Kzy Shibata
(更新)
留学はしたいけど、どの国に行けばいいのか悩んでいるという人は多いのではないでしょうか。
独立行政法人日本学生支援機構が発表しているデータによると、日本人留学生が多い英語圏の国は1位のアメリカ(13,085人)を順に、カナダ(5,830人)、オーストラリア(6,208人)となっています(平成28年度)。
実際には仕事や移住をしている人もいるので、日本人の数自体はもう少し多くなりますが、意外なことに英語圏の国であるイギリスは日本人留学生の数が他の英語圏の国に比べると多くありません。
しかし、日本人の少なさは留学先を決める際の1つの指標にはなりますが、それだけを理由にすることもオススメできません。そこで、今回はイギリス留学の特徴をふまえつつ、どのような人がイギリスに向いているのか紹介していきます。留学先選びに悩んでいる人は参考にしてみてください。
まずは、イギリスがどのような国なのか、基本情報をおさえておきましょう。
イギリスに正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland))です。
連合王国であるイギリスは「イングランド」「ウェールズ」「スコットランド」という3つの国からなるグレートブリテンと、それに「北アイルランド」を加えた4つの国によって構成されています。
また、連合王国を構成する4つの国それぞれに首都がありますが、イギリスとしての首都は「ロンドン」です。イギリスは日本と同じ島国で、面積は日本の3分の2ほどの大きさ(24.3平方キロメートル)の中に約6,565万人が暮らしています。
言語は英語が用いられていますが、地域によってはウェールズ語やゲール語など他の言語を用いている場合もあります。
2018年7月現在、EUに加盟していますが、2019年3月29日にはEUを離脱予定。一方で、EUに加盟してはいるものの、使用する通貨はEUで共通のユーロではなく、古くからイギリスで使用されているポンドです。
以上がイギリスの主な基本情報です。
ここからは、イギリスの特徴をふまえつつ、イギリス留学をオススメ出来る人を紹介していきます。
ここで紹介するのは以下のようなタイプです。
それでは、1つずつ確認していきましょう。
イギリスの特徴の1つが、英語の発祥の地であるということ。世界中で英語を公用語としている国はたくさんありますが、それらはもとをたどるとイギリスの英語なのです。
アメリカの英語と比べるとスペルや単語の意味、文法などで違いがあると言われることが多いですが、国際連盟ではイギリス英語が使用されるなど、国際社会においてはイギリス英語を使用する国が多くなっています。
したがって、正統な英語を学びたいという人にとって、イギリス留学は向いているといえます。ただし、語学学校の先生が全てイギリス人かというとそうではなく、他の英語圏の国や非英語圏の国出身の先生がいる場合もあります。筆者もロンドンの語学学校に通いましたが、オーストラリア人の先生やロシアにルーツを持つ先生などもいました(授業は楽しかったですよ!)。
また、イギリスには約1,000以上の語学学校があるので、自分で自分にあった学校を探すことも可能です。イギリス人の先生から英語を学びたいという人は事前にどのような先生がいるのか調べておいたほうがいいでしょう。また、マンツーマンレッスンがいいのか、クラス単位でのレッスンがいいのかなどレッスン形式も考えておくことも忘れないでください。
この記事を読んでいる人の多くは授業料も気になるのではないかと思います。
当然学校やコースによって料金は変わってきますが、格安の語学学校、一般的な語学学校、高価な語学学校に分かれているとイメージしてください。
例えば、同じ1ヶ月(週15時間の授業)でも、格安な学校だと5万円を切ることもありますが、高いところでは20万円を超えることもあります。一般的な語学学校はちょうどこの間くらいです。もちろん、授業時間数や学校に通う期間が増えれば、そのぶん金額は高くなります。
ただ、先述の通り、イギリスは語学学校の数が多いので、自分にあった価格帯の学校を見つけることはそれほど難しくはないと思います。
筆者は「イングリッシュスタジオ」というロンドンにある語学学校に通っていました。この学校は格安な語学学校に部類されます。そのため、友人の中にはもっと勉強したいということで、授業を増やしている人もいました。授業を増やしたとしても莫大な費用がかかるわけではないのが格安な学校の特徴だといえます。
ちなみに、イギリスにはブリティッシュカウンシルという機関があります。これは公的な国際文化交流機関であり、語学学校が一定の水準を満たしているか評価を下しています。もし語学学校選びに悩んだらブリティッシュカウンシル認定校であるかどうかもチェックしてみてください。
イギリスは島国ですが、近隣のヨーロッパ諸国へ比較的気軽に行くことができます。
例えばイギリスからドーバー海峡を挟んで隣国にフランスがあります。ロンドンのセントパンクラス駅からユーロスターという電車が走っていて、これを利用すれば2時間30分ほどでフランスのパリへ行くことができます。
時間としては東京〜大阪間を新幹線で移動するくらいの感覚です。チケットに関しても、安いものだと往復1万5,000円ほどで購入することができ、日本からパリへ行くのに10万円以上かかることを考えると非常にお得です。
もちろん、隣国以外のヨーロッパ諸国へもLCCやバスを使って行くことができますし、時期や旅行のスケジュールを工夫すれば片道1万円を切ることも不可能ではありません。
英語を学びながらいろんな国に行ってみたい人にとってはイギリス留学は向いていると言えるでしょう。
筆者は、スケジュールの都合で他の国に行くことはできませんでしたが、私の友人はマンチェスターやリバプール、ウェールズなどの国内旅行のほか、ドイツやスペインに行っていましたよ。移動手段のチケットも自分で手配していましたが、語学学校での勉強の成果もあってか、特に苦労しなかったと聞いています。自身の学びの成果を確認するという意味でも、旅行はうってつけの機会になるのではないでしょうか。
留学を検討するとなると、どうしても国や学校など、どの国で何をするか、ということに注目してしまいがちです。
しかし、どの国に行ったとしても日常生活を送ることになります。この時、日本の生活環境と大きく異なる環境下での生活に馴染めるかどうかということを考える必要があります。
例えば、食生活が日本にいる時と180度変わってしまうことに抵抗を感じる人もいるかもしれませんし、留学前は大丈夫だと思っていても実際に現地で暮らし始めて苦労する人もでてくるでしょう。
生活環境に馴染めないと日常生活を送るだけでも大変で、語学や勉強など本来やりたいことに全力を注げなくなる可能性があります。
また、イギリスというと料理がまずいというイメージがあり、食事面で不安を抱える人もいるかもしれません。しかし、現地にはたくさんの日本食レストランがありますし、少し値は張りますが日本食を購入することもできます。
さらに、現地のスーパーでは肉、魚、野菜、パン、お菓子などが購入できるので、自炊をすれば日本と同じような食事をすることが可能です。そのほかにもマクドナルドやスターバックスなど日本でおなじみのお店も数多くあるので限りなく日本と近い食事をとることができるでしょう。。
意外な点かもしれませんが、食生活の面を考慮することも大切です。
ちなみに、イギリス、特にロンドンは世界的な大都市であり、世界的な大企業が集まるほか、森記念財団都市戦略研究所が発表した世界の都市総合力ランキング2017ではニューヨークや東京を差し置いて1位に輝いているので、生活環境も日本に近いといえます。
留学の魅力の1つは日本とは違ったさまざまな文化に触れることができる点です。
イギリスに関していうと、サッカーが国民の文化として馴染んでいますし、日本ではほとんど見かけないクリケットというスポーツを楽しむ人も非常に多いです。現地のスポーツニュースや新聞のスポーツ欄では主にサッカーとクリケットの話題が大半を占めていたように記憶しています。
また、スポーツ以外でも例えば、美術館や博物館などがたくさんあるのも特徴です。なかには、大英博物館のように無料で入場できるところもあるので、美術館・博物館巡りをするのもいいかもしれません。
さらに、日本でいう居酒屋であるパブが大人の社交場としての役割を果たしているほか、ティータイムの文化が根付いていて毎日10時と15時に紅茶の時間を設けている会社や学校もあるほどです。
こういった文化に興味がある人はイギリス留学を検討してみてもいいかもしれません。
イギリスの場合、下記のような分野に特化した留学をすることも可能です。
実際に筆者本人もサッカーの指導者として、現地の指導者ライセンスを取得するために留学していましたが、指導者や選手として留学してくる日本人も結構いましたし、美容師の勉強をしている人と語学学校で同じクラスになったこともありました。
イギリスはワーキングホリデービザがあるので、うまくいけば語学学校に通いながら現地のサロンなどで働くことも不可能ではありません。
また、芸術系の学問を学ぶためにアートスクールに通うこともできます。アートスクールには日本でいう専門学校にあたる「カレッジ」のほか、大学や大学院で学ぶことも可能です。
ちなみに、ロンドンにあるロンドン芸術大学では、アニメーション、3Dデザイン、グラフィックデザイン、ファッション、写真、建築など幅広い分野で数週間のショートコースも用意されているので、予算に余裕がない、時間があまり取れないという人でも就学することができます。
今回はイギリスの特徴をふまえながらイギリス留学に向いている人について紹介してきました。筆者自身はサッカーを学ぶためにイギリスに渡ったので、留学先での学びに関しても、生活に関しても大満足でした。
一方で、目的によっては必ずしもイギリスが留学先としてベストな選択肢になるとは限りません。
ぜひ今回の内容を参考に 、自身に適した留学先を考えてみてください。