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Martin Luther King Jr. Dayとは?アメリカの祝日事情

Martin Luther King Jr. Dayとは?アメリカの祝日事情

「Martin Luther King Jr. Day」というアメリカの祝日を聞いたことがありますか?

1983年、アメリカで毎年1月の第3月曜日を Martin Luther King Jr. Day(マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの日/キング牧師記念日)という祝日にする法案が可決されました。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)という名前は、彼の有名な演説 I Have a Dream「私には夢がある」と一緒に学校の教科書で習ったことを覚えている人もいることでしょう。

今回は、1950年代から1960年代のアメリカで広がった公民権運動のリーダー、キング牧師を称えるアメリカの祝日 Martin Luther King Jr. Day についてご紹介していきます!

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとは?

画像出典:@unseenhistories on Unsplash

日本では「キング牧師」としても知られるMartin Luther King Jr.(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)は、1929年1月15日アメリカ南部ジョージア州・アトランタに生まれました。

「非暴力主義」でインドの独立を導いたマハトマ・ガンジーの手法に倣い、ボイコットなどの手法を使って人種差別に非暴力で抵抗したリーダーであり、1950~1960年代にアメリカに広がった公民権運動の中心的人物です。

公民権運動とは、アフリカ系アメリカ人の公民権要求と人種差別撤廃を求めた動きで、英語では Civil Rights Movement といいます。

1964年にはノーベル平和賞を受賞したキング牧師は、その4年後、1968年4月4日に遊説先のテネシー州メンフィスで白人男性に暗殺されました。39歳でした。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの日

キング牧師の誕生日である1月15日に近い、1月第3月曜日が Martin Luther King Jr. Day(マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの日/キング牧師記念日)です。

1983年、キング牧師の功績を称え、その生誕を記念する祝日を制定する法案がレーガン大統領政権下で可決・署名されました(初回の祝日実施は1986年)。暗殺から15年後のことです。

1994年にはクリントン大統領政権下で King Holiday and Service Act(キング牧師記念日と奉仕活動法)が制定され、“A Day On, Not A Day Off(休む日ではなく活動する日)” というスローガンのもと、キング牧師記念日はボランティアや募金活動などで地域のためにアクションを起こす日となりました。

なお、クリントン大統領は自分の人生で影響を受けたことの一つとして、ティーンエージャーだったときにテレビでキング牧師の I Have a Dream のスピーチを見たことと語っています。

祝日となるまでの長い道のり

キング牧師の誕生日を祝日にしようという声が上がったのはキング牧師の暗殺直後でしたが、法案の可決までには幾度もの否決と妨害がありました。

ミュージシャンのスティーヴィー・ワンダーやキング牧師の妻コレッタ・スコット・キングなどによる数年がかりのキャンペーンの末、600万もの署名とともに法案の可決に至ったのは1983年でしたが、アメリカ50州すべてにおいて Martin Luther King Jr. Day という名の祝日ができたのは、さらに17年後の2000年のことです。

ちなみに、アメリカの連邦休日のなかで個人を称える祝日は、Martin Luther King Jr. Day のほかにはアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの誕生日を祝う「ワシントン誕生日/Washington's Birthday」(2月の第3月曜日)と、クリストファー・コロンブスのアメリカ大陸発見を記念する「コロンブスの日/Columbus Day」(10月第2月曜日)しかありません。

キング牧師にまつわるメディア

2014年の映画『グローリー/明日への行進(原題 Selma)』には、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが率いた非暴力を貫く抵抗の様子が描かれています。

この時代の世相を知るのに役立つ映画は他にもたくさんあるので、興味のある人は探してみるとよいでしょう。

音楽では、スティーヴィー・ワンダーの『ハッピー・バースデイ(Happy Birthday)』はキング牧師記念日の制定を実現するためのキャンペーンソングとして生まれたというエピソードがあります。

また、レニー・クラヴィッツやリンキン・パークなど、キング牧師のスピーチ音源や映像を作品に使ったアーティストたちがいます。

あるいは、Think different というスローガンを掲げた1990年代のアップルコンピュータ社(現アップル社)の印象深い CM を覚えている人もいるかもしれませんね。スティーブ・ジョブスが手掛けたこのCMでは「世界を変えた人たち=Crazy Ones」が次々と現れます。もちろん、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアも登場しました。

世界の出来事に興味を持とう

非暴力を貫いてアメリカ公民権運動をリードしたキング牧師の功績を称えるアメリカの祝日についてご案内しました。

かねてからアフリカ系アメリカ人への差別が公然と行われていたアメリカで差別反対の大きなうねりが起きたのは、1950年代から1960年代にかけてです。

当時から続くクー・クラックス・クラン(KKK)など白人至上主義者たちの暴力的ふるまいは、つい数年前に高まったBLM運動にも繋がっています。

映画や本などで知識を得たあとは、ニュースの見方も違ったものになるかもしれません。

みなさんも、日頃から世界の出来事やニュースに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。