まっつん
(更新)
まっつんです。
ついに南米にやってきました。
1ヶ国目は、コロンビアです。
過去には様々な危険都市のランキングで1位を獲得したことがあり、
昨年発表された「女性にとって、もっとも危険な公共交通機関ランキング」で
1位を獲得したこともある首都ボゴタもあります。
そんな世界有数の危険地帯にて、体操元日本代表であり、
現在はボゴタの体操チームを指導されている仲里隆太さんにお話を聞いてきました。
コロンビアの首都ボゴタにてヘッドコーチとして、体操県代表チームの指導をしています。
下は8歳から上は24歳くらいまでと幅広い年齢層の選手に教えています。
元々はある程度上の年齢層の選手中心に指導していたのですが、同僚のコーチが突如いなくなってしまい、ほぼ全ての選手を指導しています。
2011年に赴任してきたので、今年で5年目ですね。
最初はカリという街に赴任し、2013年から首都のボゴタに移ってきました。
元々小さい頃から体操をやっており、日本代表になるところまでやってこれたのですが、膝などのケガと内村選手などの若い選手の台頭で代表入りが難しくなり、引退を決意しました。
引退後は一時期全く別の仕事をしていたのですが、やはり体操関連の仕事を出来れば海外でしながら、今までとは違った世界を見たいといつからか思うようになりました。
コロンビア第二の都市であるメデジンというところでコーチをされている日本人の方がいるのですが、その方にご紹介いただいたことがきっかけですね。
イランで体操コーチをするお話もいただいていたのですが、スペイン語圏に興味があったこともあり、コロンビアに赴任することにしました。
去年の世界選手権は17位でした。
来年のオリンピック開催を控えるブラジルが6位だったのですが、
客観的に見ても同等の力はあると考えています。
日本の体操チームはみなさんご存知の通り、世界トップレベルにあり、注目度はそれなりに高いですが、コロンビアはまだまだですね。
人気があるスポーツですとサッカーや自転車競技でしょうか。
特にサッカーはすごいですね。
ワールドカップで日本と対戦したのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
最終的にブラジルに敗れはしましたが、ベスト8に入りました。
大会後にレアル・マドリードに移籍した、ハメス・ロドリゲス選手などは特に人気があります。
日本をはじめとして世界の強豪国は小さい頃にしっかりと基礎を叩き込んで、ある程度の年齢になってから技を覚えていくのですが、最初に赴任したカリの代表チームは違いました。
みんないきなり派手な技をやりたがるんですよね。
時々派手な技が1個できる事もあるといえばあるのですが、それでは幅が広がらない。
基礎があるからこそ、そこからどんどん派生させて、結果としていろいろな技が出来るようになっていくわけです。選手の将来性を考えると、基礎がない選手は先が難しいですね。
もちろん日本的な考えのもと指導をしていたので、
カリにいた頃はコーチだったり、選手だったりとよくぶつかっていました。
正直やりづらい環境ではありました。
カリはコロンビア内だと4番目の順位で、3位チームと毎回大差だったのですが、赴任して2年目の大会で、3位チームと大接戦を演じるまでになり、そのことが評価され、首都ボゴタの代表チームを指導するようになりました。
ボゴタに移ってきてからは県の理事からも権限を一任にされ、
「リュウタに任せる」と言ってもらえているので今はやりやすいですね。
うーん、振り返るといろいろありましたね(笑)
基本的に体育館の窓は空いていることが多いのですが、そこを目がけてこぶし大の石が飛んできたこともありました。幸い人が少ない時間で何の被害もなくよかったです。コロンビアではよくある話みたいですね。
大会の時なのですが、競技場の外でゴミを燃やしていたようなのですが、その煙が体育館の中まで充満してしまい、一時中断せざるを得ない状況になったこともありました。
先日の大会では、外からマリファナの匂いがしてきたことがありました。
日本だと絶対にありえないですよね(笑)
物価は思っていたよりも高いですね。
食べ物も意外に安くはないです。もちろん日本よりは安いですけどね。
かといってコロンビア全体の生活水準が高いかって言われるとそんなことはないですね。
貧富の差が激しいので、こういう感じになっているようです。
※ふつうの定食屋さんでお昼を食べて500円近くしました。(松本調べ)
ご想像のとおり治安は相当悪いですね(笑)
この体育館の裏も一本路地裏入るとヤバいです。たぶん5分でやられますね。
外国人や旅行者が狙われやすいっていうのはありますが、コロンビア人も普通にやられてますね。
うちの選手もだいたい1度は携帯を盗られています。
コロンビア人に聞いたのでどこまで真実かわからないですが、
市長選に立候補すると殺される、っていう噂を聞いたことがあります。
選挙以前に生き残らないと候補にすらなれないとか。ありえないですよね…。
コロンビアで生活し始めて5年目になりますが、
普段から慎重に行動しているので今のところは特に無いですね。
「エストラード」という地域ごとにランクを1~6の6段階で分けたものがあります。ちなみにこれでおおよその治安がわかり、1が危ない、6が安全という指標になります。この体育館は「2」なので、それなりに危ない地域にあります。
行き帰りにバスを利用しているのですが、
18時を過ぎると雰囲気がガラッと変わるので帰りは怖いですね。
日本だとありえないんですが、バス停で待ってると狙われるんですよ(笑)
なので近くのバイク屋で待たせてもらって、バスが来たら毎回走って乗ってます。
コロンビアの「人」じゃないでしょうか。
人懐っこいですし、困っている人がいたら助けたがる国民性ですね。
バリアを張らない人が多いんで、距離感が近いですね。
周りにたくさんコロンビア人がいるにも関わらず、
外国人の僕に道を聞いてくるコロンビア人もいますからね(笑)
サッカーは好きですがコロンビアのスタジアムまで見に行くことはほぼないです。
理由は危ないからですね。
特に同じ街のクラブ同士が戦うダービーマッチは刃物持った若者がうろついてたりだとか、
あとゴール裏で睡眠薬強盗が多発してると知り合いから聞いたこともあります。
それよりも、土日の昼にリアルタイムでヨーロッパサッカーを見れることの方がありがたいです(笑)
日本で見ようとすると夜中になっちゃいますんで。
たしかに美人は多いと思います。
今年のミス・ユニバースはコロンビア人でしたしね。
地域によっていろいろあるみたいですが、特にかわいいと評判なのはコロンビア第二の都市であるメデジンという街ですね。これからコロンビアに行かれる方はぜひ行ってみてください。
座学はほとんどやってないです。
最初に1,2冊本を読んだりした程度です。
数をこなすことを意識しました。
とにかくスペイン語を使う場に足を運びましたね。
あとは周りに日本人が一切いない環境が大きかったですね。
体操の指導も当然スペイン語ですし、上達しないとやっていけない環境でした。
間違ってもいいから、とにかくスペイン語を使うことが大事だと振り返っても思いますね。
最初から出来ないのは当たり前ですし、変な形で間違うと周りから笑われたりもします。
でもそんなのは全く気にしないですね。スペイン語が上達する方が大事ですから。
「とにかく恥をかく」くらいの積極性が重要かと思います。
コロンビアに来て5年目になりますが、今年が一つの節目になるかと思います。
当面は4年に1度開かれるコロンビアの全国大会、ならびにブラジルでのオリンピック出場権がかかる秋の世界選手権に向けて頑張りたいですね。
ここで8番以内に入るとリオでのオリンピックに出場出来ますから。
その後はコロンビアに残るのか、日本に戻るのか、それとも他の国に行くのか検討しているところですが、悔いのないようにやり切りたいと思います。
あとは足元ばかりではなく、中高生の育成を強化して、コロンビア全体の底上げにも貢献したいですね。
今回仲里さんの職場であるボゴタ市内の体育館でお話を伺いましたが、途中治安の悪そうな場所がいくつもあり、仲里さんにコロンビアの治安事情をお聞きしてゾッとしました。
それはさておき、決して良いとはいえないコロンビアの環境においても、「ここにいるからこそ精神的に強くなった」と話されていた仲里さんの言葉が印象的で、どんな環境でも考え方次第で成長できると改めて感じました。
またコロンビアは美人がとにかく多いので、機会がありましたらぜひ行ってみてください!
仲里さん本当にありがとうございました。