Mizuho
(更新)
DMM英会話の最大の特徴といえば、世界中にいる講師とレッスンができること!
英語圏だけでなく非英語圏の講師とのレッスンは、いろいろな英語に触れられることはもちろん、異文化理解へもプラスに作用します。
そしてバックグラウンドの異なる講師がたくさんいるということは、それだけたくさんのストーリーがあるということ。2020年11月から始まった「DMM英会話 TUTOR'S VOICE」では、レッスンだけでは知ることのできない講師の素顔に注目します。
今回は、フランス人講師でアフリカ大陸モザンビークに住む Thomas さんにお話を伺いました。
国:フランス
DMM英会話講師歴:1年 (2020年12月時点)
趣味:スキューバダイビング、ビデオ撮影・編集
ー よろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
私はフランスのアルザスというドイツとスイスに接した内陸地方で、自然に囲まれて生まれ育ちました。
故郷で20年ほど過ごしたのですが、「もっと多くのことを経験しなければ」と思い立ち、大学の夏休みだけロンドンで過ごすことにしたんです。地元では毎日同じことの繰り返しでしたが、ロンドンではたくさんの刺激を受けて、この経験が旅にハマるきっかけになりました。
そのあとアメリカで1年間勉強し、南アフリカのケープタウンへ大学院進学のために渡ったのですが、そのときにアフリカのことが大好きになったんです。でも、もっと世界を見たかったのでお金を貯め、持っていたものをすべて売り払って、リュック1つでアジアへ1人旅に出発しました。
実はこの1人旅がターニングポイントで、このときにダイビングの面白さやきれいな海、海洋生物の素晴らしさを知ることができました。
しかしその一方で、海を汚染するプラスチックゴミなど、人間が引き起こしている環境問題にも気づかされました。そこで、自分のエネルギーすべてをこの分野に注ぐと決心したんです。
同時に「アフリカに戻りたい」という気持ちもあったので、モザンビークで海洋環境保護のインターンシップとダイビングの仕事を見つけて移住。それからもう3年半ほどになります。
ー 実際に地元から世界に出てみて、どうでしたか?
もちろんこわかったですよ。アジアに向けて出発したときは、はじめての1人旅で、帰ってきてからの仕事の保証もなかったので、本当に未知の世界でした。母に出発の挨拶をしたときには、涙をこらえるのに必死だったのを覚えています。
無事に戻ってこれるのか、それにずっと1人なんじゃないかと不安だったんですよね。でも旅の最初の目的地だったフィリピンに着いた瞬間に、「これが正しい道なのだ」と確信でき、それからはただただ楽しかったです。
ー いろいろな国を旅してきて、なぜモザンビークに落ち着くことにしたのでしょうか?
本当はケープタウンに戻ろうと思っていたのですが、見つけたインターンシップ先がモザンビークであったことと、ダイビングインストラクターの仕事があったからですね。
自分でもなぜこの国にいるのか明確には説明できないのですが、美しい国ですし、船で10分も行けばクジラが見えるほど、海洋生物の生態系も素晴らしいんです。世界でもまれな環境が、僕を魅了しているんだと思います。
ー これまで世界中の海をダイビングをしてきた Thomas さんにとって、1番好きな海はどこですか?
1000回は潜っていますが、やはり1番はモザンビークの海ですね。
でもそれ以外にも、フィリピン、インドネシア、マレーシアに囲まれた「コーラルトライアングル」と呼ばれる海は本当に美しかったです。多種多様なサメや大きな海洋生物を見ることはできませんが、サンゴ礁や小さい生物のおかげで、とてもキレイでした。
ー 今はダイビングと海洋保護、英会話講師の3つの軸でお仕事をされているのでしょうか?
ダイビングインストラクターは素晴らしい仕事なのですが、多くの時間とエネルギーを消費してしまうので、ダイビング自体を前ほどあまり楽しめなくなってしまったんです。そこで、もう少し柔軟に働きたいと思い英会話講師になりました。たまにフランス語を教えることもありますけどね。
海洋保護に関しては、データ収集のボランティア活動を続けています。例えば潮や波の動き、プランクトンの有無などや、潜ったときに見えるものを記録するんです。
特に海洋生物の行動や人口を調べるための識別写真を撮ることは、比較検証するうえでも重要なデータになるんですよ。とても奥が深い世界なんです。
ー フランス語も教えているんですね! Thomas さんは言語全般が得意なのでしょうか?
流暢に話せるのはフランス語と英語の2つですが、会話レベルならドイツ語もできます。地元の土地柄もあって、小学校で最初に習う外国語がドイツ語だったんです。大学時代に北京語も4年間習いましたが、今では簡単なことしか言えなくなってしまいました。
現在は、モザンビークの公用語であるポルトガル語も日常会話レベル話せます。また、レッスンで日本の方と話すことが多ので、日本語の勉強も始めました。いろいろな言語が頭の中で混在しているんです(笑)。
ー 私だったら混乱してしまいそうです…。Thomas さんは英語を話しているときにフランス語のアクセントがあまり聞こえないですよね。
私の出身地のアルザス地方は、ドイツと領土争いになっていた地域だったこともあり、ドイツの影響が強く残っているんです。ユーザーさんからは、日本では外国人と会話をする機会がなかなかないと相談されるのですが、そういった点で、私自身はほかの文化や言語に興味を持ちやすい環境に恵まれていたのかもしれません。
それでも、英語の練習は本当にたくさんしましたよ。いつも新しいことをするときは、すべてを捧げて没頭してしまうんです。英語が必要だと思い立ったら、生活のすべてを英語に変えました。パソコンや携帯電話の設定、見るテレビ番組に映画、それに読書も全部英語です。
あと、生活を英語化しつつ、ネイティブスピーカーのマネもよくしていました。人が話すのを聞いて吸収し、自分のものにするんです。とはいえ、マネすることには弊害もあって、多くの人のアクセントを取り込むので、いろいろなアクセントがミックスされてしまうんです。
だから自分がどこのアクセントで話すかといえば、自分で組み合わせた自己流のアクセントということになります。でも言語は、自分の考えや意見を人に理解してもらうことが最大の目的ですし、「英語に個性はあっていい」と私は思っていますよ。
ー 具体的にどのようにマネをして上達したのでしょうか?
1番簡単で確実な方法は、英語のポッドキャスト*を聞いたり、好きなテレビシリーズを英語の音声と字幕に設定することです。そして、何かわからない表現が出てきたら停止して書き留め、インターネットで検索します。意味が理解できたら、その表現を何度も口にしたりして繰り返すんです。
また、DMM英会話レッスンも大いにここで役立ちます。新しく学んだ表現を実際に使ってみて、母国語で考えなくてもコミュニケーションが取れるようにするんです。
日本語に頼らずに自然と英語が出てくるレベルになるまで、英語に浸かってみてください。
自分の経験からも言えるのですが、頭の中で訳しながら前に進もうとするのは、おそらく1番非効率な方法です。英語と日本語ほどかけ離れた言語だと、訳して文章を作るたびに同じ間違いをしてしまうのではないかと。
最初は難しいと感じるかもしれないけれど、ぜひユーザーのみなさんには試してみてほしいですね。
*ポッドキャストについてはこちらを参考にしてみてくださいね。
ー 確かに、自分が間違えるポイントっていつも同じ気がします(汗)。
何回も間違えると、それが定着してしまうんですよね。
でもそれと同時に、間違えることはものごとを学ぶうえで欠かせない要素でもあります。レッスンをしていていつも素晴らしいと思うのですが、DMM英会話の利用者さんはみんな間違いをすることを恐れないんです。「よしやろう!」という意気込みがあるんですね。
もし間違えることをおそれて言葉にしなかったら、学ぶ機会を逃していることになります。だから重要なのは、おそれず挑んで、間違いをしたことで学び、その学びを繰り返すことだと思います。講師はそのためにいるのですから。
そういった点では、講師も責任重大です。「ここが間違っているよ」だけではなく「こういう風に直すべきだよ」とちゃんとアドバイスをしてあげられないと、ユーザーさんの学びにつながりませんからね。
ー 誰でも参考にできるアドバイスですね。ありがとうございます。
DMM英会話のユーザーさんについてはどう感じていらっしゃいますか?
本当に親切で優しく、フレンドリーなのでみなさんのことが大好きです。
また、英語はもちろん、ほかの文化を学ぶことにも興味を持ってくれているので、話が弾んでとても楽しいです。
ー ユーザーさん一人一人に個性がありますし、同じようにレッスンをするわけにはいかないと思うのですが、レッスン中に何か心に留めていることはありますか?
間違いを直されるのをよく思わない人、まったく気にしない人など本当にそれぞれ違いますね。だから、お互い楽しくて実りあるレッスンにするには、最初の数分が肝心だと思っています。私はすぐには自己紹介に入らないで、どんな日だったかなどの簡単な話を最初にするんです。そうすることで、話の進め方とかレベルを見極めています。
また、最近気づいたことなのですが、日本の人はあまり理解しきれていないときでも、それを伝えてくれないんですよね。なので、視線からちょっと困惑していることが読み取れるときは、説明を付け加えるようにしています。これまで「わからないことをわからないと言わない」という状況に直面したことがなかったので、私にとっては新しい経験でした。
最後に、レッスンが「利用者さんのためのもの」であることを心に留めています。私にとっては当たり前のことでも、ユーザーさんにとっては知らないこと、難しいことの場合もありますから。
それに、私は1日中英語中心の生活をしていますが、生徒さんは仕事をしていたり、家事をしていたりと、生活の軸が違います。だからこの点を念頭に、あまり1回のレッスンで詰め込まないようにしているんです。
ー なるほど。では反対に、ユーザーさんはどんなことを心に留めてレッスンを受けるべきでしょうか?
人によりますが、あえてあげるなら大きく5つのポイントがあります。
まず最初は明確なゴールを設定し、目的とレベルに合わせて教材を選んで活用することが大事です。ゴールがしっかりと定まっていれば、それにそった教材を選ぶことができますから。
そして、教材をうまく使うこともポイントです。たまに「フリートーク」ばかり選択するものの、うまく英語コミュニケーションがとれず、効果的なレッスンが行えない利用者さんがいるんですね。
実践的な英会話の練習を想定して選んでいるのかもしれないですが、このような方にはまずは教材を使ってみてほしいです。先述のように目的とレベルに応じて、いくつか取り組む教材を決めておくと英語学習のプロセスを楽しめるはずですよ。
3つ目は挑戦をやめないことです。レッスンでは、利用者さんが自分にあっていると思うレベルの教材を使うわけですが、本当なら違うレベルの教材を使うべきときがよくあります。英語上級者なのに、「デイリーニュース」のレベル5〜6(中級レベル)を選ぶんです。
もう少し自分を信じて、上のレベルの教材を使ってみましょう。難しいと感じるかもしれないけれど、もっと深い話ができるし、学ぶことも多いはずです。
4つ目のポイントは、なるべくいろいろな講師のレッスンを受講してみることです。1つのアクセントに慣れるのではなく、多くのアクセントに慣れて理解できることが大事です。
そして5つ目に、レッスンで学んだことを実際に使ってみてほしいです。日本ではなかなか英語を使える場面は少ないかもしれませんが、それが1番上達につながる方法だと思いますね。
ー なるほど。どれもぐさっと刺さるポイントばかりで、すごくユーザーさんのことを思われている感じがします! これまでで特に心に残っているレッスンはありますか?
まだお子さんを相手にレッスンをした経験が少ないのですが、一時期9歳の子とレッスンしていたんです。彼の英語は素晴らしかったし、とても熱心でした。今でも強く印象に残っています。
もう1人、定期的に私のレッスンを受けてくれている、漫画家の方がいます。彼女はレッスンの様子を漫画にしてくれていて、描いて送ってくれるんです。すごくないですか? 自分がまさか漫画に登場することになるとは、まったく予想していませんでした。本当に素晴らしい経験になっていると思います。
DMM英会話のお気に入りのジャクウェン先生の漫画、英語添削して頂きました。先生はとても喜んでくれて友達にも見せたいとか自分のアイコンに使いたいと言ってくれました😍200回受講記念は先生のスタンプでも作ろうかしら(*´Д`)読みやすい日本語版+αはnoteでお送りします。#DMM英会話 pic.twitter.com/wHwuiDpodu
— 水主(かこ) (@kako_arcadia) August 10, 2020
※Thomas さんが「ジャクウェン先生」として登場する、かこさんの漫画。先生との楽しいやりとりが伝わってきます。
ー 何か今新たにチャレンジしていることはありますか? プロフィールには木彫りをしていると書いてありましたよね。
木彫りは以前住んでいたところに道具を置いてきてしまったので、引っ越してからやめてしまいました。
代わりに、今は動画編集を勉強中です。ドローンを持っているので、それで野生動物を撮影し、編集して動画にしているんです。あとは、日本語の習得にもチャレンジ中ですね。
ー 野生動物の撮影ですか! なんだか一気にアフリカ感が出た気がします。
動物と自然が大好きなんです。それもあって、4年ほど前からベジタリアンになりました。最近ではヴィーガンになろうかとも考えています。
フランス人なので特にチーズが好きで、まだチーズなしのピザなどを食べるのは慣れていないんですけどね。毎日ではないけれどたまに食べたくなるんです。でもそれ以外は、動物性のものは口にしていません。
また、これは本当に困ったんですが、アジアではまだベジタリアンというコンセプトがあまり浸透しておらず、「肉なし」で食事をオーダーしても、動物性のものが調理されて出てきたりするんですよね。ベジタリアンでアジア旅行をするのはかなり難しかったです。
ー 動物への思いが強いんですね。休日も自然の中にいることが多いのでしょうか?
忙しいときはとにかく寝ています(笑)。でも余裕があれば、ダイビングに行って海洋生物と過ごすのが好きですね。あとは時間が合えば友達と会います。
小さな港町に住んでいるのですが、レストランとかバーといったものがそんなにないんです。なので、犬の散歩をしながら近所の人と会話をしたり、そんな感じでゆったりと過ごしています。
ー モザンビークは時間がゆったり流れていそうですね。では Thomas さんにとって、英語とはなんですか?
自分の母国語よりも使っていますから、毎日使うとても大事なツールですね。そして本当にたくさんの扉を開けてくれました。
英語がなかったら、これほど旅をして、新しい経験をすることができなかったと思います。考えるときも、独り言をするときも英語なので、自分の生活にとって大きな存在であることは間違いないですね。
ー まさに英語で世界に羽ばたかれたんですね!
今後何か達成したいビジョンや目標はありますか?
夢のまた夢なのですが、いつか自分のセーリングボートを手に入れて、世界中のクジラを追いながら旅したいです。金銭的に余裕があればそんなことをしながら、旅の記録を残せれば最高です。
ー では最後に、ユーザーのみなさんへ一言メッセージをお願いします。
私のことを講師として受け入れてくださって、また素敵な機会を作っていただいて、ありがとうございます。
みなさんにお会いできるのを毎日とても楽しみにしています!
ー ありがとうございました!
一目見ただけで優しい人柄が伝わってきた Thomas さん。英語のレベルアップのお手伝いをできるよう、とにかくユーザーさんのことを思っている講師の方でした。
非英語圏の講師は自身も英語学習をしてきた経験から、英語学習でつまづいたり疑問に思うポイントをわかってくれます。この点でも、みなさんの力強いサポーターになってくれるはずですよ。
ぜひオンラインレッスンでは間違うことをおそれず、間違いをしたら学びに活かして、確実な英語力につなげてくださいね。