濱名 栄作
(更新)
今回の『DMM英会話のある生活』の取材先として向かったのは鹿児島県。
鹿児島空港から車で約15分、四方を山に囲まれた長閑な場所にある養豚場で働く坂口法洋さんを訪ねました。
坂口さんは約1年半前からDMM英会話を愛用。英語学習を始めたきっかけは、街で外国人の方から道を聞かれても英語で説明できない、ジムで外国人利用者がマシンの使用に困っていても助けてあげられない、そうしたフラストレーションの蓄積だったと言います。
本記事では、坂口さんの1日を時系列で紹介しながら、毎日の習慣となった英語学習について、その学習法や継続のためのマインドセットを探っていきたいと思います。
職場のある養豚場までは車で約1時間半と、少々長い道のりとなるため、通勤時間をうまく英語学習にあてられるよう工夫をしている坂口さん。
坂口さん
「前日の夜か出勤前に、その日のレッスンで使う『デイリーニュース』の記事を選んだり予習することが多いのですが、出勤中は『この質問にはこう答えよう』とか『このテーマなら先生とこういう話ができそうだな』とか頭で考えながら運転をしています」
職場へ到着。無理を言って防疫服を貸していただき、筆者も養豚場の中へ。実際の仕事風景を見せていただきました。
坂口さんの仕事内容について聞いてみると。
坂口さん
「母豚や生後約3週間までの子豚が僕の担当です。日々助産や治療をしたり、子豚同士の喧嘩に負けてしまうような気弱な子豚をケアして、出来るだけ多くの子豚が元気に育つよう務めています」
この仕事に就いたきっかけは何だったのでしょうか。
坂口さん
「生まれも育ちも鹿児島で、大学から関東に進学し生物学を学び、大学院まで進みました。結局大学院は中退してしまうのですが、僕らの時代は就職氷河期だったこともあり、仕事が全くなくて…。
もともと何でこの道に進んだのかなと考えたときに、やっぱり『動物が好きだったから』なんですよね。そのタイミングで、たまたま鹿児島で盛んな養豚をやっている今の会社を見つけて、地元に帰りたいとも思っていたので入社し、今で10年くらいになります」
DMM英会話歴1年半の坂口さん。仕事で英語を使う機会はなく、旅行を含めた海外経験もないとのことですが、何がトリガーとなって英語学習を始めたのでしょうか。
坂口さん
「街中でたまたま外国人旅行者の人に道を聞かれたときに『あれ、こんなに簡単な英語が出てこない…』というのがあって。あとはジムで困っている外国人利用者を助けてあげられなかったり、ヒッチハイクをしていたアメリカ人を乗せたはいいものの思うようにコミュニケーションがとれなかったりだとか、そういうことの蓄積がきっかけですね。
大学院では毎日英語の文献を読んでいましたし、ある程度読み聞きはできて『何を言っているかはわかるのに話せない』という状態だったので、余計にショックでした。
実際にオンラインレッスンをやってみると、自分の足りない部分を自覚することができたので続けてみようかなって。そして1ヶ月も経たないうちに、今も受講している先生と出会って、素晴らしい指導をしてもらったのでハマってしまいました」
お昼休憩などの隙間時間は、常に持ち歩いてる『Picture Dictionary』などの単語本や参考書、イディオム・英語表現が書き留められた『フラッシュカード』を使って復習をすることが多いそう。
中でも、フラッシュカードには特別な思い入れがあるようで。
坂口さん
「ずっとお世話になっている先生が本当にいい方で、仮定法が苦手だったときにはいろんなマテリアルを使いながらわかるまで説明してくれたり、僕が苦手分野を克服できるようレッスンをカスタマイズしてくれたり、工夫をしながら指導してくれるんです。
いつかのタイミングで『表現を広げるために"Phrasal Verb(句動詞)"を覚えた方がいいよ』って提案してくれたのですが、僕は正直に『覚えられる気がしない』って言ったんです。
すると『わかった!じゃあ1週間に1回お互いテストをしよう』と約束してくれて、そのときにフラッシュカードを作って覚え始めたんです。先生はもちろん表現の意味を知っているので、僕からは『どの教材で、どういう場面で使われていたか』みたいなクイズを出してみたり。
これを2ヶ月続けて300表現くらい覚えることができました。こういう指導があったおかげで、挫折せずに楽しく続けることができましたね」
坂口さんの休日に過ごし方についても質問してみました。
坂口さん
「休みの日はレッスンを受けてジムに行って、あとは海外ドラマを見て過ごすことが多いですね。平日も海外ドラマはよく見ていて、その中で出てきた知らない単語や表現はスクリーンショットをしてストックしているんです。あと、英語学習系のYouTubeなども同様に」
坂口さん
「そして休日の時間があるときに、ストックしたスクショの表現を『Anki』という暗記アプリに一つずつ解説や例文と共に移して、あとで復習しやすくしています。DMM英会話で学んだ表現も同しようにアプリに入れて、暇なときにいつでも復習できるようにしていますね」
16時に仕事を終え支度を済ませ出発。
ここから1時間半の帰路につくわけですが、帰り道の車中でDMM英会話レッスンを受けるのが坂口さんのスタイル。
会社を出てしばらく車を走らせた場所にある嘉例川駅近くの駐車場へと移動します。
予約しているレッスン時間前になると、なにやら準備を始める坂口さん。
運転席のサンバイザーを下ろし、専用のクリップホルダーを使ってiPadを固定します。
坂口さん
「お気に入りの先生のスケジュールの空き状況に合わせて予約をします。こういうセットを持ち歩いていれば、いつでもどこでもレッスンを受けられるのは本当に便利ですよね」
DMM英会話のレッスンがすっかり毎日の習慣となっている坂口さんですが、最初からレッスンを楽しむことができたのでしょうか。
坂口さん
「最初はきつかったですね。自己紹介すらまともにできない自分の不甲斐なさに、ちょっと泣きそうになりました(笑)。
例えば鹿児島の紹介すらできない。桜島が有名なのに『噴火』すら言えない。『火山灰』も言えない。地元のことなのに何もわかってないじゃんって…。やっぱり話してみないと気づかないもので、こんなにも自分って何も知らないんだなと痛感しましたね。
それがきっかけで、外国人向けのパンフレットを使いながら、地元を英語で説明できるように勉強していた時期もありました」
ジムでの悔しい経験が、英語学習をスタートするきっかけの一つでもあると話してくれた坂口さん。
それから約1年半、今日までにどのような成果や効果があったのでしょうか。
坂口さん
「DMM英会話を始めてからも、何回か外国の方に道を聞かれたりしたのですが、それにスムーズに答えられたときが『やってて良かった!』と思える瞬間です。
あと、お土産を探している外国人観光客の人に、鹿児島名物の焼酎を使ったお菓子をおすすめしたことがあったんですよ。すると、後からわざわざ追いかけてきてくれて、丁寧にお礼を言ってくださって。あのときはすごい感動しました」
また、「英語学習をする中でどういった瞬間に喜びや楽しさを感じますか」という質問に対しては、このように答えてくれました。
坂口さん
「僕の場合、最初に『言えない』というのが大きかったので、先生相手でも外国人旅行者が相手でも、『会話のキャッチーボールがどんどん繋がっている。なんだったら談笑もできる』と実感できるのが一番の喜びですね」
帰宅し家事などを済ませた後も、英語に触れる時間は続きます。
娯楽の一つともなっている海外ドラマを英語字幕で鑑賞。先生も同じドラマが好きで、レッスン中にドラマの話で盛り上がることも多いそうです。
隙間時間などをうまく使いながら、毎日2~3時間、英語に触れる生活を送る坂口さんに、継続の秘訣を尋ねてみました。
坂口さん
「特に最低時間みたいなのは設けてなくて、自分が嫌にならない程度に続けることを意識しています。
隙間時間に『次は先生と何を話そう』って考えたり、『あれ、これって英語でどう言うんだっけ?』というのを調べたり、アプリで表現を覚えたり復習したり、モチベーションが自然と続くような勉強をしています。
あまり自分にプレッシャーはかけずに、『昨日より今日』の精神で、昨日より一つでも単語を覚えてればいいかなって。無理なく成長していきたいですね」
最後に、今後の目標について聞くと、こんな風に語ってくれました。
坂口さん
「僕の場合は『いつまでにこうなりたい』というのが特に決まっていないので、楽しむことを優先に、『次は海外旅行に行って現地の人とコミュニケーションをとってみよう』とか小さな目標を見つけて、クリアしたらまた次の目標を見つけていく、というやり方をしています。
あとは機会があれば、身近にリアルな外国人の友達ができればなって思っています。ここ10年くらいで外国の人がすごく増えているので、そういう人たちと英語で繋がれればなって」
予習や復習、単語暗記など、なかなか習慣化することが難しい英語学習の王道を、楽しみながらしっかりと習慣化できている点が、継続や成長へと繋がっているキーなのかなと感じました。
どうしても、勉強と聞くと “机に向かって” というイメージが強いですが、坂口さんのように移動時間や隙間時間をうまく使って工夫すれば、英語に触れる時間をグンと増やすことができます。
筆者も、まずは何気ない日常を少しずつ英語色に変えていくことから始めたいと思います。