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アメリカの新たな祝日「Juneteenth」とは?過ごし方や関連表現も

アメリカの新たな祝日「Juneteenth」とは?過ごし方や関連表現も

この数年、「Juneteenth(ジューンティーンス)」というアメリカの祝日を耳にすることが増えてきました。奴隷解放宣言を記念するアメリカの祝日で、「Juneteenth Independence Day」などと呼ばれたりもします。 

リンカーン大統領によってアメリカの奴隷解放宣言があったのは南北戦争さなかの1863年のことだというのに、なぜ最近になってそれを祝うJuneteenthという言葉が聞かれるようになったのでしょうか? 

今回は、アメリカの「新しい」祝日であるJuneteenthについてご紹介していきます! 

Juneteenthの由来 

Juneteenthという一風変わった名前は June Nineteenth(6月19日)から来ています。別名 Freedom Day や Jubilee Day と呼ばれることもあります。 

英語で「記念日」は anniversary が思い浮かぶことが多いかもしれませんが、jubilee もまた大事な記念日を意味する言葉です。 

さて、リンカーン大統領は1863年1月1日に奴隷解放宣言を行い、正式に奴隷制を終了させました。しかし、実際にすべての奴隷が解放されたのは、1865年6月19日、テキサス州ガルベストンで宣言されたときでした。

Juneteenthとは、それを記念する祝日。1865年時点でテキサス州にいた奴隷の数は約25万人と言われています。 

そしてJuneteenthを最初に州の祝日に定めたのもまたテキサス州でした。1980年のことです。その後2000年代に入ると、Juneteenthを祝日と認定する州が次々増えていきます。 

そもそもアフリカ系アメリカ人の間では昔からJuneteenthは祝いの日であったものが最近になって耳にすることが増えてきたのは、2021年6月17日にバイデン大統領が「ジューンティーンス国定独立記念日法案(Juneteenth National Independence Day Act)」に署名し、2023年時点のアメリカでもっとも新しい連邦の祝日(federal holiday)となったためです。 

法案署名の際、バイデン大統領は次のように語っています

I've only been president for several months, but I think this will go down, for me, as one of the greatest honors I will have as president.

「大統領になってまだ数か月だが、これは大統領としての私の最も重要な業績の一つとして残っていくであろう」

Juneteenthの過ごし方 

Juneteenthのシンボルカラーは赤です。奴隷たちの苦難を表し、西アフリカの伝統的な料理にも関係があります。

シンボルカラーに沿ったストロベリーやスイカ、レッドベルベットケーキ(red velvet cake)はJuneteenthを祝う典型のデザートです。ストロベリーソーダあるいはハイビスカスティーなど、飲み物も赤い色のものが用意されますよ。 

BBQをメインにさまざまな南部料理も並び、家族や親しい人達が一緒になって楽しむ一日となります。また、公の場ではコンサートやアートイベント、パレードなどさまざまな行事が企画されます。 

Juneteenthのシンボルとなる旗もあります。中央の白い星を囲むギザギザの吹き出しのような形と背景のアーチがかったラインは、新たに誕生した星が新たな地平線に浮かんでいる様子を表しています。旗の色がアメリカ国旗と同じ赤・白・青なのは、解放された奴隷とその子孫も「アメリカ人」であることを示すためです。

Juneteenthにまつわる英語表現 

Juneteenthに関連する英語表現も見てみましょう。 

Emancipation Proclamation 

「奴隷解放宣言」は英語ではこのように言います。 emancipation とは「(政治・社会的な抑制からの)解放」、proclamation は「宣言」という意味です。 

The last slaves were freed about two and half years after President Lincoln issued the Emancipation Proclamation.
「最後の奴隷たちが解放されたのはリンカーン大統領が奴隷解放宣言を出して約2年半後でした」 

American Civil War 

「北部(アメリカ合衆国)」と「南部(アメリカ連合国)」が1861年から1865年まで戦った「南北戦争」は英語で the Civil War と言います。

civil war という英語表現自体は「内戦」を意味するので、civil war というだけでは必ずしもアメリカの南北戦争を意味しません。南北戦争を意味するためには the Civil War と大文字を使って表記するか、American Civil War のように国名を入れます。 

Abraham Lincoln played an important role in leading the Union during the American Civil War.
「エイブラハム・リンカーンは、アメリカ南北戦争で北軍を率いる重要な役割を果たしました」

Confederacy/Union 

南北戦争の「北部/アメリカ合衆国」は英語で the North/the Union/the United States、「南部/アメリカ連合国」は the South/the Confederacy/the Confederate States などとなります。 

なお、南軍のシンボル旗(Confederate flag)は、白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)が多用してきたことから、今では白人至上主義や有色人種差別の象徴となっています。トランプ大統領支持者が掲げているのをニュース画像で見たことがある人も多いのではないでしょうか。 

The Confederacy relied heavily on slave labor, while the Union aimed to abolish slavery.
「南軍は奴隷労働に大きく頼り、北軍は奴隷制の廃止を目指した」

slavery 

「奴隷」は英語で slave、「奴隷制」は slavery です。 

Juneteenth is a holiday celebrating the end of slavery.
「ジューンティーンスは奴隷制の終わりを記念する祝日である」 

enslave 

「〜を奴隷にする」という動詞が enslave です。 

All enslaved people were finally freed on this day.
「その日、奴隷にされたすべての人たちがついに解放された」

アメリカの新たな祝日Juneteenth 

もともと一部の州では祝日だったJuneteenthが連邦祝日となった背景には、2020年に警察官によって不当に殺害されたジョージ・フロイド氏の事件と、それを受けて米国全土のみならず世界中に広がったブラック・ライブズ・マター(BLM)運動もあります。 

Googleの検索画面で表示される日替りロゴ「Google Doodle」は地域ごとにいろいろなデザインが存在しますが、アメリカではきっと今年の6月19日もJuneteenthがモチーフになったデザインが表示されることでしょう!