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「世界と繋がることにわくわくして欲しい」日本と海外をつなぐダンサー知夏七未の"世界を舞台に踊る理由"

「世界と繋がることにわくわくして欲しい」日本と海外をつなぐダンサー知夏七未の"世界を舞台に踊る理由"

知夏 七未
上智大学英語科卒。在学中のNYダンス生活を経て、帰国後はショー活動と国際交流活動とを同時に実現できるミスコン世界大会や文化団体”美JAPON”に参加。日本の美しさを世界に、世界の楽しさを日本に伝えることを目標に活動しつつ、現在企業向けビジネス英語クラス等を展開するほか英字新聞The Japan Timesに英語教材を毎週連載中。日本文化の美しさを海外に伝え広め、英語クラスなどを通じて世界へのわくわく感を日本に伝え広めるのことが目標。
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欧州を中心に開催され大絶賛を受けた、日本の美を世界に広めるキモノショー"美・JAPON"でのパフォーマンスや、世界50カ国の美女が集まるミスコン世界大会で日本を代表しステージに立つなど世界を舞台に活躍するダンサー知夏七未さん。日本の文化や美を海外へ広める活動の傍ら、国内でも人気のビジネス英語教師として活躍中。"ダンス"と"英語”で世界と濃厚なコミュニケーションを取る知夏さんに、現在の活動にまつわるエピソードや英語を教えるまでに至った想いをお聞きしました。

言語の壁”以上の壁”を越えるために

「七未さんの活動について教えてください」

一言で言うのは大変なんですけど(笑)、今の仕事は英語の先生やダンスをそれぞれ別個に活動していますが、国際文化交流を将来的にはしたいと思っていて、英語もダンスもそれに繋がることとして活動しています。
その想いを込めて、名刺には「Intercultural Instructor/ Intercultural Performer 」 と書いています。
現在の活動としては・・・んー、将来的にやりたい文化交流に近いのは”美・JAPON”というグループの活動です。日本の文化を海外に紹介したいという想いがすごくあって、それが美・JAPONの着物ドレスでのパフォーマンスやミスコン世界大会ということになるかな。
美・JAPONの舞台は各国に呼んで頂き日本文化を海外に紹介することができていますし、ミスコンの世界大会や海外イベントでのナショナルコスチュームやスピーチなどはこれをきっかけに日本に興味を持ってくれる人が増えますように、と意識しています。

写真【美・JAPON2014年のフランス・スイスツアー】
(パリ日本文化会館・パリJAPAN EXPO・ベルンパールクレ・在スイス日本大使館庁舎)公演写真。着物ドレスのファッションショーとダンス公演、音楽ライブの要素をあわせたショーを国内外で行っている美・JAPONは舞台を通じた国際文化交流という夢がある私にとってとてもありがたい活動と学びの場です。

パフォーマンス美JAPONパフォーマンス美JAPON2

また逆に海外のことを日本に伝えたいという思いも強いです。だから英語の先生という活動も大好き。英語を学んでもらう中で、海外に興味のない人にも興味を持ってもらいたくて。将来的には世界の踊りや歌、食文化などいろんなものを日本に紹介していきたいんです。
いろんな国の人が一同に会して、テーマを決めていろんな国が出展するということをしていきたいですね。

日本でよく紹介される国は限られていますよね。言葉の壁があるっていうことはあるんですけど、それ以上の壁があるようにも感じます。

例えば白金にユダヤセンターがあるんです。そのユダヤセンターで開催された「ハヌカ」というユダヤ教のお祭りに関連したイベントに参加したんですね。
そこで感じたのが・・・なんだろ、せっかく日本で暮らしている、違う文化を持った方々がいるならもっと交流できたらいいなと。宗教的に外部の人が入れない行事も多いでしょうが、ユダヤ文化やハヌカってそもそも知らない日本人が多いですもんね。
私もいろんな国の人と仲良くなりたいし、皆にも仲良くなってほしいって思うんです。そうしたら国際的なごたごただってちょっとでも良くなりそう。
その時にまず大事なのはその国や文化への興味や関心だと思うんです。

そして言葉の壁がその先を妨げているなら、英語はすごく便利だなと。NYに留学していたときに、現地アメリカ人だけでなくノルウェーやエクアドル、ドイツなどといろんな国の人と親しくなれたのは英語を介した会話のおかげだし、特にミスコンでは英語は世界中の人と喋れる共通語だなって感じました。

ミスコン世界大会への出場はすごく良い経験でした。特にナショナルコスチュームというカテゴリーでのステージは、どの国の代表も伝統衣装のほか、国旗を組み合わせたりジャングルのように葉っぱをいっぱいつけた服など、その国を連想させる創作性に溢れた衣装をまといとっても華やかでした。「え?何その衣装!?」みたいな人もいて、特に最初の大会のメキシコはすごかったです。
そんな50か国以上の代表が舞台に揃う様子はとても素敵!世界中の衣装が一斉にその場に並んでいて、華やかで圧巻!もうとってもテンションがあがりました!

写真【ミスコン世界大会 ナショナルコスチュームのショー】

ミスコンナショナルコスチューム.jpg

トリリンガルの両親のもとで育った少女の夢

国際文化交流活動を始めるきっかけって何だったんですか?

ちっちゃいころから世界中に友達を作りたいって思っていたんです。両親ともにドイツ語や英語、フランス語が話せるトリリンガルで、大人になったら日本語以外の言葉が話せるようになるもんだと思っていました。
お母さん達が「私に分からない言葉で話をしている」ということにとても憧れていたんです。
でも、英語教室に通ったりしたわけではなく、普通に中学校で英語を初めて、普通に学校の勉強をしていただけでした。
両親みたいにいろんな国の人と話している姿に憧れはすごくあったのに(笑)
さらに引越し等もあり、海外の方が家に遊びに来たりして生きた外国語に触れるという機会も途中からなくなってしまいました。

優秀な成績で高校を卒業。自信が打ち砕かれた理由とは。

「高校生までは日本語だけしか話せなかったんですね?ではどんな勉強方法をしていたんですか?」

私は普通に中学校も高校も、学校の英語の勉強だけをしていました。中学校も高校も英語の成績はすごくよかったんです。TOIECは485点。(当時の高校生では高い方でした)
ただ、普通学科でも学年1番なので大丈夫だと思って、上智大学の英語学科に入ったら、みんな帰国子女でTOIECなんて900点以上で、担任の先生はオーストラリアの人だし、何言っているのか全くわからない状態でした。
20数人のクラスで帰国子女じゃないのは私を含めてたった2人だけで、みんなが何を話しているのかわからなくて、一番苦労して一番へこんだ時期でした。でも単位を落としたくないという思いがあって、必死に英語を勉強しました。

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いつも聞き役だったのに、NYで通訳になるスペシャルな勉強法。

その頃の勉強法は、音読です。音読ってすごく大事で、配られたプリントなどを英語の上手なイントネーション風に読むようにしていました。ネイティブ同士が喋っているように読むと、自分の発音練習になるのはもちろん、さらにリスニングのトレーニングになるんです。

あと、上智大学のテストに時事問題が良く出るので、時事問題を扱う記事をよく音読していました。最初に読んだ女性兵士の話を扱った小さな記事は今でもすごく覚えています。
最初はつっかえつっかえでしたが、毎日100回音読してスラスラ読めるようになるまで読み込みました。そうするとだんだんその話しの内容が覚えられて、文章の構成や単語も覚えてくる。それに自分が喋れる速さの英語は聞くこともできるので、そのころから音読はとても効果的で大切だなって思っていました。周りは常に英語を速いスピードで喋り、授業ではディスカッションなんかも当たり前にするので、とにかく苦労しました。

もし私が大学生の時にオンラインレッスンがあったとしたら、音読の先生になってもらいたかったです。

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海外で暮らす人達ってけっこう英語が下手!

「その頃英語は全く話せなかったんですか?」

大学生の時はぜんぜん(笑)学校の友達とはほとんど英語で会話しなかったんです。帰国子女のみんなが話す英語はアメリカンキッズが話すようですごく速くて、皆一斉に話し出すし、いつも聞き役でした。それでも、ライティングの授業やプレゼンテーションの準備や自由課題なんかは他の子よりも量をこなしていて、大学3年生でTOIEC700点くらいは取ってました。以外と努力家なんですよ私(笑)

"英語が話せる"と感じたのは4年生を休学してアメリカにダンスのために留学した時です。「あれ?話せるようになってる」ってNYで気付きました。
それまで、私はめちゃくちゃ厳しい箱の中で鍛えられてたんです。大学の授業では国際問題とかばかりですし、ディスカッションも多かった。周りの子達はほぼネイティブのようなものでしたし。
NYは移民が多く、そんなに英語が上手じゃない人の方が多い。ニューヨーカーも英語が下手な人には慣れていて、むしろ私はちゃんと英語が喋れる人だったんです。
大学ではわからないことが多かったのに、NYのダンススクールでの日常会話は余裕で聞けて、日本人学生と学校との通訳に抜擢されました。
また、始めのルームメイトはエクアドル出身のおばあちゃんだったんですが、30年アメリカにいるのに英語がそんなに上手じゃなくて、「ああ、それでいいんだ」って肩の荷がおりました。
ミスしてもつっかえて単語がでてこなくてもいいよねって思いました。

NYに留学して1週間後の大事件。ルームメイトの命が・・・

「ミスしても大した問題は起こらないってことですね」

いや・・・(笑)そうは思っていたんですが、やっぱりいざというときには困るかもしれないです。
NYに行って1週間くらいに私の英語が間違っていたおかげでハプニングがありました。
家に帰ったらルームメイトのおばあちゃんが床に倒れていて、すっごく驚いたんです。
すぐに「救急車を呼ばなくちゃ!!」って思って電話をかけたものの”I have someone very strange!!”的なことを言ってしまったんです(笑)
私は「おばあちゃんの様子が変よ」って言いたかったんですが、ルームメイトのことを”Someone(誰か)”と言ったので、”NYDP(NY警察)”と書かれた制服を着て銃を背負った強面の人達が7人来ました。わたしは救急車を呼びたかったんですが・・・あまりにも動揺していて、”Ambulance(救急車)”も出てこなかったんです。
彼らは私が変な人に襲われていると思っているので、”変な奴はどこだ?!”と探すんですが、私は”奥で寝ています”と伝え・・奥にはおばあちゃんが寝てるんですよね。それで、「あれ?なんか違うな」っていうのがわかってもらえて、警察の人が救急車を呼んでくれました。その後は警察の人と救急隊員の人で12人くらいが狭い部屋にいるのでぎゅうぎゅう詰めでした。
結果的にはおばあちゃんも無事でなんとかなりました。・・・しっかり英語を話せるようになろうとは改めて感じましたね。(笑)

そんな失敗もしながら、「当たって砕けろ」と思って現地でしかできない経験をしてとにかくいろんな人と喋るようにしていました。通じないこともあったけど、気にしなかったです。そして、1年後日本に帰ってきたら英語の学校に通っていたわけでもないのにTOIECで975点取れたんです。
多分、NYで英語がいつも当たり前にあったので、英語に対する恐怖心のようなものがなくなって、緊張しなかったからなんだろうなって思っています。

写真【NYにてノルウェー人の心友と】
今でも大の仲良しで2年に一度は会い、グアテマラ人の旦那さんと彼女の結婚式に参加しにグアテマラへ行くほど。英語はネイティブスピーカーとだけでなくもっと沢山の人と仲良くなれる世界のシェア言語なんだな、ということを色々な国から来た人が集まるNYで感じました。

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英語が話せることで掴んだチャンスと、夢の「世界中に友達を作る」きっかけとなるミスコンでの出来事。

「最近はどんな場面で英語を使ってますか?」

英語の講師や通訳をしているとき以外だと、東京に住んでいる海外の友達や、海外に在住の友人とFacebookなんかで日常的に交流しています。
ミスコンのときの友人達とも仲が良く、普段住んでいる場所は違いますが私も彼女たちも旅することが多いので今でもしばしば会えています。最近だと美・JAPONの公演でヨーロッパへ行った帰りにミスベルギー、オランダ留学中のミス台湾と3人で集まったり、ミススリランカが仕事で来日した時に成田観光に連れて行ったり。もちろんそのときは英語で話してます。

英語はやっぱり話せた方が楽しいし、チャンスが広がりますよね。
ミスコンは英語が必須ではなくて、旅行も英語が必須ではないですけど、それでも英語が話せれば現地のことをより深く知れるし、人と交流もできる。
ドイツのミスコンに行ったときにミスボリビア、ミスノルウェー、ミスチャイナと私で、なぜかカジノでココアを飲みながら移民問題について話していました(笑)
堅い政治の話しでしたが何か楽しいなって思って。お互いの国のこと1つとっても、一個掘り下げて理解し合うときには共通の言葉があることがとても強いですよね。
私ね、ミスコンで沢山友人を作って、ミスフレンドシップっていう賞をもらったんです!そんな賞があることにびっくりかもしれませんが(笑)、嬉しかったです。
もちろん英語を話せない人もいるけど、やっぱり英語は多くの国の人が共通して理解できる言語だから、英語が話せるのと話せないとでは仲良くなれる人の数が全然違いますよね。

ミスコン出場者写真2014.jpg

自分と世界とが繋がること。

「素敵なお話をありがとうございました。最後に英語の勉強をしている人へのメッセージをお願いします」

これは私の生徒さんにも必ず伝えるようにしているんですが、「英語を話せるようになったら何がしたいのか」を、いつも目にするところに掲げておいてほしいんです。
大学1、2年の時にあまりにも必死で「世界中に友達を作りたい」という夢も忘れてしまって、「やらなきゃいけない」って思ってすごく辛かったんです。
グローバル企業の社長になりたいでもいいし、友達がほしい、外国人の彼氏彼女がほしいとか、なんでもいいんですけど、とにかく自分が何をしたいのかっていうのを忘れないでほしいです。スマートフォンの待受にしておくくらいの気合でもいいんじゃないでしょうか。

英語を始める人はまず自分が英語を話せるようになったら叶う、わくわくするような目的を見つけてください。
それだけで英語の吸収力は大きく変わってくると思います。
そして、世界と繋がることにわくわくして欲しいなって思います。

知夏 七未 活動情報

【美・JAPON】
美・JAPONは着物ドレスのファッションショーと音楽、舞踊を融合させた舞台を通し日本文化の伝統と創造を訴えているパフォーマンス団体です。
私たちが一端を担う文化交流の懸け橋が、国、世代、人を繋ぎ、やがては平和で美しい世界へと繋がることを信じて活動を続けています。

【schoo WEB-campus】
毎週火曜日・木曜日の夜にオンライン生放送の英語授業を行っています。生放送の視聴は無料です。
主に初級者に向け、会話、メールの書き方、プレゼンや会議の仕方等のビジネス英語など数回ずつ様々な角度から授業を展開しています。

【The Japan Times】
英字新聞The Japan Timesの”朝英語の会”プロジェクトに携わり、英語教材を毎週火曜日版に連載中。