Doga
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こんにちは。
トロント在住のDoga(@DogadogaTv)です。
カナダに滞在したことがある人であれば一度は耳にするであろう地名「ハリファックス」。カナダの東に位置するノバスコシア州の州都で、カナダ国内では観光地としても人気のある街です。また、18世紀に初めてイギリス人が入植して築いた場所で、カナダにとっては大変歴史ある街。
では一体どんな雰囲気を持つ街なのでしょうか?
留学先として、日本人に人気のトロントやバンクーバーと比較するとどういった魅力があるのでしょう?
今回は、知られざるハリファックスの魅力についてご紹介します。
ハリファックスの人口は約40万人。ヨーロッパに近い東海岸に位置していることもあり、18世紀にイギリスから初めて入植者がやってきた街としても知られています。街の中には多くの歴史的建造物が立ち並び、風情が漂っています。また、大西洋に面しているため漁業が盛んで、カナダでは一番大きな港(世界では二番目に大きい)としても知られています。カナダの西バンクーバーも、一部港町として知られていますが、さらにその上をいく規模だということですね。
特に「ウォーターフロント」というエリアは観光客で賑わうエリアで、イギリス風のパブが軒を連ねています。「アレキサンダー・キース」をはじめとするビール醸造所もたくさんありますので、ビール好きにはたまらない街と言えるでしょう。また、新鮮なシーフードを食べられるお店も多く、本場のフィッシュ&チップスやクラムチャウダースープが楽しめますよ!
ハリファックスの中でも特に観光地として有名なのが、入植当時にフランス軍から身を守るためにイギリス軍が作った要塞の跡「ハリファックスシタデル」(国定史跡)。正午には兵士が空砲をならすセレモニーを行っており、周囲にはバグパイプの音色が響いています。
この要塞跡は上空から見ると、8つの頂点をもつ星型のようになっています。実は北海道の函館はハリファックスと姉妹都市の関係にあり、函館にある「五稜郭」の形がシタデルに似ていることもそのきっかけの一つになったそうですよ。この丘の上のシタデルから見下ろすダウンタウンの景色は、なかなか見応えがあります。
別の州とはなりますが、L・M・モンゴメリの有名な小説『赤毛のアン』の舞台ともなった「プリンスエドワード島」も、車で約3時間半で行ける人気の観光地です。物語の中で語られる情景と比較しながら各地を回ってみると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんよ!
また、プリンスエドワード島は新鮮で美味しいロブスターやムール貝が食べられることでも有名ですので、ハリファックスにきた際にはぜひプリンスエドワード島へ足を運んでみることをお勧めします。特に、まる茹でしたロブスターは試してみる価値ありです。
出典: Wikipedia
ハリファックスの気温は年間を通じで大変過ごしやすく、カナダの内陸部に比べれば温暖です。
夏は涼しく快適に過ごせるのが特徴。また、トロントに比べると冬の積雪はそれほど厳しくありませんが、稀にやってくる「スノーストーム」という現象は有名です。短時間で大量の雪が降り、一瞬で街が雪化粧したような景色となるため、初めての人は驚くかもしれませんね。ただ、もちろん建物の中はしっかりと防寒管理がされているので安心してください。
ハリファックスは英語留学という観点でも最適な街です。近年少しずつ増えてはきているものの、ハリファックスはカナダの中でもまだ移民がそれほど多い都市ではありません。2011年の記録でも、ハリファックス人口のうち移民の比率はたったの8%ほどで、人口のほぼ半分が別の国を出自とする人たちで占めるトロントのような大都市に比べると、また違った様相をもっています。
逆の言い方をすれば、ハリファックスにはネイティブの「カナダ人」が多いという意味でもあります。移民の人たちが話す英語は多少母国の訛りをもってしまうのですが、ハリファックスの人たちが話す英語は比較的クリアで聞き取りやすい印象です。綺麗な英語を学びたい人にとっては助かるかもしれませんね。
また、日本人留学生もそれほど多くはなく、自ずと英語を話さなければいけない環境に身を置くことになるはずなので、集中的に英語に没入したい人にはお勧めです。学校の数はバンクーバーやトロントに比べて少なめですが、その分学校選びに費やす時間も削減できるのではないでしょうか。
ちなみに、移民が少ないといえど、街の人たちは温かく、フレンドリーな人が多いため、英語の不慣れな人にも優しく接してくれるはず。また、ダルハウジー大学をはじめとする有名な教育機関もあるため、ハリファックスには現地の学生も多いですよ。
最後に、ハリファックスは観光地としても、留学地としても素晴らしい街ですが、ハリファックスを語る上で避けては通れないのが「ハリファックス大爆発」と呼ばれる大事故についてです。1917年、軍用火薬を積んだフランス軍の貨物船とノルウェーの貨物船が衝突し、2600トンの火薬類に引火、波止場に流れ着いた船が大爆発を起こしました。この大爆発は世界でもよく知られており、火薬による爆発としては世界最大級なのだそうです。
当時2000人ほどが死亡し、負傷者も9000人にのぼるほどの大災害となり、街の半分ほどが廃墟と化してしまったほど。その後復旧が進み、今ではこうして立派に発展した街となりましたが、今でも歴史的に重要な出来事として記憶されています。街にある「大西洋海洋博物館」に行くと、この事故についての貴重な展示物を見ることも可能です。
「ハリファックス」は日本人にとってはあまり馴染みのない街かもしれませんが、カナダを訪れる機会のある人であれば、ぜひ足を運びたい街の一つです。
特に、新鮮なシーフード、美味しい地ビール、カナダの古い歴史を感じられる要塞跡、日本人にも馴染みのあるプリンスエドワード島など、たくさんの魅力で溢れています。
また、移民や日本人も少なく、綺麗なネイティブの英語を学べるという点では、留学先としても大変お勧めです。トロントやバンクーバーといった都市とはまた異なる雰囲気を味わえる、素敵な街だと感じるはずですよ!