Ayako Inoue
(更新)
年々人気を集めているフィリピン、セブ島への親子留学。
特に夏休みの時期の親子留学は、早期予約が必須になりつつあるほどです。
注目度の高いセブ島への親子留学ですが、セブ島に行ったことが無い場合、食事が合うかどうかは大きな心配事の1つではないでしょうか。
セブ島にはさまざまな語学学校があり、こだわりもそれぞれ。
そこで、実際にセブ島へ子ども2人を連れて親子留学し、そのまま移住した筆者が、親子留学に人気の語学学校のご協力のもと、学校寮の食事や自炊について取材と試食をさせて頂きました。
今回取材にご協力いただいたのはこちらの3校です。
親子留学ライフについて理解を深めて頂けるよう、3校の様子をママ目線でレポートいたします。
まず最初にご紹介するのが、セブシティにほど近いマンダウエ市にあるHowdyです。食事にこだわった学校として有名で、親子(3才から受け入れ可能)からシニアまで幅広い年齢層に人気なのだそう。
ちょうど見学にうかがった時は朝食の時間で、たくさんの生徒さんが食事を楽しまれていました。
校舎の1階に、語学学校とは思えないほどお洒落ななHowdyカフェがあり、朝食はビュッフェスタイルで提供されます。日本人の感覚に合う野菜の多い料理が並び、フィリピンにいることを忘れてしまいそうになるほど。
毎朝カウンターには生野菜、卵料理、ハム&ソーセージ、和食、ご飯、お味噌汁、パン、フルーツなどがバランスよく並びます。そんな中でも子どもが一番に飛びつきそうなのが、朝スイーツ。
見学した日はかわいいチョコレートがけのドーナツが用意されていました。
ドーナツは見た目だけでなく味も美味しく、秘訣をお聞きしたところ、日本人シェフが率いるスタッフが早朝から手作りしているとのこと。フレッシュフルーツを使った朝シェイクもあるので、朝からしっかりと栄養をチャージし、英語学習に備えられる環境です。
学校担当者さんからも、今までされてきた食事の取り組みに関するお話がどんどんと飛び出し、学校スタッフが高い関心を持って日々の食事作りを進化させている様子が伝わってきました。
Howdyの親子留学プランには3食含まれているので、栄養たっぷりの美味しいごはんが、快適なセブ島ライフをサポートしてくれること間違いなしです!
ビュッフェスタイルの良いところは、子ども自ら食べたいものを選ぶことができる点。和食と洋食のどちらも提供している学校なら、日本で食べ慣れた朝食に合わせることができます。
しかし、ビュッフェスタイルには難点もあります。これは日本のレストランでも同様ですが、子どもの身長によってはカウンターが高くて食べ物が見えないことがあることです。それでも、自分で選べると子どもの食べる意欲が格段に高まりますから、お子さんを抱っこしつつ一緒に食事選びを楽しんでくださいね!
次にご紹介するのは、親子留学で4歳から受け入れ可能なFirst Englishです。
ちょうど昼食の時間に訪問しましたが、ロコモコ丼定食を食べながら生徒さんが談笑していて、食堂は和気あいあいと楽しそうな雰囲気に包まれていました。食堂内は広く、好きな席で気の合う留学仲間と時間を過ごすことができます。
First Englishでは、セットメニューが提供されており、ぱっと受け取ってすぐ食べられるので、効率的な印象を受けました。温かいスープについては、スタッフさんが席まで運んできてくれます。
学生さんはそれぞれカードを1枚持っており、こちらを使って毎食後、料理の評価を◎〇△×の4つのボックスの一つに投票しているのだそう。この投票結果は生徒さんからのフィードバックとして即座に集計され、スタッフ間で共有されます。
満足度が低いものがあった場合はすぐにスタッフがキッチンに確認し、原因を究明。それ以降のメニュー開発に即座に活かす仕組みを作っており、管理が行き届いている印象を受けました。
またお昼休みの時間が長くとられているため、食後に部屋でゆっくりしてから、午後のクラスに備えることができ、生徒さんからはのびのびとした印象を受けました。
特に親子留学の場合は、お昼ごはんに長く時間がかかってしまうこともあるかもしれません。そんな時も子どもを急かす必要もありませんし、敷地の広いFirst Englishなら、子どもが食後に体を動かして遊ぶこともできます。また、もちろん部屋で軽くお昼寝することもできますので、お子さんに合わせてお昼休みを活用できそうです。
夏休みにFirst Englishへ通い始めて2年目のママに、食事についてお話をうかがったところ、一番ありがたいのは、お米に安心感があるとのことでした。確かに、フィリピンのお米は長細くぱさっとしていますが、First Englishでは丸い日本のお米とよく似た白米が提供されていました。
お昼休みが始まると同時に、食堂には多くの生徒が集まるもの。そんな中でも、さっと受け取って食事をはじめられるのは、お腹の空いたお子さんがいる親御さんには嬉しいところです。
また、お子さんにはかわいいキッズプレートが用意されており、親子留学で人気がある理由がうかがえました。
先に登場したリピーターのママは、お子さんのお気に入りのふりかけやとんかつソースなどを日本から持参し、よりお子さんが楽しく食べられるように工夫されていました。
3歳以下のお子さんをお連れの場合、First Englishではベビーシッターサービスを提供しています(先述の通り、授業を受けらえるのは4歳からです)。お子さんは学内にあるガラス張りのキッズルームで楽しく遊べますので、親御さんは安心して英語を学ぶことができます。昼食はお子さんと一緒に食事をとることができるので、子どもの様子を知ることができ安心ですよ。
最後にご紹介するのが、セブ市内の高級ホテルと同じ敷地内で運営されているBrilliant Cebuのマルコポーロプランです。
マルコポーロプランは、Brilliant Cebuが親子留学のためにプロデュースしたプランで、滞在先はキッチンや冷蔵庫完備のマルコポーロレジデンスというコンドミニアム。朝食は学校スタッフがお弁当に詰めて届けてくれ、昼食は主に日本料理のお弁当、夕食は自炊というスタイルをとっています。
いきなり、土地勘もない場所で自炊ってどうなの?と不安になる方もいらっしゃるのではないかと思いお聞きしてみたところ、一切の心配は無用とのこと。
その秘訣は、学校のカリキュラムにありました。
こちらのプランでは、子どもは午前中にマンツーマンレッスンを4コマ受けた後、午後からはマルコポーロレジデンス内で先生と4コマのアクティビティを楽しみます。
親御さんも同様にマンツーマンレッスンを午後まで受講しますが、授業終了後も子どもはまだ先生とアクティビティを楽しんでいるので、大人には実質2時間のフリータイムが用意されています。
このタイミングでタクシー(初乗り運賃90円程度)に乗って、近くのショッピングモールまで食材の買い出しに行ったり、子どもに邪魔されることなく夕食を作ることができます。そんな訳で、時間をうまく利用して自炊される方が多いのだそう。
また、見学にうかがった日にはホテルのSPAへマッサージに行かれているママもいらっしゃり、2時間のフリータイムをそれぞれに有効活用されているようでした。子どもが英語を学んでいるという満足感と、先生にお任せしている安心感を持って、大人が家事や自分磨きの時間を持てる時間がBrilliant Cebuにはあります。
「今日は夕食を作りたくないな」という日には、ホテルのレストランやルームサービスを利用したり、フードデリバリーを利用することができるので、ママ・パパのフォロー体制も万全。
食事に関する懸念点でも、特に食物アレルギーのために、留学に二の足を踏まれている方もいるかもしれません。
しかし、Brilliant Cebuでは食物アレルギーのお子さんも受け入れた実績があり、親御さんと連携してお子さんの快適なセブ留学ライフのサポートもしてくださるそうです。これも、自炊のできるキッチンがあるからこそできることかもしれません。
Brilliant Cebuのマルコポーロプランでは、お子さんが2歳以下の場合は親御さんと一緒に勉強をすることが可能です。
また、3~10歳までは子ども料金の設定があり、コンドミニアム滞在のみ(英語学習無し)のプランもありますので、おじいちゃんやおばあちゃんも連れて3世代留学にも対応可能です。
自炊の最大の楽しさは、地元のスーパーで買った野菜やお肉、魚介類を使って異文化を知ることができる点です(アクティビティを切り上げて子どもと一緒にスーパーにお買い物も可能)。また、慣れない食事が続くと疲れてしまうこともありますから、日本から持ち込んだ食材でいつもの味を楽しめるところも、自炊の安心できるポイントです。
肉は豚肉や鶏肉が主流で、骨付きの物が多いですが、豚ひき肉や鶏肉の手羽元は手に入ります。また、鶏むね肉であれば骨なしのものがあり調理がしやすく、お子さんにも食べやすいでしょう。豚肉の薄切り肉もまれに見かけますが、基本的にはブロック状か骨付きになるので、ブロック肉で煮豚を作って、当日はスライスした煮豚を、翌日はチャーハンに入れて使いまわすのもおすすめです。
あまりにも肉が大きすぎる時は、「半分だけ買いたい」と伝えればカットも対応してくれます。特に豚肉の値段は日本と比べるとお得感がありますので、豚丼や焼肉定食を思う存分楽しむのもよさそうです。
魚はエビとイカ以外は見慣れない魚が多いですが、食べたい場合はどうやって食べるのがおすすめなのかをお店の人に聞いて、チャレンジしてみてくださいね。
我が家はよく、塩で下味をつけた魚を少量の油で揚げて、カラマンシーというすだちのような柑橘類をしぼって食べますが、子どもの好きなメニューの1つです。
野菜はなす、キャベツ、白菜、人参、じゃかいも、玉ねぎ、きゅうり、オクラ、かぼちゃなど基本的なものは日本と同じようにそろっていますが、日本よりも種類が少ない印象です。調味料は醤油、酢は販売されていますし、しょうがやニンニクは野菜売り場の片隅で見つけることができます。
フルーツはマンゴーやバナナ、パイナップルなど日本でおなじみのフルーツをはじめ、ドリアン、ドラゴンフルーツなど様々なフルーツが季節によって出そろいます。日本では見かけない南国フルーツにもぜひチャレンジしてみてくださいね。
自炊は、人に作ってもらって洗い物もしなくて良い環境とは異なりますが、体調や気分に合わせてメニューを決めることができる点と、好きな時間に家族と食事をとることができる、自由度の高さが魅力です。
疲れてしまったら、たまには外食も楽しんでみてくださいね。
実際に学校の食事風景を見学させて頂く中で感じたことは、学生一人一人が楽しそうに食事の時間を過ごしていること。
慣れないセブ島での生活でありながらも、気の配られた食事、仲間との出会いや英語の学習を通じて、小さなお子さんから大人までいきいきと留学生活を楽しまれている様子が伝わってきました。
また、担当者さんから伺ったお話からは、良いものを提供しようとする工夫が各校から伝わってきました。
今回は、親子留学に人気のHowdyにはビュッフェ式の朝食を、First Englishにはセットメニューの昼食を、Brilliant Cebuには自炊について取材をさせていただき、それぞれの特徴をまとめました。
学校によって、食事の提供形態はそれぞれです。
また、朝食・昼食・夕食によって、食事の提供スタイルの変わる学校もあります。(例 朝:ビュッフェ形式 昼:セットされた食事 夜:メニューからオーダーできるレストラン形式など)
学校を決める時にはさらっと流してしまいがちな食事ですが、実際に生活するとなると食事はとても重要です。
気になる学校を見つけたら、食事についてもぜひチェックしてみてくださいね。
この記事を参考にご自身にあった学校を見つける足がかりにしていただけると幸いです。