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女性の方が多い?世界のタトゥー事情と関連の英語表現

女性の方が多い?世界のタトゥー事情と関連の英語表現

「タトゥー」=「刺青・入れ墨」とはいえ、「タトゥー」という言葉の方がカジュアルな印象です。

かつての反社会的なイメージは薄まり、最近ではクールなファッションの一つとしてタトゥーを入れる人も増えてきています。

そうは言っても、日本では今もまだタトゥーはタブー視される場面は多く、多くの入浴施設で「タトゥーのある人お断り」だったり、シールで隠すことを求められたりするといったケースが知られていますね。

では、海外ではタトゥーはどのように受け止められているのでしょうか。今回は海外のタトゥー事情について、そして関連する英語表現もあわせてご案内していきます!

世界のタトゥー事情

腕全体にタトゥーを入れた女性二人

日本でも以前に比べ、ファッションとしてタトゥーをする人が増えてきています。でも、海外に比べたらまだまだ見かけることは少ないのが現状ですよね。

前述の入浴施設での制限のように一般的な受け入れが追い付いていないこともあり、タトゥーを入れたとしてもおおっぴらに見せることへの抵抗は強い環境にあります。

1970年代頃までは欧米でもタトゥーをしているのは、もっぱら軍人や船乗り等に限られ、一般の人のタトゥーは非常に稀でした。

しかし、今では海外のスポーツ選手やアーティストがタトゥーをしているのをよく目にしますよね。そもそも海外に行くと有名人に限らず、ごく普通の人がタトゥーをしていても決して驚く光景ではありません。

背景には多様性が尊重される現代において、タトゥーもまた自己表現の一つとして考えられるようになってきたということがあります。また、タトゥーがあることが就職などであまり不利にならない点もタトゥーを諦める必要がない環境を作っています。

なお、世界のタトゥー人口を男女別にみると、男性41%、女性60%と女性の方が圧倒的に多くなっていますよ!

では、北米とEUの様子を見てみましょう。

アメリカのタトゥー事情

世界規模のマーケティングリサーチ会社Ipsosの調査によると、2019年の時点で30%のアメリカ人が1つないし複数のタトゥーをしています。2012年は21%だったのに比べると大きな増加です。

タトゥーを入れているのは女性の24%、男性の18%。タトゥーを施した人のほとんど(92%)がタトゥーを入れて良かったと回答しています。 

若い世代ほどタトゥーをしている人が多く、18~29歳では40%に上ります。その世代ではタトゥーに対してネガティブなイメージを持つ人が少なく、タトゥーを受け入れている人の方が多いことが考えられます。

タトゥーの数は1つだけという人は13%。2つ以上ある人の方が17%の人と多いのも驚くかもしれません。

カナダのタトゥー事情

実は、カナダでは先住民文化としてのタトゥーの歴史があります。

同じくIpsosの調べでは、2012年時点のカナダにおけるタトゥー人口は22%となっており、タトゥーをしているのは女性の24%、男性の20%と、カナダでも女性が優勢です。また、若い世代ほどタトゥーを入れている人の割合が大きいのも共通しています。

地域差に関してアメリカでは目立った差異はないのに対し、カナダではもっとも多いブリティッシュコロンビア州の28%から、もっとも少ないオンタリオ州の19%といった地域別の違いが見られます。

EUのタトゥー事情

Ipsosの2016年の調べによると、タトゥーを持つ人の割合はEUでは14%。アメリカやカナダに対し目に見えて少ない数です。

しかし、世界でタトゥー人口が多い国順で見ると一番がイタリア(48%)、二番目がスウェーデン(47%)となっていますよ。ちなみに三番目以降はアメリカ46%、オーストラリアおよびアルゼンチンが共に43%と続いています(2018年)。

EUの多くの国では親の同意があれば16歳、そうでなければ18歳になるまでタトゥーを入れることはできません。日本も18歳以上(自治体によっては20歳)とされています。他方、イタリアもスウェーデンはじめ年齢制限がない国も複数あります。

また、タトゥーを入れる場所に制限がある国もあります。デンマークでは、実際に罰せられたケースはないとのことではあるものの、顔/頭、首、手へのタトゥーは違法です。

ドイツでは2015年、極右政党のメンバーがナチス関連のタトゥーをしていたことが発覚し、起訴された事件がありました。ヨーロッパではナチスに関するシンボルの使用は厳しく罰せられます。

タトゥーにまつわる英語表現

手首にタトゥーを入れた笑っている女性

さて、ここからはタトゥーに関する英語表現もご紹介します。

カタカナでも使われている通り、「刺青・入れ墨」は英語で tattoo と呼ばれることはよく知られていますね。

I'm planning on getting my second tattoo next weekend.
「来週末に2つ目のタトゥーを入れる予定だ」

文化としてのタトゥーは、cultural tattoo や traditional tattoo、tribal tattoo などと表現されます。tribal は tribe(部族)の形容詞形です。

He proudly displayed his tribal tattoo, a symbol of his connection to his ancestral heritage.
「彼は、先祖代々の伝統とのつながりの象徴である部族のタトゥーを誇らしげに見せていました」

tattoo を動詞として使えば「刺青を入れる」という意味になりますよ。

I want to get my dog's face tattooed on my arm.
「愛犬の顔のタトゥーを腕に入れたい」

tattoo を使わずに表現する言葉もたくさんあります。インク(ink)と言えばこれも tattoo の意味になります。 

Sarah decided to get inked and got a beautiful butterfly tattoo on her wrist.
「サラは刺青を入れることを決意し、手首に美しい蝶のタトゥーを入れた」

広く身体装飾を指して mark(マーク)と表現されることもあります。

What do these marks represent?
「このタトゥーはどういう意味を持っているの?」

洋服の袖の部分をスリーブ(sleeve)と言いますが、袖のように腕を広く覆うタトゥーも  sleeve と呼ばれます。腕半分なら half sleeve(半袖)です。

How much did your custom Japanese sleeves cost you?
「その腕の和彫りはいくらしたの?」

タトゥーの印象は変わってきている

最近はインバウンド旅行需要増加などでタトゥーをした訪日外国人観光客への対応に迫られるなど、日本社会でもタトゥーに対する意識変化が見られます。

伝統文化としてのタトゥーなど、さまざまな文化的意味合いがあるケースも理解し、異文化理解を高める一助にしたいですね。