カナダの大学へ留学する際に覚えておきたい特徴やお金のこと

「世界でもっとも暮らしやすい国」のトップ3に選出されることもあるカナダは、国際的な都市からも雄大な自然が近く、治安の良さや学費の安さなどから、ワーホリ先や留学先として非常に人気です。カナダの大学に留学することを検討している人も多いのではないでしょうか。

カナダの大学の特徴と入学資格

カナダには約90の大学があり、そのほとんどが州立大学です。大学間のレベルは均一的で大差がなく、日本と比べ人口あたりの大学数が少ないぶん、質の高い大学のみが運営されています。カナダは先進国でも高い教育水準を誇っており、入学への審査基準が厳しい点も特徴です。

カナダの大学への入学の主な条件としては、高校卒業以上で、大学の授業を理解できる程度の英語力(TOEFL iBT80~100、IELTS 6.5~7.0)が必要。事前に語学学校などで、入学できるレベルの英語力をつけてから入学審査に挑むようにしましょう。また英語力が基準に満たない場合でも、条件付き入学という制度を利用することも可能。仮入学許可を取得し、入学前に英語研修を受講して規定レベルまでスコアを上げると入学が認められます。

コミュニティ・カレッジからの編入制度

カナダの大学進学には、2年制大学から編入ができるという特徴があります。上記の通り、カナダの大学への留学は、とくに英語力の面で難易度が高いです。しかし、大学ほど入学基準が高くない州立の「コミュニティ・カレッジ」(短期大学)の編入制度を利用する方法があります。とくに英語を母国語としない日本からの留学の場合、カレッジで大学編入プログラムを履修してから、2年次または3年次より4年制大学に編入することが一般的です。

カレッジはカナダ国内に約170あり、「職業訓練コース」と「編入コース」(おもにブリテッシュ・コロンビア州とアルバータ州)が運営されています。また、ブリテッシュ・コロンビア州とノバスコシア州にはカナダ独特のスタイルである「ユニバーシティ・カレッジ」があり、慣れ親しんだカレッジで4年制大学の授業が受けられる点から、留学生から注目されています。

また、大学に入ってから最終的な専攻を決められるので、カレッジで学んでいる間に、進学する専攻や卒業後の進路、将来の職業について考えることができます。さらに費用の面でもカレッジからの編入はメリットがあります。通常4年間の大学進学のうち、2年をカレッジ、2年を4年制大学で学ぶことで、前半の学費を3分の2ほどに抑えられるのです。

州ごとに異なる教育システムと学習環境

カナダでは、日本でいう文部科学省のような国家機関が教育制度を定めているわけではありません。管轄は、それぞれの州(連邦政府)です。そのため、入学資格や卒業に必要な単位数は州、大学や学部によって異なります。

たとえば州によっては2年制大学からの編入を認めていない場合や、4年制大学の学位を3年で終了できるコースがある場合があります。州をまたいでの他大学への編入を視野に入れている人は、注意が必要です。

また、州ごとに大学の強い分野があることも特徴です。ブリティッシュ・コロンビア州は、マルチメディア、環境や次世代エネルギー、バイオの分野。アルバータ州は工学や、天然資源のマネージメント。ケベック州やオンタリオ州はIT、通信、ビジネス、マルチメディア、アート、航空宇宙の分野が得意。サスカチュワン州は農業、ニューファンドランド島は海洋産業というように、カナダ全土で得意分野や特徴が異なります。

大学選びの際は事前に下調べをしておきましょう。また、各州の地元産業と結びついた共同研究などが、大学ごとに盛んに行われていることもあります。

さらに、カナダはアメリカとイギリスの中間のような聞き取りやすい英語を話すため、訛りやクセがなく綺麗な英語を習得できることも大きなメリットです。

カナダの大学で人気のある専攻や学部

豊富な観光資源のあるカナダでは、観光に力を入れた学部が人気。ただ観光学を学ぶだけではなく、ホテルやレストランでの対応など、最新のホスピタリティを学べます。リゾート地での実習もあるので、卒業後の就職に役立つ知識や経験を積むことも可能。

ほかにも文化や言語などを学ぶ言語学部、文化学部、産業も発達しているので工学部も高い評価を得ています。また、カナダはMBAの取得に費用がかからないため、MBA取得を目指す留学生からも高い人気を誇っています。

大学留学の学費がアメリカの半分以下

カナダは大学の学費が安く、4制大学は1年間で14,000ドル~20,000ドルとアメリカの大学の半額以下。生活費等を含めた年間費用の目安は約$25,000(約240万円)です。

州によって大学間の学費の幅は異なり、ブリティシュ・コロンビア州がもっとも広く、そのほかは人口が少ない州ほど安くなる傾向があったり、大都市と地方都市によって違いがあります。就職に強い大学や専門的な学部などは、学費が高くなりますので、事前に調べておきましょう。ちなみにコミュニティ・カレッジの学費は1年間で120万~150万円、語学学校は100万~120万円あたりが目安です。

カナダの大学の奨学金制度

海外留学には多額の費用がかかりますが、カナダの大学留学で利用できる奨学金制度もあります。有名なのは「日本学生支援機構(JASSO)」で、目的や期間に応じた制度によって、支援が受けられます。カナダ独自の奨学金制度もあり、「高円宮記念クィーンズ大学留学奨学金」では、クィーンズ大学への留学者に対して、年間25,000ドルを支給。「IELS北米奨学金制度」は留学予定者のうち英語力などの条件に達した3名に対して、6,000USドルを支給しています。

大学ごとに奨学金制度を設けていることも多いので、進学希望の大学が決まっている人は、一度調べてみるといいでしょう。

カナダの大学のその後

日本の大学と違い、通学途中で他学部や他大学への転科や転入が容易にでき、また必修科目さえこなせば自分の学びたいカリキュラムを選択できます。そのため、卒業後の就職に有利な学習体験ができますが、その分課題も多く、卒業へのハードルも高くなります。

しかし、カナダへの大学進学のメリットは、卒業後にカナダで働ける点です。カナダの大学を卒業した留学生は、最長3年の就労ビザとカナダの永住権を取得できます。また、カナダの大学は欧米での認知が高いため、欧米での就職にとても有利。カナダに優秀な留学生が集まることには、こうした理由もあるといえるでしょう。

まとめ

カナダ留学の魅力……国際色が強い 自然豊か 綺麗な英語が身につく
大学の特徴……教育水準が高い 大学間のレベル格差がほぼない
入学資格……高校卒業資格 大学レベルの英語力(TOEFL iBT80~100、IELTS 6.5~7.0)
入学までの流れ……語学学校→2年制のコミュニティ・カレッジ→大学編入が一般的
年間費用の目安(学費+生活費)……約240万円 大学独自の奨学金制度もあり
カナダの大学卒業後のメリット……欧米での就職に有利。最大3年間の就労ビザおよび永住権が取得できる