カナダ留学前に必要な予防接種と受診方法を解説

海外には日本にない病気があるため「カナダの留学では予防接種は必要?」「どの予防接種を受ければ良いかわからない」「予防接種を受診できる場所を知りたい」などの疑問をお持ちの方も多いと思います。

カナダには「絶対に受けないといけない予防接種」はありません。しかし「受けておいた方が良い予防接種」「注意しなければいけない病気」はあります。

今回は、カナダ留学前にチェックしておきたい予防接種と受診方法を解説します。

カナダで必要な予防接種

カナダでは、入国時に義務付けられている予防接種はないので、予防接種を受けずに入国できます。しかし、留学先の学校が「特定の予防接種の受診が必須」としている場合は事前に受診が必要です。学校が予防接種を必須としている場合、入学書類に記載があるので確認しましょう。

入学書類に予防接種に関する記載がなかったとしても、予防接種なしで留学すると感染症にかかるリスクが高くなるので受診をオススメします。現地の流行り病は地域や時期によって異なるため、渡航前に厚生労働省のホームページや留学先の州ホームページをチェックしましょう。

また、南米は黄熱病の予防接種証明書がなければ入国できない国が多いですが、カナダは黄熱病の予防接種は必要ありません。カナダ渡航前の予防接種は、あくまでも任意の受診です。

ここでは、カナダ渡航前にチェックしておきたい感染症と予防接種を紹介します。

B型肝炎

B型肝炎は、腹痛や吐き気、関節の痛みを感じる病気です。ウイルス汚染された医療器具の使用や、性行為で感染します。

厚生労働省のホームページでは、カナダ北部の各州、ブリティッシュ・コロンビア州の北部、アルバータ州の北部が感染リスク中~高です。カナダ北部へ留学する方は、予防接種を受けた方が良いでしょう。予防接種は6ヶ月以内に3回接種すれば、効果は15年以上持続すると言われています。

B型肝炎の予防として、カナダの病院に行く時は信頼できる医療機関を選び、医療器具からの感染を避けましょう。

A型肝炎

A型肝炎は、発熱や吐き気が起こる病気です。汚染された水、野菜、生肉、魚介類を食べることで感染します。

予防接種を受ける場合、2週間~4週間の間隔で2回接種し、半年後に3回目の接種をします。A型肝炎の予防接種を受けると、約5年間有効です。

飲用水の衛生管理ができていない国で感染しやすい病気ですが、カナダでも感染する恐れはあります。食品はできるだけ加熱調理し、感染しないよう注意しましょう。

破傷風

口や手足にしびれが生じる破傷風は、治療が遅れると死亡することもある危険な病気です。土に含まれる破傷風菌が傷口から入ることで発症し、カナダに限らず世界各国で感染する恐れがあります。

破傷風の予防には、予防接種が最も有効です。2ヶ月以内に3回接種することで、約10年間持続します。

狂犬病

狂犬病は哺乳動物から噛まれると発症する病気で、発症者の99%の方は犬から噛まれています。症状が現れてしまうと治療法はなく、発症後ほぼ100%死亡します。

カナダは狂犬病のリスクが低い地域として指定されており、発症する可能性は高くありません。ただし、犬と触れ合う機会が多い方は予防接種を受けておいた方が良いでしょう。予防接種は、1ヶ月以内に3回受診すると約3年間持続します。

また、留学中は野生動物と接触しないように注意しましょう。万が一、犬に噛まれてしまった場合、すぐに水と石鹸で洗い流すことでウイルスの侵入を防げます。

ルーティーンワクチン

ルーティーンワクチンは、日本で子供の頃に予防接種を受けるワクチンです。カナダでも小児予防接種として、下記のルーティーンワクチンが推奨されています。

  • MMR(麻疹・風疹・おたふく風邪)
  • DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)
  • ポリオ

※記事内で紹介した破傷風のワクチンも、DPT(混合ワクチン)に含まれています。

過去に一度受けた予防接種でも、時間が経つと免疫が弱くなります。医師と相談して、心配な方は再度予防接種を受けましょう。

予防接種の受診費用


予防接種の受診費用は、医療機関によって異なります。本記事で紹介した予防接種は、1回あたり数千円~1万円程度で受けられます。

予防接種1回あたりの費用

予防接種費用
B型肝炎約6,000円
A型肝炎約8,000円
破傷風約4,000円
狂犬病約15,000円
MMR(麻疹・風疹・おたふく風邪)約7,000円
DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)約5,000円
ポリオ約7,000円

ワクチンによっては、期間をおいて2回~3回接種が必要です。その場合、料金×接種回数が合計費用となります。

予防接種の受診方法

予防接種は、下記医療機関で受診できます。一般の病院よりも海外渡航に詳しい検疫所、トラベルクリニックで予防接種を受ける方が良いです。

  • 検疫所
  • トラベルクリニック(旅行外来)
  • 予防接種を実施している病院

お近くの医療機関を探し、受けたい予防接種を受診できるかホームページや電話で確認して、予約します。予約の際には、留学先で他に必要な予防接種、流行り病がないか確認しておくと良いでしょう。

受ける予防接種によっては、複数回受診しなければいけない場合があり、ワクチンによっては時間が経ってから抗体がつくため、早めに医療機関に行きましょう。

留学先の学校に証明書を提出する場合

大学やカレッジの入学に予防接種が必要な場合、英語で書かれた予防接種証明書が必要です。語学学校では、予防接種証明書は必要としない場合がほとんどです。

予防接種証明書は、予防接種を受けた医療機関で発行でき、発行費用は5,000円~10,000円ほどかかります。予防接種証明書の発行には、医療機関へ事前の申し出が必要です。予防接種の予約をする際、英語の予防接種証明書が必要なことを伝えましょう。

予防接種がない病気に注意

予防接種を受けたからといって、すべての病気が予防できるわけではありません。カナダでは、下記の病気にかかる可能性があります。予防接種で予防ができないため注意が必要です。

  • ノロウイルス
  • ウエストナイル熱
  • ハンタウイルス感染症
  • ライム病

ノロウイルスは、汚染された水や貝類で感染するので、衛生状態が悪い食べ物は口にしないようにしましょう。その他の病気は、虫刺されや動物(ネズミ)との接触で感染して、発熱などが起こります。虫除け対策をして、動物の死骸などを見つけても近付かないようにしましょう。

留学前に予防接種をした方が良い理由

カナダの医療費は高額

カナダの医療費は、日本の2倍~3倍です。たとえばA型肝炎にかかると、2週間以上の治療が必要で、入院すると100万円以上の医療費が発生することもあります。

また、病気にかかって休学すると、留学費用もムダになります。予防接種の費用は数万円程度なので、あらかじめ受診しておきましょう。

周りへの感染を防ぐ

留学中に病気にかかり、周りの学生や学校関係者、ホームステイ先の方などに感染すると迷惑がかかります。

また、留学から帰国する時に病気を持ち帰ってしまうと、家族や友人に感染する恐れがあるため注意が必要です。病気は感染してから症状がでるまでの潜伏期間があり、感染に気付かずに周りに移してしまうこともあります。さらに、日本に住む人は海外の病気に対する免疫がないので移りやすいです。

自分のためだけではなく、周りの方のためにも予防接種は受けておいたほうが良いでしょう。

まとめ

カナダ渡航前には、厚生労働省や留学する州のホームページで現地の流行り病を確認し、予防接種を受けるか検討しましょう。また、留学先の学校が指定している予防接種がないか、入学書類のチェックが必要です。

ワクチンによっては、複数回の接種が必要、一定期間過ぎないと効果がでないものがあります。受診する予防接種が決まったら、早めに医療機関に行きましょう。

予防接種を受けたとしても、留学中の油断は禁物です。衛生面に気を使い、生モノ等、感染の恐れがある食べ物は避けるなど注意しましょう。