フィリピン留学に予防接種は必要? 感染症・健康にまつわる情報まとめ

フィリピン留学をする際、予防接種は必須ではありません。語学学校のあるエリアはある程度都会で、留学中は語学学校とモールやレストラン街などの街中がメインの活動領域となるため、感染症のリスクが低く、何らかの予防接種を受けてから渡航する方はほとんどいません。

とは言え、フィリピン留学にあたって予防接種は「必須ではない」というだけ。

フィリピン留学中にかかる可能性がある感染症の種類

予防接種で予防できる感染症・病気

しかし、予防接種をする人が少ないからと言って、感染症にかからないわけではありません。厚生労働省は万が一の事態に備えて、予防接種をすることを推奨しています。以下では、フィリピン留学中にかかる可能性のある感染症の症状と予防接種以外の方法も含めた対策についてまとめました。

フィリピンは、狂犬病での死亡者数が世界ランク5位に常にランクインしてしまう国。狂犬病は犬だけでなく、狂犬病にかかった猫や猿などに噛まれたり、傷口、目や口の粘膜をなめられたりすることで神経系の細胞に感染します。厚生労働省によれば、動物との接触が避けられない、または近くに医療機関がないような地域に長期間滞在する方は、渡航前に予防接種を受けることが推奨されています。

都市部での短期滞在では噛まれる可能性が低く、予防接種を受ける方も少なくはありますが、厚生労働省はフィリピン全土を感染の可能性がある地域として指定しています。素手で触ることはもちろん、現地の動物たちに近づくことは避け、できるだけ予防接種を受けていったほうが安心です。

A型肝炎も厚生労働省がフィリピン渡航前の予防接種を推奨している病気です。飲み物や野菜、魚介類などから人の手を介してA型肝炎ウイルスを摂ってしまった場合に感染します。症状としては、食欲不振、吐き気、全身の倦怠感、発熱など、風邪によく似た症状が現れるので、最初はA型肝炎だと気づかないことも多いようです。

予防策は事前の予防接種のほか、衛生環境の悪い露店や生水の摂取を避けることが挙げられます。とは言え、デング熱やマラリアに比べると感染する確率は高いので、念のため予防接種を受けておいても良いでしょう。

衛生面が良くない場所が多く、気温の高いフィリピンではちょっとしたケガでも菌が繁殖しやすく、ごく稀ですが破傷風になってしまう方もいらっしゃるようです。

潜伏期を経て、首筋が張り、寝汗、歯ぎしりなどの症状が出た後、全身の硬直や痙攣が始まります。

日本では幼い頃に3種混合のワクチンで破傷風の予防接種を行っていますので、ほとんどの人は心配ありませんが、そのワクチンの効力は20代前半までしか持続しないそう。20代後半以上の人は予防接種をしたほうが良いかもしれません。

麻疹は感染力が強く、くしゃみや咳のしぶきが原因で感染します。

具体的な症状としては、感染後に10~12日の潜伏期を経て、倦怠感を伴う38 ℃前後の発熱が2~4日間続きます。その後、熱は一度おさまりますが、再び高熱が出て、発疹が全身に広がって、発熱(39.5℃以上)が3~4日間続きます。通常7~10日後には回復しますが、肺炎や脳炎などの合併症を伴うと死に至る危険性もあります。

ただし、こちらも事前の予防接種で感染を防ぐことができます。国内で発症した方のほとんどは、フィリピンへの渡航歴があり予防接種をしていなかった方でした。

日本脳炎はフィリピンに限らず、アジアで広く流行している病気です。毎年、3~5万人の患者が発生しており、1~1.5万人が死亡していると推定されています。
日本脳炎ウイルスは、蚊によってブタから人に伝播しますが、ウイルスを保有する蚊に刺されても多くの人は症状が出ません。感染した人のうち、100人から1,000人に1人の割合で発病すると言われ、通常6~16日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔気、嘔吐がみられます。より重度になると、意識障害、けいれん、異常行動、筋肉の硬直などが現れ、そのうち50%が死に至る病気です。

日本でも、かつては患者が多くみられましたが、予防接種を実施して以降、患者数は著しく減少しました。フィリピンでは特に雨期に発生しやすくなると言われているので、雨期にフィリピンへの留学を考えている方は、念のため予防接種をしておいても良いかもしれません。

何種類かの予防接種を受ける場合、各予防接種の摂取間隔のほかにも、予防接種間の摂取間隔を開ける必要があることもあります。

基本的に、ポリオ,麻しん,風しん,BCG,おたふくかぜ,水痘などの生ワクチンを接種してからは4週間以上、それ以外のワクチンに関しては1週間以上の間隔を開けるようにしてください。

(参考)各予防接種間の摂取間隔

予防接種で予防できない感染症・病気

食中毒

フィリピン留学中に起こりうる感染症で最も可能性が高いのは、食中毒です。しかも、食中毒に関しては予防接種がないため、自分自身で身を守る工夫が必要です。現地の水や不衛生な環境で提供される料理などが主な原因なため、「ミネラルウォーターを飲む」、「レストランで提供される水が水道水でないか確認する」、「露店や見た目が汚い飲食店を利用しない」ということに心を配ってください。

しかし、どんなに気を付けていても、一定の期間フィリピンに滞在すると、かなりの確率で食中毒になってしまうといいます。ただ、そのほとんどが入院の必要がない軽度のもので、2~3日腹痛に耐えれば回復します。市販薬の服用や、あまりひどいときは病院に行くなどして対応しましょう。

デング熱・マラリア

蚊に刺されることで感染するデング熱とマラリア。39℃近くの熱が2〜3日続き、下がった後には全身に痒みが発生するデング熱と同じく、マラリアも48時間ごとに発熱を繰り返し、悪寒、頭痛、悪心と嘔吐、全身の倦怠感、体の痛みなどが出てきます。

この2つの病気は、セブやマニラでは近年ほとんど感染が見られませんが、一部の地域を除き標高600m以下の地域では、一年中感染するリスクがあります。具体的にはパラワン島で感染が報告されています。

デング熱は科学的な予防法はありませんが、マラリアは渡航前の最大1週間前から、1日1錠服用する予防薬があります。予防接種ほど強力な効果はありませんが、心配な方は渡航前に処方してもらうと良いかもしれません。また、虫よけスプレーをかける、露出の少ない服を着る、といった、最低限の対策もしておきましょう。

予防接種以外に、常備薬を持参して対策しよう


食中毒をはじめ、予防接種など事前の対策を打てない感染症にかかったり、風邪をひく可能性もあります。ちょっとした症状が出たときにすぐに対処できるよう、常備薬を持参しておくのも、もしものときのための立派な備えです。特に持って行った方が良い常備薬リストは以下の通りです。

  • 腸内改善薬
  • 風邪薬・鎮痛剤
  • 結膜炎用の目薬
  • うがい薬
  • など

万が一のときは、現地の病院へ

現地で体調が悪くなってしまった場合は、大型医療機関に足を運びましょう。語学学校の多いフィリピンでも大都市のマニラやセブなどには医療機関が整っています。

現地の医療機関情報に関しては、厚生労働省のHPで詳しく紹介されています。もしものときに慌てないよう、最寄りの病院の情報を紙に控えて持ち歩くと良いかもしれません。

(参考)厚生労働省の医療機関情報

その他、フィリピン留学中に気を付けること

感染症の種類や予防接種が必要か否かについて、持っていく常備薬の種類、病院についてお知らせしてきましたが、そのほかフィリピンで留学生活を送る上で気を付けるべきことを以下に箇条書きにしました。

特に手間のかかることでもないので、自分の身体を守る最低限の習慣として、気を配って生活してみてくださいね。

  • お金を触った後は必ず手を洗ってから食事をしましょう。
  • 外出時は帽子や日焼け止めを塗るなど日差し対策をして、こまめに水分を取るようにしましょう。
  • 路上で売られている食べ物は極力食べないようにしましょう。
  • 交通量が多く空気が悪い場所での移動はタクシーをオススメします。

おわりに

同じフィリピンでも語学学校の多いセブやマニラであれば、食中毒を除く感染症の心配はほとんどありませんが、病気の心配を極力ゼロにしたい方は前もって予防接種を受けておくと、フィリピン留学中の勉学に集中できて良いかもしれません。

予防接種をする場合は、数週間の間隔をあけての接種や、複数回ワクチン投与を受けないといけない場合もあります。留学前に余裕を持って予防接種ができるようにしましょう。