カナダで永住権を取得するには?永住権の取得条件とメリットを解説

カナダで永住権を取得するには

カナダでは移住者を受け入れるために、永住権の取得条件がいくつか用意されています。永住権を取得すると、就労ビザがなくても自由に働けるようになり、カナダ市民として生活できます。

今回は、カナダの永住権を取得する条件と、永住権を取得するメリットを解説します。

永住権を取得するための条件

永住権を取得するための条件

カナダの永住権を取得する方法は複数あります。申請の方法によって、英語力や職業条件を満たす必要があります。

カナダには、オンラインで永住権の申請できる「エクスプレスエントリー」というシステムがあります。エクスプレスエントリーに自身の英語力や職歴を登録すると自動的にスコアが付き、優先順位の高い人から順に永住権の招待が届く仕組みです。

今回紹介する永住権の申請方法のうち、下記の4つは必ずエクスプレスエントリーの登録が必要です。

  • カナダ経験移民
  • 技能移民
  • 技術者移民
  • 州推進移民

また、永住権を申請する方法のうち、カナダ経験移民、技能移民、技術者移民は、申請者の職業が国家職業分類(NOC)の「0」「A」「B」のいずれかに当てはまる場合にのみ申請できます。国家職業分類「0」「A」「B」の職業は、大学卒業資格や専門資格が必要な職業です。

国家職業分類「0」「A」「B」の代表例
  • 調理師
  • 医師
  • 歯科医
  • 看護師
  • 消防士
  • 管理職、マネージャー職
  • 配管や電気の技術者
  • 船長

永住権の申請に必要な英語力は、英語試験IELTSもしくはCELPIPのスコアをCLBという独自の指標に変換して判断されます。本記事では、わかりやすいように、全てIELTSのGeneralスコアで表記し、カナダの永住権を取得する方法を紹介していきます。

カナダ経験移民(Canadian Experience Class)

カナダ経験移住は、過去3年間で12ヶ月以上のカナダ労働経験がある方が申請できます。カナダで働いて永住権を取得したい方にオススメです。

申請条件
  • 一定以上の英語力があること(IELTSスコア5もしくは7以上 ※職業により変化)
  • 過去3年間で12ヶ月以上のカナダ労働経験がある方
  • 資格や技術が必要な仕事を行う方
  • ケベック州以外に住む予定がある方

カナダ労働経験は、フルタイムもしくはパートタイムで合計1,560時間以上が必要です。ただし、学生期間中の労働経験は労働時間に含まれません。

カナダ経験移民は学歴がなくても申請できます。カナダの認定機関で外国人教育を受けている場合、卒業証書があれば永住権の選定で有利になり、永住権の招待状が届きやすくなります。

技能移民(Federal Skilled Worker Program)

技能移民は、カナダ以外の国で1年以上の労働経験がある方が申請できます。日本で労働経験があり、資格や技術が必要な職業の方にオススメです。

申請条件
  • 一定以上の英語力がある方(IELTSスコア7以上)
  • 資格や技術が必要な仕事を行う方
  • 過去10年間で1年以上の労働経験がある方
  • カナダで生活する十分な資金がある方
  • ケベック州以外に住む予定がある方

技術者移民(Federal Skilled Trades Program)

技術者移民は、技能移民よりも1年間長い労働経験が必要で、職業もさらに限られます。労働経験の条件が厳しい代わりに、技能移民よりも求められる英語力が低いのが特徴です。

申請できる職業に当てはまり、英語が苦手な人にオススメです。

申請条件
  • 一定以上の英語力がある方(IELTSスコア5以上)
  • 資格や技術が必要な仕事を行う方
  • 過去5年間で2年以上の労働経験がある方
  • ケベック州以外に住む予定がある方
申請できる職業
  • 電気、建設業
  • メンテナンス、設備運転の技術者
  • 天然資源、農業関係の技術者
  • 加工や製造の監督者
  • 調理師
  • 肉屋、パン屋

州推進移民(Provincial Nominee Program)

州推進移民は、カナダの各州が必要な人材を集めるためにおこなうプログラムです。州推進移民で永住権を取得した場合、申請した州に移住する必要があります。

申請条件は州によって異なるため、移住したい州の公式サイトを確認しましょう。

家族移民(Family Class, Family Sponsorship)

家族移民は、カナダに在住権を持つ配偶者や家族がいる方が申請できます。カナダ人と結婚した方は、家族移住で永住権を取得できます。

家族移民を申請するには、カナダ在住者側と日本人側がそれぞれ以下の条件を満たすことが必要です。

カナダ在住者側の条件
  • 18歳以上
  • カナダ永住者であること
  • 障害以外の理由で社会扶助を受けていないこと
  • 扶養家族との生活に不自由ない収入があること

永住権を取得する日本人側は、下記いずれかに該当する必要があります。

日本人側(永住権を取得する側)の条件
  • カナダ在住者の配偶者、扶養家族、両親、祖父母、その他親族であること
  • パートナーと1年以上同棲した方(事実婚)
  • パートナーと正当な理由で同棲しておらず夫婦関係にある方(事実婚)

介護者移民(Caregivers)

介護者移民は、カナダの介護資格を持っている方、もしくは家庭託児サービス経験者が申請できます。介護者移民の申請には、過去4年間にカナダで週30時間以上のフルタイム労働経験が24ヶ月必要です。

カナダで看護師やベビーシッターとして働く方にオススメです。

申請条件
  • 一定以上の英語力がある方(IELTSスコア7以上)
  • 過去4年間で2年以上の労働経験がある方
  • カナダの学位、カナダ以外の学位、教育資格のいずれか持っている方
申請が認められる職種
  • 大学院看護師の方
  • 公認看護師の方
  • 施術室で働く方
  • その他の看護資格が必要な職種の方

カナダの家庭託児サービス経験が2年以上ある方は、託児クラス(Caring for Children Class)として永住権の申請ができます。託児クラスで申請する場合、上記の職種である必要はありませんが、カナダの大学やカレッジの学位証明、もしくは教育資格が必要です。

ビジネス移民(Business Class)

ビジネス移民は、カナダの経済に貢献できると判断された方が申請できる方法です。農場を営む予定の方、もしくは世界レベルのアスリートやアーティストとして活躍する方が永住権を取得できます。

英語力がなくても申請できます。申請すると下記の項目を評価され、承認されるとカナダ永住権を取得できます。

  • 経験・経歴
  • 年齢
  • 英語力
  • 適応性

永住権の申請費用

カナダ永住権の申請費用は、$1,040(約9万円)です。ただし、ビジネス移住の場合は、$1,540(約13万円)です。

申請に必要な書類発行費用は約$600(約5万円)かかります。永住権の申請費用と合わせると、約$1,640(約14万円)、ビジネス移住の場合は約$2,140(18万円)かかります。

申請方法永住権の申請費用(カナダドル)
カナダ経験移民(Canadian Experience Class)$1,040
技能移民(Federal Skilled Worker Program)$1,040
技術者移民(Federal Skilled Trades Program)$1,040
州推進移民(Provincial Nominee Program)$1,040
家族移民(Family Class, Family Sponsorship)$1,040
介護者移民(Caregivers)$1,040
ビジネス移民(Business Class)$1,540

提出書類の例

提出書類発行費用
戸籍謄本約$40
戸籍謄本の英訳約$160
無犯罪経歴証明書約$40
健康診断書約$300
証明写真約$30

※提出書類は州によって変わります。書類発行費用は目安です。

永住権を取得するメリット

永住権を取得するメリット

政府の語学学校が無料

カナダは海外からの移住者が多いため、政府が移住者向けの語学学校を設立しています。カナダの永住権を取得すると、政府の語学学校で英語とフランス語を無料で学べます。

政府がおこなう語学授業は、政府が設立した語学学校の英会話教室、大学やカレッジの英語授業があります。語学学校の授業内容は初級、中級、上級とクラスが分かれていて、自分の語学力に合ったクラスで学べます。

大学やカレッジの学費が安くなる

カナダの大学は、カナダ市民よりも留学生の授業料が高く、大学によってはカナダ市民の5倍以上の授業料になることもあるそうです。カナダの永住権を取得すると、カナダ市民と同じ授業料で大学に通えます。

また、カナダの永住権があると、カナダ政府の奨学金を金利無料で受けられます。

医療費が無料になる

カナダは医療制度が充実していて、永住権があると入院費や手術費が無料です。妊娠中の検診や出産費も無料になります。ただし、歯医者や処方された薬にはお金がかかります。

カナダ市民以外が病院に通うと医療費は高額で、たとえば盲腸の手術をした場合は約150万円かかります。そのため永住権を取得しない場合は、保険に加入しなければいけません。

カナダの保険会社が提供する保険に加入すると年間5万円以上、日本の保険会社は年間10万円以上かかります。長期滞在すると毎年保険料がかかるため、永住権を取得して医療費を無料にするメリットは大きいです。

労働時間の制限がなくなる

カナダの永住権があると、労働時間の制限がなくなります。また、就労ビザは働ける期間が決まっていますが、永住権があれば就労期間を気にする必要もありません。

まとめ

永住権を取得する方法はいくつかありますが、国際結婚で移住する方以外は、仕事の技術や資格、カナダでの労働経験が必要です。また、求められる英語レベルも高いため、永住権を申請する前にしっかりと英語学習をしましょう。

医療費無料や労働時間の制限なしなど、永住権を取得後のメリットは多いです。カナダで就労経験がある方、長期間カナダで暮らす予定のある方は、永住権を取得することをオススメします。