DMM英会話ブログ編集部
(更新)
「留学先の学校に日本人が多いと、きっと日本人同士で固まってしまう」
「日本人が少ない学校に行けば、否が応でも他国の学生と英語を話すことになる。英語力もより伸びるだろう」
そう考えて「日本人が少ない学校」を選ぶ留学生は、実際に多くいるようです。また「日本人が少ないこと」を明確な強みとして打ち出している語学学校もあります。ストイックに英語力を伸ばそうとする姿勢は、とても素晴らしいもの。しかし、本当に「日本人が少ない学校」は英語の学習環境として優れていると言い切れるのでしょうか。
実は、英語初心者にとって、「日本人の少ない学校」を選ぶメリットよりもデメリットのほうが多いかもしれないのです。
本記事では、実際にフィリピン・セブの語学学校マネージャー達から聞いた「日本人の少ない学校を選ぶデメリット」をお伝えします。「本気で英語力を伸ばすための留学がしたい」と思う方は、日本人比率で学校を確定する前にぜひご覧ください。
「日本人が少ない=英語を話す機会が増えて英語力が伸びる」とは本当なのでしょうか?
以下に、そうとは言い切れない理由を4つご紹介します。
日本人が少ない学校は、必ずしも「日常的に英語を使える環境」ではありません。たとえば、韓国企業の資本が入っているフィリピンの語学学校では「日本人20%、韓国人80%」という比率の環境も存在します。これでも、数字だけ見れば「日本人の少ない学校」ですよね。
しかし、この環境で本当に英語漬けになるでしょうか。この場合、結局同じ国籍同士で固まってしまうケースが多いそうです。英語と積極性に自信のない人であれば、たとえ少数でも日本人がいれば日本人とつるんでしまうもの。他国の生徒とはグループ授業やちょっとした日常会話を交わすだけになり、あとは母国語を話す環境になりやすいのです。
日本人が少ない学校のカリキュラムは「日本人向け」ではない可能性も高いです。つまり、「日本人の特性と個々人の苦手分野に合った授業が提供されづらい」ということです。
日本人が多い・日本人をメインターゲットとする学校では、当然彼らの特性とニーズに合ったカリキュラムを準備しようとします。また、日本人の長所でもある「きめ細かい配慮」もポイント。各生徒のレベルや苦手分野を丁寧にカウンセリングして、個々に合った授業を実施しようとしてくれます。
もちろん、日本人スタッフをきちんと置いて、日本人の要望に丁寧に対応している海外資本の学校もたくさんあります。しかし、やはり日本人に合うサービスを一番知っているのは日本人。日本資本・日本人向けの学校のほうが日本人にフィットしやすく、学習環境としては非常に快適でしょう。
フィリピン留学では、日本人の多さに関係なく "初心者向け" を謳う学校が多く存在しています。しかし、同じ "初心者" でも日本人と韓国人では大きくレベルが異なります。韓国人は、初心者と言っても「話す・聴く・読む・書く」の基本スキルを最低限身につけていると思って相違ありません。一方、フィリピン留学に来る日本人の初心者には「中学生レベルの文法から危うい」「リスニング・スピーキングにはまったく自信がない」という人がとても多いのです。
そのことを知らずに韓国人のレベルをベースにした学校に行って、授業についていけず挫折する留学初心者もいるそうです。日本人主体の学校であれば発生しにくいトラブルでしょう。
フィリピン留学を検討する人の中には、英語だけではなく「勉強」自体が久しぶりという方も多いでしょう。海外で慣れない「英語」の「勉強」を毎日長時間していると、心身ともに大きなストレスを感じることは容易に予想できます。さらに、勉強時間外もずっと英語を話さなければいけないとなると……。気を抜ける暇がほとんどありません。ストレスフルな状態では学習意欲や集中力が低下し、結果として英語力の成長を阻害してしまいます。
留学中に心が疲れてしまった時、周りに日本人の相談者がいると大きな安心感がありますよね。日本語でささいな雑談や互いの悩み相談ができるだけで、大きなストレス解消となります。そして、心を軽くして頭を切り替えることで学習能率も上がります。
もちろん、日本人の少ない学校を全否定するわけではありません。実際に、日本人の少ない学校を選んで「英語漬けの環境でスキルを伸ばせた」「いろんな国の友達ができた」と満足のいく留学生活を送った人もいます。
繰り返しになりますが、問題は「日本人が少ない学校に行けば英語力が伸びやすい」という安直な発想が危険なのです。前述のとおり、留学・英語学習初心者にはむしろ「日本人向け・日本人が多い学校」を選ぶほうが英語力向上に繋がるかもしれません。
本当に英語力を伸ばしたいのであれば、大切なことは日本人比率ではありません。それよりもよっぽど重要になるのが「授業外の時間をどう使うか」です。
どのような環境で学習していても、意識と行動の違いで英語力の伸びには大きな差が出ます。日本人の人数に関わらず、自主的に以下のような行動を起こすことが大切です。
予習復習をするとしないでは、学習内容の定着率が大きく変わります。日本人同士でダラダラと話してしまうことを危惧するなら、その時間をできる限り自習に充てましょう。
どうしても日本人同士で母国語での会話をしてしまう人は、自分で目標を決めて他国の人と話すチャンスを作り出しましょう。
「今日の休み時間は外国人の生徒とだけ話してみよう」
「放課後に講師と雑談しにいこう」
「街に出て現地の人に話しかけてみよう」
そんな小さな目標でかまいません。意識的に英語を話す機会を作ることが大切です。自分の行動次第で、日本人の数に関わらず「英語で話す環境」はいくらでも作り出せます。
「English Only Policy(EOP)」をご存知でしょうか。こちらは「母国語禁止、英語のみ話してOK」という制度です。フィリピンでも「生徒全員」や「希望者のみ」を対象にEOPを実践している語学学校が多くあります。
日本人が多い学校でも、EOP制度があれば母国語を話すことはできません。もし日本語を話しているところを見つかれば、外出禁止や強制自習などのペナルティが課されることも。対象時間外や部屋ではEOP解除となるケースが多いので、ちゃんと日本語でストレス発散するチャンスもあります。
EOP制度のある学校を選ぶ、あるいは希望を出してEOPを課すなどして、ストイックに自分を英語環境に追い込んでみてもいいかもしれません。
この記事は、「日本人が少ない=英語を話す機会が増えて英語力が伸びる」という考え方に疑問を呈するべく作成しました。
今回お伝えしたかったポイントは、以下の通りです。
この内容を踏まえたうえで、いま一度自分がどんな特徴の学校に行きたいか考えてみてください。