DMM英会話ブログ編集部
(更新)
カナダの留学校を探していて「ESL」という言葉を目にした方も多いと思います。
ESLとは、English as a Second Language の略語で、英語を母国語としていない方が第二言語として英語を学ぶことです。
留学目的に合った学校や受講コースを選ぶために、ESLと語学学校の違い、カナダのESLについて解説します。
一般的に、ESLとは大学やカレッジの留学者向け英語コースのこと。カナダは留学生が多いため、大学やカレッジの多くはESLコースを設けています。大学やカレッジの英語コースは、授業を聴くためのリスニング、レポートを書くための文法、TOEFLスコアを伸ばすための授業など、大学の本科を受講するための英語力アップを目指します。
語学学校とは、日常会話や英語試験対策を学べる私立語学学校のことで、一般英会話、ビジネス英会話、TOEICやTOEFL試験対策など、語学学校には英語を学ぶ目的に応じたコースがあります。
授業料は、私立語学学校の年間授業料が約120万円に対し、大学やカレッジ付属のESLは約150万円と高めです。
大学やカレッジ付属ESLの多くは、受講期間が3ヶ月以上(1学期以上)となっていて短期留学には不向きです。海外の大学進学を目指している方は大学付属ESL、会話力やTOEIC試験対策は語学学校への留学をオススメします。
表:大学付属ESLと私立語学学校の比較
比較項目 | 大学・カレッジ 付属ESL | 私立語学学校 |
---|---|---|
授業内容 | 大学進学を目的とした 総合的な英語学習、文法やTOEFL対策の授業 | 英会話や英語試験対策など生徒の英語学習目的に合わせた授業 |
授業料 | 約150万円 (1年) | 約120万円 (1年) |
留学期間 | 3ヶ月以上の長期留学 | 短期・長期留学どちらも可能 |
ESLコースは、大学やカレッジの本科(学校本来の授業)の受講を目的として英語を学びます。ESLコース受講者は、大学が定めるTOEFLのスコア(90点以上目安)を超えると本科の授業を受けられます。TOEFLのスコアが伸びなければ本科の授業は受けられないため、ESLの授業は語学学校の授業よりも厳しめです。
TOEFLは、リスニング、ライティング、リーディング、スピーキングの4セクションで英語力を測定します。ESLコースでは、TOEFLのスコアを伸ばすため上記4セクションと、本科授業を受けられるように文法、英単語、発音など総合的に学習します。
カナダの大学やカレッジ付属ESLは、1日の授業時間が3時間~7時間です。午前中3時間のみ授業、午前中と午後合わせて7時間授業など、1日の授業時間は学校によって違います。授業内容によって1コマの授業時間は異なり、1コマあたり1時間~1時間半です。ESLコースの授業は月曜~金曜にあり、土日はお休みです。
大学やカレッジ付属ESL入学時、学生の英語レベルを確認するテストがあり、試験の結果でクラスを分けます。初級、中級、上級のようにクラスが分かれていて、初級~中級クラスは文法や英会話を学習します。上級クラスには文法や会話ができる生徒が振り分けられ、レポートの書き方など大学で必要な英語を身に着ける授業がメインです。
日本人は中学や高校で文法をしっかり学ぶため試験の点数は比較的高く、中級や上級のクラスに振り分けられやすいようです。入学時のクラス分けで「中級クラス程度の英語力なのに、上級クラスに振り分けられた」といった場合、先生や大学のカウンセラーに授業のレベルが合わないことを伝えると、クラスを変更してもらえます。
カナダの大学やカレッジは、3ヶ月~4ヶ月が1学期です。大学やカレッジのESLは1学期単位で授業料が必要なため、留学期間は3ヶ月以上になります。
ESLコースは、学期開始時しか入学できません。中途入学はできないため、大学に資料請求をして事前に入学時期をチェックしておきましょう。ESLコース入学から本科生になれる英語力を身に着けるには、入学時の英語力によりますが1年~2年かかります。また、大学進学には学力テストに合格する必要があるため、英語力だけでは進学できません。
本科生になった場合、本科生になったタイミングで大学1年生の扱いとなります。大学進学を希望する方が本科生になるまで仮に2年かかった場合、大学が4年なので合計6年間の留学です。
カナダの大学やカレッジ付属ESLコースは、1学期の授業料が約50万円、1年で150万円~200万円必要です。また、教材費として1年間で約5万円かかります。
食費やホームステイ費は1年間で約100万円です。学生寮に住んだ場合も同等の費用がかかります。カナダへの渡航費は往復で約15万円、娯楽費は約20万円です。
ESLは留学期間が1年以上の長期となることが多く、長期留学では、ケガや病気に遭った際に補償される医療保険に加入するのが一般的です。保険料は1年間で約8万円ほど。大学やカレッジによっては授業料に大学指定の保険料が含まれているため、別途保険に加入する必要はありません。
表:大学・カレッジ付属ESL 1年間留学の費用
項目 | 費用 |
---|---|
授業料 | 約150万円 |
教材費 | 約5万円 |
生活費 (食費・ホームステイ費) | 約100万円 |
渡航費(往復) | 約15万円 |
パスポート・ビザ申請費用 | 約2万円 |
娯楽費・交遊費 | 約20万円 |
医療保険料 | 約8万円 |
合計 | 約300万円 |
大学やカレッジ付属ESLコースに入学すると学生証が発行され、パソコンルーム、Wi-Fi、図書館、カフェなどの大学施設が使えるようになります。また、学生証があると電車やバス、美術館を学割で利用できます。
学生証は身分証明書として使えるため、普段パスポートを持ち歩く必要はなくなります。
大学やカレッジ付属ではない私立語学学校は、政府に認められた学校でフルタイム授業を受けなければ学生証が発行されません。入学すると無条件で学生証が発行されるのは、大学やカレッジ付属ESLのメリットです。
大学やカレッジ付属ESLに入学できるタイミングは3ヶ月~4ヶ月に1度なので、留学する際は早めに資料請求をして入学時期を確認しましょう。大学付属ESLは長期留学者や海外大学進学者向けなので、短期留学をご希望の方は語学学校への留学をオススメします。
語学学校は入学時期を気にする必要がなく、1週間~1ヶ月の短期留学、1年以上の長期留学どちらにも向いています。海外の大学に進学する予定がない方、英語力アップのため留学したい方は語学学校に留学しましょう。