Pronunciation / English Grammar 担当)。
APDSF:アジア太平洋ダウン症会議事務局。

20年に渡る英語発音矯正のプロ・草分け的存在。
TLL言語研究所所長として、日本人がなぜ英語が苦手なのか?そしてその解決法は何かを脳科学的見地から研究。
文法の違いとして、特に文型からくるS+VトレーニングGEMを考案し、大手国内外企業・大学でのグローバル人材育成研修を実施している。TLL: http://www.tll.jp/

著書「やり直し英語から始める、ビジネス英語3か月トレーニング」(NHK出版)、「プロの英語プレゼン」(中央経済社)、
「世界で戦う 英文ビジネスEメール」(明日香出版)、「電話の英語 直前3時間の技術」(アルク)、
「英語モジュール学習法」(東洋経済新報社)など多数。
専門は、ビジネス英語と発音矯正。

英検1級・英語通訳案内士。

*学校用テキスト:「ビジネス英語3か月トレーニング」
http://www.amazon.co.jp/dp/414189673X

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