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「カナダの治安は良い。だけど…」トロント在住の筆者が伝えたい留学中の心構え

「カナダの治安は良い。だけど…」トロント在住の筆者が伝えたい留学中の心構え

こんにちは。
トロント在住のDoga(@DogadogaTv)です。

カナダの枕詞のようについてくる「治安が良い」という言葉。留学を検討している人も、「カナダは治安が良いからオススメ」という言葉をよく聞いたことがあるはずです。ただ、この「治安が良い」とは何と比べた判断基準なのでしょうか? また、安全大国日本と比べても治安が良いと言えるのでしょうか?

先に結論から言っておくと、確かに私もカナダ(トロント)に2年ほど暮らしていて、治安が悪いと感じたことはありません。ただ、手放して「良い」とも言えないのが正直なところ。それは、海外という異国の地では、必要になる「心構え」があってこそ初めて安全だと思えるからです。そこで今回は、カナダの治安と心構えについて、紹介します。

 

カナダの犯罪発生状況は?

カナダの犯罪発生状況
カナダは国土は大きいとは言え、人口は3600万人ほどで、日本より人口の少ない国です。そんなカナダの犯罪発生状況は、日本に比べてどれくらいなのかご存知でしょうか?

日本の外務省が公開している2017年のデータによると、カナダの犯罪発生率(人口10万人当たりの犯罪認知件)は、日本の5倍と言われています。各都市の具体的な犯罪内容は、外務省のページに記載されていますが、特に共通して多いのは、観光スポットや空港などの人が多く集まる場所での「窃盗」です。スマホや財布、バッグなどを盗まれたという日本人は、私の知る範囲でも結構多いように感じます。

また、トロントやバンクーバーといった都市部では、一部の地域でギャング争いもあるため、時には殺人事件のニュースが流れてくることもあります。ただ、それらの地域は近づかないよう注意喚起がされているエリアであることも多いため、普段生活していてそのようなことに遭遇することはほぼないと言えます。さらに、カナダでは基本的に銃規制がされているので、普段銃を見かけることもないでしょう。

 

なぜカナダは「治安が良い」と言われるのか?

では、なぜ「カナダは治安が良い」と言われるのでしょうか?

いくつか理由は考えられますが、お隣アメリカと比較されることも多いのではないでしょうか。例えば、アメリカは銃の取り締まりがカナダに比べて寛容です。また、同じく外務省のデータを引用すると、アメリカの治安に関して以下のように記載されています。

アメリカにおける2013年の主要犯罪(殺人,強姦,強盗,傷害,住居侵入,侵入盗及び非侵入盗。以下同じ。)の認知総件数は,FBI(米連邦捜査局)の統計によると約979万件(放火を除く)であり,[中略] 比較として,2013年の日本の刑法犯認知総件数は,警察庁の警察白書によれば約132万件であり,そのうち凶悪・暴力犯罪は約7.3万件であり,アメリカの総人口が約3億1,509万人であるのに対し,日本の総人口は約1億2,730万人(2013年現在)と半分以下であることを考慮しても,アメリカにおける犯罪は日本と比べて格段に多いことがわかります。

引用元 : 外務省 海外安全ページ

また参考として、カナダのトロント、バンクーバー、カルガリーは毎年「世界で最も住みやすい国ランキング」トップ10にランクインすることも多いです。そこに、人あたりも良く、丁寧な人が多いというカナダ人のイメージも合わさって、「カナダは治安が良い」という概念が一般化されるようになったのではないかと考えます。

 

実際に住んでみてどう思うか

では、実際にカナダで一番大きな都市トロントに2年間住んでみて、カナダの治安をどう思うか考えてみました。

今のところ、私自身はやはり「カナダは治安がすごく良い」と感じています。例えば、トロントには「Jane & Finch」というエリアがあり、ここでは麻薬の密売やギャングが多いため近づかないほうが良いと言われています。ただ、そこに近づかなければ安全です。今まで事件に巻き込まれた経験もありません。

多くの都市で特に治安が悪くて近づかないほうが良いエリアというのは存在しますが、それらのエリアを避ければ基本的に安全なことの方が多いです。モントリオールへ旅行へ行った際にも、街を歩いていて危なそうな人たちに出会うこともありませんでした。むしろ、話しかければ丁寧に対応してくれる人たちがほとんどです。

 

危なそうな場所には独特の雰囲気も?

危なそうな場所には共通する特徴があります。一例として、治安があまり良くないエリアというのは、薄暗く、人通りも少なめ、かつマリファナの香りが至る所で漂っているような場所であることが多いです。マリファナの香りは気づけないかもしれんが、タバコとは違う「妙に甘めの香り」がしたら、それはマリファナかもしれません。

カナダ政府は、2018年に娯楽用マリファナを合法化することで進めていますが、今のところは娯楽用としてのマリファナは禁止されています(2017年12月時点)。つまり、路上でマリファナを吸っている人たちは、認められていない裏のルートで手に入れている可能性があるかもしれませんね。

そういう通りでは、よく売人や明らかに言動のおかしい人たちが通行人に声をかけていることが多いです。必ずしも事件に巻き込まれるわけではないですが、できればこういう通りは避けたほうが安全とも言えるでしょう。

 

安全に暮らすための心構え

安全に暮らすための心構え
この「安全」という言葉もかなり主観的であるため、必ず何も起こらないと約束できるわけではありません。しかし、基本的な心構えを持っていれば、残念な事件に巻き込まれる心配も軽減できるのではないでしょうか。以下、私が意識している心構えを紹介しておきます。

 

夜遅くに人通りの少ない場所では出歩かない

夜遅い時間に、人通りの少ない場所を出歩くのはやめておきましょう。特に危険エリアと認定されていない場所だとしてもオススメしません。なぜなら、万が一襲われた際に、助けを求めることすらできないからです。

たとえ治安の良い日本でも、夜道を出歩くことは推奨されていませんよね。海外でもそれは同じ。出歩かなくてはいけない際には、誰かと一緒に歩くだけでも安全性は格段に上がります。女性は特に!

 

荷物から目を離さない

生活に慣れたときこそ疎かになりがちなのですが、自分の荷物から目を離さないようにしましょう。例えば、カフェでトイレに行くため席を外す際に、ノートPCやスマホをテーブルの上に置いたままにするのは良くありません。財布を常にテーブルの上に置く癖のある人も気をつけたほうが良いでしょう。

窃盗を考えている人は、そういう人たちの言動を細かく観察していたりするものです。財布をテーブルに置いている人を見つけたら、タイミングを見はからって盗もうと企んでいるかもしれませんよ?

 

知らない人についていかない

これも基本中の基本だと思いますが、知らない人に声をかけられ優しくされても、ついていかないようにしてください。「カナダ人は優しい」というイメージ通り、確かに大変優しくフレンドリーな人が多いのですが、だからと言って誘われてついて行くのは危険です。

初めての海外だとつい心細くなることもあると思います。そういう時に優しくされるとつい心を許してしまいそうになりますよね。優しく接してくれることに感謝するのは大切ですが、だからと言って誘いに乗るというのはまた別の話。特に女性は、男性に比べて声をかけられやすい傾向にあると思いますので、しっかりと断る勇気を持ちましょう。

 

お酒の飲み過ぎに注意

これも、海外に限った話ではありませんね。私は外でお酒を飲む際にはこの点を特に注意しています。お酒を飲むと注意力が散漫になりますし、気持ちが大きくなるものです。また、もし泥酔などして道端でグッタリとしてしまった場合どうなるでしょう? 日本ほど安全だとは思えないので、歩けなくなるほどお酒を飲むのはやめましょう。

一人ひとりがこれらの基本的な心構えを持っていれば、たとえ日本より5倍事件の発生件数があるカナダでも安心・安全に生活することができるのではないでしょうか!

 

まとめ

「治安が良い」と言われるカナダですが、それでも日本と比べると同レベルではありません。

ただし、一人ひとりが日本の時以上に危機管理を持って生活していれば、危険な経験をしなくてもすむはず。現に私も、今のところそういった事態を防げています。

「夜遅くに一人で出歩かない」、「荷物には注意する」、「知らない人にはついていかない」、「お酒を飲み過ぎない」というのは、ぜひ覚えておいてほしい基本的な心構えです。一部近づかないほうが良いエリアもあるはずですので、渡航前に滞在先の情報を確認してみると良いかもしれませんね。