アメリカ南部の特徴的な英語を徹底解説!南部特有のスラングも

南部英語

アメリカ南部が場所設定されている映画やドラマ、もしくは南部出身の歌手の曲などでおそらく聞いたことがあるであろう「Southern English(南部英語)」

アメリカは広いため、東西南北で発音やなまり、さらには言葉や言い回しなどが変わるのです。

今回は、ちょっと特徴的で、なまりが強い南部英語について徹底解説していきます!

アメリカ南部とは?

西部、東部、南部、中西部に分けられたアメリカの地図

米国連邦政府の定義では、アメリカの南部には以下の州が含まれます(上記の画像の赤い部分です)。

  1. Alabama|アラバマ
  2. Arkansas|アーカンソー
  3. Delaware|デラウェア
  4. The District of Columbia (Washington, D.C.)|コロンビア特別区
  5. Florida|フロリダ
  6. Georgia|ジョージア
  7. Kentucky|ケンタッキー
  8. Louisiana|ルイジアナ
  9. Maryland|メリーランド
  10. Mississippi|ミシシッピ
  11. North Carolina|ノースカロライナ
  12. Oklahoma|オクラホマ
  13. South Carolina|サウスカロライナ
  14. Tennessee|テネシー
  15. Texas|テキサス
  16. Virgina|バージニア
  17. West Virginia|ウエストバージニア

このなかでも、South Atlantic(南大西洋)、East South Central(東南中部)、そして West South Central(西南中部)に分かれています。

ここでちょっとした豆知識ですが、南部自体のことを指すニックネームがあるということをご存じですか?

たとえば、Dixie(ディクシー)というあだ名があります。これは、かつてフランスに属していたルイジアナ州から来たものです。当時は10ドル札にフランス語の dix (10) が書かれていたことから、このように呼ばれるようになったのです。Dixie Land と呼ばれることもあります。

また、South of the Mason-Dixon line(メイソン・ディクソンラインの南)というフレーズも耳にするかもしれません。これは、南北戦争で対立したメリーランド州とペンシルベニア州の境界線に由来するあだ名です。

さらに、the Bible Belt(バイブル・ベルト)という名称もあります。「福音派プロテスタント」というキリスト教の宗派が社会と政治において特に強い役割を担っている地域のことを指し、住民も一般的に社会に対して保守的であり、そして他の地域の人々よりも教会への出席率が高い傾向があるのです。

南部英語の歴史と主な特徴

アメリカの旗の前でギターを弾く南部の男性

アメリカ南部の英語は Southern American English(以下SAE)と呼ばれています。

SAEが発展した背景には移民、奴隷制度、西方拡大、都市の発展などがあり、このような要素が人々の話し方に影響を与えたのです。

SAEの特徴は主に北イングランドと強いつながりがありますが、上記の要因などの影響によって大きく変化してきました。

もちろん南部のなかでも地域によってバリエーションはありますが、基本的な特徴は以下の通りです。

アクセント(強勢)の配置

一般的に話されている英語では、ある程度言葉の発音というのは決まっていますよね。たとえば、police(警察)だったら「ポ・リース」と、リースの部分を伸ばして発音するのが一般的かと思います。

しかし、南部では「リース」のところに強勢を置くのではなく、「ポー」のほうを強く発音する特徴があります。つまり、「ポー・リス」という発音になるのです。

伸びる母音

アメリカ南部英語の2つ目の大きな特徴は、the Southern drawl と呼ばれるものです。基本的に、これはゆっくりとした話し方と伸びる母音を意味します。

たとえば、bed という単語だったら普段は「ベッド」と発音しますが、南部では e が伸びるため「ベイエッド」のような発音になります。

-ng を削る

南部英語には、doing、drinking、eating などの単語の最後の -ng の音を発音しないという特徴もあります。

たとえば歌詞などで、doing が doin’ と記載されたり、drinking が drinkin’ と記載されることがありますよね。これと一緒です!

アメリカ・テネシー州出身のカントリー歌手Dolly Partonの曲名も、loving を lovin’ と表記していますね。他にも、burning が burnin’ と記載されたり、blowing が blowin’ となっている曲もありますよ。

e の発音が i になる

Get という単語は、カタカナで表記すると「ゲット」ですよね。しかし、この単語の発音が「git(ギット)」になる地域が南部にはあります。

r を発音しない

イギリス英語と少し似ていて、car や far の最後の r をはっきりと発音しない特徴があります。

一般的なアメリカ英語では、-er や -ar という音を発音するとき、舌を巻きますよね。南部では、巻かずに「アー」と伸ばすことが多いようです!

「アイ」が「アァ」になる

最後の特徴は、アルファベットの I(アイ)が「アァ」と発音されることです。

たとえば、pie(パイ)は「パァ」、my(マイ)は「マァ」、like(ライク)は「ラァク」になるということです。

南部特有のスラング・表現

南部カウボーイ

bubba/sissy

南部では兄弟のことを brother/sister というよりも bubba/sissy と表現することが多いそうです。実際に血がつながっていなくてもこの愛称で呼ぶこともありますよ。

That’s not my friend; that’s my sissy.
「それは友達ではなく、姉(妹)だよ」

また、sissy という言葉は「女々しい」男性や、臆病者のことを指す蔑称として使われることがあるため、使い方には少し気をつけなければいけません。もちろん「姉妹」に対して用いる分には問題ありません!

buggy

これはスーパーなどにある「ショッピングカート」を意味します。

Go grab us a buggy, will ya?
「ショッピングカートを持って来てくれないか?」
※ya は you の砕けた言い方です。

cattywampus/catawampus

Cattywampus は「斜めっている」「曲がった」という意味を持つ言葉です。また、「散らかった」や「調子が悪い」というさまざまな意味合いで使うこともできます。

Everything is just cattywampus today.
「今日はなんだかすべてがうまくいかないよ」
The paintings are catawampus.
「絵が斜めっているよ」

commode

Commode という言葉は、南部では「トイレ・お手洗い」を指します。

Excuse me while I go to the commode.
「トイレに行くので失礼します」

hold your horses

これは「ちょっと待って!」や「お待ち!」を意味するフレーズです。もともとは文字通りの意味で、馬にスピードを落とせと命令するときに使われていたそうですよ! 今では、南部だけでなく全国で使われています。

Whoa, hold your horses! There’s no need to rush.
「おっと、ちょっと待ってくれ! 急ぐ必要はないよ」

hush up

「Shut up!」の代わりに使われる表現です。南部出身でなくても「hush」を使うことがありますが、一般的には shut up の方が広く使われていますね。

Kids, hush up while your teacher is talking.
「子供たちよ、先生が話している間は静かにしていなさい」

mawmaw/pawpaw

「おばあちゃん」と「おじいちゃん」を指します。Meemaw/peepaw と表記するところもあります。

I’m going to visit my meemaw tomorrow.
「明日はおばあちゃんに会いに行くよ」

y’all

これはみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。You + all を省略した言い方で、南部では広く使われています。

Howdy, y’all!
「やあ、みんな!」
※Howdyも南部で使われる典型的な挨拶です。
Y’all need to sit up straight while you eat.
「みんな、食べるときは姿勢をよくして」

南部英語が聞き取れる洋画3選

最後に、せっかく南部英語の特徴やスラングを知っていただいたので、実際にそれを聞き取れる洋画を3つご紹介します!

Forrest Gump|フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)

トム・ハンクス主演の名作ですね。

この映画の舞台はアメリカのジョージア州とアラバマ州ですが、実際の撮影地はサウスカロライナ州がほとんどだったそうです。

ここでフォレスト・ガンプがただ話しているだけのシーンを、アクセントに注目しながら見てみましょう!

やはり r の発音が特徴的ですね。School という単語も「スクール」ではなく「スクゥ」のように聞こえるかと思います。

ちなみに、アメリカには Bubba Gump(ババガンプ)というシーフードのチェーン店があるのですが、この映画の登場人物である Benjamin Buford Bubba Blue と Forrest Gump にちなんで名づけられた店です。

日本にも、東京と大阪に店舗があります。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?

The Help|​​ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011)

これは、1960年代のアメリカの人種差別をテーマにした映画です。

舞台は南部・ミシシッピ州。エマ・ストーンが演じるスキーターという名前のジャーナリストが、黒人であるメイドたちの視点から本を書き、白人家庭で働く彼女らが直面する人種差別を暴露することを計画するお話です。

ちなみに、the help という表現は「お手伝いさん=メイド」を指します。

では、「The Help」からのワンシーンを見てみましょう。

よく聞くと、「I(アイ)」が「アァ」と伸ばされていたり、「like(ライク)」が「ラァク」と発音されていることがわかりますね!

Steel Magnolias|マグノリアの花たち(1989)

南部といえばの映画「Steel Magnolias」もぜひ見ていただきたい作品のひとつです! 

実話をもとにしたこの映画は、1980年代のルイジアナ州を舞台に、女性の友情や苦しみ、そして強さを描いています。南部出身でもあるジュリア・ロバーツの発音に注目しながらワンシーンを見てみましょう。

ここでは、ever が「エヴァ」、for が「フォ」のように発音されているのに気づくかと思います。Baby も「ベイビー」ではなく「ベェービー」と、母音を伸ばしていますね!

まとめ

世界には、イギリス英語、アメリカ英語、そしてオーストラリア英語など、さまざまな種類の英語があります。そしてどの国でも「地域」ならではの特徴や喋り方もあります!

今回はアメリカ英語のなかでも特徴的な「南部の英語」についてご紹介しました。

ぜひ、アメリカ南部を訪れる機会があれば、発音や表現に注目してみてください。筆者は10年間アメリカに住んでいましたが、南部には行ったことがありません。でも行ってみたい地域のひとつではあります。

そしてDMM英会話を通して、実際にアメリカ南部出身の講師と話してみるのも面白いかもしれませんね! ぜひお話しする機会があれば、南部特有のスラングや表現を教えてもらってみてはいかがでしょうか?