海外就職研究家もりぞお氏、英語力さえあればどこでも生きていける


森山たつを/もりぞお
「セカ就!」発売中! 海外就職研究家&電子書籍個人出版研究家。アジア7カ国就職活動とAmazon電子書籍連続刊行の経験を元に、日々研究中。昔はビジネスクラスで世界一周。著書四冊。電子書籍個人出版は20冊以上。現在、フィリピン セブ島在住。研究成果は、Webサイト「もりぞお海外研究所」で公開中。

カンボジアでカレー屋を経営

サムライカレーについて教えてください

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今カンボジアでサムライカレーというカレー屋をやっています。今日もユニフォームを着てきています。首都・プノンペンに我々がカレー屋を運営していて、ここでの研修プログラムというのを作りました。この研修では、日本人の大学生を招いて「好きに経営していいよ、あとは任せた!」と伝えて、彼ら自身でお店を経営してもらっています。初代店長は私がやっていましたが、2週間目からは大学生が勝手に動き出すんですよ。「看板ないとだめだね、ちょっと聞いてきますわ。」といって自主的に動いて作ったりして、結局3週間の準備でお店をオープンできました。

すごく小さい店舗ですが、会社経営のすべてが詰まっていますね。例えば、カレーを毎日3時間かき混ぜるんですが、かなりしんどいんです。それをどう解決したかというと、近くを歩いているカンボジア人を捕まえて、「1ドルあげるからかき混ぜて」と言って雇ったんです。その分コストはかかるけれど、自分たちは時間が空くから他のことができますよね。彼らは人を雇うというのはそういうことだと学べたんです。

次にウェイトレスも雇いたいとなりました。となると日本語はなせる子ほしいね、あれっ、近所に日本語を教えている大学があるよね、んじゃ、そこでビラ配ったら良いじゃん、と考えつく。そして集まった人を面接する。ではどういう基準で採用するのか。「月250ドルくれないと働かない。」という人も入れば、「日本語で仕事をする機会が欲しいからここで働きたい。」という人もいる。

どちらを採用するかというと後者ですよね。その経験を通じて彼らは面接とはどういうものかを学べる。日本で就職活動をする際、どういうことを言ったほうが印象が良いかがわかるんです。

嬉しかったこととして、参加した研修者の一人から最後に「自分のやりたいことがわかった。」と言われたんですよ。彼は建築設計を学んでいる。ただ、今回、外に出てカレーパン売るのすごい楽しかった、と。自分で外にでて売るということの楽しさを知って、そういうこともできるような仕事がしたいと思ったと。この言葉を聞いてサムライカレーをやって良かったと思いましたし、この研修は人を成長させるんだなと実感しました。

どんだけ仕事しても、それが誰の役にたったのか、いくら稼いだのかもよくわからないようなところだと満足感も生まれないじゃないですか。サムライカレーではシンプルにそういうことを経験できるので、やらされ仕事ではないし、仕事は楽しいと気づく。参加者には「できない理由はいうな。できる方法を考えろ。」と伝えていまして、日本の若い人に仕事って楽しいと経験してほしいと思っています。カレー屋さん良いですよ!

海外で働いている人にサムライカレーでの出来事の話をすると、「海外支社ってそんなものだよ。」と言われるんです。少ない人数ですべてのことをしないといけないという状況は、実際の海外支社の現場そのものなんですよね。

海外就職読本、セカ就を出版

セカ就について教えてください

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去年の6月にセカ就という本を出しました。世界で働く人100人以上から話をいろいろ聞いていたので、それを小説仕立てにまとめたものです。現地の人の活躍と失敗話を集めました。それなりに反響がありまして、発売直後に感想をツイートしてください、とやったら100ツイート以上もらえたんですよ。

現地で働く人からはリアルすぎて小説とは思えないという感想をもらったのに対して、日本の人の感想は、これはフィクションでしょ、どのくらい本当なの、という意見が多かったです。実際働いてみるとものすごいあるある話なんですけど、海外で働いた経験のない人からみると異世界だったのかなという印象ですね。その意見を聞いて、この本を出した意義はすごくあったなと改めて思ったんです。こういう世界があるんだよ、こういう楽しい働き方もあるんだよ、というのを少しでも気づいてもらえたら嬉しいですね。

海外就職に興味がある人はどれくらいいるんでしょう?

例えば、大学での公演会などで大学生に聞いた場合ですと半分くらいは手があがりますね。ただ、海外という言葉がくせ者で、多くの学生は海外=欧米と思っていますけどね。途上国の可能性ももっと見てもらいたいのですが、多くの人は途上国には旅行以外で行くことがないし、働くイメージがない人がほとんどです。テレビでみる海外で働くというのはアメリカ、イギリスで働くエリートな人たちのイメージ。この本で伝えたかったのは、もっと普通の人が海外に出て働いているよということです。

日本人というだけでもバリューがあります

海外就職のメリットとは?

日本人の多くは海外、特に途上国に行きたがりません。日本国内の勝負はハイレベルですが、途上国では希望者が少ないので競争率が低い。それだけでもメリットだなと思いますよ。偏差値60のサラリーマンだと日本では普通でも、海外に出てみれば他に比べる人が少ないから、自分のやりたいことをいくらでも選べるんですよね。

また、日本人というだけでもバリューがあります。例えば、東南アジアの場合、日本と比べて現地には足りないものがたくさんあるので、それを伝えてあげることができるというだけでも武器です。書類はきっちりとか、時間守れとか、数が減ったら発注しろとか、我々にとっては当たり前のことでも現地の人はそれができなかったりします。そのような足りないものを現地の人に教えて上げる、それができるだけでもバリューになるんです。

日本人はコンビニでバイトするだけで、海外にでて滞在できるお金が稼げる。世界を見渡せばそんなことができない人のほうが圧倒的に多い。日本人は金銭的な意味でもビザ的な意味でもとても恵まれています。日本人はすべての人にチャンスがありますが、日本にいるとメリットを持っていることに気づくことが出来ない。海外に出るとオレって恵まれているんだなと気づきます。

サムライカレーついても、日本で実店舗を持って同じことをやろうとするとお金や規制の面でも大変ですよね。それが海外だと状況が全然違う。特にアジアだと経済が伸びているので、お客さんも金持ちになってきてて、人口も増えていて、規制も少ないし、日本と比べて追い風を感じるんです。

平均点以上とっていたら客が増える。日本だと平均点とっているだけだとだんだん下がっていく、と考えるとハードルが高いかもと思うんですよ。

カンボジアとか歩いているだけで、ソワソワするんですよね(笑)足りないものがいっぱい見える。例えば、サムライカレーでプロパンガス発注しても、業者は持ってきて置いていくだけで、危ないな、ちゃんとセッティングまでやってくれないかな、、そこまでやってくれたらビジネスになるのにな、、とか思うんです。

途上国の場合は何をやるのにも不便だけど、解決しようって思えば可能性しか感じないですよ。ビジネスの種だらけだなと思っています。そういう意味で途上国は面白いと言えます。

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英語で伝えられる力があればいいです

海外で働くのに必要な英語力とは?

アジアの海外就職についてでしたら高い英語力は求められません。多くの職種では、TOEIC600点もあれば十分じゃないでしょうか。例えば、アジアでの日本企業への就職は日本語で面接のほうが多いです。英語力のハードルは対して高くないので、英語にナーバスにならなくていいです。

必要な英語力の基準としては、相手の言っていることが理解できて、相手にお願いができていれば大丈夫です。TOEICの点数ではなく、英語で伝えられる力があればいいです。多くの業務ではマニアックな専門用語を使うことになるんですが、そんなものは行ってから覚えてもいいですよ。ある程度の意思疎通ができる英語力があるなら、飛び込んでみて後は実践で磨けばいい。

日本人は英語についてはネイティブ信仰がありますけど、地球上では実際ネイティブではない英語を話す人のほうが多い。私は世界一周旅行に行きましたけど、正しい英語を使えることより、様々な国の人の訛った英語にも対応できる英語力のほうがバリューが高いと思います。DMM英会話は50カ国以上の講師がいるじゃないですか。時々全く違う国の人と話して、発音が違う国の人の英語を聞き取れるようになることはすごく役に立つでしょう。

英語が万能ということでもないけれど、英語で話せばどこかにわかる人がいて助けてくれるんですよ。カンボジアの市場でトラブったことがあって、英語でわめいていると、どこかから英語がわかる人がやってきて訳してくれたりする。異国の地では英語って便利なんですよね。英語力さえあればどこでもなんとか生きていける。そういう意味で英語は重要だと思います。生きるための英語力とは完璧な英語である必要でないし、ブロークンでも良いのでちゃんと伝えることが大事です。

海外就職 おススメの国 ベスト3 を教えてください

アジア圏で考えると、1番はタイですね。東南アジアのど真ん中で物理的な場所が良いです。もうすぐ東南アジアの関税撤廃もありますが、車の製造の場合ですと、カンボジアで簡単なバックミラーとかをつくり、タイで組み立てて出荷となるので、タイに物が集まるんです。本社がタイにあると便利だと大企業のいろいろな人が言っていますので、これからバンコクにアジア全体をみるような大きな仕事が増えるのかなと見ています。

また、物価と生活レベルのバランスも良いので住みやすいですね。懸念点としてはクーデターの影響が今後どこまで響くかということですが、2014年6月現在、日本人求人件数は全然減っていないようです。ちなみに、タイ就職のガイドブックも、Amazon電子書籍で先日リリースを致しました。

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2番目はインドです。どこでも良いから海外で仕事がしたいならインドがおススメです。行きたい日本人が少ないから慢性的に人手不足です。日本企業の進出は増えても、日本人の人材不足がおこっているのはもったいないですね。インドは人口も伸びて経済も伸びるし、今から行ってうまく波に乗れたら良いんじゃないかなと思っています。

3番目はカンボジアです。サムライカレーをカンボジアでやっているので、カンボジアはこれから経済成長スタートという段階で、ぐちゃぐちゃしたところで学べるのが良いですね。ただ、給料が安いというのが欠点ですね。

最後に一言お願いします

海外で働くのは特別な人しかできないことではありません。でも、向き不向きはあります。そして、自分が向いているかどうかを知るためには、日本国内で考えていても絶対わかりません。まずは、旅行でもいいので、海外に行ってみましょう。東南アジアでも、アメリカでも、欧州でも、アフリカでも。色々な国をみていると、「ここなら生活できそう」「ここは向いていない」ってのが段々わかってきます。

その際に、現地の人と話ができると、理解度はさらに深まるので、日本国内でオンラインで英語を学んでおくことは重要です。可能であれば、これから行く国在住の先生にその国の様子を事前に聞けたらいいですね。オンライン英語学校には、そんな使い方もあると思います。見るだけじゃない!住みたい!働きたい!って思い始めたら、ぜひ、サムライカレーやセカ就にチャレンジしてみてください!